Monthly Archives: 5月 2011

【最近では珍しく一目惚れした写真。よだれダラダラ~!】

SNAKEPIPE WROTE:

自分の記憶を辿って印象に残っている「あの一枚」を紹介してきたSNAKEPIPE MUSEUMだけれど、今回はふと目にした写真をコレクションに加えたい。
観た瞬間に「欲しい!」と思い、「こんな場所に行かれてズルイ!」と歯ぎしりまでする始末。(笑)
それが上の、大好きなジャンルである廃墟写真。
この色合い、光の入り方、崩れ落ちている天井、すべてバッチグー!
自分だけ撮影するなんて悔しいとか、SNAKEPIPEもそこに行きたい、などという感情が伴う写真こそがまさしく琴線に触れた廃墟写真、ということになるんだよね。
さて、こんな素晴らしい一枚を撮影したのはどんなお方なんでしょ?

調べてみるとKatherine Westerhoutという女流写真家のよう。
初めてカメラを手にしたのは6歳か7歳というから早熟なお子様だったようで。
1975年サンフランシスコ州立大学で芸術の学位を取得。
1990年代後半から個展を開催しているらしい。
去年の個展情報も載ってたから、現在も活動中みたい。
キャサリンご本人の情報についてはこれくらいしか得られないんだよねー。
写真で拝見すると初老の女性のように見えるんだけど、おいくつなのかしら?
もしご年配の女性で、こんな写真を撮ってるのだとしたら益々憧れちゃう!
最近気付いたんだけど、SNAKEPIPEって自分より年上の素敵な女性が好きみたいなんだよね。
で、当然ながら自分が年を取ってくると、更にご年配の女性に目が行くみたい。(笑)
日本では残念ながら、目標にしたい年上の女性が少なくてねえ。
こういう外国人女性にめぐり合うと元気になるよね!
いいぞ!キャサリン!GO!GO!キャサリン!(笑)

キャサリンのHPには惜しげもなく、アメリカの廃墟写真がいっぱい載っている。
う~ん、どれも色合い、構図、崩れ具合文句なし!
SNAKEPIPEお気に入りの畠山直哉の雰囲気に似て、静謐で崩壊の美を感じさせてくれる写真群。
「解るっ!解るわよっ!」
と握りこぶし作って独り言を言いながら鑑賞するSNAKEPIPE。
ほとんどの写真が2000年代の物なんだけど、アメリカは広いから廃工場とか廃病院とかいっぱいあるんだろうなー!
羨ましい環境ですな!
まだまだ知らない好きなタイプの写真家がいることも分かって大満足。
写真集あったら絶対買おう!(笑)

【SNAKEPIPEの理想はこんなガレージ風。倉庫にも住んでみたいな!】

SNAKEPIPE WROTE:

物件の間取り図を見るのが好きだ。
日本のマンションタイプは大体似たようなデザインが多いけれど、ちょっと変わった造りに出会うと興味津々。
そこに住むことを想像しワクワクしてしまうのだ。
先日たまたまネットで見た物件に、目が釘付けになってしまった!
まさに理想的な造りだったのである。
いいなあ、この物件!とまた空想の世界で遊んだSNAKEPIPE。(笑)
ところが、いざ引越しとなると腰が重くなってしまうのも事実。

引越し作業自体も大変な労力と時間がかかるけれど、その前に最も苦痛を感じるのが不動産屋なのである。
個人情報満載の書類に記入し、家族や親類に関する情報まで提示、更に審査を受けなければならない。
契約する前段階で、会ったばかりの見ず知らずの他人に向かって全てをさらけ出す必要があるとは!
この時点で疲れちゃうんだよね。
しかも審査に通らなければこの苦労も水の泡。
年収が1000万以上で誰もが知ってる企業勤務、親兄弟親類縁者全て国家公務員です、なんて人だったら苦痛を感じることもないのかな?(笑)

今回書きたいのはそんな現実的な話じゃなくて、見ていて楽しい物件のお話。
日本の物件はフローリングか畳か、狭いか広いか、駅から近いか遠いか程度の、あまり特徴がない物件が多いので、海外の賃貸事情はどうなのか調べてみた。
世界の大都市といえばやっぱりロンドン、パリ、ニューヨークになるかな。
2LDKとか3DKというような呼び方って日本独自みたいだね。
外国だとベッドルームとバスルームがいくつある、という表し方が一般的なよう。
間取り図を掲載したり、細かい条件を設定して検索するようなシステムは海外にはあまり見られなかった。
間取り図あったほうが解り易いのになあ、と思うのはやっぱりSNAKEPIPEが日本人だからか?(笑)
では、世界の素敵な物件をご紹介してみよう。


まずはロンドンから。
リバプール・ストリート駅からわずか160mに位置する賃貸物件。
2階建で寝室とバスルームが2つある。
1階は広~いリビング!(写真①)
リビング壁面はクローゼットも配置されている。
ガランとした空間だからどんな配置も自由自在。
窓も多いので日当たり良好!
天井部分からの陽射しも期待できる造りになってるね。
カウンター式キッチンもすごく使い勝手が良さそう。

階段上がって2階へ。(写真②)
階段横の壁に絵や写真飾りたいなあ。
外国映画でよく見かけるけど、憧れなんだよね!(笑)
清潔なバスルーム。(写真③)
まるでホテルみたいな洗面台だよね。
う~ん、素晴らしい!
外観はこんな感じ。(写真④)

こちらで130㎡、賃貸料金およそ185,000円。
ロンドン中心部でこの広さだとしたら割とお手頃なのかな?
寝室が2つあるなら2家族同居も可能かも。
広いリビング、最高だよね!
こんなフラットにふらっと帰れたらいいよねえ。(ぷっ)
ロンドンで部屋を借りる時にもやっぱり契約手数料と敷金として家賃の1ヶ月分相当のお金は支払うみたい。
この物件は家具が付いてないみたいだから、自分で用意しないとね!
家具付き物件も検討してみよう。


次はパリの物件。
アパルトマンのテラスからエッフェル塔が見えるなんてワンダフル!(写真①)
部屋はエレベーター付の8階。
階段じゃキツいもんね。(笑)
ポン・デ・ラルマ駅に歩いて行かれる距離にあり、広さは30㎡。
少しこじんまりしてるけど、雰囲気いいよね!
140cm幅のダブルベッドやソファー、テレビなどの家具付き。(写真②)
ポイントカラーが赤になっていて、とてもオシャレだよね。
キッチンには電子レンジ、トースター、コーヒーメーカー、食器洗い機まで揃っているので、すぐにでもパリ生活を送ることが可能ね!(写真③)

この物件は5日間から滞在が可能みたいだから、パリに1週間なんて時には良いかも。
時期によって賃貸料が違うみたいだけど、例えば2011年5月現在で1ヶ月滞在する場合にはおよそ410,000円!
5日間で115,000円。
5、6月はクリスマス時期に次いで人気のある季節みたいで、お値段が少し高く設定されてるね。
それにしてもテラスからのこの眺めは格別だよね。
カフェオレ片手にのんびりしてみたいね!

パリの賃貸事情を調べてみると、日本よりもっと大変な様子。
揃える書類も多く、保証人立てるのは当たり前。
収入が家賃の4倍ないと貸してくれないこともある、など書いてある。
築100年以上の建物も珍しくないので、水回りのトラブルも多いとのこと。
パリジェンヌを気取るのも、苦労しないといけないんだねえ。(笑)


最後はニューヨークの物件。
チェルシー地区にある新しいアパートで寝室とバスルームは1つだけ。
広さは62㎡からいくつかのタイプがあるみたい。
全ての部屋の窓が大きいのが特徴で、広々としたリビングは開放感抜群!(写真①)
ベッドルームも向いのビルから完全に見えちゃうほどの窓の大きさ!(笑)(写真②)
ニューヨークの人はカーテン付けないのかな?
カウンター式のキッチンも広くて素敵!(写真③)
こんなキッチンじゃ納豆ご飯なんか食べちゃいけないかも。(笑)
この物件は施設が充実していて、スポーツクラブ、スパやプールにヨガスタジオまで完備されてる。
こんな雰囲気の良いテラスもあるとは至れり尽くせり。(写真④)

ペン駅にも近く、交通の便もばっちり!
24時間ドアマンもいるのでセキュリティも安心ね。
そして気になる賃料は約280,000円。
ただし手数料無料で一ヶ月は家賃サービスと書いてあるよ。
すごい太っ腹!(笑)
こんなラグジュアリーな物件でニューヨーク生活が送れたら最高だろうね!

ニューヨークの住宅事情は、仲介手数料として家賃1.8ヶ月分と保証金が家賃1~2か月分必要みたい。
上で紹介した物件に余裕で入れるのは余程のヤンエグ(死語?)だけだろうね。
契約は1年で途中解約はできないとのこと。
そしてニューヨークは慢性的な物件不足で、空きがでると半日から1日で埋まってしまうなんて記事もあったよ。
競争して物件探しとは凄まじいね。(笑)

「部屋空いてる?」
「一番奥の部屋」
と大家が親指で2階を示しながら返事をすると、いくらかの金を払って鍵を受け取るようなシーン、映画で観たことない?(笑)
海外ではお金があれば、簡単に部屋を貸してくれるものだとばかり思ってたのに。
どこの国でも賃貸契約は難しいんだねえ。
面倒な手続きやら資金繰りが必要なのは日本だけじゃないと知って、ちょっとびっくり。
観ていた映画は一体なんだったんだろう?(笑)

SNAKEPIPEの最も理想に近いのはガレージや倉庫みたいなガラーンとした、だだっ広い空間が広がるだけの家。
屋根と囲いがあるだけでいいんだよね。(笑)
キッチンと風呂・トイレは必要だけど、あとは何もなくて土足のままでオッケーだったら最高!
一番上の写真はまさに理想的な部屋なんだけど、これはテキサス州の物件みたいね。
「興味があったら訪ねてこいよ!ステーキご馳走するぜ!」
なんて書いてあるよ。
テキサスに引っ越すか?(笑)

【SNAKEPIPEオリジナル黒蜥蜴ポスターを切り貼りで作ってみたよ!】

SNAKEPIPE WROTE:

ひと月に何本もの新作映画が封切られ、それに合わせてDVD化されているため仕方がないのかもしれないけれど、
「あの映画をもう一度観たい」
と切望しても叶わぬことが多い。
古い映画はどんどん新しい映画に入れ替わってしまうようだ。
DVDが出る前のビデオ時代の作品になると尚更である。
もしかしたらSNAKEPIPEがややマイナー作品を好む傾向があるせいかもしれない。
残念なことにメジャーから外れた作品はDVD化されず、排除されてしまうようである。

今回ご紹介する1968年深作欣二監督の「黒蜥蜴」もそんな映画の中の一本。
随分昔にビデオで観た記憶があり、もう一度鑑賞したかった作品なのである。
ROCKHURRAHが苦労して手に入れてくれたおかげで、再び観ることができた。
ありがとうROCKHURRAH!と涙を流して喜んだSNAKEPIPEである。(←本当?)

「黒蜥蜴」とはご存知の方も多いと思うけれど、我らが江戸川乱歩先生原作の推理小説である。
その小説を元にした戯曲が書かれ、舞台化や映画化が何度もされているらしい。
戯曲で有名なのが三島由紀夫の作品とのこと。(未読)
今回の深作欣二監督版の映画も三島版の戯曲を元に作られているようだ。
「黒蜥蜴」のあらすじは簡単に言うと、宝石泥棒の女と明智小五郎との対決である。
「黒蜥蜴」とは宝石泥棒の女が使っている、怪盗ルパンやキャッツアイなんかと同じような感じのペンネームだね。
見所は好敵手としての明智と黒蜥蜴の駆け引きや、ちょっと恋愛要素が入るあたり?(笑)
明智小五郎シリーズで恋愛問題が語られることは非常に稀だと思うので、この作品は珍しいんじゃないかな。

今回明智小五郎を演じたのは木村功
「美女シリーズ」で天知茂版明智小五郎に見慣れているSNAKEPIPEにはかなり物足りない配役。
印象が薄いし、セリフも聞き取り辛いんだよね。
そして黒蜥蜴役は美輪明宏(当時は丸山明宏)!
美輪明宏は舞台の「黒蜥蜴」も有名だけど、映画版も存在するんだよね。
これが本当にハマリ役。
恐らく美輪明宏版を観てしまったら、他の配役が考えられなくなるように思う。
気高く美しく、欲しい物は絶対に手に入れる強い意志と知恵を持つ。
ヨーロッパのマダムを思わせる、妖艶で少し残酷な黒蜥蜴。
日本人女性ではなかなか難しい役柄だよね。
「貞淑で従順」というのが日本女性の姿だろうから。
えっ、今は違う?(笑)
そんな強さと美貌を兼ね備えた妖しげな黒蜥蜴とぴったりマッチしている美輪明宏。
惚れ惚れしちゃうよ、ほんと!(笑)

映画の中で感心しながらも笑ってしまったのは黒蜥蜴一味の暗号。
通常ならば「山、川」くらいだろうけど、さすがに三島由紀夫の戯曲が元ではそういうわけにいかないんだな。
【暗号1】
女:美しい空は夕焼けで紫色になりました。
  猿達は牛の背中に蝋燭を飾り、朱肉のような吐息を漏らします。
男:山の中で人が燃え、人の中で海が燃える。
【暗号2】
女:黄色い獅子!黄色い獅子!夜の髭と朝の尻尾の…。
男:柘榴の帽子が硝子のように粉々になった。

いやはや、暗号とは言っても非常に詩的でしかも長い!
覚えるのも大変だろうね、これ!(笑)
紫色と黄色、という色が入っているところと動物の組み合わせが特徴か。
こういう点からも女賊・黒蜥蜴がエレガントで美的である、と言いたいんだろうね。
美輪明宏の有名な自叙伝も「紫の履歴書」で、やっぱり紫色だしね。(笑)
ちなみに江戸川乱歩の原作ではどうだったのかを読み返してみたけれど、黒蜥蜴一味が暗号を言い合う場面は登場していなかった。
三島由紀夫の創作なんだね。(笑)


深作欣二版「黒蜥蜴」の目玉は、前述したような美輪明宏の魅力と共に、戯曲を手がけた三島由紀夫本人の出演だろう。
黒蜥蜴の「人間コレクション」の中の一体として登場する三島由紀夫。
この「人間コレクション」は「美しい人間をそのままの状態で保持したい」という黒蜥蜴の願いにより人間剥製が展示されている。
三島由紀夫はケンカで刺され、ナイフが腹に埋まったまま剥製化されている設定。
それで上のような顔になっているんだよね。(笑)
肉体美を褒められ、更に美輪明宏から接吻を受ける役どころ。
自分のためにこのシーンを戯曲に加えるとはね!(笑)

「黒蜥蜴」の他のバージョンでは、黒蜥蜴役を小川眞由美が演じた「美女シリーズ版黒蜥蜴」、サブタイトルは「悪魔のような美女」を観たことがある。
明智小五郎は天知茂なので言うことナスだけど、やっぱり小川眞由美では黒蜥蜴の気高さが表現し切れてないように思った。
本当はできれば明智を天知茂、黒蜥蜴を美輪明宏で映画化して欲しかったなあ!
舞台では共演があったようだけど、残念ながら今となってはもう観ることができないからね。

京マチ子が黒蜥蜴を演じた「ミュージカル版黒蜥蜴(1962年)」が存在するようだけど、こちらは残念ながら未鑑賞。
京マチ子だったらイイ線いってるんじゃないかな?
いつの日か鑑賞したいものである。
岩下志麻が黒蜥蜴を演じたテレビドラマ版もあるらしい。
この時の明智小五郎はなんと伊武雅刀だって!
かなりハチャメチャみたいだから、これも観てみたいね。(笑)

深作欣二監督は翌年の1969年、再び美輪明宏を主演にした「黒薔薇の館」という作品を手がけているようだ。
現在手に入れられるのはVHSビデオのみ。
お値段なんと15000円也!(笑)
こちらもいつの日か鑑賞してみたいね。
またROCKHURRAHにお願いしてみようかな。(笑)

【世界最古のサイコビリーの誕生は約400万年前(ウソ)】

ROCKHURRAH WROTE:

今回はROCKHURRAHが大好きな音楽ジャンル、サイコビリーについて書いてみよう。いつも書いてるシリーズ企画「時に忘れられた人々」と内容的には同じなんだけど、まだ現役バンドも多いジャンルなので個人的には全然忘れられてないよ。というわけで、今回のは単発モノという事で進めてみたい。

サイコビリー、こんな音楽を全く知らない人もこの世にはたくさんいる事だろうから、まず簡単に書いておくか。
アメリカで1950年代に誕生したロカビリーを元祖として80年代にネオ・ロカビリーという音楽が流行った。これは70年代後半のパンク、ニュー・ウェイブを通過したロカビリーというのがポイントになっていて、古臭いただのリメイク・ロカビリーとは少し違った魅力があった。
オリジナルのロカビリーでは有り得ないシンセサイザーを曲に取り入れてニュー・ウェイブ版ロカビリーというスタイルを確立させたロカッツ。
化粧をしてロカビリーとグラム・ロックの融合を目指したポールキャッツ。
パンクとロカビリーをミックスさせたファッション・センスも注目され、MTVの普及によって人気バンドになったストレイキャッツ。
バンドによって路線が色々で、そういう特色が面白かったものだ。

そのネオ・ロカビリーの持つ不良っぽいルックスをさらに「エグく」して悪趣味に展開したのがサイコビリーというわけだ。PSYCHO+BILLYという事でサイコパスとかサイコ野郎とかの「サイコ」によるロカビリーという語源だ。決してサイケなロカビリーではないので間違えないように。
モヒカンの毛先がツノのようになった独特のサイコ刈りという髪型、両腕から全身に至る入れ墨、バンドによってはゾンビのようなメイクを施したり、などが主な特徴だ。
音楽的にはパンク、ハードコア・パンクからの影響を受けたものが多く、さらにバンドによってはガレージ、ヘヴィメタルやスカ、カントリー、トラッドにラテンなど独自のミクスチャー路線のものまで存在している。だからこれこそサイコビリーという定義はなく、何でもありの世界。
詳しく書くとこれだけでブログ数回分くらいになってしまうから、書き始めた割には後悔しているが・・・まあネオ・ロカビリーを究極にグロっぽくねじ曲げた音楽がサイコビリーだというような見解で間違いなかろう。

さて、これから80年代〜90年代に登場した有名どころのサイコビリーについて軽くコメントしてゆくつもりだが、せっかくだからサイコビリーが得意にしているカヴァー・ヴァージョン特集としようか。たぶん割と取っ付きやすいしコメントしやすいからね。

誰もが認める、元祖サイコビリーと言えばこのメテオスで決まりだろう。1980年英国産のバンド。ネオ・ロカにはあまりないダークで荒々しい曲調、何だかよくわからないが血だらけの印象があるライブ・パフォーマンス、サイコビリーのライブでは定番となっているパンチ合戦、そしてレッキンクルーと呼ばれる怖そうな親衛隊の存在。後のサイコビリー達が踏襲したスタイルを最初にやり始めたのがメテオスだった。ピュア・サイコビリーと呼ばれた彼らの音楽はチンピラなパンクよりも明らかにケンカ強そうな印象があるな。
カヴァーも色々とやってるバンドだが今回ROCKHURRAHが選んだのはストラングラーズの名曲「Go Buddy Go」だ。サイコビリー系のライブでDJタイムの時にかかる可能性が非常に高い定番の曲ですな。ビデオに出てくるメンバーや女の子の髪型、服装も80年代でいいね。

こちらはメテオスよりも少し後、82年モノのバンドだ。何だかわからんがMA-1やカウチン・セーターのメンバーに首を締められてるアルバム・ジャケットも有名。ヴォーカルが全身入れ墨のマッチョマン(死語)で、なぜか短パン大好きという印象がある。実は一番初期の頃くらいしか知らないんだが(←サイコビリー失格)、こんなに入れ墨すごかったっけ?曲はロック野郎なら誰でも知ってるレッド・ツェッペリンのカヴァーだ。エルビス・コステロの温厚な曲(表現変か?)「Radio Sweetheart」とかもカヴァーしてたがやっぱりこっちのツェッペリンの方が疾走感があっていいね。

極端なダミ声にゾンビ・メイク、フリークスをイメージしたステージなど、今回書く中では最もわかりやすくサイコビリーという音楽のバッド・テイスト、B級カルト趣味を体現したバンドがこのディメンテッド・アー・ゴー!だろう。変格大好きのROCKHURRAHが一番好きなのがこのバンド。他のサイコビリー・バンドがスラップ・ベースのカッコイイはじけ具合などが評価の対象になっているのと比べて、このバンドはもうヴォーカルのドスの効いた声だけでインパクト満点。曲はB級SFテクノ・パンクの雄、ディーヴォの名曲。もっとサイコにカッコイイ曲がたくさんあるバンドなので、実はカヴァーとしてそこまで絶賛出来るほどのものではないんだが・・・。
なんだ、カヴァー・ヴァージョン特集、早くも失敗か(笑)?

サイコ=ヒッチコック=フレンジーという連想からきた名前なのか?
これもサイコ初期から活躍していたバンドで、ウッドベースのスラップ奏法(フレットをカチカチと叩きながらリズムを取る奏法)がとにかく素晴らしい。ところが同時に歌う声は甲高くて迫力なく、ギターもパワーがなくてペラペラな感じ。ファンにとってはそういうアンバランスさも魅力だったんだけど、一般的にはもっとパワフルな編成に出来たんじゃなかろうか?と思ってしまう。後期になってからは何だかわからない長髪のメンバーがいたりして「サイコビリーとはこうあるべき」という固定観念から脱却しようとする試みも感じられたバンドだったな。その実験性(と言うほど大げさなモノじゃないが)の結果がこの曲などにも顕著だ。何と、サイコビリーとは程遠いロキシー・ミュージックの「恋はドラッグ」をシンセサイザーやホーンをフィーチャーしつつカヴァーしていて、肝心のサイコビリー要素さえ全然感じられない作品となっている。
このバンドのカッコ良さを知るには「Robot Riot」や「I See Red」などの曲を持ってきた方が良かったのは明らかだが、またしてもカヴァー・ヴァージョン特集失敗か(笑)?

ディメンテッド・アー・ゴー!などと同じくゾンビ・メイク系で人気だったバンド。しかしディメンテッドほどの突き詰めたホラー趣味はなく、声も演奏もネオ・ロカ、あるいはジャズ、カントリーっぽい曲を得意としていて、そこまでアクの強い部分はないかも。クラッシュやプレスリー、それに「カントリー・ロード」や「ユア・マイ・サンシャイン」「トム・ドゥーリー」などなど、数多くのカヴァー曲があるんだが、今回選んだのはアメリカのTVアニメ「原始家族フリントストーン」のテーマ曲。サイコビリーの持つ暴力的な部分もいかがわしさも皆無のコミカルな曲で、「何でこの曲を持って来るの?」とファンにツッコまれそうだな。B-52’sもカヴァーした曲で、なぜかROCKHURRAHは原曲の方のCDまで持っている。よほど好きだったに違いないが、何がそこまでROCKHURRAHを惹きつけるのかは本人にもわからぬ。

上記のサイコビリー・バンドと比べると少し遅くデビューしたクリンゴンズ。ある意味ド派手なバカっぽさを競い合ってるサイコビリーの中でもこのバンドのルックスと変なパフォーマンスは一歩抜きん出ている。メンバーの一人はサイコ刈りを発展させたツノを生やしてるし、オムツ姿のライブなどは朝飯前。以前に当ブログ「Funnyちゃんミュージック」の時も登場いただいたが、今回もファニー路線でこれ「セサミストリート」のカヴァーだ。サイコビリーの場合は穏便にカヴァーしてても突如速くなったりスラップ・ベースが入ったりするもんだが、意表をついて最後まで原曲と同じペース。こりゃ一本取られたね。

ネオ・ロカからサイコビリーへの転身組、クリューメンはどちらかというと正統派な印象があるが、ファンも多くて人気あったバンドだ。ディメンテッド・アー・ゴー!やクリンゴンズは派手だけど、これらの格好を真似てそのまま街着にするにはちょっとはばかられる。それをはばからないのが真のサイコビリーなのかも知れないが・・・。
というわけで通常の社会生活を営んでいるサイコビリーが真似られるようなバンドはやはり限られてくるが、このクリューメンとかはスッピンだし、影響も受けやすいのでは?でも若者たち、サイコビリー・テイストはやめてね。
話が逸れたが今回選んだのはグラム・ロックの大魔神、ゲイリー・グリッターの大げさな名曲のカヴァーだ。破綻してなくてメデタシ。

結構長くなってしまったので後半駆け足気味。コメントもだんだんぞんざいになって来るのがROCKHURRAH流。他のサイコビリー・バンドはデビュー当時は若くても海千山千のふてぶてしさがあるもんだが、このバンドは顔立ちが幼くてやんちゃな感じが微笑ましい。短パンにポロシャツだもんなあ。
曲はネオ・アコースティックの有名曲、ハウスマーティンズのカヴァー。さわやか系青春サイコとしては定番の曲だな。

もっと意外な曲のカヴァーはないか探していたらこんなのもあった。サイコビリーでやるか?この曲。エコー&ザ・バニーメンの哀愁の名曲をカヴァーしている。本当に、やろうと思えばどんな曲でもカヴァー出来てしまうサイコビリーという音楽も恐るべし。クエイクスは今回コメントしたバンドの中で唯一アメリカのバンドだ。サイコ=ヨーロッパという好みがあるROCKHURRAHはこのバンドの事についてはあまり詳しくないから、コメントは控えておこう。ストレイ・キャッツのレコード・ジャケットをパロディしたのでも有名だな。

この曲だけが有名で限りなく一発屋に近い印象がある。原曲は70年代にミッキー・モストがやっていたRAKレーベル所属のアローズというバンドのものだが、それよりも元ランナウェイズ、ジョーン・ジェットのカヴァーの方で著名。というかカヴァーなのに代表曲だもんな。このラットメンもそのパターンを踏襲しているかな。これまたサイコビリー系のDJタイムではおなじみの曲。

サイコビリーの毒々しい部分は少なくてネオ・ロカビリーや他のポップな音楽と程良くミックスされた聴きやすいバンド、ロング・トール・テキサンズ。本人たちをデフォルメした独特のコミックっぽいレコード・ジャケットも含めてトータルな質感が高いバンドだったな。
カヴァー曲も得意にしていてサイコビリーのバンドがなぜか伝統的にカヴァーする率が高いクラッシュの「Should I Stay Or Shoul I  Go」やスウィートの「Ballroom Blitz」なども例外なくカヴァーしている。この「Breakaway」は60年代の女性シンガーソングライター、ジャッキー・デシャノンがオリジナルでいいのかな?アーマ・トーマスのヴァージョンが一般的だが、80年代的にはやっぱりトレイシー・ウルマンのカヴァーが代表的だろうか。逆に男でカヴァーするのが珍しいからなあ。ちっちゃ過ぎて何だかよくわからないが、写真はアンリ・カルティエ・ブレッソンによるもの(ウソ)。

最後に。このブログを書き始めた時にはまだ知らなかったが、何とROBINが解散してしまうとの事。SNAKEPIPEとROCKHURRAHが一番好きなバンド。二人で最もライブを観た日本のバンドがROBINで間違いないし、このブログでも最も記事を書いたバンドかも知れない。
二人は全然関係者でもなくて単なるファンだから、友達みたいな事は全く書けないが、ウッドベースのYASUさんはいつでも気さくに握手してくれたし写真も何回か撮らせていただいた事もある。ギターのHIROSHIさんは迫力満点なのであまり声をかけられなかったが、去年の千葉ルックで仲間たちと念願の集合写真を撮らせていただいたのも素晴らしい思い出。
これからROBINのメンバーが別々にどういう活動をしてゆくかはわからないが、熱烈に支持出来るバンドがいなくなるのは寂しい限り。写真のシングル・ジャケットもカヴァー曲(ラークスの「Maggie Maggie Maggie」)なんだが、今回選んだのはこの曲ではなく、ミスフィッツの「American Psycho」だ。初期の頃から彼らが得意にしている曲でROBINのライブには欠かせない。
SNAKEPIPEがROBINのライブ参戦記を毎回書いてくれているんだが、ROCKHURRAHは今までほとんど書いた事なかったなあ。解散の時になってからしか書かないのもファン失格だろうけど、いつまでも応援し続けてゆきたい。