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【「エンドレス・ポエトリー」のポスター】

SNAKEPIPE WROTE:

ついにこの日がやってきた!
2017年11月18日はアレハンドロ・ホドロフスキー監督最新作「エンドレス・ポエトリー」が公開される日なんだよね。
待ちかねていたSNAKEPIPEとROCKHURRAHは、初日に鑑賞することにした。
「エンドレス・ポエトリー」を上映するどの劇場でも、初日の特典として「ホドロフスキーのポエトリー付き特製カード」 がプレゼントされることになっている。
本当は前売り券を購入すると「 特製ノート」だったか、何かオマケがあったんだけどね。
座席指定ができる前売り券とは限らないので、オンライン予約でチケット購入することに決めた。
前日の予報では「年末年始頃の寒さ」とのことだったので、用心深いROCKHURRAH RECORDSの2人は、かなり大袈裟な服装で出かけたのである。

ヒューマントラストシネマ有楽町に早めに到着すると、意外にも人がたくさんいるじゃないの!
寒波の影響で人が少ないだろうというSNAKEPIPEの予想が外れてしまった。
と思っていたら、別の映画のお客さんだったようで、やっぱり「エンドレス・ポエトリー」に来ていたのは30人程度?
恐らく映画館の5分の1以下の人数しかいないガラガラ状態で理想的!
年齢層はROCKHURRAH RECORDSも含め、やや高めかな。 (笑)
映画が始まる前に、またパンを食べてる人がいる。
今度はメロンパンだったけどね。

数分の予告の後で、いよいよ「エンドレス・ポエトリー」が始まった。
印象に残った場面について感想を書いていこうか。
前作「リアリティのダンス」の最後で、ホドロフスキー一家は故郷である南米チリのトコピージャを離れて、チリの首都サンティアゴに移り住む。
「エンドレス・ポエトリー」はその続きから始まっていた。
現在の町並みにモノクロームの巨大写真を重ね、機関車も黒子が写真を持って走ることで当時のサンティアゴを表現しているアナログな手法が面白い。
この黒子はあらゆる場面で登場していたので、ホドロフスキーが日本の歌舞伎から着想を得たのかもしれないね。
日本を知っているホドロフスキーだから、あながち間違いではないんじゃないかな?

ホドロフスキー一家は、サンティアゴでも商売をしているんだよね。
右の画像は、その店の前の様子。
ヒトラーの扮装をしている小人や足が長いナチスの人も呼び込みなのかな。
ホドロフスキーの映画には、必ず不具者が登場するけれど、毎回よくこれだけの人数を集めることができるなあと感心してしまう。
周りの人々が全員仮面をかぶっている様子が不気味。
当時のサンティアゴは、かなり物騒で雑然としていたようなので、その雰囲気が良く出ていたね。

「エンドレス・ポエトリー」の原作である、ホドロフスキーの自叙伝「リアリティのダンス」を読んだ時にも不思議に感じていたことだけど、チリでは詩が大人気なんだよね。
少年時代のホドロフスキーも詩に傾倒し、詩人になりたいと思っている。
ところが支配的な父親からは「詩人なんてオカマだ」と反対されちゃうんだよね。
その支配的な父親の表現が左の画像。
このシーンも面白かった。
少年時代のホドロフスキーを演じたのは「リアリティのダンス」で子供だった男の子だけど、すっかり大きくなったね。

父親の反対を押し切って詩に身を投じることになるホドロフスキーにはミューズとなる女性の存在が必要だった。
自叙伝で読んだ時にも驚いたんだけど、1950年代(40年代?)のチリに赤い髪のパンクな女性がいたんだよね。
SNAKEPIPEが世界史に疎くて、ましてや南米のアートについてほとんど知らないので、チリでは非常にアートが盛んと聞いて意外に感じてしまったし、カッコ良い女性が闊歩しているなんて思いもよらなかったよ。
女性の名前はステラ。
彼女自身も詩を書いていて、非常にエキセントリック!
SNAKEPIPEも自叙伝ですっかりファンになってしまった女性なんだよね。
「エンドレス・ポエトリー」では、きっとあの女性の話になるな、と思って期待していたんだけど…。

どうして「リアリティのダンス」の「アレハンドリ〜ト〜!」ってずっとオペラ歌ってたお母さんが1人2役なんだろう???
あのカッコ良い女性には、もう少し違う女性に演じて欲しかったなあ。
左はホドロフスキーとステラのベッドシーンなんだけど、ステラの背中にドクロが描かれているところが秀逸!
なんだかあえてステラの背中からの画像ばかりを選んだようになってしまったね。
(笑)

パンク要素ということでもう1点書いておきたいのは、ホドロフスキーが友人である詩人エンリケ・リンと共に詩の朗読をするシーンについて。
「叫ぶ詩人の会」の先人とでも言うのか、詩を叫びながら発表し、その後バイオリンケースに詰めた肉と卵を観客に投げつけるパフォーマンスまで行うんだよね。
日本のパンク・バンドであるスターリンがライブで豚の内臓投げつけるのを思い出したけど、それよりも何十年も前にパンクなことやってるとは!
チリでの詩とは、パフォーマンスも含まれた行為だったようで、現代アートの領域に含まれている感じになるのかな。
チリのアートは、かなり進んでたんだね!

 ホドロフスキーらしい映像は健在で、左のような群衆のシーンは息を飲むほどの迫力なんだよね。
「ホーリー・マウンテン」や「リアリティのダンス」にも出てきた風船で物を飛ばすところもあったね。
「エンドレス・ポエトリー」にはそこまで残酷なシーンはなかったけれど、映像の美しさや色の鮮やかさは際立っていたと思う。

映画「リアリティのダンス」の感想でも書いているけれど、自叙伝の映画化はホドロフスキー自身にとってのサイコセラピーなんだろうね。
映画はパリへと旅立つところで終わるので、「リアリティのダンス」のラストシーンと同じ終わり方をしている。
こうなるとまた続きが気になるじゃないの!
パリではシュールリアリズムの話になるからね。
パンフレットによれば、自叙伝は5部作にする予定とのこと。
自叙伝の映画化、完成させて欲しいね!

【「ブレードランナー2049」のトレイラー】

SNAKEPIPE WROTE:

先週書いた「映画「エンドレス・ポエトリー」公開記念 特別企画 鑑賞の冒頭で触れた「ブレードランナー2049」(原題:Blade Runner 2049)。
この映画はフィリップ・K・ディックの小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を原作とした、1982年に公開された「ブレードランナー」(原題:Blade Runner)から35年の年月を経て制作された続編なのである。
映画を鑑賞してから原作も読んだなあ。(笑)
残念ながら1982年当時、SNAKEPIPEは劇場で「ブレードランナー」を鑑賞したわけではない。
レンタルビデオ(ビデオね!)で借りて観て以来、今まで何度鑑賞したのか数え切れない程である。
好きな映画ベスト10の中には絶対に入ることは間違いない。(笑)
それにしても初めての鑑賞がいつだったのか思い出せないんだよね。

1982年の公開後レンタルが開始された当時、ROCKHURRAHはレンタルビデオ屋で働いていたという。
「ブレードランナー」はずっと貸出中の大人気映画で、スタッフであるROCKHURRAHですら借りることができず、別のレンタルビデオ屋で借りて観たらしい。(笑)
恐らくSNAKEPIPEもそんなお客さんの中の一人だったんだろうね。

「ブレードランナー」の魅力はなんと言っても「強力わかもと」の電光掲示板に映る芸者のアップと降り続く酸性雨、その中を様々な人種が入り乱れた雑然とした設定である。
中国語や日本語のネオンがある繁華街のイメージが近未来を表現する元祖はまさにこの「ブレードランナー」で、それ以降のSF映画やアニメに多大な影響を与えたことは間違いないと思う。
士郎正宗原作の「攻殻機動隊」は「ブレードランナー」の世界観を正当に踏襲した作品だろうね。

そして登場人物も魅力的だった。
レプリカントと呼ばれる人造人間のカッコ良さに目が釘付けになるんだよね。
初めて鑑賞した当時はパンク・ロックに目覚めた頃だったので、レプリカントにパンク魂を感じていたんだと思う。
左の画像の女性、プリスの「目に直線黒メイク」は強烈な印象を与えたよね。
さすがに真似はしなかったけど。(笑)
右のロイを演じたルドガー・ハウアーは本当にレプリカントにしか見えなかったしね。
人造人間なのに数年経つと感情が芽生えてくる、という点に残酷さを感じたよ。

「ブレードランナー」のもう一人のヒロインはショーン・ヤング演じるレイチェル。 
彼女は幼い頃の記憶まで与えられて、自分がレプリカントとは知らないまま存在している。
それぞれのレプリカントが過去にまつわる写真を提供されていて、それをお守りのように大事にしている様子が涙ぐましい。
過酷な作業のためのレプリカントだったら、過去の記憶がないほうが楽じゃないかと思うけど、どうだろう。
それとも何かバックグラウンドがあるほうが、頑張れるということなのか。
過去を表すために写真を使用する点も印象に残った。
今となっては写真に、そこまでの力がないかもしれないけどね? 

レプリカント開発を行っているタイレル社に務めるJ.F.セバスチャンが住んでいるアパートも憧れだったね。
何階建てなのか分からないけれど、ほとんど廃墟ビルなんだよね。
セバスチャン以外の住民はいないという、閑静な場所にセバスチャンは自分だけの世界を作っている。
左の画像がセバスチャン宅の内部だけど、セバスチャンは一人暮らしの寂しさを紛らわすために「友達」を制作して同居している。
「友達」とは動く玩具なんだけど、この部屋に入ってみたいと思うのはSNAKEPIPEだけではないと思うよ。(笑)

先にも書いたように、今まで何度観たのか数え切れないくらいの回数の鑑賞を重ねている「ブレードランナー」だけれど、「ブレードランナー2049」鑑賞前にもう一度観ておくことにする。
いやあ、何度観てもやっぱり大好きだね!(笑)
今回改めて鑑賞して気付いたけど、「ブレードランナー」の時代設定は2019年なんだよね。
以前は気にしていなかったし、遠い未来の話だと思っていたけど現実には2年後なんだよね!
空飛ぶ車も降り続く酸性雨もなく、もちろんレプリカントも存在しない現代。
強いていえばiPhoneのsiriに似た「音声認識アシスタント」とでもいうのか、デッカードの命令に従う装置が出てきたこと、今では当たり前になってしまったけれどテレビ電話の存在は実現されたことになるのかもしれないね。
こうして復習もして、ついに「ブレードランナー2049」鑑賞へと向かったのである。

前評判を確認していたところ、「40代以上の男性に大人気」だという「ブレードランナー2049」。
先週も書いたように「中高年がうひうひ」の映画には間違いないからね。(笑)
さて、実際のところはどうだろう?
会場に入り、指定席に座り観客チェックをする。
情報通り、頭が白い人多いなー!
しかも1人で来ている人が目に付く。
60代くらいの女性が1人で鑑賞というのも見かけたよ。
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEの隣には空きが2席あったけれど、30代くらいの女性が1人、SNAKEPIPEの隣には60代くらいの男性が1人で来ていたね。
それにしても、その60代くらいの男性、席につくなり「ピーナッツパン」をむしゃむしゃ食べ始めるではないの!
「持ち込み禁止」って書かれているのにねえ。
おかげで上映前にピーナッツの香りが充満してしまったよ。
せめて劇場に入る前に食べて来て欲しいね。

長い予告の後、いよいよ「ブレードランナー2049」の上映が始まる。
さすがに年齢層高いせいか、上映中は静かだったね。(笑)
それでは感想をまとめてみようか。
ネタバレしないように注意しないとね!

「ブレードランナー2049」の主役はKと呼ばれるライアン・ゴズリングである。
このKというのは原作者であるフィリップ・K・ディックのKから名付けたのかしら?
Kはロス警察勤務のレプリカントで、自分が人間ではないことも知っているんだよね。
Kの職務は旧式レプリカントを排除すること。
この役目も残酷な感じがしたよ。
結局は同胞だからね。
ただ、映画の中でレプリカントということになっているから、その設定で理解を進めていくことになるけれど、SNAKEPIPEにはライアン・ゴズリングが全然レプリカントに見えなかったんだよね。
1982年版の「ブレードランナー」に出てきたレプリカントは、本当に人造人間に見えちゃったんだけど。
この差は一体何故だろう?
きっとライアン・ゴズリングが「戦闘型レプリカント」のような、何かの型に合致して見えなかったせいかもしれないね?

それに引き換え、レプリカントらしかったのはラブを演じたシルヴィア・フークス。
ラブのスペルはloveではなくluvなんだね。(笑)
この女優はアクションもできるのか、戦闘型レプリカントに見えたよ。
タイレル社倒産の後、レプリカント開発をしているウォレス社の社長付けのレプリカントという設定は、とても良かったね。
SNAKEPIPEが気になったのは、ラヴが着ていたリック・オーウェンスのデザインみたいなレザージャケット!
体にフィットしていて、とてもカッコ良かったなあ。
欲しいなあ。(笑)

感心したのは、レプリカントであるKの仮想恋人(?)、女医じゃなくて(笑)ジョイの存在。
これはAR(Augmented Reality)で造られたホログラムなんだけど、AI技術も搭載されているようで、完全に会話が成立するし、気遣いまでみせるほど高性能なんだよね。
しかもかなりの美人だし!(笑)
ジョイを演じたのはアナ・デ・アルマスというキューバの女優なんだけど、他の作品は観たことないかも。
ホログラムと実体が混ざる映像が非常に面白かった。
さすがに現代の技術が成せる技だよね。

ウォレス社の社長役を演じていたのはジャレット・レト。
ジャレット・レトを最初に観たのは「レクイエム・フォー・ア・ドリーム」で、あの映画は大好きでサントラまで買ってしまったっけ。(笑)
ウォレス社社長は目に障害がある役だけれど、首筋に何かの装置を着けると見えるようになるようで。
装置の詳しい説明はなかったけれど、興味を持ったよ。
それにしてもタイレル社の社長はレプリカントであるロイに目を潰されるシーンがあったので、前作とのつながりを感じてしまったのはSNAKEPIPEだけだろうか。

数年前に「ブレードランナー続編制作決定」を知った時、ハリソン・フォードが登場すると聞いて狂喜したSNAKEPIPE。
どんな続編になるのか全く予想していなかったからね。
今回デッカードとして再登場してくれたのはファンとしてはもちろん嬉しかった。
けれど、、、。
ちょっと物足りなさがあったのは事実。
それは恐らく「ブレードランナー2049」の全てが中途半端だったからだろうね。 

「素敵!」と思ったシーンを載せておこう。 
何のための彫刻なのか説明はないんだけど、崩壊した不明の頭部が砂漠に転がっている。
海岸に自由の女神が埋まっている「猿の惑星」のラストシーンに近い感じだけど、やっぱり廃墟好きにはたまらないね。
ポニーテールの女性2人が向き合ってひざまずいている巨大彫刻もなかなかだった。

タイレル社が開発した旧型レプリカントを展示しているコーナー。
ここ、行ってみたい!(笑)
現実に人間とレプリカントが共存する世界が来たとしたら、一体どうなるんだろう。
1982年版のレプリカントは寿命が4年だったけれど、ウォレス社が開発したレプリカントは寿命がない、ということだし。
感情もあるし、血も流れる。
現実社会で、例えば喜怒哀楽を表さず会話もせず人と関わりを持たない人間がいたとする。 
確かに母親の子宮から生まれた人間だけれど、それでも人間と言えるのかどうか。
逆にレプリカントは感情も持ち、仮想の恋人を愛することもできる。
感情や過去の記憶、個性があるかどうかというのは「攻殻機動隊」のゴーストに近いんだろうな。
ここまで来てしまうと人間との違いが曖昧になってしまうよね。

1982年版「ブレードランナー」の世界観を守ろうとしながらも、死守できなかった感じがする。
いつも降っていた雨は30年後の2049年には霧になったり、雨になったりしていたね。
あれほど通りを埋め尽くしていた多人種は減ってしまったのだろうか。
日本語(特にカタカナ)表記のネオンが多過ぎだったのが、逆効果のように思った。
1982年版に出てきた英語、スペイン語、中国語、日本語が混ざったスラングは廃れてしまい、英語だけになってしまったのだろうか。
あの多言語ミックスがいかにも未来的だったのになあ。
美術などのセットも中途半端、内容もアクション映画半分メロドラマ半分といった感じで、いまいち乗り切れない。
期待が大きかっただけに、SNAKEPIPEにはピンと来ない映画になってしまった。 
そうは言っても観たから言える感想なので、鑑賞できて良かったと思う。
次の楽しみはホドロフスキーだね!(笑)

【「エンドレス・ポエトリー」のトレイラー】

SNAKEPIPE WROTE:

2017年後半はROCKHURRAH RECORDSにとって大事なイベント満載の年なのである。
8月から放映が開始したデヴィッド・リンチの「ツイン・ピークス The Return」を皮切りに、10月27日より公開されている「ブレードランナー2049」、そして大トリは11月18日に公開が決定しているアレハンドロ・ホドロフスキー監督の新作「エンドレス・ポエトリー」!
恐らくSNAKEPIPEと同じように「うひうひ」の人多いんじゃないかな?
「ツイン・ピークス」は25年、「ブレードランナー」は35年という月日が経っての続編なので、待ち望んでいるファンというのは、当然中高年が大半だろうけど。(笑)
「ブレードランナー2049」は近いうちに鑑賞するので、その後ブログにまとめる予定である。
「ツイン・ピークスThe Return」も後半に入ってきて、だんだん話が繋がってきている。
最終章の放映予定は12月1日なので、ブログにまとめるのはそれより後だね。

そしてホドロフスキーの新作公開である11月18日を待たず「公開記念」として、映画の撮影メイキングやインタビュー映像を上映する企画があるよ、と教えてくれたのは長年来の友人Mだった。 
渋谷にある「アツコバルー」 は、2014年9月にも「二人のホドロフスキー 愛の結晶展 鑑賞」として記事にまとめたことがあるギャラリー。
アレハンドロ・ホドロフスキーも会場に足を運んだ、という話も聞いたっけ。
今回もドローイングの展示・販売を行い、更に動画を上映しているという。
11月5日までという日にちが迫った中で、なんとか友人Mと日程調整し、 会場に向かったのである。

「アツコバルー」は入り口で靴を脱いで、靴下のまま展示会場を歩くという認識だったので、友人MもSNAKEPIPEも脱ぎ履きしやすい靴を選んで行ったのに!
なんと床を張り替えたとのことで、土足オッケーに変わっていたことに衝撃を受ける。
2016年7月に「エロトピア・ジャパン」を鑑賞した時には靴脱いでたよね?
一体何時の間に…。(笑)
脱がないで済むほうが楽なので、良かったね!
会場は撮影もオッケーとのこと。
これも良いね!

今回の「アツコバルー」は塙将良というアーティストの作品も展示されていて、会場の入り口から近い最初の展示として鑑賞することになる。
かなりどぎつい色彩に目を奪われてしまう。
勝手に命名させて頂くなら「土偶meetsサイケデリック」って感じかな?(笑)
塙将良って人、初めて。
ちょっと調べてみようか。
1981年茨城県生まれ、ということは、現在35歳くらい?
美大を卒業したのではなく、水戸美容専門学校卒業というので美容師さん志望だったのかな。
アート系のアカデミックな教育を受けていないのかもしれないね?
気になるのは、2009年に鳥取県境港市認定妖怪博士に就任しているところ。
これは一体なんだろうか?

「境港妖怪検定」は、妖怪の権威・水木しげる先生の妖怪考察を通じて高めた妖怪に対する知識を、「妖怪博士」として公式に認定するご当地検定。 

残念ながら国家資格ではないようだけど、「ゲゲゲの鬼太郎」ファンのSNAKEPIPEにとっても、興味のある検定だよ。
サイトには初級と中級のサンプル試験問題まで準備されていて、見ているだけでも面白かった。
京極夏彦は上級の妖怪博士になってるかなあ? (笑)
塙将良の作品を観て「縄文」を感じたSNAKEPIPEだけど、もしかしたら「妖怪」だったのかもしれないね。
そして2009年から個展を開いているようなので、精力的に活動しているアーティストみたい。

土着的な雰囲気と強烈な色彩の洪水は、めまいを起こしそうになるほどエキセントリックだった。
ブログと題されたHPで初期の頃からの作品を観ることができるけれど、土偶(もしくは妖怪)らしき本体(?)の周りにあった隙間(空間)がどんどんなくなって、現在のようなサイケデリックに変化していく様子が興味深い。
映画「薔薇の葬列」の中に出てきた展覧会に、似た雰囲気の絵があったことを思い出す。
あの絵はモノクロームだったけどね。
そう考えるとやっぱり60年代のサイケデリック・アートが近いのかもしれないな。

立体作品も面白かった。
こちらのほうがまさに「縄文時代」って感じだったからね。
妖怪と土偶のハイブリッド!(笑)
右に小さく載せたのが、本物の土偶だけど、雰囲気近いよね?
値段の表示があり、販売をしている。
72000や100000と書いてあるので72,000円とか100,000円なんだろうね。
ちょっと無理をすれば手が出せる金額だけど、この立体作品が似合う部屋ってどんな部屋だろう。
1体でも部屋の印象が変わってしまうほどインパクトがあるからね。
岡本太郎が観たら、どんな感想を持つだろう。
SNAKEPIPEと同じように縄文を感じることができるだろうか?

もう一つの会場では2014年に「2人のホドロフスキー」として展示されていたドローイングを再び鑑賞する。
色がとてもキレイなんだよね。
じっと観ていると、意味を考えたくなる絵。
販売をしていたけれど、さすがにこれは買えないなあ。
せめて画集があったら欲しいんだけどね。
大きなスクリーンに「エンドレス・ポエトリー」のメイキング映像が流れている。
ドローイングを鑑賞しているうちに、ホドロフスキーのメッセージ動画が始まった。

私はもう88歳で、死にかけている。
間もなく肉体は滅びる。

私は映画で、多くの観客を惑わせるのではなく、自覚させたい。
芸術は人に向かって扉を開き、その中に人は自己を見出す。

インターネットで検索すると出てくるのがこれらの言葉である。
メッセージ動画からの抜粋なんだろうね。
「死にかけている」なんて聞くと涙が出そうなくらい切なくなるけれど、実際88歳だからね。
メッセージ動画の中でも「100歳まで生きたとしても12年しかない」と言うホドロフスキー。

映画と芸術、そして人生についてのホドロフスキーからのメッセージは貴重で力強いものだった。

多少記憶違いはあると思うけど、気になった言葉を備忘録として断片的に書いていこう。
・ふりをする
「良い人のふりをする」「良い父親のふりをする」というように、「演じている」といつの間にか、それが真実の姿になっていく、と言う。
SNAKEPIPEはどんな人物を演じていこうか、考えてしまった。(笑)

・人生について強く願う(念じる)こと
念じる、という力については例えば「なりたい自分になるため」なんてハウツー本にありそうな言葉だけど、周波数を合わせて回路を開く作用があると思うので、念じることや強く願うことの有効性は理解できる。
昔よくこの手の本を読んだなあ。

・動物と人間の違いは芸術を理解できるかどうか
人間として生きるには芸術が必要ということは、SNAKEPIPEが子供の頃から聞かされていた言葉だったので、同じセリフを聞いたな、という感想を持った。

・芸術を理解しないで良いなら3D映画でも観て喜んでいればいい
「3D映画」というのはアメリカのハリウッドに対しての批判だと思う。
これは敬愛する映画監督デヴィッド・リンチも全く同じことを言っていて、断筆宣言ならぬ断映(写?)宣言までしちゃってるくらいだからね。
今回のホドロフスキーは寄付を募って映画を完成させているので、リンチもこの方法で映画が撮れるかもしれないよね?
結局商業主義で興行ランキングだけで、映画の良し悪しを決定している映画界にNOを突きつけているわけだからね。
アート作品としての映画が撮影できる環境(資金)が整えば、また映画の世界に戻ってきてくれるのではないか、と期待しているSNAKEPIPEなのである。 

このメッセージ動画、「エンドレス・ポエトリー」のDVD販売の時に特典映像で入れて欲しいな。
ホドロフスキーの芸術に対する信念は、これからのSNAKEPIPEの人生に大きな影響を与えてくれそうだ。
座右の銘ならぬ、座右の動画になりそうだよ。(笑)
そしてホドロフスキーにはまだまだ作品を作って欲しい!
まずは来月公開の「エンドレス・ポエトリー」鑑賞が楽しみだ。 


【メイン会場だった横浜美術館を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

2017年5月の記事「SNAKEPIPE MUSEUM #42 Wael Shaky」の最後に

横浜トリエンナーレでは映像作品も鑑賞できるのだろうか?
今からとても楽しみだ!(笑) 

と書いている。
たまたまSNAKEPIPE MUSEUMで特集したアーティストの作品が、横浜トリエンナーレに出展されることを知り鑑賞するのを待ちかねていたんだよね!
横浜トリエンナーレに行くのも初めてのこと。
3年に1度開催されているというので、恐らく前回は長年来の友人Mとの間で話題には上りながらも、結局行かなかったんだろうね。
今年こそは!と喜び、ROCKHURRAHと共に横浜に向かったのである。

横浜トリエンナーレ、どうやら正式名称は全てカタカナ表記のヨコハマトリエンナーレのようなので、ここからはカタカナで統一していこうかな。
ヨコハマトリエンナーレは、いくつもの会場にまたがって開催されているという。
みなとみらい駅すぐの場所にある横浜美術館赤レンガ倉庫1号館、 横浜市開港記念会館、という3つの会場があるというので、あらかじめ下調べをする。
恐らく全部を回りきれないだろう、と思ったからね。
時間的にも、体力的にも難しそうだもん。(笑)
ROCKHURRAHとの会議の結果、横浜美術館と赤レンガ倉庫の2つの会場だけを鑑賞することに決定する。
ROCKHURRAH RECORDSの目的は横浜観光ではなく、作品鑑賞にあることから、作品数が多く展示されている会場2つを選択したのである。
そしてその2箇所であれば、徒歩での移動が可能なことも理由だった。
一応無料バスが出ている、という情報はあったけれど、どれほどの人が利用するのか、時刻表通りの行動ができるのかも不明だしね?

この日の横浜は晴天。
前日は雨降りだったので、腫れたこの日は絶好のお出かけ日和だった。
少し歩くと汗ばむ程の気温、元々横浜は「人がいっぱい」という印象があるけど、この日は特に多かったように思う。
今から思えば、ROCKHURRAHとSNAKEPIPEは前日の雨模様の時に行ったほうが良かったのかもしれないね。

最初に赤レンガ倉庫に向かうことにする。
赤レンガ倉庫といえば、あの観光名所だよね。
最近少しSNAKEPIPEの方向音痴が感染しつつあるROCKHURRAHと、自他ともに認める完全な方向音痴のSNAKEPIPE。
赤レンガ倉庫までテクテク歩いて向かう。
「多分こっちだと思う」という危なっかしい2人で、なんとか赤レンガ倉庫へ。
ところが、ヨコハマトリエンナーレのヨの字もないじゃないの!
もう一度確認すると「赤レンガ倉庫1号館」だって。
赤レンガ倉庫に1号館と2号館があることを知らなかったよ。(笑)
ショップやレストランが入っているのが2号館で、それを目指して歩いていたようで。
一体1号館はどこ?
この時赤レンガ倉庫の敷地ではドイツ・ビールが飲めるオクトーバーフェストなるイベントが行われていたんだよね。
このイベント目的のお客さんが大勢で賑わっていて、ビール買うための列なのか、行列も出来ている状態。
大きなテントができているわ、ビール会場のための囲いがあるわ、赤レンガ倉庫1号館の入り口が分からない!
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEは赤レンガ倉庫1号館に行きたいんですけど〜!
テントや囲いをぐるっと回って通り抜け、やっと見つけたのがこの入口。
右がビールのフェスタの白いテントで、それに隠れるようにヨコハマトリエンナーレの看板が…。
非常に分かり辛かったと思うのは、ROCKHURRAH RECORDSだけかしら?
赤レンガ倉庫としては、ヨコハマトリエンナーレよりもオクトーバーフェストのほうに力を入れてる感じだったよ。
それでもなんとか無事にたどり着いて良かった。(笑)

赤レンガ倉庫内が会場なので、2017年正月に行ったBankART1929と似た雰囲気を感じる。
無機的なバックは非常に好みの空間だよ。
そこで出会ったのが宇治野宗輝の作品「プライウッド新地」だった。
機械音が鳴り響く。
何かと思うと、ジューサーミキサーが回転している音のようだ。
そしてその様子がスクリーンに映し出されている。
かなりインダスとリアル!(笑)
リズム音、ギター音、モーター音などが絡み合い、インダストリアルな音楽が完成する。
これらは全て自動なんだよね。
そのうちギターについた触手(?)が動き出した!
影だけ見ると、まるで昆虫だよね。
複雑な装置の動きと重低音、音に合わせた照明などの全てが、会場で体験しないと分からない現代アートでとても気に入った!(笑)
会場にいた係の人に「これは誰の作品ですか?」と聞きに行ったSNAKEPIPE。
「うじのさん、です」と言われて初めて日本人の作品だと知り驚く。
勝手に海外のアーティストだろうと思っていたんだね。
ドイツのアーティストという印象だったから。
宇治野宗輝は1965年東京生まれ。
1988年東京芸術大学卒業。
2001年から個展を開催し、海外でも作品を発表しているようである。
東京では山本現代でやることが多いみたいだから、機会があったら鑑賞したいアーティストだよ。

照沼敦朗は、絵画の中に動きを取り入れた作品を展示していたよ。
ちょっと漫画っぽい作風なんだよね。
右は映像が組み込まれている作品で、モノクロームの世界に突然光が差し込む様子は、ちょっと不気味だった。
細かく描き込まれている背景には、謎の日本語も書いてあったよ。
もう一点は鮮やかなカラー作品で、途中からプロジェクション・マッピングのような映像が重なり、幻想的な雰囲気になっていた。

2010年に鑑賞した「六本木クロッシング2010展」で、「ほおっ」と声を上げた、と感想を書いていたのが青山悟の作品だった。
その時に鑑賞した作品も展示されていたね。
実は鑑賞していないはずのROCKHURRAHに指摘されてから気付いたんだけどね。(笑)
どこかで観て知ってるような?と思ってたSNAKEPIPEは、かなり記憶力が低いなあ。
今回はアンティークプリントに刺繍を施した作品が展示されていた。
全てをびっちり刺繍している作品とは違って、一部分だけにカラーが入ることで印象が変わる効果を狙っているのか?
この作品の場合は赤い服の部分が刺繍なんだよね。
SNAKEPIPEの個人的な好みでは、全てが刺繍の作品のほうに軍配が上がってしまう。
恐らくびっちり刺繍は初期の作品で、一部刺繍が最近のようなので、変化しているんだろうね。
刺繍アーティストとして作品を作り続けているのはすごいことだと思う。

 「まるでフランシス・ベーコンだね!」とROCKHURRAHと言い合ったのが小西紀行の作品だった。
小西紀行、と検索しようとすると、どうやら「妖怪ウォッチ」の作者が同姓同名のようで、画家のほうの小西紀行がなかなかヒットしないんだよね。(笑)
もしかしたら本人のHPはないかもしれないので、ギャラリーが紹介しているページを貼っておこう。
家族や身近な人物のスナップ写真を元に描いているみたいなんだけど、かなり抽象化されていて鑑賞者が自由に感想を持つことができる。
そしてSNAKEPIPEが持った感想は「残酷な雰囲気の絵」だったんだけどね?
あれ?家族の肖像画からは離れてるかな。(笑)
今まで全然知らなかったアーティストなので、鑑賞できて良かったと思う。

赤レンガ倉庫1号館の展示は、とても満足した。
観られて良かったね、と話しながらランチに向かう。
ところがこのランチが大失敗!
なんと1時間も並ぶ羽目になるとはね。
横浜の昼時をナメたらあかんぜよ。
あんなに人が大勢いるからねえ。
仕方なかったとはいえ、並ぶことが苦手なROCKHURRAH RECORDSには辛い時間だった。
次回からの教訓にしよう。 

ヨコハマトリエンナーレのメイン会場は横浜美術館なので、赤レンガ倉庫1号館の展示に満足していたROCKHURRAHとSNAKEPIPEは、期待を胸に横浜美術館に入ったのである。
が、、、どうしたことでしょう。
横浜美術館の展示作品は、どれも「学芸会レベル」に感じてしまうものばかり。

大好きな写真家、畠山直哉の作品が展示されていたのは嬉しかったけど、特に新鮮さはない。
恐らく今まで観たことがない作品だったのが「カメラ」という作品群。
撮影年度が1995年から2009年というから、撮りためているテーマなのかもしれないね。
「LIME WORKS」や「Underground」で衝撃を受けたSNAKEPIPEは、あそこまでカッコ良い写真を撮る写真家ならば、もっとすごい作品を見せてくれるのでは?と期待して待っていたっけ。
Wikipediaで畠山直哉を調べてみたら、2015年に紫綬褒章を受章していたらしい。
今はどんな写真を撮っているんだろうね。

横浜美術館の展示で感想を書きたいと思うのは、ヨコハマトリエンナーレに行くきっかけになったワエル・シャウキーだね。
ガラスや粘土を使用した操り人形を制作し、その人形を実際に動かした映像作品をてがけているアーティスト。
エジプト出身というところに驚き、その人形の不気味さが気に入ったSNAKEPIPEは、是非とも実物を鑑賞してみたいと思っていたのである。
そしてついに人形とご対面!
確かに人というよりはワニだったり馬のように見える顔立ちだったけれど、実物はそこまで不気味ではなかった。
これは照明や背景の影響かもしれないね?
動かすことを想定して制作されているので、人形単体で鑑賞する場合とは印象が違うんだろうね。
会場には大きなスクリーンが配置され、ワエル・シャウキーの映像作品が流れていた。
ちゃんと日本語訳も入っていたので、本当はもっと鑑賞したかったけれど、ここに辿り着くまでにすっかりお疲れモードのROCKHURRAH RECORDS。
ほんの少しの時間だけ鑑賞して終了してしまった。
前述したように、横浜美術館の展示作品はどれも「?」と感じてしまうものばかり。
赤レンガ倉庫1号館で大満足してからの落胆は、その格差が大きかっただけに疲労につながってしまった。
ランチの待ち時間も、ね。(笑)

ヨコハマトリエンナーレは大規模な企画展示なのかと思って期待していただけに、がっかり感のほうが強くなってしまった。
今回横浜市開港記念会館に行かなかったのは、正月に鑑賞した作品と同じ展示作品だったからである。
柳幸典も観ていたら、がっかり感は少し薄れたかもしれないなあ。(笑)
横浜美術館は常設展が素晴らしい、好きな美術館なだけに残念でならない。
3年後のトリエンナーレはどんな展示作品が並ぶんだろう?
観念的過ぎない、一目で「驚くようなアート」が観られると良いね!