Monthly Archives: 9月 2013

【デニス・ホッパー撮影のアンディ・ウォーホル。大好きな一枚だ!】

SNAKEPIPE WROTE:

国立新美術館ポップ・アート展やってるよ」
長年来の友人Mから連絡があったのは、随分前のことだ。
展覧会は開催期間が長いので、どうしても絶対早く観たいと思うもの以外は、期間中に行かれたら行こうね、という約束をする。
8月中は夏休みのために入場者数が多く鑑賞しづらいだろう、というのが先延ばしにしていた理由になる。
そしてついに9月に入ってから、約束通りに六本木に繰り出したのである。

国立新美術館は、SNAKEPIPEにとっては「シュールレアリズム展」「マン・レイ展」に続く3回目の来館だったけれど、友人Mは初めてになるらしい。
そのためSNAKEPIPEが美術館までの道のりを案内するようなカタチになってしまった。
例の「大学院大学」が見えてきた時にはホッとする。
方向感覚に優れた友人Mから「信じられない!」と何度も言われた経験のある筋金入り方向音痴のSNAKEPIPEにとって、道案内することは大仕事だからね!(笑)
予想通り来館者は思ったよりも少なく、SNAKEPIPE命名の「国立系」もそれほど見かけない。
やっぱり8月を避けて正解だったようだ。

ここで少し「ポップ・アート」について書いてみようか。
「ポップ・アート」と聞いて誰もがまず一番初めに思い浮かべるのは、アンディ・ウォーホルだろう。
マリリン・モンローをモチーフにした作品やウォーホルが監督した映画だったり、もしかしたらヴェルヴェット・アンダーグラウンドを連想する人もいるだろう。
SNAKEPIPEもアンディ・ウォーホルについては以前より興味があり、ドキュメンタリー形式の本を読んだり映画を観たりしてウォーホルとは一体どんな人だったのか、何をしていたのかを知りたかった。
最も興味を持ったのは「ファクトリー」と呼ばれたウォーホルのスタジオに集まる人々とその行動かな。
ニコが一日バスタブに浸かって読書をしていた、なんて文章を未だに覚えているくらい。(笑)
ウォーホルと同じように銀髪にしたイーディ・セジウィックの可愛らしさ!
イーディのポストカードはずっと飾っていたっけ。
60年代は、なんとも言えない魅力にあふれた憧れの時代なんだよね!

他にポップ・アーティストといえば、ロイ・リキテンシュタインを思い出すね。
あれ?
もうこれ以上出てこない!
「ポップ・アート」と聞いて、ちゃんと認識できているアーティストが非常に少ないことに今更ながら気付き驚くSNAKEPIPE。
断片的に作品は鑑賞しているみたいだけど、どうやら「ポップ・アート」としてまとまった展覧会を観たことがないんだね。
これはやっぱり行って確認しないと!(笑)

「ポップ・アート展」は日本美術および現代美術の世界有数のコレクターとして知られている、ジョン・アンド・キミコ・パワーズ夫妻のコレクションを展示しているとのこと。
パワーズ夫妻はポップ・アートがまだ評価を確立する以前からその真価を見抜き、作家を直接支援することによって、世界最大級のポップ・アート・コレクションを築き上げたらしい。
これだけの作品をプライベートでコレクションできるなんて余程の資産家だろうし、広大な敷地を持つ邸宅に住んでいるんだろうね!(笑)
夫妻の名前からして判るように、「キミコ」は日本女性なんだよ。
一体ジョンとキミコにはどんなロマンスがあったんだろうね?
そんなお話も聞いてみたかったなあ。(笑)

会場に入ってみると、「ポップ・アート展」はアーティスト別に部屋が区切られ、そのアーティストの全貌を知ることができるように配置されていた。
それでは気になったアーティストについての感想をまとめていこうか。

1. ロバート・ラウシェンバーグ(Robert Rauschenberg)

1925年テキサス州生まれのロバート・ラウシェンバーグは、アメリカにおけるネオダダの代表的な作家として活躍し、のちのポップ・アートの隆盛にも重要な役割を果たす。
2008年、82歳で心不全のため死去。

実は今回の展覧会の中で、SNAKEPIPEが感銘を受けたのがロバート・ラウシェンバーグだったんだよね!
フォト・モンタージュを取り入れていたり、タイポグラフィも登場していたので、ネオダダと聞いて納得!
「コンバイン(結合)・ペインティング」と呼ばれる様々なオブジェの組み合わせに激しい筆触のペイントを加えた作品群は迫力があってカッコ良い!
上の作品「ブロードキャスト」も「コンバイン・ペインティング」で、中央辺りにラジオが内蔵されていて、実際に放送を聴くことができたらしいね。(笑)
ロバート・ラウシェンバーグの名前は耳にしたことがあるけれど、実際に作品を鑑賞するのは初めてだったのかも。
もっとロバート・ラウシェンバーグについて知りたいし、個展が開催されるなら是非鑑賞してみたいな!

2.ジャスパー・ジョーンズ(Jasper Johns)

ジャスパー・ジョーンズは1930年ジョージア州生まれ。
上述のロバート・ラウシェンバーグと同じようにネオダダやポップ・アートの先駆者として活躍したアーティストである。
wikipediaによれば、どうやらロバート・ラウシェンバーグと同じビルに住んでいたことから友人関係にあったらしい。
同じ方向を向いたアーティストが近くにいるってものすごい偶然だよね!

ジャスパー・ジョーンズといえば、アメリカ国旗やダーツの的をモチーフにした作品が代表作といえるだろうね。
もちろん代表作の展示もあったけれど、今回の展覧会では、左のような様々な色を使った線の絵が一面全てに展示されている部屋があり驚いてしまう。
友人Mと顔を見合わせ、首をひねる。
抽象絵画といったら良いのかすら判らないけれど、どうもSNAKEPIPEには理解できない世界観だなあ。

3.アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)


アンディ・ウォーホルは1928年ピッツバーグ州生まれ。
上述したようにポップ・アートといえばウォーホルというくらいの有名人だよね!
1987年胆嚢手術を受けるも、容態が急変し心臓発作のため58歳で死去。

今回の展覧会の目玉が「200個のキャンベルスープ缶」だった。
誰もが知っているというくらいの有名な作品だと思うけれど、SNAKEPIPEが知っていたのはどうやらシルクスクリーンで印刷されたものだったみたい。
今回展示されていたのは、印刷されたものではなく、描かれている作品だった。
近くに寄って鑑賞してみると、ちょっとフォントが歪んでいたり、一番下の列は同じ銘柄が並んでいるのを発見して楽しくなってしまった。
描き続けているうちに、少し飽きてきたのかも?(笑)

他にもマリリン・モンローだったり電気椅子などの有名な作品が展示されていたけれど、あまりにも見慣れすぎているためか確認作業をしている気分になった。
今回の展示で異質だったのは、スポンサーでありコレクターであるキミコ・パワーズの肖像が並んでいたこと。
なんと部屋の全てがキミコだったんだよね!
依頼をして作ってもらったのかもしれないけど、展覧会に自分の顔が並んでいる光景とはいかがなものか?(笑)
ウォーホルの作品には違いないけど、知らない家族のポートレートを無理矢理観させられてる気分になってしまったよ。

4.ロイ・リキテンスタイン(Roy Lichtenstein)

1923年ニューヨーク州生まれのロイ・リキテンスタインも、アンディ・ウォーホルと同じくらい有名なポップ・アーティストだよね。
1997年肺炎のため73歳で死去。

漫画の一コマを印刷インクのドットを含めて描いた作品群は、非常にインパクトが強く印象に残りやすい。
今回の展覧会では、その細かなドットの一つ一つが描かれていることを実際に目にすることができて嬉しかった。

リキテンスタイン作のドットが描かれてたコーヒー・カップも展示。
黄色いカップに黒いドット柄。
この雰囲気、どこかで観たよねと友人Mと顔を見合わせる。
そうか!草間彌生のかぼちゃのシリーズにそっくりなんだね!(笑)

他にも数人のアーティストの作品が展示されていたけれど、作品数が少なかったし、ポップ・アートの範疇に入るのかよく判らない作品もあった。
ポップ・アートの定義って難しいよね。
wikipediaによれば

雑誌や広告、漫画、報道写真などを素材として扱い、
大量生産・大量消費社会をテーマとして表現する、
現代美術の芸術運動のひとつ

とのこと。
この文章読んでも、ウォーホルとリキテンスタインの作品について書いているだけで、充分に説明されているとは言い難いよね。(笑)
SNAKEPIPEがポップ・アーティストについて即答できないのも無理ないかも?

1950年代にイギリスでポップ・アートが始まり、1956年にリチャード・ハミルトンが雑誌や広告の魅力的な商品やゴージャスなモデル写真を切り貼りしたコラージュで、ポップ・アートの先駆的作品を制作していたとは知らなかった。
左に載せたハミルトンの作品「Just what is it that makes today´s homes so different, so appealing?」の中にはロリポップキャンディーの包み紙にポップの文字があるんだよね。
評論家であるローレンス・アロウェイが商業デザインなどを指して「ポピュラーなアート」という意味で使用したときに「ポップ・アート」という言葉が誕生したという話も今回初めて知ったよ!
前から知っていたはずのポップ・アートだったのに、意外と何も知らなかったことが判っただけでも新発見かな。(笑)
そしてネオダダからポップ・アートへ移行していった、ということについても知識がなかったんだよね。
現代アートに興味がある、と言っておきながらまだまだ未熟者のSNAKEPIPE。
もっと勉強が必要ね。(笑)

【ミルクといえば『時計じかけのオレンジ』でのコロヴァ・ミルク・バーだね!】

SNAKEPIPE WROTE:

世界中の食卓でお目にかかる飲料といえば、ミルク!
家庭によって牛だったりヤギだったり、もしくは豆だったりと元となる動植物に違いはあるけれど、老若男女・人種問わず誰もが日常的に口にすることが多いと思う。
日本ではほとんど1リットル入りのありふれた四角い紙パッケージしか見覚えがないけれど、世界にはどんなデザインがあるのかな?
今回の「ROCKHURRAH紋章学」では、世界各国のミルク・パッケージ・デザインについて特集してみよう!

食料品のパッケージでモノクロームというのは、あまり目にしたことがないSNAKEPIPE。
一体何が入っているのか判らないよね?
ロシアのDepot WPF Branding Agencyがデザインしたミルク・パッケージなんだけど、HPがロシア語なので読解不可能!
今までのデザインをまとめたページでは、見たことがあるロゴやパッケージがたくさんあったので、有名なデザイン会社みたいだね!
このミルク・パッケージは自然農法と手製の生産工程を強調するために、鉛筆により手描きしたらしい。
ヨーロッパのすぐれた広告作品を表彰する2010年の「エピカ・アワード」において、Package of the Future Contestでトップ10入りを果たしたらしい。
シンプルだけれど、目を引くデザインだよね!

次も「milk」って書いてなかったら、中に何が入っているのか判らないパッケージだよね?
記号や図形が描いてあると、スポーツドリンクとか薬のように感じちゃうよね?

デザインしたのはAudrée Lapierreというカナダのクリエイティブ・ディレクター。
データの可視化を得意としているようで、とても女性の作品とは思わなかった!
カロリーの比率、栄養バランスなどの重要で有用な情報を与えるためのデザインらしい。

未来的な雰囲気はとても好きだけど、ミルクだと思うとあまり美味しそうに感じないのはSNAKEPIPEだけだろうか?(笑)

続いては白とグリーンが印象的な不思議な形のパッケージ。
コロンとしていてとてもカワイイよね!
「soy mamelle」と書いてあるから、もしかして豆乳なのかしら?
KIANというロシアのブランドエージェンシーがデザインしたらしい。
おお、またもやロシア!
そして上述したDepot WPFと同じように、KIANも2012年の「エピカ・アワード」の何かを受賞したとHPに出てるね。
こちらもロシア語だから読めないんだよね!(笑)
KIANは豆乳の栄養価は牛乳と変わらないけれど、コレステロール値は低いということを、牛の乳房に似たパッケージで表現し、更に緑色を使用することで製品が植物性で健康的であるというメッセージも込めたとのこと。
六波羅家も最近牛乳から豆乳に変えて、グリーンスムージー作ってるんだけど、大型の冷蔵庫じゃないとこのパッケージは入らないかもね?(笑)

YANKO DESIGNによるパッケージにはちょっと説明が必要だね。
賞味期限が近づいてくると、どんどん色が付いてくるという画期的なパッケージなんだよね。(笑)
紫外線が当たると色が変わる紙があることは調べて確認したんだけど、このパッケージにはどんな仕掛けがされているのか不明!
コストや素材が気になるね。(笑)
例えば1日で飲んでしまうような場合には、こんな色の変化をみることはできないってことか。
それにしても、一目瞭然という言葉通りの視覚化は面白いよね!
それにしてもこのYANKO DESIGNの代表者がTakashi Yamadaという日本生まれでカナダ育ちの男性なんだよね。
日本とカナダを往復している、なんて書いてあったよ。
ちょっと羨ましい生活スタイルだね!

最後はこちら!
なんともインパクトのあるこのミルク・パッケージはThe Guernsey Dairyが2010年にデザインしたもの。
「より温和で、より無害な時代を喚起すること」を考え、デザインチームがレトロで奇妙なデザインを模索するために、広範囲な研究まで行ったらしい。
その結果、飢饉やファシスト体制の下であっても、すべて過去のほうが現代より良い時代だったと回答する人が多かったらしい!
そして「それは玄関の鍵をかけなかった古き良き時代、共同体意識と虐殺の記憶を蘇らせるもの」としてこのマークを使用したパッケージにした、というのだ。
解るような、解らないような説明だよね?(笑)

ガーンジーというのはイギリス海峡のチャンネル諸島に位置するイギリス王室属領で、フランスに近い場所の島々とのこと。
酪農が有名なようで、ミルクの色が金色に近く、ゴールデンミルクと呼ばれているらしい。
輸出もしているようで、フランス、ベルギー、ポーランドでもこのパッケージで発売します、なんて書いてあったよ。
かなりドキリとさせられるに違いないね!

デザイン関係を検索していると毎回同じ感想を持つけれど、世界にはユニークな物がたくさんあるよね。
コンセプトの構築と共に商品の方向性が決定され、商品名やパッケージデザインまで首尾一貫している点が良く解るよね。
今回はミルク・パッケージについてまとめてみたけれど、改めてスーパーで牛乳コーナー見てガッカリしちゃうね。
牛と牧場の絵とか文字だけ、とか味気ないパッケージばかりだもんね。
日本には根付いていない文化なのかな。

【今回特集した5本の映画のポスター】

SNAKEPIPE WROTE:

前回の予告通り、ペドロ・アルモドバル監督特集第4弾!
宅配レンタルにて鑑賞することができた初期の作品5本について、簡単な感想をまとめてみたいと思う。
アルモドバル監督の処女作は1980年の「Pepi, Luci, Bom y otras chicas del montón」とのことだけれど、この作品は日本未公開であり、DVDも発売されていないらしい。
続く1982年の「セクシリア」(原題:Laberinto de pasiones)も残念ながら入手できなかった。
1983年の「バチ当たり修道院の最期」(原題:Entre tinieblas)は鑑賞できたので、この作品からまとめていこう。
※鑑賞していない方はネタバレの可能性がありますので、ご注意下さい。

スペインのある修道院は、資金難で閉鎖寸前だった。
そこの修道女たちは、なんとか修道院を維持しようと努力する。
そこへナイトクラブの歌手・ヨランダがやってきた。

カルメン・マウラチュス・ランブレアベマリサ・パレデスら、すでにお馴染みになった女優陣が揃ってるだけで嬉しい!
当たり前だけど、みんな若いなあ!(笑)
それぞれ尼僧の格好をしていて、顔しか出ていないため映画の中の名前で識別するのがちょっと難しい。
特に「バチ当たり修道院の最期」ではニックネームのような「○○尼」とお互いを呼び合っているから尚更だ。
墜落尼、ドブネズミ尼、肥溜尼ってひどい呼び方だよね。(笑)

ナイトクラブの歌手ヨランダの服装がいかにも80年代で良い感じ!
歌手の楽屋でのシーンは「オール・アバウト・マイ・マザー」を彷彿とさせるね。
尼長がレズビアンでヤク漬け、なんて設定もアルモドバル監督らしい。
修道院内にトラが飼われている、ミスマッチも効果的だね。

1984年の作品「グロリアの憂鬱」(原題:¿Qué he hecho yo para merecer esto?)。

家事や仕事に追われ、その日一日をなんとか終えることに奔走する平凡な主婦グロリア。
家政婦のようにしか思っていない夫や反抗する息子たち、そして義母の小言を聞かされながら毎日を過ごしている。
そんなある日、グロリアは人生が変わってしまうような事件を起こしてしまう。

主演はカルメン・マウラ!
お金のやりくりに疲れた主婦役を好演している。
グロリアが最初に登場するのは剣道場なんだよね。
このシーンがちょっと謎!
掃除の仕事をしてたってことで良いんだろうか?
生活に追われた主婦という設定は、「ボルベール」でのライムンダと同じだね。
展開も非常に良く似ているので、グロリアは多分元ネタなんだろうな。

義母の役でチュス・ランブレアベも登場。
この時点ですでにお祖母ちゃん役なんだけど、実際には52,3歳くらいだったはず。
「ボルベール」でのパウラ伯母さんと変わらない感じだったから、老け役の人は逆に年を取らないんだろうね。

グロリアの隣に住んでいたのがヴェロニカ・フォルケ演じるクリスタル。
そう、「キカ」の主役であるスペイン版うつみ宮土理ね!(笑)
クリスタルは自宅で風俗店を営業している。
もちろんクリスタルがオーナー兼従業員なので、来たお客さんを相手にするのも全てクリスタルである。
「キカ」で大笑いした、ヴェロニカ・フォルケが喋りまくるシーンがここにもあり、きっとこれが元ネタだろうと感じる。

グロリアが生活に困っているからという理由で、簡単に次男坊を養子に出すシーンは呆気にとられてしまった。
次男坊も母親との生活よりも電化製品が揃っているお金持ちの家の子になるほうが良い、と養子になることに賛成したのもびっくり!
この話の展開がさすが、アルモドバル!(笑)

アルモドバル監督自身も映画内でのテレビドラマ(?)で登場しているんだよね。
真っ赤な貴族っぽい衣装着てる監督はトレイラーの中でも鑑賞できるよ!
女装した男と一緒に演じてるんだけど、このドラマの内容は不明。(笑)

もう一点すごく気になったのが、薬局にいる店員の女性。
まるでディバインみたいな化粧したおばちゃんなんだよね。
スペインには本当にあんな店員、いるんだろうか?(笑)

この女優さんはこの時以外登場してないんだけど、かなりインパクトがあるから、是非他の作品も観てみたいよね!

1986年の作品「マタドール」(原題:Matador)と1987年の「欲望の法則」(原題:La Ley del deseo)は未鑑賞!
どっちも面白そうな作品なのに、手に入らなかったんだよね。残念!
1988年、世界的に話題になった「神経衰弱ぎりぎりの女たち」(原題:Mujeres al borde de un ataque de nervios)はタイトルを覚えているので、きっと当時鑑賞していたに違いないね。

女優のペパは突然留守番電話で恋人イヴァンに別れを告げられ、旅行の荷造りを頼まれる。
ペパは彼の旅行には、昔のイヴァンの恋人・ルシアが同伴するものだと思い彼女の家を訪ねるが、ルシアも旅行にはペパが同伴するのだと思っており、お互い疑心暗鬼に陥る。
精神的に参ってしまいそうな彼女のところに、ペパの友人のカンデラ、イヴァンとルシアの息子・カルロス、カルロスの許嫁マリサがやってくる。

主演はまたもやカルメン・マウラ。
初期の作品からの常連との情報通りだね!
今回は女優のペパという役なので、キリッとして化粧もバッチリ。
恋人であるイヴァンに未練タラタラなんだけど、強い一面も垣間見せる。
有名な女優という役どころなのに、一人で街を歩きまわっても、誰にも騒がれないんだよね。(笑)

ペパが登場する洗剤のCMがとても印象的!
あんなコマーシャルがあったら大評判だと思うよ。(笑)

ペパが呼び止める度に登場するマンボ・タクシーも良い味出してるんだよね。
音楽は乗る時によって違うけれど、あんなに個性的なタクシーだったら人気が出るんじゃないかな。(笑)

ペパが恋しいけれど憎いイヴァンに飲ませようと、睡眠薬を入れたガスパチョを作るシーンは「抱擁のかけら」での「謎の鞄と女たち」にも出てきたエピソード。
ちなみにガスパチョとはスペイン料理で冷製スープのことね。
セリフにも近いところがあったし、部屋のベッドを燃やすシーンも同じだよね。
アルモドバル監督はセルフパロディじゃないけど、自分のネタをもう一度使うことが多いんだね。

元恋人の息子として登場したのがアントニオ・バンデラス演じるカルロス。
バンデラス、ものすごく若いね!
そしてその恋人がロッシ・デ・パルマ演じるマリサ。
バンデラスとロッシのカップルってどうなんだろう?(笑)
「私のこと愛してる?」
と問うマリサに「その話はあとで」とはぐらかすカルロス。
もうこの会話だけで関係が良く解るよね。

元恋人でカルロスの母親ルシアは「バチ当たり修道院の最期」でレズビアンの尼長だったフリエタ・セラーノ
まぶたにはみ出すようにまつげを描いているような、派手な化粧にびっくり。
尼僧だったのに!(笑)

ピストルでバイクの男を脅して、スカート姿でバイクの後ろにまたがるようなアクションを見せるとは驚き!

ドタバタしていながらも、ペパが自立する様を描いている作品なので、女性賛歌作品へとつながる主題だったといえるだろうね!

1990年の作品「アタメ」(原題:¡Átame!)。

食事と休息を得るために、精神病院に入退院を繰り返す男リッキー。
彼は結婚して、まともな生活に戻ることを決意する。
彼が相手に選んだのは、ポルノ女優のマリーナだった。

リッキーを演じているのが、またもや若いアントニオ・バンデラス。
本当におかしいのか、作戦として演じているのか判らない奇妙な男の役を好演している。
平気で物を盗み、撮影所にあった長髪のカツラをかぶって歩くヘンなヤツ。
思い込んだら命懸け、を実践するのはかなりアブナイよね。
病院内で受けた職業訓練が役立って良かったね、リッキー!(笑)

ポルノ女優マリーナはビクトリア・アブリルが演じていた。
「キカ」の時にはゴルチェの衣装を着て、「今日の最悪事件」というテレビ番組の取材から司会進行まで一人で担当していた、あの女性である。
一方的に思いを寄せられ、いつの間にか心変わりしているのは、やっぱり「ストックホルム症候群」なんだろうね。
wikipediaの「ストックホルム症候群を題材にした映画」のリストに「アタメ」を加えてもらいたいね!

「アタメ」の中にも映画を撮影しているシーンが出てくる。
マリーナはその映画内映画でも主演女優を演じているんだけど、この映画の監督が無神経な発言をするので驚いてしまう。
マリーナの姉に向かって「キミはブスだけど胸と尻はなかなか良い」と言うのだ。
セクハラどころじゃないよね?
妹思いのハキハキした、ちょっと磯野貴理子似の良いお姉さんなのにね!
監督の妻役は「神経衰弱ぎりぎりの女たち」でルシアを演じたフリエタ・セラーノだったよ。
ポルノ映像を食い入るように見つめる夫にしかめっ面。
うーん、やっぱりイヤな男だ。(笑)

ストリートでたむろしているドラッグの売人役でロッシ・デ・パルマが登場。
子分を従えた姉御の役で、やっぱりインパクトあるなあ。
リッキーに対して殴る蹴るの暴行を働く、かなり危険な女を演じていた。
「神経衰弱ぎりぎりの女たち」では、アントニオ・バンデラスに裏切られる役だったので、この映画の中で仕返ししてるようにも見えちゃうね。(笑)

「アタメ」もラストに驚愕してしまう映画だった。
現実はこんなことにはならないだろうから、決してマネをしないようにね!(笑)

翌年1991年の「ハイヒール」(原題:Tacones lejanos)は未鑑賞。
ビクトリア・アブリルとマリサ・パレデスが出演しているみたいで、興味ある内容だけに残念だなあ!
1993年の「キカ」についてはアルモドバル監督part1にまとめてあるね。

1995年の「私の秘密の花」(原題:La flor de mi secreto)。

ロマンス小説の覆面作家として活躍するレオ。
しかし現実は小説のようにうまくいかず、愛する夫に冷たくされ、寂しい毎日を送っていた。
ある日とうとう我慢できなくなった彼女は、心理カウンセラーである親友ベティに助けを求める。
取り乱すレオを心配したベティが気分転換にと彼女に新聞記者のアンヘルを紹介したところ、彼はレオにひと目惚れしてしまう。

ロマンス小説家レオを演じたのはマリサ・パレデス。
知的で雰囲気のある美人なので、小説家が良く似合っているね!
「神経衰弱ぎりぎりの女たち」でのカルメン・マウラ演じるペパと同じように、夫の愛情に飢え、相手の反応で一喜一憂する女性である。
社会的には成功しているように見えても、芯の部分は男性に依存しているような設定がアルモドバル監督の好みなのかも?

レオの母親役をチュス・ランプレアヴェが演じて、妹役がロッシ・デ・パルマというすごい家族構成!
チュスとロッシの罵り合いのシーンは、どこの国の家庭でもありそうで非常にリアルだったね。
身内というのは、血がつながっているだけに容赦がなくて、言いたいことを言う間柄だからこその口喧嘩なんだろうけど。
ウマが合わない母娘というのは、意外と多いよね。

レオの家で働く家政婦にマヌエラ・ヴァルガス、その息子としてホアキン・コルテスが出演している。
2人共有名なフラメンコ・ダンサーとのこと。
映画の中でも2人のフラメンコを観ることができるよ!
ダンサーなのに、役者としても通用する演技をみせているのがさすがだね。
アルモドバル監督の作品には、今までも様々なアーティストが登場しているけれど、全く知らない世界を少しでも垣間見せてくれるのが嬉しいね!

レオに一目惚れする新聞記者のアンヘルを演じていたのが、フアン・エチャノヴェ
太めで人が良さそうな風貌は、我らがハビエル・カマラに通じる雰囲気ね。
はっ、いつの間にか「我らがハビエル・カマラ」って書いてるよ!(笑)
広場でくるくる回って、ぱったり倒れるシーンは大笑いしてしまった。(笑)

傷ついた心を癒やすために、母親と一緒に田舎に帰ったレオはゆったりした時間を過ごし、少しずつ自分を取り戻していく。
「ボルベール」に出てきたラ・マンチャの景色や家に良く似てたんだけど、同じ場所だったのかな?
初老の女性達が地方に伝わる方法で編み物しながら、声を揃えて歌うシーンは、平凡だけど穏やな気持ちになれた。
優しい人間関係がレオを癒してくれたんだろうね!

心理カウンセラーの親友ベティを訪ねた時に臓器提供に関する話題が出てくる。
息子の臓器について思い悩む女性の名前がマヌエラ!
「オール・アバウト・マイ・マザー」の元ネタは、これだね。(笑)

1997年の「ライブ・フレッシュ」(原題:Carne trémula)も残念ながら未鑑賞。
ハビエル・バルデムとペネロペ・クルス夫婦共演の映画、観たいなあ。
処女作はDVD未発売とのことなので、仕方がないけど。

セクシリア
マタドール
欲望の法則
ハイヒール
ライブ・フレッシュ

この5本はいつか是非鑑賞してみたいなあ!

ペドロ・アルモドバル監督の作品は原色の使い方が特徴的と言われているけれど、室内の装飾が素晴らしく色彩も鮮なので、本気でスペイン移住を考えちゃうほど憧れてしまうね!(笑)
どうして学生の時にスペイン語を専攻しなかったのか、と今更ながら悔やむよ。

他にも気になったアルモドバル監督の特徴といえば。
鏡を使い、複数の人物を画面に入れ込む構図や女性が下着をおろしてトイレに座るシーンかな。(笑)
トイレの後に何かしら事件が起きるので「あ!流してない!」と叫んでしまうSNAKEPIPE。
使用後は水を流そうね。(笑)

自分でも驚きの4回連続のペドロ・アルモドバル監督特集!(笑)
最近ここまで集中して鑑賞し、大好きになった映画監督がいなかったので、熱がこもってしまうのは仕方ないかな。
アルモドバル監督の次回作「I’m so Exciited!」も楽しみ!
いつ日本公開されるのか、今から待ち遠しいね!

【特集した2本の映画のポスター】

SNAKEPIPE WROTE:

3回連続のペドロ・アルモドバル監督特集!
こんなに長く書き続けるのは珍しいかも?
すっかりお気に入りになってしまい、集中して鑑賞したため、自分が忘れないようにという備忘録的な意味もあるので、たまには良いか?(笑)
では早速いってみよう!

2009年の作品「抱擁のかけら」(原題:los abrazos rotos)。

14年前の事故で失明し過去を封印した脚本家のハリー・ケインは、かつてマテオ・ブランコという新進気鋭の映画監督だった。
ハリーは主演女優のレナと激しい恋に落ちるが、レナは権力のある、エルネスト・マルテルの愛人だった。
ある日、逃避行先の島で、二人を悲劇が襲う。
「抱擁のかけら」にはアルモドバル監督お得意の、映画の中で映画を撮影しているシーンが多く出てくる。
ペネロペ・クルス演じるレナは、その映画内映画「謎の鞄と女たち」の主役でもある。
いくつものウィッグを試し、カメラに向かってポーズを取るシーンが上の写真ね。
オードリー・ヘップバーン風にしたり、マダムっぽく決めたり。
まるでプロモーション・ビデオと言っても良いほど、様々なペネロペ・クルスの表情を鑑賞することができるんだよね!
ラ・ブーム」でソフィー・マルソーがデートに何を着ていこうかと、いろんな着せ替えやってたことを思い出す。
えっ、例えが古過ぎ?(笑)

映画内映画「謎の鞄と女たち」は、いかにもアルモドバル監督らしいブラック・コメディの作品でとても面白そうなんだよね。
その作品の中で恋人の元妻役でロッシ・デ・パルマも登場していたね!

14年前は映画監督マテオ・ブランコ、現在は脚本家ハリー・ケインと改名している役を演じるのはルイス・オマール
有名なスペイン人俳優で、実は書いていなかったけれど前回まとめた「バッド・エデュケーション」にも出演していたんだよね!
「バッド・エデュケーション」では元神父で、現在は出版社に勤める編集者で、愛に生きる役だった。
「抱擁のかけら」でも監督から脚本家になり、やっぱり愛に生きる役どころ。
映像世界では致命傷といえる失明というハンデを乗り越え、道を渡らせてくれた若い女性を家に連れて来るという離れ業まで身に付けているのはさすが!
杖をついて歩いていると、女性が近寄ってきて助けるシーンは他にも出てきたので、余程女性ウケが良い男性なんだろうね。(笑)

マテオ・ブランコ/ハリー・ケインを20年来公私共に支えているのがブランカ・ポルティーヨ演じるジュディット。
ブランカ・ポルティーヨは「ボルベール」で5分刈りの印象的な役で出演していたね!
「ボルベール」ではほとんど化粧っけのない女性だったけれど、「抱擁のかけら」では映画製作会社でバリバリ働く女性という役なので、バッチリ化粧をして別人のようになっていたよ。
14年間事実を封印し、ずっと心の中に重たい塊を抱えながら辛い時間を過ごしていたジュディットを上手に演じていた。
ブランカ・ポルティーヨの笑顔が素晴らしいんだよね。
他の出演作品も観てみたいな!

ジュディットの息子ディエゴ。
マテオ・ブランコ/ハリー・ケインの手伝いをしながら、夜はクラブでDJのバイトもしている。
母子家庭で育ち、母親思いの優しい性格である。
ハリーの脚本の手伝いをしているうちに、面白いストーリーを考え出し、ディエゴの作品として完成させて良いと許可される。
その時の脚本がB級のドラキュラ映画で、いかにもアルモドバル監督らしいコメディ要素満載なんだよね。(笑)
ハリーとやりとりしながらストーリーを決めていくシーンは、もしかしたらアルモドバル監督自身が実際に誰かと話ながら脚本を書いている過程と重なるのかもしれないね。
演じていたのはタマル・ノバス
最近はスペインのテレビで活躍しているようだ。
それにしてもディエゴ、出生の秘密を明かされて驚いてたけどさ。
もっと早く気付かないかね?(笑)

実業家エルネスト・マルテルの嫉妬深さと所有欲は、見ていてゾッとするほどである。
お金持ちなので、金に物を言わせて、なんでも自分の思い通りになると信じているのだろうか。
ビートルズじゃないけど「can’t buy me love」なんだよねえ!(笑)
ペネロペ・クルス演じるレナを秘書として雇っていた時から、きっと狙ってたんだろうなあ。
レナの父親を助け、恩を感じさせ利用し、愛人にしたのだろう。
その部分はキチンと描かれていなかったので、予想だけどね。
「おまえを抱けるなら死んでも良い」
なんて言われたレナが余計に引いちゃうのも納得だよね。(笑)
本物の愛に出会えないかわいそうな役を演じたのはホセ・ルイス・ゴメス
スペインのベテラン俳優のようで、いくつもの賞を受賞しているみたい。
初老の、嫌らしい役を成り切って演じていたのはさすがだね!

エルネスト・マルテルの息子エルネスト・マルテル・ジュニア。
金持ちの息子なのに、どうしてこんなにオタクっぽい雰囲気にしたんだろうね。(笑)
父親からの命令は絶対だったようで、映画撮影に行く愛人レナの様子を一部始終記録する役目である。
映画関係者から邪魔者扱いされながらも、全く気にすることなく撮影を続ける根性の持ち主。
14年後にはまるで別人になり、名前も変えて登場するんだけど、インパクトがあるのはこのオタク姿なので、こっちの写真だけ採用してみたよ!(笑)
演じていたのはスペインの俳優で監督でもあるルーベン・オチャンディアーノ
他の作品でのルーベンは知らないけれど、ここまで変態っぽい役はあんまりないんじゃないかな?
事故現場を発見した時の女の子っぽいしぐさが忘れられない。(笑)

スペイン版室井滋と呼びたいロラ・ドゥエニャスも「ボルベール」に引き続き出演していたよ!
エルネスト・マルテル・ジュニアが記録してきたフィルムは無音声映像だったため、何を喋っているのか解らない。
そのためエルネスト・マルテルは唇の動きから会話を再現するために、技術を持つ女性を自宅に招き愛人レナの状況を理解しようとするのである。
映像だけではなく、全てを掌握しておきたいという強い所有欲の表れだよね!
この読唇術を行う女性がロラ・ドゥエニャス。
レナと監督の会話をメモを元に映像に合わせて吹き替えるシーンは、会話が生々しいだけに非常に面白かった。
吹き替えながら隣で硬直するエルネスト・マルテルをチラチラ気にしながらも、再現していく場面はロラの演技力が光るね!

失明したハリー・ケインの現在と、14年前の映画監督だったマテオ・ブランコを2つの時代で描き、更に映画内映画のシーンも登場する時間軸が絡まった映画である。
14年前の情熱的な愛から現在の穏やかな愛への変化に安堵したのはSNAKEPIPEだけではないだろう。
ヘアメイクのオネエキャラや脚本を構想するシーン、「謎の鞄と女たち」などにアルモドバル色は充分出ていたけれど、鑑賞した中では毒があまり強くない映画だなと思った。
アルモドバル監督、ちょっと落ち着いたのかな?
すっかり油断していたためか、次の「私が、生きる肌」でまたもや仰天させられてしまったのである。

私が、生きる肌」(原題:La piel que habito)は2011年の映画である。

最愛の妻を亡くして以来、完璧な肌の開発研究に打ち込む天才形成外科医のロベル・レガルは、ある人物を監禁して禁断の実験に取り掛かる。
幽閉されているのは一体何者なのか?
どのような宿命のもとでロベルと巡り合ったのか…。

「私が、生きる肌」の主役である形成外科医のロベル・レガル。
広い邸宅はそのまま病院としても機能しているので、自宅で手術を行うことができる。
まるでブラックジャックだよね。(笑)
そして実際手掛けているのもブラックジャック並にびっくりするような高い技術力を要求される手術である。
遺伝子操作をする倫理的に問題がある実験も、目的のためには実施する。
禁断の実験に足を踏み入れるのに躊躇しないのも納得できてしまうね。

ロベル・レガルが学会で実験結果を発表するシーンで、学会の会長として登場していたのは、「抱擁のかけら」で実業家として出演していたホセ・ルイス・ゴメス。
やっぱり地位のある役柄が似合うなあ! (笑)

ロベル・レガルを演じていたのはアントニオ・バンデラス
一番初めにバンデラスを知ったのはロバート・ロドリゲス監督の「デスペラード」かな。
あの映画の馬鹿馬鹿しいアクションシーンが大好き!(笑)
バンデラスはペドロ・アルモドバル監督作品で俳優業をスタートさせ、初期のアルモドバル監督作品の常連だったことは今まで知らなかったよ。
バンデラスにとっては久しぶりに古巣に帰ったような気分という感じかな?

ロベル・レガル邸に幽閉されているベラ・クルス。
どうして監禁状態にあるのか、ベラ・クルスの正体は誰なのかということについては映画の核心部分なので、謎のままにしておこうね!
ベラ・クルスは白を基調とした広い部屋の中で、ヨガをしたり布を使った作品を作ったり、本を読んで一日を過ごしている。
作品を作るために参考にしていたのがルイーズ・ブルジョワの作品集だった。
何故この名前に聴き覚えがあるんだろうと調べてみると、六本木ヒルズにある巨大な蜘蛛の彫刻の作者だったんだね!
彼女の布を使った作品は、かなり不気味な雰囲気で興味あるな!

ベラ・クルスを演じていたのはエレナ・アナヤ
「トーク・トゥ・ハー」にも出演していたようだけど、どのシーンだったんだろう?
アルモドバル監督作品に出る女優は体当たりの演技が要求されることが多いけれど、エレナも本当に手術された人物のように見えたよ。
映画の中でのほとんどを全身タイツ姿でいるってすごいよね!(笑)
そしてこの全身タイツのデザインがジャン・ポール・ゴルチェだったとはびっくりだよね!

ロベル・レガル邸での家政婦、マリリア。
ロベルのことを赤ん坊の頃から育てているため、ほとんと家族と同じ扱いである。
マリリアの料理こそがロベルにとって、母の味といったところか。
ロベルのことを全て知り尽くしているので、使用人といえども忠告を与えることもある。
「女には注意しなさい」
ロベル、ちゃんと聞いておけば良かったのにね!

マリリアを演じていたのは、「オール・アバウト・マイ・マザー」ですっかりお馴染みのマリサ・パレデス
あの時は大女優の役だったのに、今回は家政婦!
お手伝いさんの制服もマリサ・パレデスが着るとファッショナブルに見えちゃうのは、さすがだよね!(笑)

家政婦マリリアの息子、セカ。
幼少の頃から悪事に染まり、強盗を働き警察に追われる身になっている。
カーニバルの衣装で変装し、正体を暴かれないようにして母親であるマリリアがいるロベル・レガル邸にやってくるのである。
警察に追われた身内が匿って欲しいと訪ねてくるシチュエーションは「キカ」にも出てきたよね!
その後の展開もほとんど同じ!(笑)
セカの登場により、平穏だったはずのロベル邸は変化してしまうのである。

セカを演じていたのはロベルト・アラモ
多くの映画に出演しているみたいだけど、トラの変装しか知らないと、他の作品でロベルトを発見するのは難しいかも?(笑)

ペドロ・アルモドバル監督特集part1に書いたけれど、一番初めに鑑賞したのが「私が、生きる肌」だったんだよね。
「なんだ、この話は?!」
と展開に仰天してしまったROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
これは本当に復讐なんだろうか?
ロベル・レガルのねじ曲がった倫理観は理解し難いなあ!

yahoo映画に載っているリンチ評論家滝本誠氏の解説によれば

原作を未読であれば幸い、これは観てから読むべき典型例だ。
ラストは小説の方がドス黒くキメている。

 

とのこと。
もしかしたら仰天するのは原作のほうなのかもしれないね?
フランス人作家ティエリー・ジョンケの「蜘蛛の微笑」 も読んでみたいね!(笑)

3回に分けて特集してきた7本のペドロ・アルモドバル監督の作品だけれど、やっぱりどうしても初期の作品も観たい!と熱望してしまう。
近所のレンタルDVD屋には見当たらないのが残念でならない。
と思っていたら、宅配レンタルの中に発見することができたんだよね!(笑)
5本レンタルして、すでに鑑賞済。
せっかくなので、鑑賞できた5本についても簡単にまとめてみたいと思う。
次回のアルモドバル監督特集もお楽しみに!