Monthly Archives: 1月 2018

【タイトルの元になったのがこの曲。単に語呂が似てるだけ】

ROCKHURRAH WROTE:

今まで大きな病気をした事がなくて病欠などもほとんどなかったROCKHURRAHだったが、先週末くらいから滅多に出ない高熱でヘロヘロになってしまった。ロキソニンを飲むと熱は下がってスッキリするんだけど、気がつくとまた高熱になってるという繰り返し。
しかも週明けの月曜日には東京で久々の大雪、帰る頃には吹雪と言えるような状態の中、無謀にも数十分も歩いて全身真っ白けになってしまった。これが悪かったのかな。
で、滅多に行かない医者に行って検査するとあっさり「インフルエンザB型」だと判明した。
小学生くらいで罹った記憶があるけど、大人になってからは実は初めてかも。
B型はそこまで高熱が出ない場合もあるし、単なる風邪と見分けがつかないとちょっと前のTVで知ったが、まさにそれ。
熱はあっても普通に起きていられたし薬ですぐに熱が下がる、自分でインフルエンザかも知れないとは全然思ってなかったんだよね。
しかしインフルエンザだとわかった途端に急激に体調不良となって寝込んでしまった。

となると感染している可能性が高いのがSNAKEPIPE。元気に見えたけどやっぱりビックリするような高熱を出したので、ROCKHURRAHの翌日に病院に行き、予想通り同じインフルエンザと診断された。
今も寝込んでる状態。

何年か前の正月に二人で風邪ひいた事はあったけど二人揃ってのインフルエンザ、完全休養は初めての経験だよ。
人によってはありふれたものだろうけどね。大人になってここまで寝込んだのも初めて。あまりにも長時間横になり過ぎて腰や背中が痛いよ。

ちなみに医者に行くとロキソニンは飲まないで下さいと言われた。ROCKHURRAHがそういう知識もないままに熱冷ましとして飲んだのが危険だったらしい。もう遅いよ。
ちょっと体調悪いだけですぐに気軽に医者に行けるような、ヒマのある人は限られてると思うのだが、医者は必ず「何かあったらまた来てください」と気軽に言う。病院の隣に住んでるわけでもないし病院が開いてる時間には行けない人も多数だと思うけどね。

というわけで今週のブログはようやくインフルエンザのピークが過ぎたと思われるROCKHURRAHが書いている。
あまり頭が回らず朦朧としてるのでヒネリのない軽いものにしないとな。テーマはうーん、闘病記・・・というのはウソで深く考えなくても済みそうなものにしてみようか。
病気だったら無理せず休めば?と言われそうだがブログ開設以来休み無しに続けてきたものだからね。その代わり本当に軽くしか書けないと思うよ。 

さて、この「Funnyちゃんミュージック」というタイトルの記事を前に書いたのは何と2010年の事。
他の人やキャラクターの名前でFunnyちゃんというのがいるようだけど、それらとは一切関係ないので先に断っておくよ。
ファニーなんて言葉は今どきあまり使われないとは思うけど本来は「おかしくてこっけいな」というような意味だと思う。昔「ファニーゲーム」というシャレにならんくらい悲惨で後味の悪い映画もあったから逆説的に使われる事も多いんだろうね。
そんなカビの生えたようなテーマを再び持ち出して第二弾を書いてみようとしたのは、単に病気であまりネタを深く考える頭脳がなかったから。人が考えるファニーなものとは少し違うとは思うけど、構わず進めてゆこう。

L’Echo Raleur(読めん)を知ったのは「SANG NEUF EN 89」というフレンチ・ニュー・ウェイブのコンピレーション・アルバムを持っていたからだった。
タイトルにある通り1989年にリリースされたもので、もはや「ニュー・ウェイブ」って時代でもないけど、この当時は個人的にフランスの音楽に注目していて、特にレ・ネグレス・ヴェルトとマノ・ネグラのすごさは遠く離れた日本でも一部では大ブームとなったほど。ROCKHURRAHもこの二つのバンドには熱狂したものだ。
その両方のたぶん未発表曲に加えてさらに、注目していたワンパスまで収録されていたからこれは一粒で三度おいしい。このコンピレーションは普段あまり知ることのないフレンチ・ミュージックの未体験バンドが他にもいっぱい入ってるに違いないと思ってすぐに買ったのだった。
ちなみにこの当時は全く知らなかったが後に「ムード・インディゴ うたかたの日々」や「グッバイ、サマー」などなど、映画監督として著名になるミシェル・ゴンドリーが在籍していたバンド、Oui Ouiも入ってたな。

そんなコンピレーションの中で妙に気になる童謡のような曲があって、それがつまりこのL’Echo Raleurによる「La Carmagnole」だったというわけだ。
「ラ・カルマニョール」は有名なフランス革命の歌らしいが、そんな事を知ったのもずっと後になってから。この当時は聖歌隊の音楽か何かだと思ってたよ。フランスではみんな当たり前にこの歌を知ってて当然なのだろうか?

L’Echo Raleurが何者なのかは実は今でも知らないんだが、フランスのミュージカルやってる劇団なのかな?演劇もショービジネスの世界もフランス文化も疎いもので申し訳ない。
このビデオもフランス革命のような衣装でドキュメンタリー映像っぽいから、たぶんそういう公演があったんだろうかね?「ラ・カルマニョール」の方はだいぶ後半になってようやく歌い出すんだけど、とにかくハチャメチャでパンキッシュで楽しげな様子。え?歌に合ってない?いやいや、これぞフレンチ流革命パンクってヤツだよ(想像)。
ROCKHURRAHが言うところのFunnyちゃんミュージックにピッタリな曲。

お次のFunnyちゃんはこれ、ROCKHURRAH RECORDSの主旨である70〜80年代とは違ってるけどヴァセリンズ2014年作の名曲「High Tide Low Tide」より。

ニルヴァーナのカート・コバーンが大好きだったバンドで何曲かカヴァーしてた、というところで90年代に再評価されて知った人も多いだろう。あるいはその前、リアルタイムで聴いてたギター・ポップ、アノラックのコアなファンもいる事だろう。
その辺の音楽を志す人にとっては聖地であるスコットランドのグラスゴーやエディンバラの伝説的なバンドで、みんなが大好きだったのがヴァセリンズだったね。 
ちなみにアノラックというのは特定の音楽を指すジャンルなわけではなく、グラスゴー周辺のギター・ポップの立役者、パステルズあたりから言われ始めたような記憶がある。
プルオーバー型のマウンテンパーカーみたいな防水アウターをみんな着ていて、そういうバンドたちがやってる音楽がヘナチョコだったからアノラック=それ系のバンド、というような捉え方ね。

ヴァセリンズは1986年から90年という短い期間に活動してたバンドで音楽のメインストリームで語られる事はなかったけど、ユージン・ケリーとフランシス・マッキーの男女ヴォーカルを中心とした、ゆるくてなごやかな音楽はまさに「エバーグリーン(今どきあまり使われない言葉だが)」なものだった。
「Molly’s Lips」における自転車のパフパフというおちょくったような効果音、「Son Of A Gun」における迫力あるイントロとは裏腹のヘナチョコなヴォーカル。ロック的なカッコ良さ、カッコ良く見せようという気構えとは無縁の世界を愛する人も多いはず。

その彼らは解散後にニルヴァーナによってまた注目される存在になったが、解散後20年してから奇跡のような復活をして往年のファンをビックリさせた。2010年と2014年にちゃんとしたアルバムを出してるので狂喜して、あるいは複雑な思いで聴いた人も多かろう。
「複雑な思い」というのはリアルタイムでファンだった人に多いけど、あの頃はまだ若くてアノラックやギター・ポップにハマってた。でも今の歳取ってしまった自分はもはやギター・ポップ少年少女じゃなくなってしまった・・・というヴァセリンズじゃなくて自分自身に対する複雑な思いね。
音楽好きだった自分をそのまんま、今でも保ち続けていられる幸福な人たちばかりじゃなくて趣味を何かのキッカケで手放してしまう人も多いからね。

そんな人がこのビデオを観たなら、彼らが時を越えて復活した姿に驚くかも知れない。ちゃんと「いい歳の取り方」をしてるからね。いや、逆か。
とにかくユージンとフランシスは2014年当時、50歳くらいだと思うが1986年の青春真っ只中じゃなくてもまだこんなにチープなFunnyちゃんでいられるのが素晴らしい。
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEもかくありたいものだ。

ROCKHURRAHが80年代に何の予備知識もないまま中古盤屋で購入、聴いた瞬間に衝撃を受けたのがこのAuntie Pusのシングルだった。深みのない緑色とピンク色でモミアゲの長い男の横顔が描かれたヘタなイラストのジャケット、「これは!」と思って買う要素が皆無のレコードだったが「何だかわからんが人が手をつけなさそうなもの」を好んで漁っていたので、きっとこのシングルもそういう趣向で選んだのだろう。
メンバー・クレジットもレーベルも知らない変なジャケットのレコード、演奏はこれよりチープなバンドはいくらでもいるけれど、何この酔っぱらいの調子っぱずれみたいに力の抜けた歌い方は?

ヴィック・ゴダード&サブウェイ・セクトもかなりヘロヘロな歌い方が特色のバンドだけど、それを上回るB級オーラ漂う変なバンドを見つけたので、この当時は嬉しくて友達みんなに勧めたけど、誰も認めてくれなかったよ。 

日本語で書かれた情報が少ないんだが、アンティ・パス(パスおばちゃん?)なるモミアゲ男、テニスで有名なウィンブルドン出身のパンク吟遊詩人みたいな人物らしい。バンドのメンバーにはダムドのラット・スキャビーズが本名で参加してるようだし、プロデュースはプリティ・シングスのディック・テイラーという、どういう結びつきなのかよくわからん人脈を持っていたようだ。こう聞くと上記のサブウェイ・セクトの方がよほどB級という気がしてくるが、日本での無名度ではダントツでこちら。
途中のやる気なさそうな「フゥ~」という掛け声はFunnyちゃん度も満点だね。

前置き長かった割には本文の方はアッサリ、まだ病み上がりなのでこんなもんで許してね。
最後のFunnyちゃんはドイツより、ディー・ドラウス&ディー・マリナスの1981年の大ヒット曲「Fred Vom Jupiter(木星から来たフレート)」だ。

ROCKHURRAHがよく話題にするドイツ産のニュー・ウェイブ、ノイエ・ドイッチェ・ヴェレの一種だが、ドイツ国内で大ヒット・・・などと言われても遠く離れた日本では一般的にはほとんど無名だったりする。
1981年当時、まだ弱冠17歳だったアンドレアス・ドーラウがさらに若いローティーン少女数人を侍らせて歌わせて踊らせる、年齢差がそこまでじゃないからロリコンとまでは言われないかも知れないけどなあ。
全員を水着にしてニヤついてたり(そういう写真が残っている)マリナスの衣装が微妙に彼の好みが見え隠れするようなものだったり、結構禁断な感じのヘナチョコ・エレポップに仕上がってる。

この曲は学校の課題で作曲したもので、ドイツのヘナチョコ大御所であるデア・プランのアタタック・レーベルよりリリースしたところ、予想外の大ヒットだったというような話を聞いたが、みんなが想像するような苦労知らずの軽薄才子ではないみたいだよ。

が、映像はあくまで軽薄才子に徹していて、浮世離れした御曹司みたいなイメージを売り物にしていたんだろうか。創作ダンス&やる気なさそうな歌声の女の子たち、どういう縁でこの晴れ舞台に立ってるのかが不明なんだけど、何か光るものがあったのかそれとも単にアンドレアス・ドーラウの好みなだけなのか?

以上、あまり盛り上がった事も書けなかったがROCKHURRAHの意図するFunnyちゃんな音楽というものが少しは伝わっただろうか?

SNAKEPIPEは一旦熱が下がったものの、また高熱が出て治りが遅いのでかなり心配してるところ。インフルエンザ菌と戦うための高熱だとは思っていても、体力がイマイチないからなあ。
予定では今週に「デヴィッド・リンチ:アートライフ」を観に行くつもりだったが、今はそれどころじゃないよ。
早く良くなって一緒に出かけたり、二人で料理を作ったり、楽しく過ごしたいものだ。ウチのFunnyちゃんだもんね。え?それはハニーちゃんの間違いか・・・?

ではまたドヴィジダネ(ブルガリア語で「さようなら」)。 

【「ユートピア」シーズン2のトレイラー】

SNAKEPIPE WROTE:

毎週楽しみに観戦しているPGAゴルフツアーは、11月後半から正月明けまで試合がなくなってしまう。
映画とゴルフ鑑賞が休日の習慣になっているROCKHURRAH RECORDSにとって、寂しい時期が年末なんだよね。
特に2017年の年末近くは、念願だった「ツイン・ピークス The Return」も終了してしまい、体から空気が抜けて萎んでいたっけ。(笑)
そこで以前より気になっていた海外ドラマを試してみることに。
まずは第1話を観て、それから続きを観るかどうか決めようと思ったのである。
実はあんまり期待していなかったんだよね!

ところがなんということでしょう。
「しんなり」していたSNAKEPIPEがまた膨らんでしまったのである。(笑)
チョイスしたのはイギリスのドラマ「UTOPIA」。
トマス・モアの「ユートピア」でも、ホープとピースの2人からなる芸人「ゆーとぴあ」でもないからね!(ぷっ)
このドラマはイギリスでは2013年1月に放映が開始され、シーズン2が終了したのが2014年8月とのこと。
日本でDVDが発売されたのが2016年4月なので、 約3年経過してようやく観られるようになってる計算だね。
そこから更に遅れて鑑賞しているROCKHURRAH RECORDS。(笑)
最新という言葉も良いけど、あまり気にしてないのがこのブログだからね!

第1話からSNAKEPIPEの目が釘付けになってしまった「ユートピア」(ここからはカタカナ表記に変更)とは一体どんなドラマなのか。
簡単なあらすじをAmazonの商品販売ページから引用させてもらおう。

20世紀に起きる地球上の大災害を予言してるとされる、カルトコミック「ユートピア」。
極秘で描かれたとされる、その続編の原稿を手に入れたコミック愛好家の5人組が、次々と謎の組織ネットワークの殺し屋に追われ始めるのだった。
この「ユートピア」は、誰が何の目的で描いたのか?
ネットワークとは、どんな組織なのか?
訳も分からないまま、逃亡生活を始める彼らが辿り着くのは…

※「ネタバレ」を含みますので、未鑑賞の方はご注意ください。

「ユートピア」というのはコミックの名前なんだよね。
この絵が素晴らしくて、SNAKEPIPEもこのコミック欲しくなっちゃったくらい。(笑)
これはコミックというよりは一枚毎に完結した絵をまとめて一冊にした本のようで、物語性があるのかどうかは不明。
だからこそ謎解きや解釈の仕方をネット上で話し合っていたのかな、と想像する。
「ユートピア」をトピックにした掲示板で知り合った5人の男女。
続編を入手したから会おう、ということになったところから話が始まるんだよね。
ネット上でだけの付き合いだったので、当然のように皆さん初対面。
○○のバーで17時にブルーの服を目印にね、のようなアバウトな約束が、あんな展開になっていくとは!
どこにでもいる普通の人、というイメージで選ばれたのかなと思う俳優が主役級になっている。
SNAKEPIPEが知らないだけでイギリスでは有名俳優だったらごめんなさい!(笑)
一般ピープルが「こんな事態に巻き込まれる」という現実味を帯びたシチュエーションにしたかったのかもね。

掲示板で知り合った5人の中の紅一点ベッキーは大学院を卒業したばかりの、ディール症というドラマ上での架空の病気に罹っている女性。
ベッキーが10代後半の頃、父親が謎の病気になり死亡する。
この病気とコミック「ユートピア」に関連を見出し、謎を究明したいと考えていたので、掲示板に参加していたんだね。
ドラマの中では非常に魅力的な女性として扱われていることが多かったんだけど???
ちょっと理解に苦しんでしまったSNAKEPIPE。(笑)
イギリスでは美人に分類されるのかなあ?
何故だか短パンだったりミニスカートだったり足を露出するファッションがお好みだったベッキー。
初対面のイアンと意気投合してベッドインするほどの尻軽ぶり!
ディール症については詳しく語られなかったけど、そんなに重症じゃなかったようで何より。
最終話で自殺を図ったけど、息を吹き返したからきっと大丈夫なんだろうね?

ITコンサルタントを職業にしているイアン。
考え方はノーマルで、過激思想も持っていないタイプ。
どうしてイアンがコミック「ユートピア」に惹かれていたのか不思議なくらい。
優しい人、というのが理由なのか不明だけど、ドラマの中では後述するジェシカからも好意を持たれるモテ男だったよ?
SNAKEPIPEは、どちらかと言えば優柔不断で決定力に欠けるように感じたけどね。
最終話まで登場する主要人物だったけど、ドラマの中ではそこまで強いキャラクターはなかったかな。

第1話から印象に残ったのはウィルソン。
「ユートピア」を巡って逃亡生活を強いられる前から、自分なりにシュミレーションして、様々な危機に対応する準備をしていたオタクなんだよね。
指の関節を外し縄抜けまで訓練していて、「何の役に立つの?」と笑われていたウィルソン。
まさか実際にその技を駆使する必要性があるとはね!(笑)
ネットを自在に操りハッキングなどもするけど、決して痕跡は残さない程の腕前。
このウィルソンが拷問を受けて片目になってしまうシーンが第1話で出てくる。
これがすごいんだよね!
よくもこんな方法を考えたものだ、と息を呑んでしまったよ。
ところがウィルソンは、拷問していた「ネットワーク」側と手を組むことを決意する。
連中の考えに同意したからなんだけど、拷問した相手とペアを組まされるのは相当な苦痛だったろうね。
ウィルソンだけをテーマにしたスピンオフ・ドラマがあっても良いくらい、興味のあるキャラクターだったよ。

「ユートピア」を巡るネット上の掲示板では24歳と偽っていたグラントは、本当は11歳の少年なんだよね。
スポーツカーを乗り回すセレブ、という設定にしていたようなんだけど。(笑)
続編の原稿に興味があっても、子供だから1人でパブに入れなかったんだろうね。
ちょっと悪ガキのグラントは、「ユートピア」続編の原稿を持っていて、パブへ集合を呼びかけた5人目の人(名前忘れた)の自宅に無断で忍び込む。
そこで殺人を目撃し、更に「ユートピア」の続編を持ち去ってしまう。
パブに集ったベッキー達と合流し、皆と同様逃亡生活を余儀なくされてしまうのである。
シーズン1の時は華奢な少年だったのに、シーズン2になったら顔や体型が少し変わっていて、成長ぶりが伺えたよ。
画像はシーズン1の時のもの。
この頃のほうがかわいかったかも。(笑)

第1話でウィルソンに拷問した男、リー。
必ず毎回黄色のスーツを着用し、髪はリーゼント。
職業は殺し屋なのに、まるで訪問販売に来たかのような自然な会話をするんだよね。
ウィルソンへの拷問をする時も、丁寧に拷問の手順を説明する。
それが余計に残酷に聞こえる。
黄色のスーツも、まるでコメディアンみたいだし。
ギャップがある設定は好きなので、リーのキャラクターも際立っていたと思う。
撃たれていなくなったと思ったら、再登場したのも良かったね!

黄色いスーツのリーとペアを組んでいる殺し屋アービー(のちに本名ピエトレと判明)。
SNAKEPIPEがドラマ「ユートピア」の中で、一番気になった存在だよ!
ドラマが始まってからのセリフは当分の間、「Where is Jessica Hyde?」だけ。 
落ち着いた口調で拷問を続けるリーと、「ジェシカ・ハイドはどこにいる?」しか喋らないピエトレの組み合わせは恐怖以外の何物でもなかったよ。(笑)
小太りで、片足を少し引きずるような変な歩き方、少し歩くと息が切れてしまう運動不足ぶりを見ている限りでは一流の殺し屋(?)とは程遠い印象なんだけどね。
人を殺すことに何の躊躇もなく「コーラの栓を開けるのと同じ」だと言うから恐れ入る。
射撃の腕はピカイチだったしね。
実はピエトレは赤ん坊の頃から、父親の実験台にされていたんだよね。
ドラマ「ユートピア」は視聴者からの苦情が多かったという記事を読んだけど、よちよち歩きのピエトレがペットのウサギを惨殺するのには驚いた。
実際の映像はなかったけど、そういう設定だったんだよね。
小学校での乱射シーンなどもあったから、抗議を受けたんだろうね。
それでも放映したイギリスのチャンネルってすごいな、と感心してしまった。
リーとピエトレだけで一体何人殺害したことでしょう。
ピエトレが必ず持ち歩いているバッグがド派手な黄色のダッフルバッグ。
この中にはピエトレの商売道具、つまりは殺人に必要な用具が入っているんだよね。
回を重ねていくと、黄色いバッグを見ただけで怖くなるほどのインパクトがあったよ!
そのうちに、この黄色いバッグが欲しくなってきてしまったSNAKEPIPE。
ネットで販売してるのを見つけたけど、€90.00だって。
日本円で約12,000円くらいかな。
旅行用に良いかも!(笑)

ピエトレが散々探し回っていたジェシカ・ハイド。
彼女も子供の頃から訓練を受けて育った女性なんだよね。
ピエトレは生まれた時からの実験台だったけど、ジェシカは訓練しないと生きて行かれない運命を背負っていたからね。
そんな悲劇のヒロイン、ジェシカなんだけど、かなり不気味な女優さんだったんだよね。
ROCKHURRAHは「パティ・スミスを彷彿とさせる」と話していたけど、確かに女性を全く感じさせないタイプなんだよね。
それなのにまるで子供みたいなミニスカート穿いたりして、ミスマッチ感がすごい!
全然かわいくないんだよね。
なんでイアンのことが好きだったのか不明だけど、誘われてイアンも関係持つとは驚きだったよ。
行動力があって、動きも俊敏、頭の回転も速く戦闘能力に優れたジェシカは、戦いになった時には心強かったけどね。
ジェシカも父親が原因で、追われる身になっている。
父親を憎みながらも慕っているジェシカ。
子供の頃に悲惨な体験をすると、ピエトレ同様、心のどこかが欠けてしまうのか。
表情が乏しい演技がリアルで、上手だったと思う。

ピエトレとジェシカの父親、フィリップ・カーヴェル。
そう、ピエトレとジェシカは兄妹だったんだよね!
2人共父親が原因で不幸な人生を歩むことになってしまった被害者と言えるね。
父親フィリップは優秀な科学者で、1970年代にMI5に勤務するミルナーと壮大な世界レベルの計画を立てることから悲劇が始まる。 
夢物語で終わらなかったのは、フィリップが計画を実現させることができるだけの頭脳の持ち主だったからなんだよね。
ミルナーとは理想(ユートピア)を追い求める同士として、お互い尊敬し合い惹かれていたんだろうね。
コミック「ユートピア」を描いたのもフィリップ。
科学だけじゃなくて、絵の才能もあるとは羨ましいね。(笑)

フィリップと計画を立て、実行するために画策したMI5勤務のミルナー。
イギリスは女王もいるし、「鉄の女」と呼ばれたサッチャー首相なども知っているので、女性が強い印象があるんだよね。
ミルナーにも強くて怖い印象があるよ。 
理想の実現のためには手段を選ばず、何人もの人を粛清してきたという。
自ら汚れ役を買って、地球の未来を考えるってすごいことだと思うよ。
最後はあっけなかったけど、「ネットワーク」という謎の巨大組織を作り上げ「ヤヌス計画」実行直前までこぎつけることができたのはミルナーがいたからだね。

政府の役人で保健省に勤務するマイケルは、「ヤヌス計画」について「たまたま」知ってしまう。
成り行きでベッキーらと「ヤヌス計画」阻止に向けて、行動を共にする。
そうかと思えば「ネットワーク」に寝返ったりする自分本位の小心者。
結局は自分が大事だからね。
最終的には「ネットワーク」の手中に収まってしまったのか。
家族思いの良い人だったので、疑似家族でも幸せに暮らして欲しいよね!

謎の巨大組織「ネットワーク」が計画していた「ヤヌス計画」とは一体なんだったのか。
それは増え続ける人口問題に対する解決策だったんだよね。
資源に限りがあるのに、人口が増え続けると争いが起こる。
本気で地球の未来を考えると、最善の方法は人口を減らすことだという理論なんだよね。
これって前にもブログで書いたことがある映画「キングスマン」 と同じ。
あれもイギリス映画だったね。
「キングスマン」ではスマートフォンに仕組まれた信号を受けると、人が凶暴になり殺し合うというものだった。
この殺し合いで人口を減らす、という過激な方法だったんだよね。
それに比べて「ユートピア」の「ヤヌス計画」は、ワクチン接種により不妊にさせる方法だった。
殺戮ではなく、最初から増やさせないという逆転の発想なんだよね。 
「環境問題を考える」というと、CO2を減らすことやエネルギーの問題、ECO活動などという単語がいくつも出てくるけど、もうそれでは間に合わないという説得力のある説明がされている。
実際に世界の人口は増えているので、こういう方法も現実的なのかもしれないと思わされてしまうよ。
「ヤヌス計画」が前提なので、リーやピエトレが犯した殺人なんて、「ネットワーク」という組織から見たら大したことがない人口の減少なんだろうね?

「 ユートピア」の魅力はストーリー展開やキャラクターの設定だけではなく、映像の美しさにもあったんだよね。
コントラストを強めにした鮮やかな色彩、写真集にして欲しいような風景に目を奪われる。
ピエトレの黄色いバッグやリーのスーツの原色使いも効いていたね。
好きなシーンをまとめてデジタルフォトフレームで飾りたいくらいだよ。
イギリスで撮影したから完成した風景なのか、映像スタッフの腕なのか?
目を見張る完成度の高さは、一見の価値ありだね!

もう1つ、ドラマを盛り上げていたのが音楽だったよ。

様々な音のミクスチャーは、不穏な雰囲気を醸し出してドラマにぴったり合っていたと思う。
何かが起こりそうな、しかもそれは決してハッピーではない何かを感じることができる音楽。
「雑多」や「カオス」といった単語が浮かぶ。
音楽を担当したのはチリのCristobal Tapia de Veer。
2013年に「ユートピア」のサントラでRTS Craft&Design Awardを受賞しているらしい。
カナダで活躍している作曲家なんだね。

「ネットワーク」という組織の実体は輪郭は語られても、どこまで巨大で何人が所属しているのか、どれくらいの力があるのかなどの詳細は不明なまま。
誰を信じたら良いのか分からなくなるドラマの内容とリンクして、視聴者の不安を煽るのに最適(?)なBGMだったね。
ドラマと音楽が一致して記憶に残るのは「ツイン・ピークス」も同じなんだけど、音楽も重要な要素だと思う。

記憶に残るドラマというのは、ストーリー、キャラクター、映像、音楽と総合的に高いレベルが必要なんだね。
ドラマ「ユートピア」が2014年の国際エミー賞ベストドラマシリーズで賞を獲得しているのも大いに納得!
観て良かったドラマだった。
シーズン3の制作はないという正式見解が発表されているけど、シーズン2の、あのラストで良かったのかもしれない。
結局は誰かが「兎」になって「ネットワーク」を引き継いでいくということなんだろうね。

さすがパンクが生まれた国、イギリス!
過激な表現や思想が発達する土壌があって、表現をすることもできる環境なのかもしれないね? 
他にも興味を持ちそうなドラマや映画があるかもしれないので、探してみよう! 

【何だかわからんけどハッピーそうなビデオを作ってみた】

ROCKHURRAH WROTE:

今年の元旦ブログはROCKHURRAHが書いたけど、本当はその次の記事も担当するつもりでいた。
が、色々と個人的にやりたい事があったので、先週はSNAKEPIPEに代わってもらって一週間遅れになってしまったよ。

2018年の1月も半ばになってまだまだ正月気分真っ只中の人はそんなにいないとは思うけど、一応年始を祝うつもりで選んだのがこの「ハッピー」というテーマだ。
うーん、見た目といい性格といいハッピー向けじゃないと自覚しているROCKHURRAHだから、あまりメデタイ事は書けないとは思うが他に目ぼしいテーマもないし、何とか書いてみよう。

最近では年賀状さえ書かない人が増えてるに違いないのは世間の事情に疎いROCKHURRAHでもわかるが、子供の頃は最もポピュラーな「A Happy New Year」を迷いもなく書いてたに違いない。
近年は正月らしい事もほとんどしないし「正月、何がめでたい」と佐藤愛子風に思ってしまう我が家なのだった。
SNAKEPIPEと二人では人並みに祝うけどね。

ウチのブログの「ROCKHURRAH POSTCARD」というシリーズ記事は過去にROCKHURRAH RECORDSが作った年賀状や暑中見舞いがアーカイブされてるんだが、2010年からは年賀状らしいHappy New Yearの文言も一切なくなり、2011年からは英語でさえなくなったという経緯がある。一体何考えて何が言いたいのかさっぱりわからん年賀状だろうな。
SNAKEPIPEが書いてる「ビザール・ポストカード選手権」というシリーズ記事に「貰った人が困惑するようなポストカード」という記述があるけど、ウチの年賀状こそまさにそれだね。

さて、相変わらずどうでもいい前置きだったけどいきなり本題に入れないタイプだから仕方ない。
では今回のお題、ハッピー隊に出てきてもらいましょう。
あ、ちなみに初めて当ブログの記事を読む人には到底わかってもらえないから説明するけど、このシリーズ記事は単に同じキーワードが曲名についたものを選んで、無理やりひとまとめの仲間にしてしまった記事を書こうという主旨のお手軽企画。 他の企画と違い広範囲から選べるというROCKHURRAH側のメリットがあるだけなんだけど。

1980年代前半のハッピー隊で筆頭に出てくる曲は個人的にこれかな。
70年代パンクの雄、ダムドのデタラメ男、キャプテン・センシブルが80年代にソロとして発表した奇跡の大ヒット曲がこの「Happy Talk」だ。
パンク・ファンなら知っての通りダムドはセックス・ピストルズ、クラッシュと並び有名過ぎるパンク・バンドだが、全英チャートに入るようなヒット曲は「エロイーズ(全英3位)」くらいのもので、有名なあの曲やこの曲も通常のメジャー・チャートとは無縁の世界。
キャプテン・センシブルはドラキュラ・メイクのヴォーカリスト、デイヴ・ヴァニアンと対比を成すコミカルで陽気そうなキャラクターが際立った名物男で最初はベーシスト、それからギタリストになった。丸いサングラスとベレー帽をトレードマークにしていて、モヘア(パンク初期の重要アイテムとしてモヘアのセーターというのが流行っていた)を通り越した着ぐるみのようなモコモコのステージ衣装でギター弾いたり、派手さという点ではパンク界随一の目立ちぶりだったな。そのキャプテンがソロとなり、いきなり全英No.1に輝いたのがこの曲だったのでファンはみんなビックリというのが1982年の話。
「パンクもやり尽くしたしそろそろ大ヒットでも出してみっか」と軽い冗談のノリで作ったようにファンには見えるこの曲、元々はブロードウェイ・ミュージカル、後に映画にもなった「南太平洋」の有名な挿入曲だった。
過去にも色んなカヴァー曲が存在しているが、それをなぜパンク界のやんちゃ男がカヴァー?というインパクトでミスマッチ感はすごいけどね。
メチャメチャでもなくパンク風でもなく、ちゃんとしたゴージャス(?)なアレンジになっているのはさすが。マリ・ウィルソンなどを手掛けたNew Musikのトニー・マンスフィールドの手腕も光る名作ですな。

キャプテンがオウムに歌いかけるばっかりのプロモーション・ビデオもあったけど今回はTV出演の模様を選んでみた。横でギター持ってコーラスしてるのが往年のギター・ポップ・ファンならば唸るガールズ・トリオ、ドリー・ミクスチャーの勇姿だ。キャプテン・センシブルが見初めて(?)コーラス隊に抜擢、その中の一人が後に嫁さんだか恋人だかになったという話だね。ドリー・ミクスチャー単体としては80年代にちょっとだけレコード出してはいたものの、 こういうヒット番組の出演は不可能なくらいのマイナーな存在。キャプテン・センシブルと一緒に活動したからこその晴れ姿だと考えると複雑な気持ちだろうね。家族や親戚、友達はちゃんと録画してくれたかな?

まあとにかく曲調といい楽しげな様子といい、ハッピー度満点の出来。

続いてのハッピー隊もパンクから選んでみた。
これまた有名なバズコックスの「Everybody’s Happy Nowadays」だ。
セックス・ピストルズがマンチェスターで初めてライブを行った時に観客はわずか数十人だったという話だが、そこに集まった人間が後のマンチェスターの音楽シーンを引っ張ってゆき、パンクからニュー・ウェイブの時期にマンチェスターは音楽の産地に発展してゆく。
ジョイ・ディヴィジョンで有名なファクトリー・レーベルを設立したトニー・ウィルソンなどもその数十人の一人だったとの事だが、バズコックスのメンバーもセックス・ピストルズやパンクの衝撃によってバンド結成したというような話を聞いた事がある。まあ自分で観てきたわけじゃないから全ては人の話、誰と誰がその場にいたかなんてはっきりわかったもんじゃないが。
そういうわけでマンチェスターのパンク・ロックの中で最も著名だったのがバズコックス。
田舎町ではないと思うがまだパンクが生まれてなかったマンチェスターにパンク啓蒙運動を起こした功績は大きい。
最初はジョニー・ロットンの歌い方をいやらしく粘着質にしたようなトカゲ目のハワード・ディヴォートがヴォーカリストで、パンク界では有名過ぎる4曲入りシングル「Spiral Scratch」を発表。
ピストルズやクラッシュなどバズコックス以前のパンク・バンドはみんなメジャー・レーベルと契約してレコードを出してるが、バズコックスは自身のニュー・ホルモンズという英国初のインディーズ・レーベルからシングルを出した事でも有名。これこそインディーズの元祖だね。
個人的にはこの時代のバズコックスが最良でROCKHURRAHも苦労してオリジナル盤の「Spiral Scratch」を所有していた大ファンだったが、ハワード・ディヴォートは早々にこのバンドを脱退して次のマガジンを結成。これまたパンクからニュー・ウェイブに移り変わる時代の最も重要なバンドだと思ってるけど、その重要なヴォーカリストが抜けた後にはギタリストだったピート・シェリーがヴォーカル兼任でバズコックスは続いてゆく。

世間的にはむしろここからが快進撃で1979年くらいまでに立て続けにシングルをリリース。
もちろんアルバムもリリースしてるんだがバズコックスの場合は「パンク・ロック=シングルの時代」という認識を裏付けるようにシングル曲がとにかくどれも有名だね。パンク/ニュー・ウェイブ中心で聴いてきた人の多くがバズコックスの曲を聴いて即座にわかるくらいに知名度抜群。
ハワード・ディヴォートのいた頃こそが本当のパンクだったとは思いつつも、その後のバズコックスはポップで親しみのある楽曲をパンク的疾走感で包み込む、そのバランス感覚とセンスで突出していたバンドとして確固たる地位を築いた。彼らに影響を受けたバンドも実に数多く存在しているだろう。

で、この「Everybody’s Happy Nowadays」は彼らのキャリアではもう中盤以降の79年に発表されたシングル。10枚目くらいか?
個人的な思い出を語るならばこのシングルはROCKHURRAHが北九州から東京に出てきた一番最初に買ったレコードだった。まだ住むところもなく友人の家に居候してた頃(この記事参照)、当時は恵比寿にあったパテ書房という古本屋&レコード屋を探して歩いて、そこで購入したもの。何もそこに行かなくても当時は輸入盤屋とかでも入手出来たはずだけど、行った記念みたいなものでね。
帰って友人U尾と彼女のY里ちゃんと三人で聴いたのを思い出す。バズコックスをたぶん知らないはずのY里ちゃんがサビを真似して歌ったのに驚いたもんだ。要するに初めて聴いても一緒に歌えるキャッチーなメロディという実証ね。

ハワード・ディヴォートの歌い方を踏襲したピート・シェリーだったがヴォーカリストとしての力量はとても覚束なく、いつ破綻するかのスレスレの線で歌っていて聴衆の方がヒヤヒヤしてしまうくらいの素っ頓狂な歌。
レコードはまあその中の一番いいテイクを使ったんだろうが、これがライブともなるとスリリングさ満点のものになる。
今回のライブ映像もあまりのヘタレ声、ちょっと頭おかしいんじゃないの?と思えるくらいの歌いっぷり思わずに笑ってしまうような出来で、初めて見た人はビックリするんじゃなかろうか?もはやヤケクソとしか思えないヴォーカルがすごい。
これはまた別の意味で「もしかして街中で見かけるハッピーな人なんじゃないか?」という恐るべき映像だな。

前も「俺たち○○シリーズ」なのに女性ヴォーカルの曲を選んでしまった事があったけど、男のバンドばっかりだと制約になってしまうから、もはや「俺たち」にこだわる必要はないとの結論に達したよ。いいかげんだな。

というわけで80年代前半のハッピー隊としてはこれを出さないわけにはいかない、オルタード・イメージズ1981年のヒット曲「Happy Birthday」だ。ニュー・ウェイブ界の本格的アイドルとして好き嫌いは抜きにして知名度は高いバンドだろう。

この当時のイギリスの主流だったニュー・ウェイブの世界で女性ヴォーカルは色々存在していたけど、どちらかというと男勝り、または奇抜すぎなのが多かったなという印象。
ROCKHURRAHの記憶を呼び覚ましてみてもリディア・ランチ(イギリスではないが)とかビッグ・イン・ジャパンのジェーン・ケーシーとかが自分の中のアイドル的存在ではあったけど、一般で言うところのアイドルとはかけ離れてるし、そもそもこの時代に彼女たちの動いてる姿さえ観ていない。わずかの写真やインタビュー記事、そしてレコードだけで勝手にファンになってしまっただけだ。

オルタード・イメージズの紅一点、クレアちゃん(SNAKEPIPEがいつもクレアちゃんと言うのでROCKHURRAHもなぜかちゃん付け)はそういう風潮の中、アイドル的だけどちゃんとニュー・ウェイブという括りで語れるところが新鮮だったのかもね。
スコットランドのグラスゴーで結成された5人組でクレアちゃん以外のメンバーはあまり存在感なく、メンバーが変わっても気付かないだろうな。女性ヴォーカルのバックバンドというのは大体がそういう傾向にあるのかな?とも思ったが単にROCKHURRAHが人の顔を覚えられないだけかも。
元々はスージー&ザ・バンシーズの追っかけから始まって、本当にツアーの前座に抜擢されたというラッキー過ぎる経歴を持つバンドだが、そのバンシーズのベーシスト、スティーヴ・セヴェリンがプロデュースしたアルバムも売れたはず。なぜかヒットした「Happy Birthday」だけはバズコックスとかをプロデュースしていたマーティン・ラシェントのプロデュースというところが気になるな。
デビュー曲とかは割と暗くてスージー&ザ・バンシーズの影響を感じるけど、この曲は元気ハツラツでバンシーズっぽさはないもんなあ。バンドのやりたかった方向性とレコード会社の売りたかった路線の違いに「修正感」を感じるのは気のせいかな? 
確かに1981年当時の女性シンガーの中ではクレアちゃんはキュートな部類に入るけど、やっぱりアイドルっぽく売りたかったんだろうなと勝手に想像するよ。 

代表曲は何度も書いたから誰でもわかる通り上の「Happy Birthday」。
全英2位に輝いて一躍オルタード・イメージズの名を全国に広めたが、当時よくあった一発屋ではないんだよね。
このバンドはさらなるハッピー隊向けの楽曲を作ってクレア、じゃなかったくれた。

「I Could Be Happy」は「Happy Birthday」に続く曲なんだが既に飽きられたのか、前曲ほどにはヒットしなかった。この辺からゆるやかな下降が始まっていて83年にはもう解散してしまった。結構短命なバンドだったな。
ウェディングドレスみたいな衣装で大きなリボンをつけた姿は良かったが、この踊りや振り付けのせいで垂れ下がって、日本で言うところの幽霊みたいになってしまったのが惜しまれる。いい娘だったのにね。

さて、お次のハッピー隊はこれ、ボルショイが1985年にリリースした「Happy Boy」だ。
ボルショイと聞くと即座にサーカスと連想してしまうが、ボルショイもボリショイも綴りは同じなんだね。
このバンドもボリショイと呼んだ方が耳馴染みはいいと思うんだがなぜかボルショイ。どうでもいい数行だったな。

今どきは隣町にサーカス団がやってくる、なんてシチュエーションは滅多にないと思えるが、ROCKHURRAHが子供の頃はまだまだサーカスの巡業も盛んだったな。懐かしき昭和の風物詩だよ。
少年時代に好きだった漫画「夕焼け番長」にもサーカスの少年とのエピソードがあったのを今でも覚えてる。
空中ブランコの姉弟が巡業先で一時的に転校生となって学校にやってくる。プロだから鉄棒の大車輪以上の大技も軽くこなせるけど弟は暴力的でイヤなヤツ。
その前のエピソードで主人公、赤城忠治が死力を尽くして倒した少年院帰りのワルのパンチを軽く受け止め、握力で逆に拳を締め付けるところには「なるほど」と感心したものだ。空中ブランコで姉の体重を受け止めるからものすごい握力になってるわけ。こんな強敵と戦う羽目になってしまうというストーリーだが、70年代の梶原一騎原作の典型的パターンだったな。
ボリショイから連想して全然違う話になってしまったよ。

そのバンド名の割には特にロシアとは関係ないイギリスのバンドがこのボルショイだ。ロシア語で大きいという意味らしいよ。そのバンドが日本で初めてお目見えしたのがミニ・アルバムの「Giant」、英語で巨人、巨大なものを表すのはみなさんご存知だが、よほどの大物好きだったのかね?
カラフルだけどあまり見かけないような独特の色調のジャケットも気にっていた。フレッシュ・フォー・ルルのアルバムもそういう雰囲気で好きだったから、ROCKHURRAHはもしかしたら色調に反応するタイプなのかも。

彼らがデビューした時期はもうネオ・サイケもポジティブ・パンクも下火になった頃だったが、後期バウハウスの雰囲気を残したような曲調でこの手のが好きな人間にとってはなかなか理想的なバンドだった。この「Giant」の中の「Boxes」とかは愛聴したもんだ。ところが一年後の「Away」でU2とかのメジャー受けしそうな路線になってしまい個人的には「どうでもいいバンド」に成り下がってしまった。あくまで個人の感想なので人によってはこっちの方が断然いいと思えるかも知れないけどね。

Happy Boy」はそのミニ・アルバム「Giant」にも収録されているしシングルにもなった曲。この頃はまだメジャー受けしそうな曲調ではないし、途中が実写に着色したアニメ調になってるビデオもなかなか雰囲気あるね。
ただしこのヴォーカルがすごく信用出来ない顔立ちで絶対に金を貸したくないタイプ。割と美形で人気もあったとは思うけど、女性ファンは騙されないように気をつけた方がいいよ。などと今この時代に言ってももう遅いか。

本当はもうちょっとハッピー隊があったんだけど、今日はあまり時間がなくなってしまったのでここでおさらばするよ。相変わらず時間の使い方がヘタなので、これを改善するのが今年の抱負かな。

ではまたドヴィヂェーニャ(クロアチア語で「さようなら」)。 

【ワインと聞いて思い浮かべるのはこの曲かな】

SNAKEPIPE WROTE:

SNAKEPIPEが担当する2018年第1回目のブログは、新年にふさわしい内容にしてみようか。
♪1月は正月で酒が飲めるぞ酒が飲める飲めるぞ酒が飲めるぞ〜
正月といえば、酒!
わざわざバラクーダの「日本全国酒飲み音頭」を歌わなくても良いか。(笑)
ROCKHURRAH RECORDSでは、毎日の食事の際にビールやワインを飲む。
ところが正月だけは日本酒にするのが「ならわし」なんだよね。
ROCKHURRAHもSNAKEPIPEも、そこまでアルコールに強いわけではないから、口当たりの良い日本酒は要注意なのだ。
正月休みの間ならば翌日に響くような飲み方をしても問題ないかも、という配慮から正月だけは日本酒なんだよね。

世界的にはどうなんだろう?
「新年おめでとう」の掛け声と共に「ポンッ」とシャンパンの栓を抜く音が鳴り響く想像をしちゃうけど。
もしくはワインのコルクを開けて、静かに新年を祝うとか?
今年最初のブログは「新年にふさわしいワイン・ラベル」を書いてみようかな。
2013年に「ワイン・ラベル」を特集したことがあるけれど、あれから5年が経過しているので、様々なデザインを発見したよ。
早速紹介していこう!

色彩が美しく、シンプルなデザインが目に付くパッケージだよね!
特に正月用というわけではないと思うけど、なんともめでたい雰囲気があるよ。
これは韓国のデザイナー、Eulie Leeの作品ね。
オーストラリアのMayrah Wineが採用しているデザインのようだけど、Mayrah Wineの実体が検索できなくて残念だった。
このパッケージのワインがいくらで売られていて、どこで買えるのかを知りたかったんだけどね。
Mayrahというのはアボリジニの言葉で「春」を意味するとのこと。
いかにも新春という感じで、とても素敵だよね。
ところがデザイナー本人の言葉ではバレンタインデーやクリスマス用に考えたとのこと。
ま、記念日っぽいってことで良いか。(笑)
ずっと部屋に飾っておきたくなる逸品!

これはまた正月っぽい!(笑)
なんと目、鼻、口、眉などがシールとして付属しているんだよね。
本当に日本の福笑いだよ!
これはオーストラリアのThe Creative Methodの作品ね。
クリスマスギフトや新規ビジネスの記念品として、5000本のみ製造したらしい。
これはもしかしたらクライアントからの要請じゃなくて、デザイン事務所が独自に制作したのかもしれないね?
このデザインはパッケージデザインに特化したコンペティションであるPentawardsで2010年度の金賞受賞作品とのこと。
pentawardsの存在も非常に気になるね。
今回は正月にちなんで選んでいたので、まさにどんぴしゃ!
発見できて良かったワン!(笑)

ワインといえばキリスト教と切り離せない飲み物と言えるよね。
今年の抱負を口にする機会があるのも新年が多いのではないだろうか。
ここでもう1度、キリスト教における禁忌を思い起こし、その上で新たなる決意をするというのはいかがでしょう。
その時にお勧めしたいのがこちらの逸品、題して「7つの大罪ワイン」でございます。
してはならぬ行為をタイトルにした全7本のシリーズ。
飲み干すことで自らの罪を償い過去と決別し、新年を迎えようではありませんか!
って途中から販売員に変わってたよね。(笑)
このワインはEVERYDAY IS LIKE SUNDAYというスペインのワイン・メーカーの商品なんだよね。
デザインしたのはSidecarDesignで、この「7つの大罪」シリーズも2011年のpentawardsで銀賞を獲得している。
秀逸なのが、「嫉妬」を表す「Envy」の赤いボトルに女性用のストッキングが被せられていること。
このボトルも7本並べて飾っておきたい逸品。
さすがスペイン、やるなあ! 

鮮やかな色彩のワインを発見したよ! 
ドイツのワインメーカー、MOTIFが手がけているんだよね。
デザインしたのはオーストリアのEN GARDEというデザインスタジオ。
ドイツ語で書かれているので、翻訳ソフトを使っても意味不明だったのが残念。
コンセプトを知りたかったんだけどね。
MOTIFのHPを担当したのもEN GARDEなのかは不明だけど、ワイン一本毎の配色をうまく取り入れた美しいページには脱帽だよ。
バウハウスの国だけあって、幾何学模様と色彩のバランスはさすが!
一番左のラベルはまるで初日の出みたいで、めでたいよね。
このラベルも飾っておきたい逸品!

この配色も目を引くね。
Simpsons Wineというイギリスのメーカーの物なんだよね。
このデザインを手掛けたのはConstantin Bolimond(Konstantin Osipov)というベラルーシ出身のデザイナー。
アメリカのテレビアニメである「ザ・シンプソンズ」の登場人物であるHomer Simpsonsとオランダの抽象画家モンドリアンをミックスして作成したデザインだという。
なんともポップなイメージのワインだよね!
このパッケージには「Wine,or Maybe Not?」って書いてあって中に入っているのは謎の液体のようだよ。(笑)
このパッケージも素敵だなあ。
ベラルーシ出身のデザイナーの作品は次も続くよ。

このボトルデザイン、なんだか分かるかな?
なんと心臓なんだよね。(笑)
上のシンプソンズと同じデザイナー、Constantin Bolimondが手がけているようで。
Blood Of Grapesというワインのボトルなんだよね。
「ぶどうの血」という言葉からイメージして心臓にしたんだね。
ボトルのネック部分に「RH+」なんて書いてあるのも心憎い演出ですな!
ワインメーカーを調べてみたけど、フランスのメーカーということしか分からず、このボトルの値段を知りたかったのに詳細は不明のまま。
花瓶にしても素敵なタイプ。
バレンタイン用のギフトにいかが?なんて書いてある記事があったので、これも記念日っぽいのかもしれないね?

ワインメーカーは不明なままだけど、上と同じ「Blood Of Grapes」の別バージョンがあったので、こちらも紹介してみよう。
これはアメリカのジョージア州アトランタで活動しているデザイナー、Joss Wakamoの作品だったよ。 
アメリカ人だと思うけど、名前の読み方が分からないんだよね。
ジョス・ヴァカモかヨス・ワカモ?(笑)
せめて先祖の情報があれば、多少は分かったと思うけど今はこれで許して。
ここまでくると、完全に輸血用のパッケージになってるよね。
しかもタイプCなんて書かれていると、ますます血液っぽくなってるし。
キリスト教的にはこれが正解ともいえるしね?
かなりブラックな雰囲気の商品だけど、SNAKEPIPEは好きだよ。
だんだん正月らしさからは離れてるけど、面白いデザインだから良いことにしよう。
初苦笑いってことでね!(笑)

久しぶりにワイン・ラベルを検索したら素晴らしいデザインに遭遇して嬉しくなったよ。
パッケージ・デザインも進化しているんだね。
これからも様々な秀逸デザインを探していこう!
次回もお楽しみに!