Monthly Archives: 11月 2017

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【SNAKEPIPE作だまし絵。さて、この風景に何匹の動物が隠れてるでしょうか?】

ROCKHURRAH WROTE:

「動物王国」などと壮大なタイトルをつけたものの、前回はちょっとしか紹介出来ずに終わってしまったので渋々続きを書くことにする。 

前も書いた通り1960〜70年代のロックは動物名がついたバンドが結構たくさんあって、ロック好きだったら即座にいくつかの有名バンド名がすんなり出てくると思う。でもそれはROCKHURRAHが語るようなものがほとんどなく、強いて言えばヘンリー・カウとかアート・ベアーズとかレコメンデッド・レコード系くらいか?

ROCKHURRAH RECORDSとしては70年代のパンク、80年代の初期ニュー・ウェイブをメインとしてるので、そんな中から動物名のついたバンドを探してみたのが前回のブログというわけ。
が、生き馬の目を抜く80年代に動物名バンドは向かなかったのか、あまり大したのは思い出せなかった。
そういうわけもあって思ったほど動物を集める事が出来なくて動物王国もまだガラガラの状態だよ。
平たく言えばテーマに沿ったバンド(尚かつ何かコメント書けそうなバンド)があまり見つからなかった。だから結構大変だなという予感がして「渋々」書いてるのが今のROCKHURRAHの心の中なのだ。

で、バンド名ではちょっと難があるという事で今回のは曲名に動物名がついたの、と方向転換してみたよ。これならバンド名よりは数多く出てくるだろうと思う。

自分も猿の仲間のくせに猿を見てかわいいと思った事はなく、例えば動物園に行っても素通りしてしまうだろう。別に憎んではいないけど、これはもう好みの問題だから仕方ない。

猿が意志を持ってワンランク上の存在になった瞬間と言えば「2001年宇宙の旅」の冒頭や、現在もしつこく続編が作られてる大河猿ドラマ「猿の惑星」などで描かれているが、猿には興味ないくせにこの手の題材は大好きなのだった。
大昔の「宇宙猿人ゴリ」などというどうでもいいようなのまでついでに思い出してしまった。ゴリの部下がラーという安易極まりないネーミング・センスにも絶句したもんだ。

子供の時に一番最初の「猿の惑星」を観て衝撃を受けたし続編も観た事はあったけど、後の方になると記憶もあやふや、何となくしか覚えてない。SNAKEPIPEも子供の時にTVで最初のヤツを観たのみだったので、ウチの中で何年か前に「シリーズを通して観てみよう」という企画があった。それで「続・猿の惑星」や「新・猿の惑星」などもひと通りは観てるし、近年のリブート版のももちろん観ている。 
ただしあまりにも長年に渡ってひとつの世界観につじつまを合わせようとしてるため、新作が出ても前のストーリーがすっかりあやふやな二人だけどね。

モンキーをタイトルに使用した曲はたぶんいくつも存在してて選び放題なんだろうけど、たまたま思い出したので今日はこれにしてみる。

パンクからニュー・ウェイブに時代が変わり、色々な音楽が一気に登場した1970年代の最後に一大ブームとなったのが2トーン・スカと呼ばれるムーブメントだ。
60年代にジャマイカで発生したスカを、この当時の現代人(表現変か?)にわかりやすく、ビートを速めてパンク的な熱気も加えて大衆にアピールし、大成功を収めたのがネオ・スカという音楽。
2トーンというのはそれらの主要アーティストをリリースしていたレーベルの事で、白黒の市松模様を大胆に使ったレコード・ジャケットやロゴマークが斬新で一躍流行の最先端となった。細身のスーツにポークパイと呼ばれるツバの狭いハットをかぶったファッションも色々なブランドがこぞって真似して出して、街中はにわかにスカっぽいヤツらで溢れるほどだった。
その2トーン・レーベルの中でも筆頭に人気があったのがスペシャルズやマッドネスだった。
イギリスの工業地帯、その労働者に多かったジャマイカ人の故国の歌がそこかしこに流れてるような環境で育った若者にとって、レゲエやスカは身近な音楽だったんだろう。さらにジャマイカよりはパンクもニュー・ウェイブも身近にあるので、その両方の要素が合わさる事には何も違和感がない。これぞワンランク上の存在になった猿と同じで進化の瞬間なんだろうね(大げさ)。まあ日本人が取ってつけたようにスカ始めるよりは自然な出来事だろう。

スペシャルズは2トーン・レーベルを立ち上げたジェリー・ダマーズを中心とする白人とジャマイカ人の混成バンドなんだが、インパクトが強く目立っていたのは鋭い目つきの短髪男、テリー・ホールのカッコ良さと観客をノセる盛り上げの帝王、ネヴィル・ステイプルズの活躍だろう。

映像は1980年に初来日した時のものらしいが、エネルギッシュなライブ・パフォーマンスに定評があるバンドだけに音も声もよく出ているな。 「Monkey Man」はオリジナル・スカの時代に人気のあったトゥーツ&ザ・メイタルズのカヴァー曲だが、スペシャルズ・ヴァージョンもメリハリのある元気の出る曲としてROCKHURRAH家では定番の名曲。「モンキー・マン」と言っても猿人間の事を歌ったわけではなくイカサマ野郎とかそういう意味合いの歌だと字幕には書いてあるな。これで動物王国に入れて良いのか?という問題もあるが、ノリノリになれるからまあいいよね。

馬の思い出がある人は犬や猫との思い出がある人よりは少ないだろうが、キツネやアルマジロとの思い出がある人よりは多いんじゃなかろうかと推測するよ。実際の馬を見たり触ったり乗ったりした経験がない人もいるだろうけどね。
ROCKHURRAHは確か子供の頃に阿蘇山で乗った覚えはあるけどいわゆる乗馬とは程遠い。金持ちでもなく騎馬隊でも開拓者でもない一般レベルではこれくらいが関の山だろうね。無論これ以上に馬との緊密な時間を過ごした人も数多くいるのは確か。

馬と言えば思い出すのはだいぶ昔にのめり込んでやってた光栄(というメーカー)の「ウィニング・ポスト」という有名な競馬シミュレーション・ゲーム。アスキー(というメーカー)が出してた「ダービー・スタリオン」という一世を風靡した競馬シミュレーション・ゲームと双璧をなすタイトルだった。
自分が馬主となって仔馬を購入し、自分の牧場で育てて調教し、レースに出て賞金を貰う。そういう事を繰り返してだんだん大馬主として成功してゆくというようなゲームで、いわゆる育成シミュレーションの醍醐味を味わえる大人向けの内容だったな。確か桜子という秘書がいて何だかんだ言ってきたり、たまにドラマティックなイベントが発生したり、キタサンブラック並みの名馬が生まれたり、退屈なルーティン・ワークに飽きが来ないような設計で延々と遊んでいた記憶があるよ。レースの時は見てるだけで自分では特に何も出来ないというもどかしさが良かったな。
馬の名前はもちろん好きだったバンドのメンバーにしたり、楽しみ方も色々だった。
これや「ダービー・スタリオン」の影響で実際の競馬ファンになったという人も多数だろう。

このように毎回、本筋とは関係ない話ばかりしてるので長さの割には中身のないブログになってるけど、音楽評論が書きたいわけじゃないからこんな中途半端なスタイルになってしまうよ。

そんな身近な存在の馬ちゃんについて歌ったのがデス・カルトです。デスという言葉が入ったバンド名の時はお約束でなぜか丁寧語になってしまう。
1983年作の「Horse Nation」を取り挙げてみよう。ROCKHURRAHは歌詞を解読もしてないし単にHorseとタイトルにあるだけでここに紹介してるのみ。実際のところ何についての歌なのか一切理解してないというありさまだけど、そういう短絡的な姿勢を貫いてるのでこれからもよろしく。

このバンドがデビューしたのは1981年。
イギリスで退廃的な化粧をして死とか悪魔とかアンチ・キリストとか、欧米社会ではあまり快く思われない題材の歌で若者に人気があったジャンルがポジティブ・パンクと呼ばれる暗ーい音楽。その中枢を担う人気バンドのひとつだったのがサザン・デス・カルトというバンドだった。それからサザンがなくなってデス・カルト、デスもなくなって最後には単なるカルトだけになったという短縮の美学を極めた。
Horse Nation」はカルトになる前のデス・カルト名義の頃のシングル収録曲だが後のカルトになってもしつこく歌い続けてる。同じ頃のシングル「Gods Zoo」が派手でノリの良い名曲なのでそれに比べれば地味な感じなんだけどね。
サザン・デス・カルト時代からこのバンドの中心だったイアン・アストベリー はこの頃はGSバンドのメンバーみたいなルックスにデカ・タンバリンのパフォーマンスが冴えた美形の化粧男。甲高い声がどうも好きになれず、ポジパンにもっとドギツイものを求めてたROCKHURRAHにとってはちょっと物足りないバンドだったな。
ビデオは音や映像の途切れがひどいけど、どうしてもデス・カルト時代のが良かったからこれにしてみた。

美形バンドじゃなきゃ人気になれなかったのがポジティブ・パンクだったんだけど、中でも気色悪くなくて普通の意味で美形だった彼は不気味なセックス・ギャング・チルドレンやヴァージン・プルーンズなどよりは女性受けしそうなルックスだったね。同時期に日本のパンク・シーンで活躍したウィラードのJUNと髪型やヘアバンドが似すぎなのは偶然なのかどっちかが真似したのか?どちらにしろ後の時代のヴィジュアル系とかに強く影響を与えたバンドなのは確かだろう。
この後、カルトになるとメイクを落として長髪になり、ハードロックっぽく変貌してゆくんだけどやっぱり個人的にはこのポジパン時代が一番いいな。

田舎育ちのROCKHURRAHは子供の頃、普通にアオダイショウが近くを横切ったりしてるようなところで育ったし、おそらく家の屋根裏や床下にいるんじゃないか?とも思っていた。怖さを知らなかったからだろうが、毒蛇として名高いヤマカガシなども全然恐れる事なく近づいて行ったりもしたものだ。
今は見るのも触るのも苦手な虫を捕まえてたのも子供だったからだね。同じように昔は平気だったヘビも今では怖く思うかも知れない。

ヘビ、スネークと言えば当ブログで最も有名なのはSNAKEPIPEだが、この名前は一体どこから来てるのか?
かつてROCKHURRAHと知り合う前は写真を志していて東京近郊を撮影して歩き回っていたSNAKEPIPE(この時はまだその名ではなかった)、 ある時、川崎の工業地帯で「スネークパイプ株式会社」なるものを発見し、衝撃を受けてからSNAKEPIPEを名乗るようになったという事らしい。うーん、勝手に自称してるだけか・・・。
「この人物名はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」 と但し書きをしなければ。
というわけでヘビとは特に関係ない名前だった事はわかったが、もう後には引けないのでこのままスネーク談義を続けるよ。

ポジパンつながりで大好きだったこのバンドを挙げてみよう。マーチ・ヴァイオレッツの「Snake Dance」だ。
上のサザン・デス・カルトと同じくらいの時代に活躍したポジティブ・パンク、あるいはゴシックと呼ばれた系列のバンドなんだが、その筋で大変に有名なシスターズ・オブ・マーシーと同郷のリーズを拠点にして初期の頃は同じマーシフル・リリースというレーベルからレコードを出していた。
同じように生ドラムがなくドラム・マシーンを使うバンド構成なので必ずと言っていいほどに比較され続けてきたが、聴けばわかる通りシスターズ・オブ・マーシーとは特に似てもいない。
マーチ・ヴァイオレッツの方は押し殺したような低音のヴォーカルではなく、サイモンDのややチンピラ風の下品な歌い方と輪郭のハッキリした演奏が際立ったもの。ポジティブ・パンクという音楽的にはよくわからんシロモノのいかがわしさ、みたいなものが詰まってた素晴らしいB級バンドだと個人的には思うよ。 

グシャグシャの長髪、髭面のサイモンDの歌声と濃い顔立ちの魔女っぽい美女、ロージー・ガーランドとの掛け合いが魅力だったけどこの二人がいない時期もあり、その時はもう同じ名前がついてるけど別物のバンドだとしか言いようがない悲惨なもの。何か妙にメジャー志向の時があったんだよね。

マーチ・ヴァイオレッツはどういう経緯でかは知らないが10年前くらいから再結成したようで、年老いてしまった近年の映像が結構出てくる。「Snake Dance」は1984年の曲で彼らの代表曲なんだが、当時の映像はさすがになくてこの近年のビデオしか用意出来なかったのが残念。サイモンDはビア樽のように太ったおっさんになってしまった(元からその傾向はあった)が横で歌ってるのはロージーなのかどうか?それすらもよくわからないけど本人なんだろうな。だとしたら今いくつなのか?まさに魔女は不滅だな。

家の宗派はまるで違うくせに、なぜかレバノン幼稚園という変わった名前のカトリック系に通ったROCKHURRAHだ。
迷える子羊がどうのこうの、という説話はたぶん色々聞いてるはずだが全く身につくはずもなく、どの宗教にも心の拠り所がないまま現在に至ってる。

各地の牧場やふれあい広場などで大人気のはずの羊だが目つきを見ると意外と怖く、本物を見て可愛いと思うかは不明だな。 ぬいぐるみとかイラストで見ると必ず可愛く描かれているのはなぜ?と思ってしまうよ。

昔、小倉(福岡県北九州市)の実家にいた時は朝刊のチラシを見るのが日課になっていたが、普段は絶対に行かないような紳士服店の正月のチラシで「AvirexのB-3 半額」というのを見て心が動いたのを思い出す。カジュアルな洋服屋じゃなくてスーツとか売ってるような店。毎年のように倒産セールやってるけど延々と生き延びてるんだよね。
知らない人のために一応書くがアヴィレックスというのは大昔に米国空軍にフライトジャケットを納入していたメーカー。納入してた当時はエアロ・レザーという名前だったな。MA-1などの誰でも知ってるフライトジャケットも作ってるけど有名なのはメーカー名でわかる通り、革製のフライト・ジャケットだ。特にムートンを使った内側モコモコのヤツが得意技でB-3もその代表格なのだった。
その当時はアヴィレックスも大人気の時代でB-3も十数万円してたはず、それが半額なのはチャンスだと思って出かけてみた。が、試着してみたら思ったよりずっとデブに見えてしまい全く似合わなかった、結局買う事はなかったという他者にはどうでもいい話。
B-3はムートン部分が分厚すぎるから保温性は抜群なんだけど見た目がイマイチ。MA-1や海軍デッキ・ジャケットN-1などは「タイト」なモデルも出てるのでそういうのがムートンでも出ればいいのにね。細すぎて腕も動かせないようなのは困るけどな。

羊と言えばどうしても弱っぽいイメージがあるのでパンクやニュー・ウェイブの題材にはなりにくいけど、最も平和そうなこのビデオを選んでみたよ。
1986年に出たハウスマーティンズのシングル「Sheep」だ。

80年代前半からニュー・ウェイブの世界でひそやかに浸透していったネオ・アコースティックやギター・ポップというジャンルがあった。この手のバンドは服装も普段着だし見た目の華やかさや派手なパフォーマンスもなかったものが多かったから、他のムーブメントに比べると地味な印象しかない。ひそやかに浸透するくらいしかなかったわけだ。
しかし大仰なロックと違い等身大の若者の青春(?)を歌い上げるのも必要な事で、その手の地味なバンドでも多くの聴衆にアピールする事が出来た。その辺を元に80年代後半には数多くのバンドがよりパーソナルな分野のロックを展開していったというのが大雑把な説明だ。
このハウスマーティンズもその辺の潮流に乗ってヒットしたバンドのひとつだろうか。
1983年に英国北東部のキングストン・アポン・ハルという街で結成されたバンドだが注目されたのは1986年、「Caravan Of Love」というアカペラのカヴァー曲が大ヒットした事による。これは個人的にはどうでもいいような曲なんだが、同時期のHappy Hour」はさわやかな青春ギター・ポップの名曲として名高く、人気を不動のものにした。
見た目も歌もいい子ちゃんっぽくていわゆるロック的な格好良さは皆無なんだけど、 淀みの全くないシャキッとしたギターは同時代に活躍したブリリアント・コーナーズやジム・ジミニーあたりにも通じる路線。
このバンドが有名なのはその辺のヒットだけではなく、後にファットボーイ・スリムとして大ブレイクするノーマン・クックが在籍していたので、後になって再評価された部分にもある。やってる事が全然違うのでその根底が謎なんだけどね。

この「Sheep」もヒットした「Happy Hour」の延長線にある曲でビデオも何てことないが、いくら何でも可愛らしくし過ぎでないかい?という軟弱なクネクネなダンスが逆に男として異常に見えてしまう。これでいいのか大英帝国? 

最近はハリネズミをペットにしてる人が増えてるらしい。確かに映像で見ると小さくて丸くて可愛らしい。狭い日本の家屋でも飼えそうだし犬や猫のように大声で鳴いたりしないだろうから隣近所の迷惑にはならなさそう。
ヤマアラシはハリネズミと似たような扱いを受けていたり、似たような比喩に使われるけど全くの別物であまり可愛いとは言われないくらいの大きさがある。性質も攻撃的なようで針毛で実際に刺してきたりするらしいから恐ろしい。これをペットにしたいとは滅多に思うまい。
しかし見た目からすればパンク的に例えられる生き物なのは間違いないだろうね。

パンクの時代に誰もがやってたツンツンに逆立てたヘアスタイル。今でも廃れる事なく同じような髪型の若者を見かけるが、美容室も床屋も一切行かないROCKHURRAHはヘアスタイルの名前さえ知らないよ。
その昔は自分で切ってたし今はSNAKEPIPEに切ってもらってるからね。
最も短かったのは高校で不祥事を起こしてしまい坊主にさせられた時、最も長かったのはシスターズ・オブ・マーシーのアンドリュー・エルドリッチみたいな長髪にしてた時。今もその頃に匹敵するほど長いけど、帽子かぶってない時は落武者みたいにも見える不気味な髪型。
ROCKHURRAHの場合はその時好きで聴いてた音楽のスタイルによって髪型が決まるのでリーゼントやサイコ刈りにしてた時期もあったけど、やっぱりトータルで言うとツンツンの頭にしてた時期が長かったかな。昔はあまり良い整髪料がなかったからデップと呼ばれるジェルを塗りたくってドライヤーで固めてようやくツンツンになってたが、生まれついての天然パーマらしくピシッと直毛にはならないので苦労してたよ。時間が経つと全ての毛先がクリリンと曲がってきてパンクとは程遠い髪型になってしまうんだよね。
柳屋の名前は忘れたけど「練れば練るほど激HARD」みたいなキャッチコピーのワックスが出た時は整髪力の強さに驚いたものだが、その頃はもう逆立てる髪型じゃなくなってきた頃だったので、いつ買ったか覚えてないくらい昔のワックスが今でも家に残ってるよ。ツンツンやってた頃にこれがあれば苦労しなかったのに。

ヤマアラシを英語にするとポーキュパインだそうだが、それを曲名にしたのがエコー&ザ・バニーメンの「Porcupine」だ。1983年に出た傑作3rdアルバムのタイトルでもあったな。
ジョイ・ディヴィジョンやバウハウス、スージー&ザ・バンシーズのように暗い曲調を得意とするバンドを元祖として影響を受けたバンド達が次々とデビューしていたのが1980年くらいの話。上の方で書いたポジティブ・パンクなどもその系譜のひとつだが死化粧みたいな不吉なメイクや暗黒舞踏のようなパフォーマンスが音楽よりも先に話題となってしまった。
似たような暗い音楽をやってても化粧っ気がなくてもう少し内気っぽいのはネオ・サイケデリックと呼ばれる音楽にカテゴライズされていたが、本人たちの多くは「ネオ・サイケ?何それ?」という風潮があったくらい、あまり定着しなかった呼び名だったな。しかし呼び方はどうでも、この手の暗い音楽は当時のイギリス(あくまでもインディーズ界)では主流と言えるくらいに数多くのバンドを輩出したのは確かだ。
エコー&ザ・バニーメンもその手のジャンルに属するバンドで、ネオ・サイケ・バンドの宝庫とも言えるリヴァプールから出てきた。当ブログでは何度も語ったので書いた本人も飽きてるが、その昔にティアドロップ・エクスプローズのジュリアン・コープ、ワー!のピート・ワイリーと一緒にバンドを始めたのがバニーズ(80年代にはカッコつけてエコー&ザ・バニーメンをこう略していた)のイアン・マカラックだった。ちなみにこれも毎回のように書いてるが現在のWebに出てくる表記はマカラックではないのが多いけど、ROCKHURRAHは80年代風にずっとマカラックと呼んでる。

聴けば誰にでも「イアンの声だ」とわかる特徴的なヴォーカルと正統派ネオ・サイケのお手本のような端整で美しく力強い曲、誰もが忘れない分厚い唇にツンツンの頭。たちまちのうちにネオ・サイケ界を代表するバンドになった。美しく雰囲気のあるレコード・ジャケットも統一感があってさすが一流。
3rdアルバム「Porcupine」は氷山のようなところを四人のメンバーが歩いてる写真のジャケット、見るだけで寒そう。
The Cutter」や「Back Of Love」などのヒット曲も含まれてるけど今回採り上げたこの「Porcupine」はロシア民謡みたいな異色のネオ・サイケ。
ルースキイ・アヴァンガルト、わかりやすく言うならロシア・アヴァンギャルドの絵画が浮かび上がってくる中で歌ってるだけの何てことない映像なんだけど古いロシア映画っぽい色調になってて、通好みのビデオだよ。
 歌詞とか全然知らないんだけどヤマアラシ要素はあるのかな?

もはや全ての記事で全く関係ない方向の話になってしまってるが、前の記事と合わせて多少は動物王国らしくなったかな?どうでもいいような事ばかり書いてるがそれはそれでエネルギーを使うね。

それでは、アバール デカホベ(ベンガル語で「また会いましょう」)。 

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【「エンドレス・ポエトリー」のポスター】

SNAKEPIPE WROTE:

ついにこの日がやってきた!
2017年11月18日はアレハンドロ・ホドロフスキー監督最新作「エンドレス・ポエトリー」が公開される日なんだよね。
待ちかねていたSNAKEPIPEとROCKHURRAHは、初日に鑑賞することにした。
「エンドレス・ポエトリー」を上映するどの劇場でも、初日の特典として「ホドロフスキーのポエトリー付き特製カード」 がプレゼントされることになっている。
本当は前売り券を購入すると「 特製ノート」だったか、何かオマケがあったんだけどね。
座席指定ができる前売り券とは限らないので、オンライン予約でチケット購入することに決めた。
前日の予報では「年末年始頃の寒さ」とのことだったので、用心深いROCKHURRAH RECORDSの2人は、かなり大袈裟な服装で出かけたのである。

ヒューマントラストシネマ有楽町に早めに到着すると、意外にも人がたくさんいるじゃないの!
寒波の影響で人が少ないだろうというSNAKEPIPEの予想が外れてしまった。
と思っていたら、別の映画のお客さんだったようで、やっぱり「エンドレス・ポエトリー」に来ていたのは30人程度?
恐らく映画館の5分の1以下の人数しかいないガラガラ状態で理想的!
年齢層はROCKHURRAH RECORDSも含め、やや高めかな。 (笑)
映画が始まる前に、またパンを食べてる人がいる。
今度はメロンパンだったけどね。

数分の予告の後で、いよいよ「エンドレス・ポエトリー」が始まった。
印象に残った場面について感想を書いていこうか。
前作「リアリティのダンス」の最後で、ホドロフスキー一家は故郷である南米チリのトコピージャを離れて、チリの首都サンティアゴに移り住む。
「エンドレス・ポエトリー」はその続きから始まっていた。
現在の町並みにモノクロームの巨大写真を重ね、機関車も黒子が写真を持って走ることで当時のサンティアゴを表現しているアナログな手法が面白い。
この黒子はあらゆる場面で登場していたので、ホドロフスキーが日本の歌舞伎から着想を得たのかもしれないね。
日本を知っているホドロフスキーだから、あながち間違いではないんじゃないかな?

ホドロフスキー一家は、サンティアゴでも商売をしているんだよね。
右の画像は、その店の前の様子。
ヒトラーの扮装をしている小人や足が長いナチスの人も呼び込みなのかな。
ホドロフスキーの映画には、必ず不具者が登場するけれど、毎回よくこれだけの人数を集めることができるなあと感心してしまう。
周りの人々が全員仮面をかぶっている様子が不気味。
当時のサンティアゴは、かなり物騒で雑然としていたようなので、その雰囲気が良く出ていたね。

「エンドレス・ポエトリー」の原作である、ホドロフスキーの自叙伝「リアリティのダンス」を読んだ時にも不思議に感じていたことだけど、チリでは詩が大人気なんだよね。
少年時代のホドロフスキーも詩に傾倒し、詩人になりたいと思っている。
ところが支配的な父親からは「詩人なんてオカマだ」と反対されちゃうんだよね。
その支配的な父親の表現が左の画像。
このシーンも面白かった。
少年時代のホドロフスキーを演じたのは「リアリティのダンス」で子供だった男の子だけど、すっかり大きくなったね。

父親の反対を押し切って詩に身を投じることになるホドロフスキーにはミューズとなる女性の存在が必要だった。
自叙伝で読んだ時にも驚いたんだけど、1950年代(40年代?)のチリに赤い髪のパンクな女性がいたんだよね。
SNAKEPIPEが世界史に疎くて、ましてや南米のアートについてほとんど知らないので、チリでは非常にアートが盛んと聞いて意外に感じてしまったし、カッコ良い女性が闊歩しているなんて思いもよらなかったよ。
女性の名前はステラ。
彼女自身も詩を書いていて、非常にエキセントリック!
SNAKEPIPEも自叙伝ですっかりファンになってしまった女性なんだよね。
「エンドレス・ポエトリー」では、きっとあの女性の話になるな、と思って期待していたんだけど…。

どうして「リアリティのダンス」の「アレハンドリ〜ト〜!」ってずっとオペラ歌ってたお母さんが1人2役なんだろう???
あのカッコ良い女性には、もう少し違う女性に演じて欲しかったなあ。
左はホドロフスキーとステラのベッドシーンなんだけど、ステラの背中にドクロが描かれているところが秀逸!
なんだかあえてステラの背中からの画像ばかりを選んだようになってしまったね。
(笑)

パンク要素ということでもう1点書いておきたいのは、ホドロフスキーが友人である詩人エンリケ・リンと共に詩の朗読をするシーンについて。
「叫ぶ詩人の会」の先人とでも言うのか、詩を叫びながら発表し、その後バイオリンケースに詰めた肉と卵を観客に投げつけるパフォーマンスまで行うんだよね。
日本のパンク・バンドであるスターリンがライブで豚の内臓投げつけるのを思い出したけど、それよりも何十年も前にパンクなことやってるとは!
チリでの詩とは、パフォーマンスも含まれた行為だったようで、現代アートの領域に含まれている感じになるのかな。
チリのアートは、かなり進んでたんだね!

 ホドロフスキーらしい映像は健在で、左のような群衆のシーンは息を飲むほどの迫力なんだよね。
「ホーリー・マウンテン」や「リアリティのダンス」にも出てきた風船で物を飛ばすところもあったね。
「エンドレス・ポエトリー」にはそこまで残酷なシーンはなかったけれど、映像の美しさや色の鮮やかさは際立っていたと思う。

映画「リアリティのダンス」の感想でも書いているけれど、自叙伝の映画化はホドロフスキー自身にとってのサイコセラピーなんだろうね。
映画はパリへと旅立つところで終わるので、「リアリティのダンス」のラストシーンと同じ終わり方をしている。
こうなるとまた続きが気になるじゃないの!
パリではシュールリアリズムの話になるからね。
パンフレットによれば、自叙伝は5部作にする予定とのこと。
自叙伝の映画化、完成させて欲しいね!

【セレブの犬になりたい?】

SNAKEPIPE WROTE:

休みの日はROCKHURRAHと一緒にウォーキングをするのが習慣になっている。
夏の暑い時にも頑張って歩き、帰宅する頃には2人共汗だく。
シャワーを浴びてから朝食にするという、なんとも健康的な日々を送っていた。 
雨の日は中止しているので、秋になってからはウォーキングできない時が続いてしまった。
少しずつ筋力アップしていたのに、これでは元に戻ってしまうよ。
最近は気温が低くなって歩き易くなったので、頑張ってアンチエイジングしないとね!(笑)

ウォーキングは健康のためが第一目的だけれど、おまけとして嬉しいことがある。
散歩中のワンちゃんと対面できることも楽しみなんだよね!
ワンちゃんと言ってもROCKHURRAHがこの記事で書いたアレキサンダー・ワンじゃないからね。(笑)
近所を散歩している名前も知らないワンちゃん達の愛くるしさに、思わず頬が緩む。
みんな可愛がられて、大事にされている様子が微笑ましい。
昔何かで読んだか聞いたことがある話で、大金持ちの未亡人が飼っている犬に自分の財産を全て相続させる遺言を書いたというのがある。
その時は驚いたけれど、自分の子供や兄弟姉妹よりも、犬のほうを大事に思う気持ちは理解できなくはない。
そういう人がいてもおかしくないだろうな、と思う。
犬は裏切らないだろうし、絶対的な信頼関係が築けるんじゃないかという気がするから。
SNAKEPIPEは犬を飼ったことはないので、あくまでも想像だけどね。
そういえばパリス・ヒルトンが愛犬のために豪華な犬小屋を用意した、なんてニュースがあったね。
バルコニー付きの2階建で27㎡の敷地面積って、それはもう「小屋」じゃないよね。(笑)
恐らく内装やワンちゃんのアクセサリーにもこだわってるに違いない。
今回の「収集狂時代」は、大金持ちの愛犬家をうならせるゴージャスな犬用グッズを特集してみよう!
一体どんな逸品があるだろうね? 

犬用グッズとして一番最初に思いつくのは、やっぱり首輪だよね。
シャネルやグッチ、ヴィトンも当たり前のように販売しているけれど、ブランド色がよく分かる商品なので特にデザイン的に面白くはない。
お値段的にも5万円以下で手に入る程度なので、一般人でも手が出せてしまう。
「収集狂時代」で求めているのは、このレベルじゃないのよっ!(笑)
ということで仕切り直し。
そうしたらやっぱりあるんだよね!
合わせて52カラットのダイヤが散りばめられたワンちゃん用の首輪。
この写真のワンちゃんもおすまし状態で、ちゃんとポーズ取ってるよね。
高い首輪だから落としちゃいけないって頑張ってるみたい。(笑)
Amour Amour Diamond Dog Collarとしてwikipediaにまで紹介されているくらい有名なこの首輪!
さて、一体おいくらなのかしら?
なんと$3.2millionって、日本円で約3億6千万円!
本当は3億6,320万円なんだけど、つい320万円を端折ってしまった。(笑)
単位が大きくなると100万が小さく見えてしまうね。
この首輪を愛犬にプレゼントする人ってどんな人だろうね?

続いてはティアラね。
そもそも犬がティアラをするのか?という疑問はあるんだけど、右の画像ではちゃんと着けてるんだよね。
このワンちゃんはカメラ目線で「どうよ?」と言わんばかり。
なんとこちらは合計で250カラットのダイヤだって!
一体お値段はどうなっちゃうんだろう?
$4.2millionってさっきの首輪より1ミリオン高くなってるじゃないの!
日本円にして4億7,600万円!
いるんだろうなあ、こういうの買える人!(笑)

ワンちゃん用のお風呂もゴージャスにしないとね。
これはスワロフスキーのクリスタルが 46,928個施されたバスタブなんだよね。
手作業で3年かかると書かれているよ。
全部で75色展開しているとのこと。
ワンちゃんとの相性を考えて色をチョイスできるよね。
気になるお値段は$6,995、日本円で約80万円!
もしこれを自分で作ろうとしたら20粒で1,374円なので、320万円分のスワロフスキーを用意することになるんだねえ。(笑)
購入したほうがお買い得だった、とは意外な展開。
欲しい人は自作しようなんて考えるのやめようね!

以前書いた「収集狂時代 第6巻 Louis Vuitton編」で、かなり斬新なデザインを商品化していることに驚いたルイ・ヴィトンだけれど、当然のようにワンちゃん用グッズの取扱もあるんだよね。
前述したようにモノグラム・プリントのレザーを使った首輪もあるし。
右の画像は、ワンちゃん用バッグね。
バッグのサイドに空気孔のようにメッシュが施されているんだよね。
このバッグはちゃんとヴィトンのショップページでも紹介されていたので、間違いなくヴィトン製品と確認できたよ。
ブランド品だと、本物なのか偽物なのかネットでは分からないこと多いからね。
さて、このヴィトンのワンちゃんバッグ、お値段はいくら?
$2,940なので、日本円で33万円。
意外とお手頃価格に思ってしまったのは、また金銭感覚がおかしくなってるからだね。
でもこの金額なら、欲しい人多いだろうね?

ワンちゃんがご飯食べる時のボウルにも気を配ってあげないと!
この神々しいお皿は、ヴェルサーチの商品なんだよね。
これもちゃんとヴェルサーチのページにあったので、本物!
このお皿の場合には、キュートな小型犬というよりは体が引き締まったドーベルマンのような、少し強面タイプの犬のほうが似合いそうだね。
この犬用ボウルは、$1,128、日本円で約13万円!
このくらいの金額なら、プレゼントにも良さそうね。 

最後はこちら!
冒頭で触れたパリス・ヒルトンの豪華犬小屋を上回る「犬御殿」だよ。
Andy Ramusというイギリスの建築家によって設計された、今のところ世界一高額の犬用物件みたい。
もしかしたら「SNAKEPIPE SHOWROOM」で特集したほうが良かったのかな?(笑)
リビングとベッドルームに分かれた室内には羊革のベッド、$18,000(日本円で約200万円)のサウンドシステム、52インチのプラズマテレビ、ドックスパなどなど、人間とほとんど変わらない快適さを追求しているね。
気になるお値段は$417,000、日本円で約4,730万円!
いくら愛犬のためとはいえ、ここまでする人はあまりいないかもしれないね?
これにはパリス・ヒルトンも負けちゃうね。(笑)

今回はワンちゃん用の高額品を特集してみたよ!
過去に遡って調べてみたけれど、この10年くらいの間は高額品にほとんど変化がなかった。
特集した商品について「それ知ってる」と言う人がいるかもしれないけど、許してね!

次回は何を特集しようか。
どんなコレクター心をくすぐる逸品に出会えるか、今から楽しみだ!

【「ブレードランナー2049」のトレイラー】

SNAKEPIPE WROTE:

先週書いた「映画「エンドレス・ポエトリー」公開記念 特別企画 鑑賞の冒頭で触れた「ブレードランナー2049」(原題:Blade Runner 2049)。
この映画はフィリップ・K・ディックの小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を原作とした、1982年に公開された「ブレードランナー」(原題:Blade Runner)から35年の年月を経て制作された続編なのである。
映画を鑑賞してから原作も読んだなあ。(笑)
残念ながら1982年当時、SNAKEPIPEは劇場で「ブレードランナー」を鑑賞したわけではない。
レンタルビデオ(ビデオね!)で借りて観て以来、今まで何度鑑賞したのか数え切れない程である。
好きな映画ベスト10の中には絶対に入ることは間違いない。(笑)
それにしても初めての鑑賞がいつだったのか思い出せないんだよね。

1982年の公開後レンタルが開始された当時、ROCKHURRAHはレンタルビデオ屋で働いていたという。
「ブレードランナー」はずっと貸出中の大人気映画で、スタッフであるROCKHURRAHですら借りることができず、別のレンタルビデオ屋で借りて観たらしい。(笑)
恐らくSNAKEPIPEもそんなお客さんの中の一人だったんだろうね。

「ブレードランナー」の魅力はなんと言っても「強力わかもと」の電光掲示板に映る芸者のアップと降り続く酸性雨、その中を様々な人種が入り乱れた雑然とした設定である。
中国語や日本語のネオンがある繁華街のイメージが近未来を表現する元祖はまさにこの「ブレードランナー」で、それ以降のSF映画やアニメに多大な影響を与えたことは間違いないと思う。
士郎正宗原作の「攻殻機動隊」は「ブレードランナー」の世界観を正当に踏襲した作品だろうね。

そして登場人物も魅力的だった。
レプリカントと呼ばれる人造人間のカッコ良さに目が釘付けになるんだよね。
初めて鑑賞した当時はパンク・ロックに目覚めた頃だったので、レプリカントにパンク魂を感じていたんだと思う。
左の画像の女性、プリスの「目に直線黒メイク」は強烈な印象を与えたよね。
さすがに真似はしなかったけど。(笑)
右のロイを演じたルドガー・ハウアーは本当にレプリカントにしか見えなかったしね。
人造人間なのに数年経つと感情が芽生えてくる、という点に残酷さを感じたよ。

「ブレードランナー」のもう一人のヒロインはショーン・ヤング演じるレイチェル。 
彼女は幼い頃の記憶まで与えられて、自分がレプリカントとは知らないまま存在している。
それぞれのレプリカントが過去にまつわる写真を提供されていて、それをお守りのように大事にしている様子が涙ぐましい。
過酷な作業のためのレプリカントだったら、過去の記憶がないほうが楽じゃないかと思うけど、どうだろう。
それとも何かバックグラウンドがあるほうが、頑張れるということなのか。
過去を表すために写真を使用する点も印象に残った。
今となっては写真に、そこまでの力がないかもしれないけどね? 

レプリカント開発を行っているタイレル社に務めるJ.F.セバスチャンが住んでいるアパートも憧れだったね。
何階建てなのか分からないけれど、ほとんど廃墟ビルなんだよね。
セバスチャン以外の住民はいないという、閑静な場所にセバスチャンは自分だけの世界を作っている。
左の画像がセバスチャン宅の内部だけど、セバスチャンは一人暮らしの寂しさを紛らわすために「友達」を制作して同居している。
「友達」とは動く玩具なんだけど、この部屋に入ってみたいと思うのはSNAKEPIPEだけではないと思うよ。(笑)

先にも書いたように、今まで何度観たのか数え切れないくらいの回数の鑑賞を重ねている「ブレードランナー」だけれど、「ブレードランナー2049」鑑賞前にもう一度観ておくことにする。
いやあ、何度観てもやっぱり大好きだね!(笑)
今回改めて鑑賞して気付いたけど、「ブレードランナー」の時代設定は2019年なんだよね。
以前は気にしていなかったし、遠い未来の話だと思っていたけど現実には2年後なんだよね!
空飛ぶ車も降り続く酸性雨もなく、もちろんレプリカントも存在しない現代。
強いていえばiPhoneのsiriに似た「音声認識アシスタント」とでもいうのか、デッカードの命令に従う装置が出てきたこと、今では当たり前になってしまったけれどテレビ電話の存在は実現されたことになるのかもしれないね。
こうして復習もして、ついに「ブレードランナー2049」鑑賞へと向かったのである。

前評判を確認していたところ、「40代以上の男性に大人気」だという「ブレードランナー2049」。
先週も書いたように「中高年がうひうひ」の映画には間違いないからね。(笑)
さて、実際のところはどうだろう?
会場に入り、指定席に座り観客チェックをする。
情報通り、頭が白い人多いなー!
しかも1人で来ている人が目に付く。
60代くらいの女性が1人で鑑賞というのも見かけたよ。
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEの隣には空きが2席あったけれど、30代くらいの女性が1人、SNAKEPIPEの隣には60代くらいの男性が1人で来ていたね。
それにしても、その60代くらいの男性、席につくなり「ピーナッツパン」をむしゃむしゃ食べ始めるではないの!
「持ち込み禁止」って書かれているのにねえ。
おかげで上映前にピーナッツの香りが充満してしまったよ。
せめて劇場に入る前に食べて来て欲しいね。

長い予告の後、いよいよ「ブレードランナー2049」の上映が始まる。
さすがに年齢層高いせいか、上映中は静かだったね。(笑)
それでは感想をまとめてみようか。
ネタバレしないように注意しないとね!

「ブレードランナー2049」の主役はKと呼ばれるライアン・ゴズリングである。
このKというのは原作者であるフィリップ・K・ディックのKから名付けたのかしら?
Kはロス警察勤務のレプリカントで、自分が人間ではないことも知っているんだよね。
Kの職務は旧式レプリカントを排除すること。
この役目も残酷な感じがしたよ。
結局は同胞だからね。
ただ、映画の中でレプリカントということになっているから、その設定で理解を進めていくことになるけれど、SNAKEPIPEにはライアン・ゴズリングが全然レプリカントに見えなかったんだよね。
1982年版の「ブレードランナー」に出てきたレプリカントは、本当に人造人間に見えちゃったんだけど。
この差は一体何故だろう?
きっとライアン・ゴズリングが「戦闘型レプリカント」のような、何かの型に合致して見えなかったせいかもしれないね?

それに引き換え、レプリカントらしかったのはラブを演じたシルヴィア・フークス。
ラブのスペルはloveではなくluvなんだね。(笑)
この女優はアクションもできるのか、戦闘型レプリカントに見えたよ。
タイレル社倒産の後、レプリカント開発をしているウォレス社の社長付けのレプリカントという設定は、とても良かったね。
SNAKEPIPEが気になったのは、ラヴが着ていたリック・オーウェンスのデザインみたいなレザージャケット!
体にフィットしていて、とてもカッコ良かったなあ。
欲しいなあ。(笑)

感心したのは、レプリカントであるKの仮想恋人(?)、女医じゃなくて(笑)ジョイの存在。
これはAR(Augmented Reality)で造られたホログラムなんだけど、AI技術も搭載されているようで、完全に会話が成立するし、気遣いまでみせるほど高性能なんだよね。
しかもかなりの美人だし!(笑)
ジョイを演じたのはアナ・デ・アルマスというキューバの女優なんだけど、他の作品は観たことないかも。
ホログラムと実体が混ざる映像が非常に面白かった。
さすがに現代の技術が成せる技だよね。

ウォレス社の社長役を演じていたのはジャレット・レト。
ジャレット・レトを最初に観たのは「レクイエム・フォー・ア・ドリーム」で、あの映画は大好きでサントラまで買ってしまったっけ。(笑)
ウォレス社社長は目に障害がある役だけれど、首筋に何かの装置を着けると見えるようになるようで。
装置の詳しい説明はなかったけれど、興味を持ったよ。
それにしてもタイレル社の社長はレプリカントであるロイに目を潰されるシーンがあったので、前作とのつながりを感じてしまったのはSNAKEPIPEだけだろうか。

数年前に「ブレードランナー続編制作決定」を知った時、ハリソン・フォードが登場すると聞いて狂喜したSNAKEPIPE。
どんな続編になるのか全く予想していなかったからね。
今回デッカードとして再登場してくれたのはファンとしてはもちろん嬉しかった。
けれど、、、。
ちょっと物足りなさがあったのは事実。
それは恐らく「ブレードランナー2049」の全てが中途半端だったからだろうね。 

「素敵!」と思ったシーンを載せておこう。 
何のための彫刻なのか説明はないんだけど、崩壊した不明の頭部が砂漠に転がっている。
海岸に自由の女神が埋まっている「猿の惑星」のラストシーンに近い感じだけど、やっぱり廃墟好きにはたまらないね。
ポニーテールの女性2人が向き合ってひざまずいている巨大彫刻もなかなかだった。

タイレル社が開発した旧型レプリカントを展示しているコーナー。
ここ、行ってみたい!(笑)
現実に人間とレプリカントが共存する世界が来たとしたら、一体どうなるんだろう。
1982年版のレプリカントは寿命が4年だったけれど、ウォレス社が開発したレプリカントは寿命がない、ということだし。
感情もあるし、血も流れる。
現実社会で、例えば喜怒哀楽を表さず会話もせず人と関わりを持たない人間がいたとする。 
確かに母親の子宮から生まれた人間だけれど、それでも人間と言えるのかどうか。
逆にレプリカントは感情も持ち、仮想の恋人を愛することもできる。
感情や過去の記憶、個性があるかどうかというのは「攻殻機動隊」のゴーストに近いんだろうな。
ここまで来てしまうと人間との違いが曖昧になってしまうよね。

1982年版「ブレードランナー」の世界観を守ろうとしながらも、死守できなかった感じがする。
いつも降っていた雨は30年後の2049年には霧になったり、雨になったりしていたね。
あれほど通りを埋め尽くしていた多人種は減ってしまったのだろうか。
日本語(特にカタカナ)表記のネオンが多過ぎだったのが、逆効果のように思った。
1982年版に出てきた英語、スペイン語、中国語、日本語が混ざったスラングは廃れてしまい、英語だけになってしまったのだろうか。
あの多言語ミックスがいかにも未来的だったのになあ。
美術などのセットも中途半端、内容もアクション映画半分メロドラマ半分といった感じで、いまいち乗り切れない。
期待が大きかっただけに、SNAKEPIPEにはピンと来ない映画になってしまった。 
そうは言っても観たから言える感想なので、鑑賞できて良かったと思う。
次の楽しみはホドロフスキーだね!(笑)