Monthly Archives: 7月 2015

【どこかで見たことあると思ったら!レオノール・フィニの作品だったんだね(笑)】

SNAKEPIPE WROTE:

随分昔に興味を持って調べていたのにもかかわらず、ブログの記事にしていなかったことを忘れていたのがレオノール・フィニ
書いたかどうかを失念するとは、ボケの始まりか?(笑)
1907年生まれのアルゼンチン出身の女流画家で、実際に活動していたのはパリやローマという国際派。
「SNAKEPIPE MUSEUM」の場合は、アーティストの作品に焦点を当てて紹介していくパターンがほとんどだけれど、今回のレオノール・フィニに関しては彼女の作品よりも気になったことがあるんだよね。

「SNAKEPIPE MUSEUM」の記念すべき第1回で紹介したのが、アンリ・カルティエ=ブレッソン
ブレッソンを知らなくても作品はどこかで目にしたことがあるんじゃないかな。
例えばカレンダーになっていたり、ジグソーパズルで遊んだりね。(笑)
そんな写真界の大御所であるブレッソンがミューズとして崇めたのが、今回特集するレオノール・フィニ!
彼女を被写体にした写真が数多く存在しているんだよね。
今回の「SNAKEPIPE MUSEUM」は、モデルとしてのレオノール・フィニについて書いてみたいと思う。

レオノール・フィニの作品も、もちろんとても印象的なんだよね。
本人は否定していたようだけど、シュルレアリスムらしい雰囲気で幻想的だし。
ポートレイトが多いのも特徴みたいだね。
やっぱり容姿に自信があったんだろうなあ。
名だたる写真家のモデルになってるくらいだからね!

レオノール・フィニをWikipediaで調べると、パリ時代に交流のあった人達の名前がたくさん載っていて、それがあまりに大物揃いでびっくりしちゃうんだよね。
エルンストキリコピカソバタイユ
エルンストとは恋仲だったみたいだね。
すごいメンツだよ。(笑)
写真家ブレッソンと「城の中のイギリス人」を書いた小説家マンディアルグと旅行に出た先で撮られた彼女のヌードが左の写真。
ボインちゃん(死語)だよね!
ブレッソンのサイン入りどすえ。(笑)
多分この写真で間違いないと思うんだけど、これがオークションで30万5000ドルで売られたという情報があるよ。
今のレートで3775万円!うひょー!(笑)

レオノール・フィニは自分自身を変容させる変身願望(?)があったようで、仮面を着けたり小林幸子美川憲一も驚くようなド派手なドレスを着てポーズを取っている写真も多いんだよね。
ブレッソン以外にもブラッサイやピカソの「泣く女」のモデルとしても有名なドラ・マールまでフィニをモデルに撮影しているとは!
当時のパリのアートに対しての情熱が伝わってくるよね。
カフェに数人が集まれば作品制作について真剣に語り合ったりしたんだろうなあ!
なんて羨ましい環境なんでしょ!

参加している全員が、それぞれ何かしらのアートに携わっていて。
画家、詩人、写真家、小説家。
みんなであーじゃないこーじゃないって言い合って、それを実際に作品にして、また批評し合ったり。
1930年代のパリ、憧れるなあ!
えっ、まずはフランス語の習得?(笑)

レオノール・フィニは猫が大好きで、猫を抱いて写っている写真もたくさんあるんだよね。
猫や仮面が好き、ということである程度の傾向が判るよね。(笑)
髪の一本一本から骨の髄まで「女」って感じがする。
ホドロフスキーの自伝「リアリティのダンス」の中に、青年期のホドロフスキーがチリで出会う、ものすごくエネルギッシュでパンクな女性がいたことを思い出す。
その時代のチリにそんなカッコ良い女性がいることに驚いたものよ。
「リアリティのダンス」の続編「エンドレス・ポエトリー」では、青年期のホドロフスキーが設定されているというから、その女性の話も出てくると良いな!
SNAKEPIPEは、ホドロフスキーの恋人だった女性とレオノール・フィニに似た雰囲気を感じてしまったよ!(笑)

ヨーロッパの国々でたくさんのアーティストを魅了した美貌の画家、レオノール・フィニ。
この時代にはこうしたファム・ファタール的な女性がたくさんいて憧れちゃうんだよね。
ダリの奥さんだったガラ夫人とかね。(元はエリュアールの妻)
上の羽根を着けたフィニは、まるで地獄の使者のよう。
黒い天使姿がこんなに決まる女性はそういないよね!

【作中にも登場したRoxy MusicのSiren。人魚だね!】

SNAKEPIPE WROTE:

鳥飼先生の作品を再読し、感想をまとめていこうという企画の第2弾は「非在」。
鳥飼先生の大人気シリーズ、「観察者シリーズ」の2作目である。
登場人物は作品の中で探偵役となる自称プロのウォッチャー(観察者)、通称トビさんこと鳶山久志。
そして探偵の助手役となるのが植物写真家、通称ネコこと猫田夏海である。
「観察者シリーズ」ではお馴染みであるが、ネコが事件を拾ってきて、トビさんが事件の謎を解くパターンが多い。

「非在」も同様に、ネコが撮影で立ち寄った奄美大島の海岸で漂流物のフロッピーディスクを拾ったことから始まる。
フロッピーディスク!
この小説が発表されたのが2002年なので、当時のパソコンには当たり前のようにフロッピー機能は付属していたよね。
思い起こすと懐かしい。(笑)

ネコが拾ったフロッピーディスクには、大学生のサークル活動記録が手記として入っていた。
そのサークルは未知なる生物を発見する目的でウルトラ(ULTRA)という。
Unidentified LIving Things Research Associationの略だと書いてあったよ。
空想上の生物を真剣に研究し、捜索する活動を行っているサークルらしい。
例えばツチノコケセランパサラン(化粧品じゃなくて!)を研究対象にしているというので、これは大昔テレビでやっていた「川口浩探検隊」を真剣に行っているサークルということになるんだろうね。(笑)
えっ、例えが古過ぎ?(笑)

そんな未知の生物の中でも、サークルとして最も力を入れていた対象が「人魚」だという。
そしてその「人魚」に関する新たな情報がサークルのメンバーからもたらされるのである。
古文書の中に沙留覇島での「人魚」の存在を示す記述を発見!
長年「人魚」を追いかけていたメンバーを含む4名が船で無人島の沙留覇島に向かうことになった、と手記に綴られている。
島に上陸した後の様々な冒険譚に続いて、殺人事件が起きたという尻切れトンボで終わっている。
島では一体何が起こったのか?
これは「孤島ミステリー」だね!(笑)

フロッピーディスクを警察に届け、行方不明事件として捜索が行われても手がかりはなし。
事件に関しての報道がされなくなった頃、トビさんからメールが届く。
それは行方不明者を一緒に捜索しに行こうよ、という誘いであった。
トビさんと2人だけの旅行だと思っていたのに、何故かイラストレーターの通称ジンベーこと高階甚平が同行している。
ジンベー!(笑)
トビさんもネコも、そしてジンベーも同じ大学の野生生物研究会というサークルに所属していたことから、学校を卒業してからもずっと付き合いのある「観察者シリーズ」ではお馴染みのメンバーなんだよね。
奇抜なファッションをしたジンベーの登場は嬉しい限り!
今まで何度も書いているけれど、SNAKEPIPEはジンベーのファンなのである。(笑)
トビさん、ネコ、ジンベーのトリオが沙留覇島を目指すことになる。
かつてのサークル仲間が、別のサークル遭難者を探すという構図だね!

映画や本の感想を書く時に毎回迷ってしまうのが、どこまで粗筋を書くべきか、という点。
参考として、例えばAmazonの販売ページに載っている文章を読んで、ここまでの情報ならオッケーなんだ、という基準にする。
ただ、そのままコピーしようとは思わないので苦心するんだよね。(笑)
「非在」に関してのあらすじはここまでにしようか。

手記を元に大学生の特徴が記されているため、サークルのメンバー各々の区別が付き辛かったな、というのが最初に持った感想ね。
通常はネコが特徴を話して(思って)文章化されているので判り易いんだけどね。(笑)
そもそも手記というのが、「自分の体験やそれに基づく感想を自分で文章に書いたもの(デジタル大辞泉より)」ということなので、人の風貌に関して細かく書かないのが当たり前なんだよね。
それにしても…。
今回はトビさんが事件を解決しても、なんとなくしっくりこない感じ。
最後まで読んだ後、もう一度ページを戻して読み返すことになる。
「非在」はミステリーのジャンルでいうと「叙述トリック」になるんだよね?

SNAKEPIPEは鳥飼先生の作品のファンで、ミステリーに精通している読者ではないため、この手のトリックに慣れていないみたい。
だから「しっくりこない」になっちゃうんだね。(笑)
SNAKEPIPEにとっては、例えばジンベーの登場や、トビさんの薀蓄を聞くことが1番の喜びだからね!(笑)
ミステリー・マニアの方は「叙述トリック」を解く挑戦(?)として楽しめると思う。

「観察者シリーズ」4人目のメンバーである神野先輩が経営するバー、「ネオフォビア」で繰り広げられた会話も興味深かった!
前作「中空」では「竹取物語」と老荘思想が絡んでいたけれど、「非在」では「浦島太郎」と「人魚」なんだよね。
「竹取物語」の時もそうだったけれど、「浦島太郎」に関しても知っているのは子供向けのお伽話だけだったと判明!
「日本書紀」や「万葉集」にも記述があることも知らなかった。
勉強になります!(笑)
「蓬莱」や「ニライカナイ」などの魅力的な単語が飛び出す。
きっとSNAKEPIPEはネコよりも低い点数しかもらえない程度の解答しかできないけれど、その手の話には興味津々だからね!
鳥飼先生の作中に登場したことがきっかけで、興味を持つことって多いんだよね!
例えば黒岩涙香も、漢字の読み方に苦労しながらも面白く読んだし。
「浦島太郎」や「竹取物語」も読んでみたい作品になったよ!

「ネオフォビア」でかかる音楽にも注目だね!
ロキシー・ミュージックの「サイレン」にはROCKHURRAHが大反応していた。
どうやらロキシー・ミュージックで初めて買ったアルバムが「サイレン」だったとか。
思い入れが強いみたいなんだよね。
「ジャケットが人魚だよ」
という情報を元にトップにyoutubeを貼ってみたよ!
おお、まさにセイレーン!(笑)

「観察者シリーズ」第3弾は「桃源郷の惨劇」。
また感想をまとめてみたいと思う!

追記:今回より鳥飼先生専用のカテゴリーを作成してみたよ!
ジャーン!ROCKHURRAH命名の「トリカイズム宣言」!(笑)
「好き好きアーツ!」として書いていなかった記事もカテゴリー化されて良い感じだね!

【今回は陽気 VS 陰気で対極なバンド特集】

ROCKHURRAH WROTE:

この「誰がCOVERやねん」という企画はただのカヴァー・ヴァージョン特集ではなくて、1970年代から80年代のパンクやニュー・ウェイブにまつわるカヴァー曲だけを独自のセレクトで紹介(というほど詳しくは書いてないが)してゆくというもの。
元歌、またはやっているアーティストのどちらかに興味ない場合はいかに優れたカヴァーでも書かない方針なので、ROCKHURRAHの偏った好みだけで展開してゆく。
今まで書いた傾向はメジャーで誰でも知ってる曲よりも、知る人ぞ知る音楽に焦点を当てているのが特徴かな?ヘタしたら元歌のバンドもカヴァーやってるバンドもどちらも一般的でなかったりするから、読む人を限定する特集なのは間違いないな。もっとマニアックな人は世の中にゴマンといるだろうけど、読んで少しでもウチの路線を理解していただけたらありがたいな。

前回まではまずカヴァー曲を提示しておいて、それの元歌はこれなんだよという配置の仕方だったけど、今回からは先にオリジナル、次にカヴァー曲という構成でゆきたい。いや、誰も気付いてなかったと思うし別に大差ないのはわかってるけど。

テッズ=テディボーイは50年代のロンドンで流行した不良のスタイルで丈の長いテッズ・ジャケットに細身のパンツ、ラバーソールの厚底靴、そしてリーゼントの髪型などが特色だった。
アメリカ発祥のロカビリーとも似たようなものだが、ダボッとしたズートパンツに開襟シャツが主流だったロカビリーに対して、テッズの方はもう少しスリムな印象があるな。
生き様としてもファッションとしてもピシっとスジが通った魅力に溢れてて、個人的には大好きな部類。
人によっては大嫌いな部類かも知れないが、それはどんなムーブメントでも一緒。
セックス・ピストルズのマネージャーだったマルコム・マクラーレンも元々はテッズ畑の出身だった、という事からもわかる通り、ファッションの世界でも札付き、じゃなかったお墨付きの不良カルチャーだったわけだ。
その後も多くのデザイナーを魅了してテッズっぽいデザインの服はある程度の周期でリバイバルしているな。
ロッカーズはテッズのようなシティボーイ(死語)じゃなくてトライアンフなどのバイクに乗ってかっ飛ばす集団ね。
革の上下キメキメで魅了はされるけど、バイクに乗ってなければやはり決まらない。
趣味とライフスタイルの全てがそうじゃないと真似出来ない点でテッズよりも難しいと思える。

テンポール・テューダーは1970年代のパンクの頃に活動していたバンドでパンクとテッズ、ロッカーズ風味を融合させて、そこにスコットランド民謡風の勇壮なメロディをうまくミックスさせた個性的なスタイルを作り上げた。
元々はパンクやモッズとテッズ、ロッカーズは敵同士なんだけど、まあ固い事言わずに仲良くしましょうや。
モロにテッズ要素満載なわけではなく、メンバーの髪型やルックス、そして音楽性に垣間見えてるところが「時代に合ってた」ということになるんだろうな。
彼らのもう一つの特色は中世の鎧甲冑の騎士や海賊、三銃士などなど、華麗に時代がかった衣装をジャケット写真に使用してプロモーションもそういう装束で行っているコスプレ・バンドだったこと。
別にこの格好で演奏するわけじゃないが、同時代に大ヒットしたアダム&ジ・アンツの海賊ファッションなどと比べると知名度が低い。もっと注目されても良かったのではないかと思うよ。

俳優、コメディアンとしても活動していたエドワード・テューダーポールはセックス・ピストルズの映画「グレート・ロックンロール・スウィンドル」の中で映画館の受付役(掃除人?)として出演、映画のサントラでも何曲か入っていて注目はされたものの、アルバム・デビューが遅くてパンクも過ぎ去った頃になってしまったのがやや不遇だったかな。
アレックス・コックスの「ストレート・トゥ・ヘル」でもジョー・ストラマーやポーグスと共演。
「そうそうたる人々と共演したで賞」を与えたくなってしまう逸材なのに日本ではあまり知名度がないなあ。

この曲「Swords Of A Thousand Men」はそんなテンポール・テューダーの魅力が満載のヒット曲で、PVもROCKHURRAHが書いた通り派手な身振りの騎士姿。
前にウチのこの記事でも書いた名曲「Wunderbar」と共にみんなで大合唱出来る壮大で陽気な曲だね。
テューダーポールのこれでもか、という派手なオーバーアクションもすごいけどギターのモミアゲ男の「濃さ」も負けてないね。男気ムンムン。

そんなテンポール・テューダーの名曲をカヴァーしたのがこれ、ミッドナイターズというバンドだ。
1980年代後半のサイコビリー系バンドでかなりマイナーな存在だとは思えるが、なぜかこのレコード・ジャケットも覚えてるしカセットテープ(古っ!・・・)にも「Easy Money」とか録音して聴いてたような記憶があるが、バンドの印象はすっかり記憶にない。
サイコビリーの中でも特にアクの強いバンドばかりを好んで聴いていたから、この手の軽快な演奏は敬遠していたかも。
元々テッズっぽい要素もあるテンポール・テューダーの曲をネオロカ、あるいはサイコビリーでカヴァーというのはある意味当たり前の発想なので、飛躍がないのは書いてる本人にも痛いほどわかってるよ。まあ見逃してやってね。
しかし、ミッドナイターズというバンドが他にもあるようで、しかもそっちの方が遥かに立派なようで、この見栄えのしないトリオは検索でもほとんど出てこない。
バンド名つける時に「同じバンド名だ」とか気付かなかったものかねえ?
出だしからしてすでに間違っとるよ。

ROCKHURRAHの書くブログ記事では何度も登場していて「またかよ」と言われそうなジャンルが1980年代初頭に流行ったポジティブ・パンク、略してポジパンというムーブメントだ。
ウチでも大昔に記事でまとめたこともありましたなあ。
ウィキペディアでゴシックについて調べてたら、ゴシック趣味の音楽についてウチの書いてる事と同じような事が書かれてたからビックリ。こんな一文を真似て書くほど落ちぶれてないROCKHURRAHだが、ウチの駄文を真似るほど落ちぶれた人間もいるとも思えない。
うーむ、偶然にも列記してるバンド名まで一致した、などという奇跡な解釈でよろしいのかな?

ポジパンの大まかな定義とかは上のリンクを参照すれば、割とうまいこと書いてると自画自賛出来る力作(ブログ記事が)。
いやあ、ROCKHURRAHのブログ、タメになるなあ。

そのムーブメントの一番最後に登場した大物がこのシスターズ・オブ・マーシーだ。
ジョイ・ディヴィジョンやバウハウスによって確立した「何かわからんけど暗くて重苦しいロック」という不明瞭なジャンルを踏襲したバンド達が幾多も存在したが、そのトドメとも言える重苦しいヴォーカルが衝撃的だった。
この重低音ヴォーカリストのアンドリュー・エルドリッチを中心に80年代初頭に英国、リーズで結成。
ポジパンが一番旬の時代だったのが1982年くらいだから、その時にはすでに存在していたはずなんだが、当時は細々とシングル出してたけど日本ではまだ無名だった。

シスターズは多くのポジパンのバンドがやってたような白塗り化粧とかホラー映画風のメイクとは無縁のルックスで、長髪にレイバンの大きなサングラス、丈の長い黒っぽいコートにつばの広い帽子というような格好だったから、通常の意味でのポジパンっぽいところはなく、そういうシーンの中では浮上して来なかったんだろうかな?
ただしゴシックという幅広い意味では見事に一致してて、ゆえに「ゴスの帝王」などと呼ばれていた。
音楽も見た目も雰囲気も真似したくなる要素に溢れてて、フォロワーも多かったな。

本人はゴシックなどという言葉が大嫌いと明言していて、ポジパンやゴシックなどというムーブメントとは距離を置いていたらしいが、近い方向性なのは間違いない。
ドクター・アバランシェと名付けられたドラム・マシーンによる無機質なビートに繊細なギター・サウンド、そしてくぐもった低い声が特徴的な音楽はジョイ・ディヴィジョン=イアン・カーティスと共に「押し殺した声のヴォーカリスト」2大巨匠だと言える。

彼らは自身のレーベル、マーシフル・リリースより出したシングルをインディ・チャートに数多くランクインさせて、1985年にアルバム・デビューした。
「マーシーの合言葉」という意味不明の邦題で日本でもリリースされたが売れたんだろうか?

すでに大半のポジパンのバンドは過ぎ去っており、そういう路線での生き残りは難しかったが、一般的には売れなくても伝説のすごいバンドとしての地位は揺るぎないものだったろう。
しかしかなり偏屈な男として名高いエルドリッチは他のメンバーとうまくいってなく、メジャー・デビューした後にあっさり解散。次のバンドを巡ってイヤな泥沼のような争いを起こしたが、この辺はROCKHURRAHの嫌いなところなので省略。
彼一人さえいればそれがシスターズ・オブ・マーシーという考えのワンマン社長、「派遣は覇権を争うなよ」というのが言い分らしい。

その後も別のメンバーでやってたりはするけどROCKHURRAHが個人的に好きだったのはアルバム当時のシスターズまで。
ポジパン最後のスターだっただけにそのカッコイイ姿が見られるライブ映像も比較的残っている。
この曲「No Time To Cry」は一番最後くらいのリリースで(1985年までの)暗くてもダンサブル、重苦しくても躍動感に溢れてるという名曲。見た目も格好良くて憧れるな。
個人的にエルドリッチの真似して髪を伸ばして黒ずくめだった時代もあったなあ。
今はまた時代が廻って案外遠からずの風貌になってしまったROCKHURRAHだよ。

そんな時代の寵児だったシスターズだからカヴァー・ヴァージョンも多数存在してるだろうと思ったが、当たるのはヘンなバンドばかり。
彼らの良さをひとつも理解してない醜い見世物バンドとか、要するにゴシックの表面だけをなぞって間違えてしまった類いの奴らとか。
実はここまで書いてきて取り上げようと思ってたバンドがそれだったわけで、急遽取り止めにした次第だ。
シスターズ部分に熱を入れて書いたからもう書き直し出来ない、困ったニャーなどと思いながら何とか勘違いではなさそうなのを見つけて来たのがこれ。
特別に気に入ったわけでもないし映像もなくてつまらんが、ないよりマシというレベル。
実は全然知らなくてどうやらフランスのレーベルから出している最近のバンドらしいが、なぜか「特攻花」とか「神風」とか不穏なタイトルのレコード出してるな。
他の曲の曲調も聴いてみたが、まさに80年代、具体的にはエコー&ザ・バニーメンとかウェステッド・ユースとかの正統派ネオ・サイケっぽく感じた。
90年代くらいにもシューゲイザー=靴を見つめる人=うつ向きかげんに観客と目を合わせない内向的バンドというのが多数出たが、その延長線にも見えるな。
タイトルもそうだが日本語のサンプリングみたいなのも入ってて、こちらが聴くとちょっと気恥ずかしい気分もする。

ポスト・パンクみたいな事を今の時代に再現しようと思うとこういう風になってしまうね、というような見本市。
いくら自分が盛り上がってても周りの空気は違うという現実に突き当たる。

ROCKHURRAHは若い世代で今やってるサイトを始めたわけではなくて、ちゃんと熱かったあの時代を知ってるからSNAKEPIPEと二人でも80年代のままで続けてゆけるけど、このバンドはどうだろう?
時代は巡ってくるからまた80年代みたいになるといいんだろうけど、それは本当の80年代ではない。
この辺のギャップに彼らもウチも悩みそう。

今回も意外と長くなってしまったからたった2つのカヴァーのみ、しかもオリジナルに思い入れがあってもカヴァー曲には特に何も感じないというのが続いてしまったね。
また今度別な方角から探ってみよう。

【今回の目的である竜化の滝!圧巻の絶景に言葉を無くす】

SNAKEPIPE WROTE:

本日7月5日はROCKHURRAHの誕生日。
おめでとう、ROCKHURRAH!(笑)
毎年プレゼントは何が良い、と聞くのが恒例となっていて、去年は「旅行」との答えだったため日光旅行に行ったんだよね。
その時の様子は「大人社会科見学—日光—」として記事にしている。
滝と温泉でのリフレッシュを再び体験しよう!と今年も旅行に行くことになった。
滝と温泉をメインに考え、1泊2日の日程ということになると範囲はある程度絞られてくる。
群馬県や茨城県も候補にあがったけれど、今回もまた栃木県に決定した。
那須塩原は聞いたことがある地名だけれど、ROCKHURRAHもSNAKEPIPEも行ったことがない。
滝の数が豊富で、源泉掛け流しの客室露天風呂付き旅館もお手頃だし!
早速誕生日に近い日程で新幹線と宿の手配を済ませたのである。

この時期の旅行で一番心配なのは、お天気!
土砂降りの雨や、台風に見舞われてしまったら計画が台無しになっちゃうからね。
去年も少し降られたけれど、今年もやっぱり少し雨模様での出発となった。
自称雨男のROCKHURRAHが一緒だから仕方ないのかも?(笑)
それでも一日降り続く雨ではなく、曇り時々雨くらいなので、歩くのには丁度良かった。

一日目は宿のチェックインの時間に合わせて行動したので、この日の滝めぐりはなし。
史跡鍾乳洞「源三窟」に行ってみる。
長さがおよそ50mの鍾乳洞なので、そこまで大規模ではないけれど、以前秋吉台の秋芳洞で鍾乳洞の魅力を知ってから、富士山の富岳風穴・鳴沢氷穴も探検(?)したROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
近くに鍾乳洞があると知ったら規模の大小に関わりなく、行きたくなっちゃうんだよね!(笑)
「源三窟」は源義経の家来であった源有綱が潜伏していたことが名前の由来になっているそうだ。
チケットを購入し、洞窟に入ろうとすると、受付の女性が
「今から紙芝居で鍾乳洞の歴史を紹介します」
と言い、ROCKHURRAHとSNAKEPIPEに椅子を勧める。
そして受付から出てきて、女性の顔の高さに持った紙芝居が始まったのである。
大人2枚1400円ですね、と話していた時の声とは別人。(笑)
時は1185年、源平最後の合戦壇ノ浦の戦いで〜と張りのある声で紙芝居をしてくれた受付の方に拍手だね!

鍾乳洞の中には、潜伏生活を送っていた落武者の人形が配置され、様子が分かるようになっている。
狭くて暗くて寒い中、大変だっただろうね。
そんな苦労をした末に、米のとぎ汁の白い色で潜伏先を発見されてしまったというオチにはびっくり。
探索していた源頼朝軍が鋭かったんだろうね。

川沿いを散歩している途中でヘビを発見!
SNAKEPIPEという名前のくせに「ひゃあっ!」と声を上げてしまう。
天然モノに野外で遭遇するのは怖いよねえ。

那須塩原も寂れた印象の温泉街で、メイン通りを少し外れた道を歩くと廃墟が点在している。
かつては大勢のお客さんで賑わったはずの温泉旅館が廃墟化してるんだよね。
急にムラムラと撮影意欲が湧いてくるSNAKEPIPE。
廃墟には目がないからね。(笑)
本当は中に入りたかったけど、断念し外側からだけ撮影する。
やっぱり廃墟はワクワクする!(笑)
つい夢中になって撮ってしまい、旅の主役であるROCKHURRAHを手持ち無沙汰にさせてしまった!
ごめんなさい!(笑)

予約していた宿は、純和風で総面積がかなり広めのゆったりとした造り。
源泉掛け流しの露天風呂も予想以上に広く、湯加減はぬるめで長く浸かれるタイプ。
夕食は座敷だったため足がしびれてしまったことを除けば、良く研究された創作料理が並び、これも大満足だった。
良い宿に宿泊できて良かったなあ!(笑)
男女別だったためROCKHURRAHだけが体験したのが洞窟風呂。
この宿の自慢の一つだったようで、せっかくならと入ってきたようだ。
洞窟の中で入浴しているような造りで、部屋に付いていた露天風呂の湯加減よりも少し熱めだったとか。
女性の時間は遅かったので、SNAKEPIPEは未体験になってしまった。

翌日。
早起きして目指す滝へと出発する。
ROCKHURRAH RECORDSはマイカーを持っていないので、目的地に行くためにはバスを利用することになる。
そして2人共乗り物に弱いという特徴が同じなんだよね。(笑)
SNAKEPIPEは子供の頃の遠足というと憂鬱だった。
乗り物で酔ってしまうからね。
ROCKHURRAHもかなり弱いほうだという。
そんな2人が苦手なバスに乗って滝を目指したのである。

バスターミナルから第一の目的地である「竜化の滝」まではおよそ10分程度の距離。
これくらいならまだ大丈夫だね。(笑)
乗ったのがJRバスだったのに、何故かsuicaが使えない!
ICに対応していないバスだったとはびっくりだね。
整理券を握りしめ、前方の料金表を見て小銭を数える。
うーん、なんて不便なんでしょ!
確か以前行った長崎では、どのバスでもIC対応していたけどね?
JRバスくらいは改善して欲しいよね!

「竜化の滝」停留所から徒歩で滝を目指す。
割と平坦な道だったはず、というROCKHURRAHの情報はどこから仕入れたんだろう?
階段になっている場所でもかなりの急勾配。
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEはブーツ着用だったから問題ないけど、サンダル履いた女性などはとても難しいと思われる道が続く。

前日の雨に濡れた幹や葉の色が濃い。
滝から流れ落ちてきた水が川となってせせらいでいる音。
こんなに大自然の中を歩くのは久しぶり!(笑)
滝に到着する前の段階でも充分楽しい気分になっている。
歩いている途中にもいくつか滝があり、小さく高さがそれほどなくても豊富な水量に驚く。
そしていよいよ「竜化の滝」に到着!
トップの画像なんだけど、uno,dos,tresという3段構造になっている、迫力のある滝!(わざわざスペイン語にする必要あるのか?)
滝との距離はおよそ5mくらい?と思うくらい、ものすごく近いんだよね!
目の前に滝がある迫力に圧倒される。
しばらくの間滝を眺めていたのに、 ROCKHURRAHとSNAKEPIPEの2人だけで滝を独占できたのはラッキーだったね!(笑)
「竜化の滝」、観られて本当に良かった。

これに気をよくしたROCKHURRAHとSNAKEPIPE、次の滝へと向かうことにする。
これもバスで2つ先の「 回顧の滝」である。
通常の感覚としては「バス停2つなら歩ける距離」と思ってしまいそうだけれど、この場所は栃木県。
バス停1つの距離がながーいのよ!
特に「竜化の滝」から「回顧の滝」まではトンネルまでくぐるような、とても歩けない道を走っていたね。
元々人が歩けるだけの幅がない道がほとんどなので、徒歩は考えちゃいけないんだね、と話し合う。
「回顧の滝」停留所までもおよそ10分程度で到着。
酔うほどにはならなかったよ。(笑)

「回顧の滝」へは「緩やかコース」と「急坂コース」という2つのコースのどちらかを選択することになっている。
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEは迷うことなく「緩やかコース」!(笑)
2人共足腰には自信ないからねえ。
先に行った「竜化の滝」で「道は平坦」とされてしまうなら、「急坂コース」はロッククライミングやボルダリングのレベルじゃないだろうか?
などと言いながら「緩やかコース」を歩く。
意外なことに「竜化の滝」に向かう道のりより平坦に感じる。
「回顧の滝」での最大の難所と思われるのは、約100mの「回顧の吊橋」を渡ること!
実はROCKHURRAHとSNAKEPIPE、2人揃って高所恐怖症なんだよね。
吊り橋なんて足がワナワナして渡れないかも、と思っていたにも関わらず、これも難なくクリア!
お、やればできるじゃない!(笑)

「回顧の吊橋」を渡ってしまえば、ゴールはもうすぐ。
それにしても?
滝のゴーッという音が全然聞こえてこない。
吊り橋を渡り切ると、高台に向かう階段が見えてくる。
そこまで行ってもまだ音がしない。
高台に登ってみる。
ん?
んんん?
もしかしてあれが「回顧の滝」?
目を凝らすと、チョロチョロと細い糸のような水が落ちているのが見えた。
まるで楚々とした控えめな女性のような滝だね!
ゴーゴーと音を立て、勢い良く水が落下する男性的な印象が強い滝が多いと思うけれど、「回顧の滝」は違った趣。
遠い場所から眺めているので、余計にそう感じたのかもしれないね。

「回顧の滝」を予想よりも早く鑑賞してしまったので、せっかくならばと次のバス停「もみじ谷大吊橋」に向かうことにする。
バス停は1つだけだけど、1つのバス停の距離を考えると徒歩は避けたほうが良いだろう、という判断にしたのである。
バスに乗って、およそ1分。
「もみじ谷大吊橋」に到着!
測ってないけれど、多分300mくらいの距離だったんじゃないだろうか。
運転手さんに「えっ、ここで良いんですか?」と聞かれてしまったほど。
とほほ。
こんな距離だったら徒歩で問題なかったのに!
「回顧の滝」近辺に「もみじ谷大吊橋 ここから300m」なんて看板もなかったからね!
今回の旅行で初めての「とほほ体験」だったよ。(笑)

昼近かったので、腹ごしらえする。
バス停近くには「手打ちそば」という看板がいくつか出ている。
なんで蕎麦屋ばかり並んでるんだろうね。
簡単に軽く済ませよう、とそのうちの一つの店に入る。
山の中だから「山菜」や「田舎煮込み」というフレーズが多用されている。
あまり興味がないので、「鴨うどん」を注文。
出てきたうどんを食べてびっくり!
味が濃過ぎ、鴨が硬過ぎ、なのに値段が高過ぎ!
観光地の料理は不味くて高くて当たり前、で良いのだろうか?
昔はそれで許されていたとしても、最近はそれじゃダメでしょ。
ご当地グルメがもてはやされているかと思えば、未だにこんな商売やってる店もあるんだね。
今回の旅行、2度目の「とほほ体験」だ。
2度と行かない店に決定!(笑)

気を取り直して「もみじ谷大吊橋」へ向かう。
この吊橋は320mの長さがあり、日本でもかなり長い吊り橋だという。
「吊り橋効果」を狙って「恋人の聖地」 になっているらしい。
揺れる橋での恐怖を共有したことが恋愛に発展する、という理論によるものだけど、「もみじ谷大吊橋」は強度に自信がある橋なんだよね。(笑)
もちろん歩いているうちに多少の揺れは感じるけれど、グラグラして足元が覚束ないというレベルではない。
高所恐怖症のROCKHURRAHとSNAKEPIPEですら、スイスイと歩いたくらいだからね!
終点に到着して、塩原ダムを見学。
予定していなかった「吊り橋」だったけれど、ここにも行かれて良かったな!

旅行前から引いていた風邪をこじらせ、ここ数年の中でも絶不調な状態だったSNAKEPIPE。
鼻が詰まり味覚がない状態だったのに、温泉に入ってから味が分かるようになったのには驚いたけど!
次回の旅行の教訓としては、当たり前だけど体調を万全にして臨むことと、知らない土地のバス事情などは事前に調べておくこと、かな。
バスは停留所以外にも料金と営業キロまで知ったほうが良いね。(笑)

ROCKHURRAHも大満足だったという。
一番の目的はROCKHURRAHが喜んでくれることだったので、とても良かったと思う。
また知らない場所を旅しようね!