Monthly Archives: 7月 2012

【何だかわからんがスゲー怖い。HAUS ARAFNA / Children Of God】

ROCKHURRAH WROTE:

先々週末の関東は肌寒いくらいの曇天で気持ちよかったが、先週は一転して猛暑続き。夏が大嫌いと公言しているROCKHURRAHはすっかり参ってしまった。鍛え方が足りないのは百も承知だがあまりの湿度で外に出た途端、一瞬にして汗だく、頭も朦朧としてくるなあ。

さて今回はそんな猛暑を吹き飛ばしてくれるとは全然思ってもいないが、不気味な映像や音楽を鑑賞してみよう。

人によって不気味とか怖さはそれぞれ違ってくるだろうし音だけだとなおさら個人差があるのは仕方ない。ROCKHURRAHの場合は短絡的で、不気味音楽と言えば不協和音満載のノイズ・ミュージック、あるいはインダストリアルな風味のものをすぐに思い浮かべてしまう。

こういった音楽を全く聴いた事がない一般的な人々はどういうものを不気味だと感じるのだろうか? 例えばゲームとかアニメとか映画、ドラマとかでも不気味なシーンに爽やかポップスが流れる事はないように思えるから、ROCKHURRAHの感じる音とそれほど遠くない世界だと言えるのか。

しかしそういうノイズ、アヴァンギャルド、インダストリアルなどと呼ばれた音楽家たちは大抵ヒットとか売るためのプロモーションとは程遠い活動をやっているに違いない。レコード会社も金のかかった凝った映像とか用意出来るはずもないのが現状。今回取り上げた楽曲もどこか別の映像を取ってつけたようなのが多いけど、そりゃまあ仕方ないと思ってね。あと、ROCKHURRAH RECORDSのブログ倫理ってほどじゃないけど、直接的なグロとかゴアとかは禁止令。ROCKHURRAHの言う不気味とは違うんだよね。

SPK / The Agony of the Plasma

70〜80年代ニュー・ウェイブ世界におけるインダストリアル・ミュージックの元祖的存在はジェネシス・P・オリッジ率いるスロッビング・グリッスルやアメリカのペル・ユビュ、クロームあたりが挙げられるらしいが、このオーストラリアのSPKもかなり早くからインダストリアルな世界を展開していた。
System Planning Korporationの略だとか「切腹」の略だとか言われるが、ノイズやインダストリアル系で略号、記号のようなバンド名が多いのもSPKの影響だと思われる。

このバンドの初期は現役の精神病患者とその看護人が主要メンバーというすごい構成で、簡単に言えば本物志向。
ただし病院にも行かず鑑定もされずに世の中に出回っている狂気は日常にどこでも見かけるもの。
それが単なる迷惑じゃなくて音楽に昇華出来るならば少しは健全だと言えるね。
その問題の人物ニール・ヒルは84年に自殺。SPKには短い期間しか在籍してなくて、この後も女性ヴォーカルでポップになったSPKは存在してるんだが、やっぱり初期の強烈さと比べると普通になってしまった印象がある。
個人的には暴力的インダストリアルの先駆けである「Slogun」とか大好き。DAFの2ndあたりに通じるね。

さて、この曲は彼らの2ndアルバムに収録されていて、とにかく最初の2枚はインダストリアル・ノイズ・ミュージックの最高峰とファンに親しまれている。確かに聴衆を完全に突き放したひとりよがりのノイズとは一線を画する出来。
映像の方はこのバンドのオリジナルとは違ってて、カナダのLorde Awesomeというバンドのものらしい。うーん、最近のノイズ界には疎いのでよくわからん。犬のようなかぶりものをした男がお面を外してニヤニヤ。一見サイコ・スリラーの一場面のようにも見えるが、映像よりもその音楽の方が数段不気味。

Nurse With Wound / The Bottom Feeder

これまたSPKと同時期の78年にデビューしたノイズ・ミュージック界の老舗バンド。
イギリスのUDレーベル(UNITED DAIRIES)の中核として、しつこいくらいにレコードを出しまくっていたな。
当時は情報がほとんどなく、どれがシングルでどれがアルバムかもわからなかったもんだ。
これをリアルタイムで集めた人はよほどの金持ちか、と思っていた記憶がある。
だからこのバンドの事をROCKHURRAHなどが語る資格はないんだが、ホワイトハウスとのスプリット・アルバムを大昔になぜか兄が買ってきたのを急に思い出した。

この曲は彼らの長い長い活動歴からするとごく最近と言っても良い2008年くらいのもの。ハリウッド・セレブのようなジャケットも古い彼らを知る人間から見れば「らしくない」に違いない。大昔に聴いた時よりもずっとポップな印象で「こんな音楽だったっけ?」と首をかしげる穏便なノイズ。
映像の方はチェコのストップモーション・アニメ監督、イジー・バルタの作品らしい。地下の実験室のようなところやおどろおどろしい雰囲気はさすがにプロの仕事、素晴らしいな。不気味というよりはかなりスタイリッシュな雰囲気だな。

Whitehouse / Why You Never Became A Dancer

インダストリアルとかノイズの世界で最も暴力的な音と言われているホワイトハウスは、元エッセンシャル・ロジック(パンクの時代に人気あったX-ray Spexのサックス奏者だったローラ・ロジックのバンド)のギタリストだったウィリアム・ベネットによるバンドだ。
何曲か聴けばわかる通り「曲が」とか「歌が」とか言う以前に耳障りなノイズがうるさい。
そして怒鳴る、がなるといった表現がピッタリの大変に聴きにくいバンドである事は確か。
例えばハードコアのバンドでもこのような曲があるわけだから、ポップ・ミュージックとは全く異次元のものとは言っても、彼らの音楽で精神や肉体を開放させる人も多数いるわけだ。

関係ないがROCKHURRAHはこんな音楽を知るはずもなかった少年時代に短波ラジオなどからコラージュしたノイズ・ミュージックを作って遊んでいた。今から考えるとそれがインダストリアルと呼ばれる音楽に限りなく近いものだったのだ。楽器も機材もないような時代に一人で(ラジカセのダビング機能を駆使して)そういうのを作った事だけは誇れる。

さて、この曲も上のNurse With Woundと同じく、長い長い彼らの歴史からすれば近年の作品。
どのバンドでも初期作最高説を常に唱えるROCKHURRAHからすれば2000年以降の音楽をセレクトするのは心苦しいが、あくまで不気味映像を主点にした今回の企画だから仕方あるまい。 映像の方はずっと同じ調子で説明の必要もないが、これは本当に不気味極まりない。
曲の方も温厚になってしまったNurse With Woundとは比べ物にならないヴォルテージの高さ。
まさにぶちギレの極悪音楽。

Jonh Zorn & Diamanda Galas / Metamorfosis

ポップ・グループのYレーベルから82年にデビューしたディアマンダ・ギャラスはその4オクターブもの声を操る凄まじい歌唱と魔女のような風貌で強烈なインパクトを放っていた驚異の女性シンガーだ。
効果のほどは全然想像も出来ないが両手にマイク2本持って絶叫する過剰なパフォーマンスは有名。

ジョン・ゾーンはアメリカの高名な前衛音楽家で、あらゆる音楽を吸収したパワフル&幅広い音楽性でさまざまな分野のアーティストと共演している。ディアマンダ・ギャラスもその一人で、この曲は85年のエンニオ・モリコーネのカヴァー集より。
映像の方はEdmund Elias Merhige(読めん)という監督の映画から編集したようだが、これ(オリジナルの映画の方)が不気味を通り越して意味不明な気色悪さに満ち溢れたもの。
そういうのが好きな方は一見の価値ありかも。音楽の方も相変わらず絶叫しまくって凄まじい。と言うか映画よりもディアマンダ・ギャラスのライブ映像の方が不気味かもね。

以上、そこまでノイズ通でもないROCKHURRAHが中途半端に選んでみた。大多数の人にはノイズもアヴァンギャルドもインダストリアルも苦痛な音楽だろうが、ある種の人々にとっては快感になり得る。そういうダークサイドの魅力もわかる苦み走った男になりたいものよ。

20120722-012【Pseudodocumentation: Apollonian and Dionysianより】

SNAKEPIPE WROTE:

どこかの美術館で楽しそうな企画やってないかな、と検索しても何故だか連休や夏休みになると子供向けの、SNAKEPIPEやROCKHURRAHが全く興味を示さないような展示ばかりが目につくことが多い。
子供が行きたがるような企画にしないと親もついていかないし、儲けにならないのは理解できるけどねえ。
世の中お子様中心に回っていない、と考える人間もいるんだから、もうちょっと企画なんとかしてもらいたいよね!

仕方ないのでまたネットで検索。
何か面白そうな作品ないかしら?
ん?こ、これはっ!(笑)
あっさりSNAKEPIPE好みの作品に出会ったよ!


David DiMichele
というアメリカ人アーティストで、どうやら1980年代から活躍している模様。
日本で紹介されている記事を発見することができなかったばかりか、ご本人のHP、もしくはギャラリーのサイトで作品を目にすることはできてもプロフィールに関して知ることができたのはほんの少しだけ。

・カリフォルニア大学バークレー校でアートを勉強
・2008年にロサンゼルスのアーティストフェローシップで大賞を受賞
・その後ニューヨークとロサンゼルスで個展を開催
・ロサンゼルス現代美術館でグループ展にも参加

など、少しだけ情報を手に入れることができた。
何年生まれで現在何歳なのか、どうしてアートを志すようになったのかなどの詳細は全く不明。
こんなに面白い作品を制作するアーティストなのに残念だなあ。

最近はPseudodocumentationというシリーズを制作しているとのこと。
これは「偽りのドキュメント」と訳して良いのかしら?
実際に作品を作り、それを写真として展示する方法らしい。
だから個展、とはいっても写真の展示みたいだね。
本当はこんな現物を観てみたいよ。
どんなにワクワクすることだろう。
SNAKEPIPEが好んで撮っていた写真の雰囲気に非常に近いからね!

SNAKEPIPEは撮影というと歩きに歩きまくって、偶然出会った事象を撮影するという手法(?)を採用していたけれど、David DiMicheleは自分の好きな光景を自分自身で作りあげているんだね。
SNAKEPIPEが出会いたかった、撮影したかった光景を見事に再現してもらっているようでヨダレが出てくるね!(笑)
David DiMicheleが使う素材がガラスやロープ、鉄(?)などの無機質なのも好みだ。
アメリカ人アーティストというよりは、ヨーロッパ的な雰囲気を感じるのも興味深いしね!

「巨大な作品のように見せているけれど、実際は小さな作品」なんて書いてある文章をネット上で発見!
人が一緒に写ってる作品を鑑賞する限りではとても大きく見えるよね?
上の作品は、何やら大きな体育館のような施設の中に溶岩とかコールタールのような液体が流れ出ているように見えるけど…。

おや?
また別のサイトで左の写真を発見してしまった!
写真に写っている人物はDavid DiMicheleご本人なのでは?
上の作品を制作している過程だとすると、これが種明かしということになりそうだよね!
これだとやっぱり作品はかなり小さいみたいじゃない?
ということは人だと思っていたのも、小さい人形か何かを使っていたのか、合成で写してたのかもしれないね?
うー!騙されたー!(笑)
だからタイトルが「偽りのドキュメント」なのか!

最近のSNAKEPIPEは写真や絵画などの2次元の作品よりも、立体作品を扱う現代アートが好みなので、立体を作って写真で展示するDavid DiMicheleのやり方は好感が持てるなあ。
名前がDAVIDなのも気に入った。(笑)
それにしてもDavid Di Micheleというサッカー選手がいるようで、検索するたびに全然違う記事に遭遇してしまって苦労したよ!
もっとDavid DiMicheleに活躍して頂いて、名前が混同されないようにお願いしたいよ。
こんなに面白いアーティストなんだから、日本でも誰か企画して展覧会開いてくれないかなー?
実際に作品を鑑賞してみたいよー!

【リンチ自身が登場する個展の案内用映像!愛・平和が最高!(笑)】

SNAKEPIPE WROTE:

ROCKHURRAHとSNAKEPIPEが二人揃ってオープンしたての流行の場所に出かけることはほとんどない。
今回は非常に珍しく今年の4月に開業したばかりの渋谷ヒカリエに行くことになってしまった。
理由はデヴィッド・リンチのリトグラフ展の鑑賞のためである。
なんとリンチの日本における個展開催は21年ぶりとのこと!
そ、そんなに前のことだったのか、とびっくりする。
更に驚くべきことはその21年前の個展にもリンチ・フリークであるSNAKEPIPEはちゃーんと出かけていることだ。(笑)

その時の話は以前「かもめはかもめ、リンチはリンチ」の中で軽く語っていたSNAKEPIPEだったけれど、もう少し詳しくその時の話を書いてみようか。
21年前、それは1991年のことである。
「デヴィッド・リンチ展開催のためリンチ本人が来日!
同時に日本初公開のリンチの実験映画も公開します。
観覧希望の方は○月×日までに往復はがきでお申し込みください。
希望者多数の場合は抽選にて云々・・・」
リンチ、来日、初公開映像、などなど魅力的な単語に目が釘付けになるSNAKEPIPE。
だけど「○月×日までに」と「抽選」の2文字が引っかかる。
その記事に気付いたのが、締め切りのわずか2日くらい前だったんだよね。
郵送していては間に合わないかもしれない!
気付いたのが遅かったのが悪いけれど、どうしても抽選に当たりたい!
ということでなんとその翌日、会場でもあり、往復はがきの宛先であった東高現代美術館に直接出かけることにした。
長年来の友人Mも一緒に表参道へと向かったのである。

「美術館の職員を見つけ、直接往復はがきを渡す」
という体当たり作戦を考えていたのである。
今から思い返すとかなり無謀だったけれど、その時の2人は真剣なのであった。
従業員用の出入り口を見つけ、見張ること数10分。
まんまと思惑通りに男性職員がドアから出てきたのである!
これはチャンス!(笑)
Mと2人で職員に走り寄り
「お願いしますっ!どうしても観たいんですっ!千葉から来たんですっ!」
と口々に叫びながら往復はがきを職員に手渡そうと必死の形相で詰め寄ったのである。
今から考えれば、表参道と千葉なんて大した距離じゃないんだけどね。(笑)

「わ、わかりましたからぁ・・・」

なんとか職員に往復はがきを手渡し、2人揃ってぺこぺこおじぎ!
「お願いしまーす!」
「ありがとうございまーす!」
何度も頭を下げ続けるせいで、職員はもしかしたら用事があって外に出るつもりだったのかもしれないけれど、中に入ってしまった。
ひとまず作戦は成功、職員にもお願いしたし、とすっかり満足したSNAKEPIPEとMなのであった。

それから数日後。
往復はがきが返信されてきたのである。
見事抽選が当たった!!!
リンチ本人が来日し、インタビューもある時に会場入りができるほか、日本初公開の映画も鑑賞できるのである。
なんてウレシイ話なんでしょ!
そしてびっくりしたのは、抽選に当たった人としてナンバリングされていたのがSNAKEPIPEとMが0001番と0002番だったこと!
きっとあの時の職員の方が何かしらの魔法を使ってくれたんだろうなあ。
今からでもお礼が言いたいよ!
あの時は本当にありがとうございました!(笑)

待ちに待った当日。
SNAKEPIPEは確か「SKIN TWO」と刺繍されたキャップをかぶって行ったように記憶している。
これ、SM用語だからきっとリンチなら解ってくれるかなと期待を込めてね。(笑)
整理券を持つ人の列とは別の場所で
「私も観たい~!入れてよー!」
と叫んでる女性がいる。
誰かと思ったらなんと桃井かおり!
映画上映前にトイレに行ったら、一生懸命アイシャドウ塗ってる桃井かおりが!
整理券持ってなくても特別に入れてもらったんだろうね。(笑)

映画はアルファベット(原題:THE ALPHABET  1968年)とグランドマザー (THE GRANDMOTHER  1970年)を上映。
リンチの原点ともいえる作品を鑑賞することができたのは嬉しかった。
もちろん個展も素晴らしかったな。
モノトーンの油絵がとても新鮮で、ちょっと子供の落書き風のタッチのように見えるのに実は内容が怖い。
リンチは映画もそうだけど、相反するような2つ以上の要素を組み合わせることで、より恐怖を作り上げていくのが得意なんだよね。

そしてこの時の一番の目玉はリンチご本人の登場だった。
白いシャツのボタンを一番上まで留め付けるいつものスタイル。
とても紳士的な人物に見えた。
リンチ評論家の滝本誠氏と今は亡き今野雄二氏がインタビュアーとして登場!
確かこの時滝本誠氏はリンチの絵を大枚はたいて購入しているはず。
インタビューの内容は失念しているけど、あの時の個展用図録は今でも大事な宝物だよ!

と、長い長い昔話を書いてしまった。(笑)
やっとここからが今回の、21年ぶりの個展の話になる。
渋谷ヒカリエでのリンチ個展を知らせてくれたのはROCKHURRAHだった。
たまたま何かの記事を検索している時に発見したらしい!
そして冒頭の文章につながるように、渋谷に出かけたのである。

渋谷ヒカリエは「大人の女性のための○○」というコンセプトだと、確かめざましテレビで言ってたような?(まためざましか!)
そしてそれが記憶違いじゃなかったようで、各フロア共ほとんどが女性が喜びそうな ショップばかりだった。
SNAKEPIPEとROCKHURRAHが気になったのは4Fのアウトドアファッションコーナー。
なんとここにはアークテリクスのレディスショップが入ってるんだよね!
ちらっと見に行ったけど、「ROCKHURRAH視察団/ARC’TERYX編」に書かれているように、銀座と金町行ったあとだからねー!
イマイチになっちゃったかな。
それにしてもヒカリエは全体的に店員の質が低いのが気になった。
もうちょっと「大人の女性のため」に接客できるような店員を確保できないもんかね?

そしていよいよ8Fにある8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryへ。
このフロアはいくつものギャラリーが併設されているようで、Tomio Koyama Galleryはその中の3番目になるのかな。
他にも大学生の作品(?)を展示しているようなコーナーがあったり、催事場みたいに何か商品を売ってるようなスペースもあったな。
入り口入ってすぐにあの独特のリンチの声が聞こえてくる。
「トミオ・コヤマギャラリーへようこそ」
とリンチ自身が出演し、観客に呼びかけているこの映像に笑ってしまう。
ツインピークスを思わせる赤いカーテン(モノクロだったけど、恐らく赤だろうね)に、重厚な音。
1967年の作品「SIX MEN GETTING SICK」を思わせる、遊び心満載のリンチらしい映像に加えて、最後に空中に書き殴る「愛」「平和」の文字。
確認してみるとどうやらちゃんと漢字をなぞっている様子。
やっぱりリンチ、最高だよね!(笑)

21年前に鑑賞したリンチの個展はほとんどが油絵だったはずだけど、今回は油絵は1点のみ。
それ以外はリトグラフの作品だった。
リトグラフって何?という方のために簡単に説明すると、クレヨンの独特のテクスチャや、強い線、きめ細かい線、筆の効果、インクの飛ばした効果など、描写したものをそのまま紙に刷ることができる版画の一種だそうで。
ということは、描いた通りの線の複製ができるということか。
そして今回のリンチのリトグラフは和紙に印刷しているようなので、にじみの効果が加わり、偶然性が出て面白い作品に仕上がっていた。

リンチの絵画を鑑賞するのが初めてのROCKHURRAHが
「こんなにすごい作品とは思ってなかった!」
と感想を言う。
かなり気に入った様子だったので、とても良かった。
確かに黒の使い方が力強くてとても迫力がある。
そしてほとんどの作品の中にタイトル文字を書いているところも特徴的。
この文字がまたとても良いんだよね!
「ただの絵も良いけど、文字が入るとポスターっぽくなってカッコいい!」
とタイポグラフィ大好きなROCKHURRAHも大満足。
そうなんだよね、リンチの文字に味があるというか、独自のフォントといっても良い仕上がりなんだよね!

今回の展示は鑑賞するためのものだけじゃなくて、なんと販売もされてたんだよね。
リトグラフ一枚225,000円だったかな。
お金があったら複数枚購入したくなっちゃうよー!
ちょっと無理をすれば買える金額だもんね。
壁一面リンチの作品、なんて夢のようじゃない?
やっぱりサマージャンボ買うか。(笑)

リンチは平面の作品だけじゃなくて、立体作品も制作しているのを海外のサイトで知った。
その作品もまた稚拙な雰囲気だけど怖いんだよね。(笑)
そんな作品群も鑑賞できたらいいなあ。
今回の個展でSNAKEPIPEがどれだけ長い間リンチのファンを続けているのか、そしてやっぱり好きだと改めて認識することができた。
まだまだ追っかけ続けないとね!(笑)

【世界各国の美人兵士を集めた画像より。迷彩の参考になるかな?】

ROCKHURRAH WROTE:

前に同じようなタイトルで似たような記事を書いたけど、何と2年も経ってパート2を書いてみようと思い立った。前の「ROCKHURRAH視察団」も2年ぶりだったし、まさに因果は巡る糸車(NHK「八犬伝」にこんなセリフあったなあ。覚えてる人いるかな?)。

前回は比較的古典的だったりメジャーな迷彩だったけど、今回は前に書ききれなかったもの。誰も知らないような国の超マニアック迷彩とかは書かないから大丈夫。

ミリタリーにある程度詳しい人以外は街中とかで変な迷彩見かけて「変わった柄だな」とは思っても名前もわからないだろうし、あまり調べようもないよね。「変な迷彩」などと画像検索しても出てくるわけもなし。 そういうビギナーだけど興味ある、という人が一番好ましいしROCKHURRAHも全然「通」じゃないから、ミリタリーおたくのディープな考察が知りたい人は他で探して欲しいCAMO。 そして一番のポイントはサバゲーとかじゃなくて普通に街着としてどうか、という視点で書いてゆきたい。 さて、いつも前置き長過ぎるからあっさりと始めるとするか。

これはアメリカ海軍のNWUというパターンで、Navy Working Uniformの略だそうだ。古い世代の人間としてはウッドランドやタイガーストライプみたいに端的に迷彩柄を表す名称の方がわかりやすいんだけど、最近の米軍は何でも略称で言いたがる傾向にあるな。ACU(Army Combat Uniform)とかABU(Airman Battle Uniform)とか、一般に町中でどの程度普及してるのかリサーチしてみたいくらいだよ。民間発の迷彩マルチカムが案外普及してるのに比べてネーミングがわかりにくいと思うのはROCKHURRAHだけか? 名前はアレだが、この迷彩は薄ぼんやりしたACUよりは個人的に好きな感じ。見ての通りデジタル・パターン、単に青色強くしてコントラストをはっきりさせたACUと言えなくもないが、ACUよりずっと強く戦闘的に見えてしまう。青くしたのは海バックで着る事が多いからなのかね? あまり市場に出まわってもいないし、本物はやたらと高いのが残念。民生品ではTRU-SPECがこの柄を出しててたまに見かけるね。かくいうROCKHURRAHもこの柄のブーニーハットを愛用。ACUやMARPAT(海兵隊の茶色派手な迷彩)よりは街着に似合うかな。え?そうでもない? あまり面積多いと主張し過ぎる気がするのでリュックとか袖だけこの柄とかおしゃれCAMO。海だから海パンの柄でもいけそうだし、「瀬戸のほんじお」のパッケージで採用すれば大ヒット間違いなし(短絡的)。

では街着に似合わなさそうなこれ。MARPAT(Marine Patternの略)は海兵隊の迷彩だが緑茶色っぽいウッドランド・マーパットとこのデザート・マーパットのヴァリエーションがある。要するに活動する場所によって違うわけだが、これは見てわかる通りどう見ても砂迷彩。もともと砂漠用迷彩は色数によっていわゆる6Cデザートとか3Cデザートとか存在していたが、それのデジタル版という位置なのかね。砂漠地帯と言えば近年最も戦いの多かった場であり、普及率も活躍率も高いのは当たり前。こないだ見た映画「Navy Seals」でも大活躍していたな。割と見かけるし夏っぽい感じはするが、全身に取り入れない限りは他のアイテムとはちょっと合わせにくい気がする。服だけじゃなくベストや装備までトータル・コーディネートしたら格好はいいだろうね。中途半端はいかんぜよ。

お次は数年前に登場して話題となったA-TACSなる迷彩。Advanced TActical Concealment Systemの略だとの事だが、よくも大まじめに語呂を考えるよな。瓦礫の中や岩場での迷彩効果もバツグン。ACUの次に陸軍に正式採用されるCAMO、などという噂があったのが2年ほど前だが、現在の進捗状況はどうなのかね?いつまでも「次世代」と言われ続けてるような気がするが、最初に書いた通りROCKHURRAHはマニアではないもんで最新情報には疎いのじゃ。 さて、この柄はACU系列のデジタル・カモにはあまり見えないが、実はモザイクが詳細になっただけでれっきとしたデジタル迷彩らしい。しかし正直言って何だか薄汚いしどろんこ遊びした後のように見えてしまう。女性ウケはしなさそう。迷彩に関する理解度は日本最大級だと思われるSNAKEPIPEも「着る気はしない」とキッパリ(笑)。 話題になった迷彩だし最近はフォリッジ・グリーンのヴァージョンも出てきた。ミリタリー・アパレルの大手プロッパーが強力にこの柄を推進してるから、普及率も今後増えてゆきそうな気配はする。がしかし、ヘタに流行って町中がドロ柄、コケ柄(フォリッジ・タイプはそんな感じに見える)だらけになったら恐ろしいな。

アメリカ中心に書いてきたけど、ちょっと毛色の違ったものも挙げておこう。これはカナダ軍のデジタル迷彩で通称CADPATと呼ばれるもの。Canadian Army/Airforce Disruptive Patternの略だそうだ。うーん、覚えられん。 理由は特にないが我が憧れの国カナダなのは当ブログで何度か書いたから、全部読めばそういうROCKHURRAHの嗜好もわかってもらえるだろう。そんなカナダの迷彩は近年のデジタル迷彩の中ではかなりハッキリした輪郭で、ところどころがピンクっぽくなってるのがポイント。もし今まで見た事なくても、この柄見た瞬間に好きになった人も多いのではなかろうか。MARPAT柄と基本は似ているがアメリカとは気候風土が違うし、森の色合いとかも違うから、随分と印象が違って見える。実は迷彩服にデジタルを取り入れたのはカナダが世界初との事だが、その割には知名度も低くて流通してないなあ。個人的にはどの米軍迷彩よりも好きCAMO。 と言いつつ似合わない迷彩も多いROCKHURRAHだが、これは是非着用してみたいと思った。写真のようなソフトシェルは日本ではなかなか見かけないけど、あったら欲しくなりそう。袖通して「やっぱり似合わない」とSNAKEPIPEに言われそうだけどね。

最近の米軍迷彩がデジタル・パターンになってるのに対して、ヨーロッパはまだアナログ的なものが多く残ってて、これに風情を感じる人も多かろう。写真はイギリスのDPM迷彩と呼ばれるもの。これまたよくわからんけどDisruptive Pattern Materialの略だそうな。ウッドランドと似た色合いで迷彩に興味ない人だと、これが別物だとは気づかないCAMO知れない。よく見ればこちらはウッドランドよりさらに筆っぽくてダイナミック、実はアート界の巨匠がデザインしました、と言っても信じてしまいそうな柄だね。 近年は冬場にスナグパックやバッファロー・システムのアウターを着る事が多いが、これらはどちらも英国製で英国軍でも採用されている防寒着だ。そういうのを着た時にはやはり米国迷彩は似合わないと思われるので、DPM柄のカーゴ・パンツを穿きたいものだ。 そういう伝統的迷彩が主流だった英国軍も最近ではMTP(Multi Terrain Patern)と呼ばれる柄に移行しているらしい。米軍のマルチカムとは兄弟柄で、制作元も一緒のクレイ・プレシジョン、パッと見にはほとんど見分けがつきません。

最後はSNAKEPIPEの大好きなドイッチェランド迷彩、フレクターカモと呼ばれるもの。ドイツ風に読むとFlecktarn、ウッドランドやタイガーストライプと並んで世界的に最もポピュラーな迷彩だと思える。色の使い方もいかにもヨーロッパの山岳地帯っぽくて深みがある渋い柄だな。しかしこの色数と柄だから、おしゃれに着こなすのは至難の業だとも言える。全体にこれを着用すると一気に怪しくなってしまうし、大好きだと言うSNAKEPIPEでもバッグやキャップ、傘をこの柄にしてる程度。んがしかし、一度も外で着用してないが何とフレクタンのツナギを所有しているツワモノだ。一体いつ着るんだよ、全身これだと目立ちすぎないか? これの色違いといった雰囲気のデンマーク迷彩(全体的に緑)だと随分シックになるし、日本の自衛隊のJSDF迷彩も結構似た柄を採用している。色合いが違うんだけど、自衛隊の近くに住んでる人はいかにフレクタン好きでこだわってても、一般の人から見れば自衛隊にしか見えないので注意が必要CAMO。

本気じゃなくて迷彩好きの人も多数いるだろうけど、いつまでもウッドランドばかりじゃなくて、1ランク上を目指して近代迷彩に染まってみるといいだろう。