Yearly Archives: 2015

【静謐で荘厳な森をROCKHURRAHが創作したよ。少し恐ろしい感じがするね。】

SNAKEPIPE WROTE:

今年最後のブログは鳥飼否宇先生の旧作を再読するシリーズで締めさせて頂くことにしよう。
過去数回に渡る鳥飼先生に関するシリーズ「トリカイズム宣言」では、「観察者シリーズ」と呼ばれる作品群について感想をまとめていて、前回書いた記事の最後には「次は樹霊」と予告していたSNAKEPIPE。
ところが今回感想をまとめるのは「異界」。
おっとこれは意外!(ぷぷぷ)
「異界」にしてもいーかい?(スミマセン)
「観察者シリーズ」を連続しなくても良いのでは?というROCKHURRAHの助言に従ってみたのである。

「異界」は2007年に発表された作品である。
主人公は南方熊楠という江戸末期生まれの博物学者、生物学者で民俗学者。
「歩く百科事典」と称される程のものすごい博識だったらしい。
鳥飼先生の小説で実在の人物が登場するのは、「異界」だけだよね。
左の画像が南方熊楠なんだけど、かなり現代的に見えるよね?
誰か似ている人がいそうだけど、思いつかないなあ。(笑)
ここで少し南方熊楠について調べてみようか。

1867年 大政奉還の年に南方熊楠は生まれる。
日本史で習った懐かしい言葉。(笑)
幼少の頃から驚異的な記憶力を持ち、神童と呼ばれたらしい。
1887年 渡米しパシフィック・ビジネス・カレッジに入学する。
南方熊楠は18の原語を操ったらしい。
渡米前から英語は話せたんだろうか?
1891年 キューバ、ハイチ、ベネズエラ、ジャマイカなど3ヶ月ほど中南米に滞在する。
サーカス団と一緒だったという。
1892年 ニューヨークからロンドンに渡る。
科学雑誌「ネイチャー」に寄稿したり、大英博物館東洋調査部員として東洋美術を担当していたという。
更に亡命中の「中国革命の父」孫文とも親交があったというから驚いちゃうよね!
1900年 ロンドンより帰国。
1941年 満74歳没。

今から100年程前の人物とは思えないよね。
2015年の現在だってアメリカの大学行ってイギリスの大英博物館からお給料貰うなんて人はなかなかいないもんね!
しかもサーカス団の手伝いでキューバなどの南米にまで足を伸ばすとは。
研究熱心だからこそ、とも言えるけど命知らずの冒険家だったんだね。
もちろん度胸だけではない、並外れた博識と語学力、そして情熱があったからこそ海外でも活躍できたのは言うまでもないことだね。
孫文やディケンズ、柳田国男との交流や、昭和天皇にキャラメルの箱にいれた粘菌標本を渡した、など仰天エピソードもたくさんある奇想天外な人物だよね。(笑)

「異界」はそんな南方熊楠が外国から帰国し、故郷の和歌山県の那智の森で植物の採集をしているところから始まる。
明治36年、1903年が舞台である。

那智といえば。
ROCKHURRAH RECOREDSが最近興味を持っている、滝で有名な場所!
日光の華厳の滝、茨城の袋田の滝と合わせて日本の三大名瀑と言われているんだね。
栃木と茨城は関東地方だけど、和歌山県には気軽に行かれないよ。
いつか行ってみたいなあ!

そんな自然豊かな森に毎日通っては、観察と採集を続け、標本を作りに精を出している南方熊楠には弟子がいた。
福田太一という地元では有名な酒蔵の息子である。
お坊ちゃん育ちの太一と熊楠が、「観察者シリーズ」でいうところのトビさんとネコのような関係なんだよね。
そう、南方熊楠はもうトビさんそのものと言っても良いくらい。
だって南方熊楠こそプロのウォッチャーだもんね!(笑)

実在の人物を主人公にしているけれど、そこはやっぱり鳥飼先生の小説だから!
ミステリーになっているんだよね。
和歌山県の田舎町で起こった事件を南方熊楠が解決するの!
弟子の太一から狐憑きの少年の目撃情報がもたらされ、その後産婦人科で新生児が誘拐される事件が起こるのである。
更に殺人事件まで発生してしまう…。

改めて読み返してみると、鳥飼先生のその後発表されている小説の題材があちこちに散りばめられていることに気付く。
寄生、アルビノ、狐憑き等々。
「観察者シリーズ」のファンなら、当然興味が湧くこと間違いなし!
いや、「観察者シリーズ」を読んでいない、そこのあなたもね!(笑)

たまたま残り数ページを残して中断していたSNAKEPIPE。
続きの、ここからが凄かった!
またもや瞬きしないで読んでいたと思う。(笑)
2重3重と繰り広げられるトリックは、SNAKEPIPEをまるで手のひらで転がすように翻弄する。
「うーむ、そうだったのか」と読み終わってから、「あの時のあれね!」などと伏線を思い出したり。
とても面白かった!(笑)
「異界」は一回じゃダメね!(オヤジギャグ健在!)

南方熊楠を主人公にした続編はないのかなあ?
SNAKEPIPEが一番気に入っているのが、他人を罵倒する熊楠の言葉なんだよね。(笑)
よくもそこまでポンポン言葉が出るよ!と感心しちゃう。
実際に癇癪持ちだったらしい熊楠なので、きっと本当に弾丸みたいな言葉を発してたんじゃないかな?
あの言い回しをまた読みたいなあ!(笑)

【シンプルな色使いと大胆な構図!1940年代のカードは、とても素敵だよね!】

SNAKEPIPE WROTE:

11月上旬から目にしてきたクリスマスのディスプレイだけれど、ついにクリスマス本番!
時事問題にはほとんど触れることのないROCKHURRAH RECORDSだけど、何故だかクリスマス時期には関連記事を書くことが多いんだよね。
昨年もクリスマスカードの特集をしたっけ。
今年は少し趣向を変えて「もらったら嬉しい」と感じるカードを集めてみよう。
本当はそうなると「ビザール」な逸品ではないかもしれないけれど、まあいいか?(笑)
ヴィンテージ物、というのは今までのポストカード選手権と同じだけどね!

クリスマスを表現するのに、サンタクロースやトナカイをモチーフにするのはありきたりだけど。
このカードには左にいるはずのサンタクロースが描かれてないんだよね。
そしてニューヨークの高いビルの描かれ方の「ぞんざい」さ。
さらさらと描いたタッチだけど、静謐なクリスマスという感じがするね。
グレー1色だけしか使用されていないのにもかかわらず、非常に存在感のある作品に仕上がっていると思う。
こちらは1930年代の物みたい。
こんなカードを送られたら嬉しいな!(笑)

トナカイつながりでこちらも紹介しようかな。
赤1色だけしか使用していないのに、とても賑やかなカードに仕上がっているよね。
Dora de Pedery-Huntというハンガリー生まれでカナダで活躍していた女流アーティストの作品とのこと。
1950年代のものみたい。
テキスタイルになっても素敵なデザインだよね!

2011年に書いた「SNAKEPIPE MUSEUM #11 Tomer Hanuka」、ハヌカ・ブラザーズを思い出す中間色。
この色合が非常に気に入ったよ!
高い位置から外に向かって叫んでいるのが、右の文章なんだろうか。
こちらも1930年代のカードのようなんだけど、この時代のセンスの良さは抜群だよね。

続いてはアール・デコ。
フォントと、縁の部分が「いかにもアール・デコ」で良い感じだよね。
こういう幾何学模様の使い方は見習いたいね。
大胆なのに調和を感じるもんね。
憧れの1920年代はやっぱりお洒落だなー!(笑)

最後はこれ!
Frederick Hammersleyはフレデリック・ハマースレイと読んで良いのかな?
アメリカの抽象画家らしいんだけど、SNAKEPIPEは知らなかった。
そのフレデリックがピカソ、ブラック、ブランクーシに会ったことを絵にしたクリスマスカードとのこと。
ものすごい大物の会合なんだけど、どんな話してたんだろう?(笑)
一応4人いるからそれぞれの人物画だと思うけど、よく分からないね。
そして中央部分の人物がサンタクロースっぽく見えるから、クリスマスカードなんだろうね?(笑)
4人で形作って「JOY」という文字にしてるのも洒落てる。
まるでふざけて描いているみたいだけど、色使いや構図、そしてインパクトの強さが素晴らしい逸品!
こんなカードにはなかなかお目にかかれないよね?

普段の「ビザール・グッズ」とは違って、褒める記事になったら途端に口下手になるSNAKEPIPE。
いかに毒舌家なのかがよく分かるね。
来年はもっと褒めることを覚えよう!(うそ)
ビザールな逸品探しはまだまだ続くよ!

【不気味なアートワークで有名なCRASS一派、ルディメンタリー・ペニ】

ROCKHURRAH WROTE:

この「 がっちりBUYましょう!」というシリーズ記事はROCKHURRAHとSNAKEPIPEが買った逸品を紹介するという、割とどこにでもありそうな企画。
しかし「また同じようなの買ったの?」と人に呆れられてしまうような買い物ばかりなぜか紹介してしまう傾向にあり、大した買い物をしないから更新頻度も非常に少ない。およそ年に1〜2回くらいしか記事を書いてないな。
服自体はこれまた人が呆れるくらいに買ってて、大半が服ばかりというひと部屋さえあるような我が家なのに、紹介出来そうな品が特にないんだよな。

前回は珍しく夏場にミリタリー系スリングバッグを買ったという話を書いたけど、その前は大体クリスマス・シーズンにお互いのプレゼントとして買ったようなものばかり書いてきた。しかもクリスマス・プレゼントには不似合いなミリタリーやタクティカル系のものばかりという内容。
今回も実は同じパターンなのでまた呆れないようにね。

今年の秋のこと、去年買ったレディース用ソフトシェルのパーカがとても使い勝手が良いので、別の色のをまた欲しいとSNAKEPIPEが言い出したのが発端だ。
毎回同じような事を書いてるが、ソフトシェルとは撥水加工された伸縮するポリエステルを素材として作られた衣料のこと。
どんな動きをしても伸びが良いし、大体裏側がフリースのような起毛素材になっているので、ある程度の保温性もある。
ゴアテックスなどと並んでアウトドアやミリタリーの世界では結構前からこの素材を使ったアウターが定番になってるんだが、近年は普通のアパレル・ブランドもこういう素材を使い出したから、昔に比べたら知名度も上がってきてるのかな。

ミリタリーの衣料ではどこのメーカーでも冬場の主力商品としてソフトシェルを出してるのが近年では当たり前になっているが、どこのメーカーも機能や色、デザインがとても似通っているのが現状。
正直言って、10着同じ色のを並べたらどれがどこのメーカーなのか区別つかないものも多い。
昔は元祖的な存在としてアメリカのT.A.D Gear(Triple Aught Design)が出したStealth Hoodieというジャケットがあり、他のメーカーはこのデザインに追従した、というかパクリにしか思えないものばかりだったなあ。
ROCKHURRAHが最初に買ったのもこの手のデザイン。
最近は各社とも独自の研究が進んで、多少は個性も見えるようにはなったが、それでも軍で使うとなるとデザインよりは機能が優先するのが当たり前。ここにこういうものを入れるポケット、それが誰でも必要な時にすぐ取り出せる位置というのは大体決まってるからね。

前にも書いたがSNAKEPIPEのような女性でも着れるピッタリサイズのソフトシェルも海外ではたぶん出ているはず。しかし日本ではほとんど需要がないからか、レディース・サイズを輸入しているショップは滅多にない。
そんな中、本当にちゃんと日本女性用として作られたのが日本のメーカー、サブデュード(SUBDUED)のBELLATRIX JACKETだった。
ミリタリー・ショップの大手、ファントムが手がけたオリジナル・ブランドらしい。
この女性用ソフトシェルについてはウチの過去の記事でも紹介してるから興味ある人は参考にしてね。

前は黒のBELLATRIX JACKETを買ったから今度は色違い、と言ってもフォリッジグリーン(オリーブドラブより薄く明るい緑色)かコヨーテブラウン(砂漠に出陣する系の衣料で良く使われているな)しか選択肢がないけど。
しかしネットで見る色と実際は違う場合が多いから、実物を見に行ってみようということで発端の文章にやっと戻ることが出来た。

ウチから一番近いファントムは秋葉原に二軒ある。夏場にマグフォースのリュックか他のどれにするか迷った時に行ってるんだけど、その時は暑くてもソフトシェルがわんさか売ってたのを横目で見てたはず。
ここだったら一年中アウターが当たり前に売ってると思って安心してたんだよね。
しかし10月くらいに行ったら、似たような他社のソフトシェルは売ってるのにサブデュード商品はなぜか皆無だった。がびーん。
店の人に聞いたらもう全然在庫がなくて、もう少し寒くなったらまた入荷するんじゃないですかねぇ、などと当たり前なこと言われて予想外だったのでトホホな状態で帰宅した。
他のソフトシェルだったら他店でも探せるがサブデュードはファントム以外では手に入らないからなあ。

実はSNAKEPIPE着用のもの以外で、ROCKHURRAHが男性用のソフトシェルをやっぱり買いたくて探してて、それと一緒に買おうという話だったのだ。
メンズの方はGRIFFIN JACKETという名称で出してて、レディース仕様とちょっと違う作りになってるもの。しかし全体的な雰囲気は同じで、ミリタリー系のアウターとしてはかなり細身なところが気に入ってた。
去年クリスマス・プレゼントで貰ったプリマロフトの中綿入りジャケットは大層暖かくて冬場には最強の威力を発揮したものだ。今年の真冬の外出も全く怖くない。それを買った時にこのGRIFFIN JACKETも試着してみて、よく似合ってたから次の機会に買おうと狙ってたのだ。
「一緒に買えばいいのに」と言われたけど、いつでも買えると高をくくってその時は買わなかった。で、欲しくなった時に行ってみたら品切れになってたというありがちなエピソードを延々と書いてしまったよ。よほど悔しかったと見える。

それからかなりマメにサイトをチェックしたけど、結構寒くなっても全然今年の入荷はない模様。もしかしたら作ったけどあまり売れなくて、もうやめたのかな?などとメーカーが聞いたら怒るような想像までしてしまったよ。

なくなってたのはメンズの方だけでレディースの方は一応SNAKEPIPEの欲しい色とサイズがあったから、試着せずにフォリッジグリーンのをネットの方で購入。
ミリタリーでレディース仕様というのは日本では需要も供給もかなり少ないのが現状。よくその辺に売ってるミリタリー・テイストのウソっぽいのじゃなくて、ちゃんと本物と同等のマテリアルという意味ね。
だから本当になくなった時に悔しい思いをしたくないんだよね、その気持ちはよく分かるよ。

そして11月後半になってようやくGRIFFIN JACKETも全色・全サイズ「予約商品」としてサイトに掲載されるようになった。しかも何だか知らないがアップデートされていて去年の商品よりはさらに良くなってるらしい。
SNAKEPIPEが今年のクリスマス・プレゼントに買ってくれると言ってくれたのでROCKHURRAHのプレゼントはこれに決定。
まだ早すぎるのは百も承知だが、本当に季節になった時に品切れで焦るのはイヤだから、ウチはいつも早いんだよね。イヴだけが特別なわけではなくて日常を大事にする姿勢。
いつも良いプレゼントをありがとう、SNAKEPIPE。

先に買ったBELLATRIX JACKETはプレゼントにはまだ早い時期だったから、今年のSNAKEPIPEへのプレゼントは何にしようか?
しかし実は、これまた去年に買いたかったのに品切れになってしまったモノを思い出して密かに探していたのだ。
それはレディース仕様のMA-1フライトジャケットだ。

近年はタクティカル系ばかりのROCKHURRAHだが、ミリタリーに興味を持ちだしたそもそもの発端がフライトジャケットだったなあ、と思い出す。
90年代初頭は個人的にサイコビリーをよく聴いていて、髪型も今よりずっと短くしていた。その頃にバズ・リクソンやフェローズ、リアルマッコイといったメーカーが復刻のMA-1を続々出していて、ROCKHURRAHもバズ・リクソンのMA-1を買ったものだ。Oi!、スキンズと呼ばれる一派がMA-1というのは定番だが、当時のサイコビリー界でもなぜかMA-1を着てる人間が多いという印象だった。
かなり本格的で気に入ってたんだが袖は長いのに着丈が短くて、全体的にやや太めの印象になってしまう。初期型はナイロンの中綿じゃなかったから重かったし、あまり着なくなってしまったけど大好きな形なのは確か。
その後、数多くのフライトジャケットを着てきたけど、やっぱり多くのミリタリー好きな人の原点がMA-1だと言えるだろう。
中でも代名詞と言えるほど有名なのがアルファ・インダストリーズのMA-1だよね。実際に米軍に納入していたメーカーなので、最上級メーカーではないにしても、やっぱり一目置く存在。
そのアルファが最近はレディースのタイトなMA-1を出したと知って、去年はしきりに探していたんだけど、どこでも品切れ状態で悔しい思いをしたものだ。

本当の軍服の世界と違ってファッションの世界では毎年「流行り」というものがあって、それでゆくと去年から今年にかけてはMA-1を着た女性が多かったもんね。その関係でMA-1の品切れ続出という事態になった模様。

SNAKEPIPEはそういう流行りとは関係なしにずっと前からMA-1を着用し続けてきた。まだタイトMA-1などが世に出回ってなかった頃から黒いMA-1が冬のSNAKEPIPEの着こなしに重要な役割を果たしてきたわけだ(大げさ)。ウチのフライトジャケット愛については大昔のこんな記事で書いてたよ。
でもやっぱり小さいサイズでも男物だから、ちょっと袖のところとか太くてかわいそうだった。こういうのが自分でチャチャッと修正出来たら便利なんだけど、リバーシブルのはちょっと難しいかな?

よし、今年こそはアルファのレディースMA-1を品切れになる前に何とか探してプレゼントにしよう、と秋くらいから考えてたのだ。
そして見つけたのが通常のセットイン・スリーブではなくてラグラン袖のもの。
肩幅が狭くてメンズでは適切なサイズがなかった、それなのにメンズと同様に本格的なミリタリー物が欲しいという難しい好みを持つSNAKEPIPEにはちょうどいいんじゃない?と思えるシルエット。通常のMA-1みたいに中綿でモコモコ体型にもならず、腕も細身だし着丈も長すぎない。
見せると気に入ってもらえたので、こちらをプレゼントにすることにした。
二人とも迷わずあっさりプレゼントが決まって良かったね。

二人とも別々のところで注文したので別々に届いたんだが、まずは先に届いたMA-1の方から。
世は空前のスターウォーズ・ブームらしいのでこのような姿になってもらった。
最近のデザイナーズ物とかで出てる同じようなものだったら、スマートなのはいくらでもありそうだけど、ちゃんと本物出してたメーカーのでこの華奢なデザインというのが嬉しい。本来無骨なだけだったMA-1も女性の機能アウターとして進化したな、という印象。

ラグラン袖は別のフライト・ジャケット、N3-Bとかでも採用されてるので、特に違和感はないね。細身に作ってるために中綿が通常のMA-1よりも少ない=防寒性がなくなるというのが弱点だけど、もっと寒くなったら別のアウターもあるし、レイヤーも色々なヴァリエーションで楽しめるね。

夏場でも冷房が寒いというSNAKEPIPEだから、かなり長い期間活躍すること間違いなし、買って良かった逸品だと思える。
袖のリブと裾のリブが素材が違うとの事で、何と初めて着た日に袖リブを引っ掛けてほつれさせてしまった。プレゼントなのにトホホ、ということで袖リブはもう少し強力な素材の方がいいんじゃないかとアルファの人に伝えたいよ。

こちらはプレゼントではなく、去年に引き続き2着目というサブデュードのBELLATRIX(女戦士) JACKET。
女性で2着も所有してるのも結構珍しいかな?

やっぱりものすごく細いよね。このデザインでちゃんとしたソフトシェル、撥水性も申し分ないしポケットもかなり大きく機能的。
細身で首の部分も締まっててフードも他のメーカーのに比べると小さい。髪の毛が長い人は後ろの部分がちょっとまとまりにくいのが数少ない難点か。今年はメンズの方でパーカじゃない形の新作も出したようなので、レディースでももっとヴァリエーション出してよ、とサブデュードの人に伝えたいよ。

ROCKHURRAHがプレゼントしてもらった方がサブデュードのGRIFFIN JACKET。
形は上の女性用と大体同じに見えるがメンズなのでシェイプはされてない。
違っているのはまず脇の下にベンチレーション用のジッパーが付いてて暑い時は排気が出来るところ。女性用は脇腹の後ろのジッパーだったけど、男性用はECWCSや一般的なソフトシェルと同じ仕様になっている。
女性用は上の写真でポケットに手を突っ込んでる部分がメインのポケットだが、男性用はさらにその下の両側にポケットが付いている。取り出し口より上の方までポケットの空洞が開いてるので、見た目よりずっとものが入りそう。メーカーの解説文によると、ここに500mlのペットボトル収納可能とのことだが、たぶんものすごくポッコリとかさばるのは間違いないので試してない。野山ではたぶん重宝するでしょう。女性用でSNAKEPIPEが気に入ってる袖先の小さなポケットは付いてない。

いやしかし、これまで着てきたどのミリタリー・ウェアよりも格段に細身でスマート。難燃性素材ノーメックスで有名なMASSIFのジャケットもかなり細身だったが、これはそれ以上だね。
去年出てたGRIFFIN JACKETよりもさらに進化・改良されてるらしいので細くても充分なストレッチ性がある。
「ライフルを構える際には、いつもより0.1秒早くAimできます」などとメーカーのサイトには書いてあったが、いや、本当に素早くAim出来たわ、とサブデュードの人には伝えたいよ(笑)。

個人的な難点としては、写真見てわかる通り、袖がROCKHURRAHにはちょっと長いこと。裏がフリースであまり滑らないから、余計にダブつきが袖先に集中してしまうんだよね。本当はワンサイズ大きめでも良かったくらいのを着てるのに、それでも「大きい子用」のを無理に着たかのように見えてしまう。
まあSNAKEPIPEにも指摘されてるんだが、どうやらROCKHURRAHは手が人よりちょっと短いみたい。だからこれは個人的な難点で一般的にはきっとピッタリなんだろう。

今年もお互いにちょうどピッタリのいいものが見つかって良かった。一般的なクリスマスとは随分かけ離れた趣味、嗜好のROCKHURRAH家だが、いつまでも変わらず仲良くしてゆけることが肝心。

冒頭で書いた通り、相変わらず同じようなものばかり紹介した同じような記事を書いてるな。しかも今回のはかなり長い文章。
手は短いくせに(笑)。

【 どちらもイエローが印象的なポスターだね!】

SNAKEPIPE WROTE:

今回の「好き好きアーツ!」はアレックス・デ・ラ・イグレシア監督の第2回目。
前回のイグレシア監督作品は「刺さった男」と「スガラムルディの魔女」を特集したんだよね。
その2作品は2011年と2013年に公開された、イグレシア監督の中では最近のもの。
今回は少し時代をさかのぼって、2つの作品を紹介しましょ!

まずは「13 みんなのしあわせ(原題:La Comunidad  2000年)から。

簡単にあらすじを書いてみよう。

不動産会社で分譲アパートのセールスをしている女性ジュリアは、ひょんなことからとあるアパートに住む一人暮らしの老人の死に遭遇する。
この老人、なんと3億ペセタの大金を20年間隠し持っていたのだ!
ジュリアは偶然その事実を知り、アパートからの持ち出しを図ろうとするが、同じアパートの住人たちもその大金の存在を知っていた。
果たしてジュリアは大金を持ち出すことができるのか?

主人公ジュリアを演じたのはスペインを代表する女優カルメン・マウラ
アルモドバル監督作品でもお馴染みだよね。
あらすじにあったように、不動産のセールスをやっているんだけど、よくも次々と取り繕いながら嘘八百が言えるなあと感心しちゃうほどのお喋り上手。(?)
この映画が15年前の作品ということは、カルメン・マウラが55歳くらいなのかな?
そんな熟女、カルメン・マウラのシャワーシーンも見逃せないよ!(笑)

一癖も二癖もある住人たちだけど、その中でも印象的だったのがスター・ウォーズ・オタクのチャーリー。
エドゥアルド・アントゥニャという俳優が演じているんだけど、前述したカルメン・マウラのシャワーシーンで身悶えするんだよね。
ちょっとマザコン気味のオタクを見事に演じていたよ。(笑)
イグレシア監督がカルロス・アレセスに出会っていなかったら、エドゥアルド・アントゥニャが「気狂いピエロの決闘」の主役に抜擢されていたかもしれないよね?
スペインではハゲ・デブ系俳優が台頭してることが分かるよ。(笑)

大金持った老人の死を待ちわびていた住人たち。
狙われているのを知っていた老人は一歩も外に出なかったという。
そもそも3億ペセタって日本円でいくらなの?
現在はユーロに変わり、ペセタという通貨は使用されていないので、はっきりは分からないけど日本円で2億5千万くらいなのかな?
間違っていたらスミマセン!
老人が死んだら住人たちがお金を奪おうとしていたんだね。
笑顔で近付いてくる人には要注意、という教訓を知ることができるね。

ほんのちょい役なんだけど、アントニオ・デ・ラ・トーレも出演していたね。
カフェのボーイの役で、ちゃんとセリフもあったけれど、よく観てないと見逃してしまうかも。
アントニオ・デ・ラ・トーレは主役も脇役もこなす俳優で、役ごとに全く違う顔を見せるスペイン版デ・ニーロといったところか。
かなりの数、スペイン映画を観ているので過去の作品の中に知った顔を発見することもあって楽しい。(笑)

「13 みんなのしあわせ」のタイトルバックもとてもスタイリッシュだったね。
3つのシーンをROCKHURRAHが編集してくれたのが右の画像ね。
ちょっとカクカクした動きにして、昔のホラー映画のように仕立てた逸品!
イグレシア監督のタイトルバック集があったら、エンドレスで流しておきたいくらい。
「13 みんなのしあわせ」はお金をめぐるドロドロした映画には違いないんだけど、笑いあり、ちょっとエロあり、アクションありのスペイン映画らしいミクスチャーが楽しめる作品だね。
カルメン・マウラの体当たり演技には感心しちゃうよ!(笑)

続いては「マカロニ・ウエスタン 800発の銃弾(原題:800 balas 2002年)」ね。

最初にあらすじから。

かつてはマカロニ・ウエスタンのロケ地として栄えたスペイン・アルメリア地方の撮影所「テキサス・ハリウッド」。
ブームも去った今は、元スタント・ガンマンたちがしがない実演ショーで細々と食いつないでいた。
そんなある日、ウエスタン村の座長を務める元スタントマン、フリアンのもとに、彼の孫だと名乗る少年カルロスが現われる。
最初はカルロスを邪険に扱うフリアンだったが、やがて少しずつ心を通わせていく。
そんな時、カルロスの母ラウラが進めている土地買収事業の候補地に、フリアンのウエスタン村が突如浮上してくるのだった。

マカロニ・ウェスタンというジャンルは、本当はROCKHURRAHの得意とするところ。
大好きだったらしくて、次々と俳優や監督の名前が出てくるよ。
イグレシア監督もマカロニ・ウェスタンへのオマージュとしてこの作品を作ったのかな。
あらすじにあった「テキサス・ハリウッド」は実在するテーマパークなんだよね。
HPにある画像中央には、今回紹介している「マカロニ・ウエスタン 800発の銃弾」の主人公フリアンの姿も見える。
フリアンを演じたのはサンチョ・グラシアという60年代から俳優として活躍している大ベテラン。
どうやらマカロニ・ウェスタンの俳優としても有名みたいだけど、日本のページでは詳細がわからなかったよ。
かつてクリント・イーストウッドのスタントをやっていた、という設定でウエスタンをこよなく愛する人物を好演していたね。
2012年に亡くなっているようで、とても残念!
頑固だけど、本当は気が優しい役をもっと見たかったな。

先に書いた「13 みんなのしあわせ」に続き、なんと今作でもカルメン・マウラが登場してるんだよね。
「スガラムルディの魔女」にも出演していたし、イグレシア監督の常連でもあるんだね。
今回は小学生くらいの男の子の母親で、あらすじにある土地買収を行っているラウラという役どころ。
元スタントマン、フリアンとは因縁のある関係なので、フリアン側に立ってしまうと嫌な女になってるよ。
それにしても小学生の母親役にはちょっと無理があったような?(笑)

「テキサス・ハリウッド」にいるフリアンの同僚たちも、みんな良い味出してるんだよね。
保安官と「ならず者」、絞首刑にされた人、棺桶屋などそれぞれが自らの役に成り切ってショーを盛り上げている。
クリント・イーストウッドとの思い出の品を展示しているコーナーもあり、かなりインチキ臭くて面白い。
日本にもかつて鬼怒川に「ウエスタン村」があったけれど、2006年より閉鎖されているという。
ウエスタン大好きなROCKHURRAHですら一度も訪れたことがなく、未だに後悔しているとか。
今からだったら、スペインの「テキサス・ハリウッド」に行ってみようか?(笑)

この作品のタイトルバックもカッコ良かった!
モノクロと赤、という非常にシンプルな色使いが効果的なんだよね。
左は撃たれて倒れる人物をモンタージュしたシーンを、ROCKHURRAHが3つ並べて編集したもの。
今までこんな映像を観たことがない!
イグレシア監督独自のセンスなんだろうね。
かなり衝撃的で驚かされたよ。
この映像だけでも観る価値あり!だよね。

ROCKHURRAH註:ジュリアーノ・ジェンマの「怒りの荒野」のタイトルバックに近いセンスを感じる。
映画が始まる前のタイトルバックの重要さは前回も語っているけれど、本で言えば装丁だと思うし、DVDのパッケージでも同じことが言えるよね。
ジャケ買いしたくなるかどうか、の判断基準になると思うな!

「 マカロニ・ウエスタン 800発の銃弾」も「13 みんなのしあわせ」も、どちらも「戦い」を描いている映画だったよ。
かたや自分の信念を貫くため、かたやお金を奪取するためという違いはあるけどね。
イグレシア監督の作品はブラックな要素がたくさんあるのに笑ってしまう、ジャンルに囚われないところが良いんだよね。
次回の「好き好きアーツ!」もイグレシア監督の作品を特集する予定だよ!
どうぞお楽しみに。(笑)