Monthly Archives: 2月 2018

20180225 top
【会田誠展入り口を撮影。まるで隣のレストランが主役みたいだね】

SNAKEPIPE WROTE:

大ファンの作家、鳥飼否宇先生から「会田誠展」に関する情報を頂いたのは先週のことだった。
鳥飼先生は既に鑑賞されたというではないの!
鳥飼先生って奄美大島にお住いなのよね?
それなのに東京や横浜はおろか、海外にまで 軽いフットワークでいらっしゃるんだもの驚いてしまう。

教えて頂いた時には、鳥飼先生に「残念ながら行かれそうにありません」などと答えていたけれど! 
鹿児島県よりは会場である青山に近い住まいのROCKHURRAH RECORDS。
なんとか会期の最終日に時間を調整して出かけることにしたのである。

一桁の気温の翌日は桜が咲く頃の陽気になったりする2月の後半。
日頃の行いが良いせいか、「会田誠展」最終日は晴れて気温が高い日だった。(笑)
会場は方向音痴のSNAKEPIPEでも迷わないで行かれる程、表参道交差点から近い良い立地!
会場である青山のクリスタルビルというのは、普段は何をやっているところなんだろう?
しかも入場無料なんだよね!
これは一体どんな企画なんだろう。
調べてみると「公益財団法人 大林財団」が2017年にスタートさせた「都市のヴィジョン-Obayashi Foundation Research Program」という、アーティストに理想の都市のあり方を提案・提言してもらう助成制度だという。
そしてめでたく第1回目のアーティストに決定したのが「まこっちゃん」こと会田誠だということなんだね。
テーマが都市だったから、ジオラマが多く展示されていたわけだ。
大林財団、やるなあ!(笑)
SNAKEPIPEが知らないだけかもしれないけど、日本の企業ってあまりアートに力入れないように思って。
こういう企業が増えると日本も変わってくるんじゃないかな?
ましてや「美術界の過激派」(SNAKEPIPE命名)である会田誠を選択するというのは「何やらかすか分からない」と、ヒヤヒヤする企業が多いはず。
そんな危険(かもしれない)を顧みず、展覧会を実施した大林財団に拍手を贈りたいね!(笑)

会期最終日の土曜日。
さすがに会場内は人がいっぱい!
撮影はOKだというので、撮れる限りバシバシ撮影してきたよ。
とは言っても、今回は「都市のヴィジョン」だからね。
展示されていた作品の半分は、画像のような会田誠の文章(思想?)だったので、本当は作品を鑑賞するためには、文章全てを読む必要があるんだろうね。
でもね、なにせ人が多い。
みんな同じように感じて読んでるからね。(笑)
動かないのよ、前面から。
SNAKEPIPEとROCKHURRAHも、人の隙間から目に入る文章は読み、会田誠が何を言いたいのか、ある程度は理解したつもり。
右の画像ではスラムについて語っていたんだよね。
レゴブロックみたいに家を作るのは面白いけど、ライフラインや衛生面はどうなるのかな、とSNAKEPIPEは考えてしまったけど?

左の画像は遷都計画についての立て看板ね。
東京から北海道に遷都してはどうか、という提案をしている。
会田誠が本気で言ってるのか、単なる思いつきなのかは不明だけど、「会田誠展」を鑑賞する前日に聞いて驚いた話がある。
SNAKEPIPEの勤め先でのこと。
2018年3月から会社を移転します、という通知が取引先の会社から入ったのである。
今までは東京にあった会社を北海道に移転する、というのだ!
その話を聞いた時には「会社の社員、全員が北海道に移住するんだろうか?」と疑問に感じたけど、引っ越しするんだろうね?
実際にそんな話を聞いた後で、会田誠の北海道遷都計画を観たので、
「本当にそういう会社もあるからねえ」
と冷めているSNAKEPIPE。
本来であれば突飛なアイデアだと思うはずだけど。
会社が北海道やアラスカに移転と言われたら、あなたならどうする?(笑)

ダンボールで城を作り、都庁の前に置いた作品「新宿城」は面白かった。
実際にダンボール城を置いて、下から見上げるように撮影したんだろうね。
撮影しているところを目撃したら、かなり怪しい人に見えるだろうな。(笑)
山口晃の「都庁本案圖」も、都庁を城にしてはどうか?という提案を描いていたね。
この山口晃というアーティストについて、ほとんど知らないよ。
調べてみようか。

1969年東京生まれ
1994年東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
1996年東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻(油画)修士課程修了
1997年、会田誠に誘われ「こたつ派」展に参加

おっ!ここで会田誠とつながるわけね!(笑)
検索してみると、浮世絵や大和絵に和洋折衷でレトロや現代のハイブリッドなモチーフを取り込んだ興味深い作品を発表しているようで。
このアーティストの作品も鑑賞してみたいね。

新国立競技場の設計に関してモメにモメたのは2015年?
最初に決定していたイギリス人建築家ザハ・ハディッド氏の作品に対して、森・元首相が「生牡蠣がドロっとたれたみたい」と発言していたっけ。
こんなことを言う人が日本を背負っていたとはね。
その森・元首相だったら、右の画像「東京オリンピック2020メインスタジアムのイラスト」について何と発言するだろうか?
まさかと思うけど、放送禁止用語言っちゃったり?(笑)
そんな想像をしながら鑑賞していたSNAKEPIPEだよ!

とても美しかったのは「セカンド・フロアリズム イメージ映像」だったね。 
全部で何台あったのか不明だけど、様々なスライドが大きな日の丸の旗に映し出されていた地下2F中央。
スライドに何が写っていたのか全部は確認できなかったけれど、 民家や植物を見ることができた。
瞬間でそれぞれのスライドが変わってしまうため、動体視力に優れた人以外は「なんとなく」しか観られないんじゃないかな。
色合いや雰囲気だけでも、その場所を堪能できたように思う。

既存の物や作品をおちょくるような、パロディ作品を展開するのが得意な会田誠らしさが満喫できたのが右の画像。
描かれているのは「エヴァンゲリオン」に登場するキャラクター達だよね。
「発展途上国から始めよう」と題された、前述した「セカンド・フロアリズム」 のテーマに沿った作品なんだよね。
会田誠が全体を通して伝えようとしているのは、まるで村上龍の「愛と幻想のファシズム」で、主人公・鈴原冬二が「狩猟時代に戻ろう」と言ってるのと同質なのかな?
もっとシンプルに生活しようよ、ということなのかなという気がするけど、どうだろう。

「シン・ゴジラ」をパロディにした「シン・日本橋」や沢田研二の「カサブランカ・ダンディ」を替え歌にして会田誠本人が熱唱していた「アーティスティック・ダンディ」の動画など、「いかにも」会田誠らしい作品で笑ってしまう。
ちなみに「ボギー、あんたの時代は良かった」の部分は「ボイス」になっていたね。
ヨーゼフ・ボイスは名前は当然のこと、代表作はいくつか知ってはいるけれど、、、。
スーツだけ観ても分からない。(笑)
このブログで何度か書いているけれど、解説を読んだり解釈について説明を受けないと理解できないアートには、あまり興味がないんだよね。
もしかしたら会田誠は、その辺りを茶化して歌詞にしていたのかもしれないね?
だから「アーチストがピカピカのサギでいられた」なのかも。 (笑)

トップにした画像は、本当は会場入口全体を撮りたかったけれど、入場制限がかかり入り口から通路にかけて行列ができていたため、ズラして撮影したもの。
そのため隣のレストランを撮影しているようになってしまったよ。(笑)
いくら入場無料とはいえ、会田誠の人気がよく分かるよね。
入場制限かかる前に、入れて良かったよ。

様々な展覧会に行くけれど、今回の会田誠展ほど観客の年齢層が低かったのは初めてかも。
30歳以下に見える若者ばかりだったんだよね。
マナーも良かったように感じたけど。(笑)
会田誠が、いかに若者からリスペクトされているのかを目の当たりにしたよ。
世界情勢や政治的な問題に関して、詳しくないSNAKEPIPE。
会場に来ていた若者達はどうなのだろう。
それらの問題をモチーフにした作品を発表することがある会田誠の口から出るのは、シンプルな言葉で理解しやすいように思う。
わかりやすいメッセージを伝えるからこそ、若者の支持を集めているのかもしれないね。 

入場無料ですがボリュームありますよ、と鳥飼先生から教えて頂いた通り、地下1Fと2Fでの展示は見応え充分だった。
最終日に鑑賞できて良かったなあ!(笑)
鳥飼先生、情報頂きありがとうございました! 

20180218 top
【素晴らしいインテリア・デザインと聞くと最初に思い浮かぶのが「時計じかけのオレンジ」かな】

SNAKEPIPE WROTE:

先週はデヴィッド・リンチが手がけるインテリアを特集したんだよね。
インテリアについて調べていたら、あるのよ、ビザールがいっぱい!
リンチネタから入ってインテリアつながりってことで、今週はビザールなインテリアについて書いてみようかな!

最初に紹介するのは水玉で「いかにも彌生」なデザイン!(笑)
これはロンドンにあるルイ・ヴィトンのショップで展開された、草間彌生とのコラボレーションだという。
店内の装飾も、彌生一色。
ショップに足を踏み入れるたら、どんな気分になるんだろう?
目に入るのは全て水玉だからね。
SNAKEPIPEだったら、足元がおぼつかなかなくなって、めまいを起こすかもしれないな。(笑)
ここまで来ると、ショップというよりは美術館の一室みたいに見えるよ。
商品もコラボして展示されていたみたいだね。
2016年10月の記事「収集狂時代 第6巻 Louis Vuitton編」で取り上げた草間彌生とコラボしたカボチャ・バッグも、恐らくこの時の商品だったんだろうね。
カボチャ・バッグのお値段$133,400、日本円で約1,390万円と書いているよ。
他にも洋服や靴などをコラボレーションしていたようなので、どれも目ン玉が飛び出るような金額なんだろうなあ。
ルイ・ヴィトンはユニークなデザインを多く手がけているので、またいつか特集したいな!

アート的なインテリア・デザインはやっぱり面白い
これはサンパウロにある「Casa Cubo」で、ゲストハウス兼ギャラリーだという。
カップルが宿泊できるような設計だと書いてあるけれど、空間を広く取っていて、非常にゆったりしてるんだよね。
日本人の感覚でいうと、2世帯住宅くらいの広さ。(笑)
なんといっても天井からニョキッと出ている銅像のインパクトがすごい!
吊るされてるのか、これから降りてくるのか。
この銅像があっても、まるで気にならない天井の高さも素晴らしいなあ。
実際に住んでみたいかと聞かれたら、悩むかもしれないけど。(笑)
デザインしたのはIsay Weinfeldというサンパウロ生まれの建築家。
1952年生まれだというから現在61歳かな。
ブラジルというと2015年8月に「『オスカー・ニーマイヤー展』と『ここはだれの場所?』鑑賞」でオスカー・ニーマイヤーの建築に初めて触れて、感動したことを思い出す。
南米のイメージが大きく変わったSNAKEPIPEなので、もうブラジルの建築家と聞いても驚かないし、むしろ「さすがブラジル!」と思ってしまうね。

次も天井シリーズにしてみようか。
ミュージシャン用に設計されたというキエフにあるアパートだという。
キエフ?麸が消えるってこと?(ぷっ)
大変失礼致しました、ウクライナの首都がキエフね!
言語はロシア語とウクライナ語が使用されているとのこと。
ウクライナでミュージシャンというと、どんなジャンルの音楽なんだろう?
民族音楽か、クラシックなのか、もしくはロック?
どのジャンルになっても似合うアパートに見えるよ。
それにしても150㎡のアパートって、ここも広いよね。
そして天井から吊るされている女体ランプったら!(笑) 
アパートの設計やインテリア・デザインをしたのはキエフにあるONEDESIGN 。
とても好きなタイプのデザインがHPに載っていて、見ているだけでもワクワクしてくるよ。
そして女体ランプが販売されていることが分かった! 
正式名称は「Chandelier “WOMAN”」、日本語訳の「女体ランプ」も間違ってないけどね。(笑)
90cmと180cmの2サイズ用意されていて、お値段は小さいサイズが$1,900(約20万円)、大きいのが$2,940(約30万円)とのこと。
秘密クラブのインテリアにしても良さそうじゃない?
江戸川乱歩の世界のような雰囲気があるからね。
色も黒、赤、黄色など8色展開してるんだよね。
これはいつか広い家に住んだら欲しい逸品だね!(笑)

戸川昌子は「青い部屋」だけど、これは「紫の部屋」だね!
紫というと、やっぱりプリンスの「パープルレイン」?
もしくは美輪明宏の「紫の履歴書」かな。
SNAKEPIPEが連想すると、どうしても時代が古い物になってしまうね。(笑)
自分が紫色を身につけることがないので、その魅力について語れないんだけど、好きな人にとっては絶対的な色になっている紫色。
この色だけを使ってインテリア・デザインをすると、この画像のようになるんだね。
ここではリビングの様子しか載せてないけれど、本当はベッドルームもバスルームも全て紫なの!
徹底していて、素晴らしいよね。(笑)
これはイギリス、ミドルセックスにある販売されていた一軒家の内部なんだよね。
外観は白い壁に煉瓦色の屋根で、全く紫色が使用されていないところがすごい。
中に入ると紫の世界が広がっているなんて「脱ぐとすごいんです」みたいな感じじゃない?(笑)
4つのベッドルーム、庭付きでガレージもあるという。
気になるお値段は£400,000、日本円で約5,960万円也!
販売の情報は2013年の物だったので、現在は紫好きの誰かの持ち物になってるかもしれないね?

最後は外観も内装も、こだわっているこちらにしてみようか。
アメリカ、ニュージャージー州にある「Luna Parc」 は、アーティストであるリッキー・ボスカリーノの自宅兼アトリエだという。
ボスカリーノ家はメヂィチの時代にまで遡ることができる芸術と職人技の家系だった、なんて書いてあるよ。
あの有名なメヂィチ家の時代ということになると、13世紀か14世紀ってことになるみたい。
何百年も続く家系というだけでもすごいのに、代々職人だったというのは驚きだね。
1960年生まれのリッキーが1989年から作り続けているというので、29歳から始めておよそ30年になるということかな。
33年の歳月をかけて「シュヴァルの理想宮」を1人で建築したフランスの郵便配達人、フェルディナン・シュヴァルみたいだよね!


「Luna Parc」の外観がよく分かる動画を載せてみたよ。
内装もすごいけど、外からだけでもリッキー・ボスカリーノの熱意が伝わってくるよね。
歩いてる時に突然この建物に出現したら驚くだろうね。(笑)
そしてリッキー・ボスカリーノは、このアトリエで金属、粘土、ガラス、木材、セメントなどの素材を使用した作品作りをしているとのことで、HPで購入可能なんだよね。
絵も描いているようだけど、得意なのは立体作品みたい。
昆虫のブローチなどは非常に美しいよ。
それでもきっと一番力を入れているのが、家を作ることなんだろうね。
ガウディみたいな「うねり」や、サイケデリックな色合いに加えて、様々なオブジェが配置されているカオスな空間は、見学したらきっと面白いだろうね。
観光名所にもなっているのがよく分かるね!

今回はビザールなインテリア・デザインを特集してみたよ!
ビザールってやっぱり面白いなあ。
それでは、次回もお楽しみに。
サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ!(笑)
 

20180211 top
【リンチが手がけるパリにある「Silencio Club」の内部 】

SNAKEPIPE WROTE:

先週は敬愛する映画監督デヴィッド・リンチを追ったドキュメンタリー映画について特集した。
その中で、子供時代に父親と毎週のようにDIYで何かを作っていた、という話があったことも書いたっけ。
デヴィッド・リンチは自分の映画のセットを作っている、というのは前に聞いた(読んだ)ことがあった。
例えば映画「ロスト・ハイウェイ」では、ジャズ・ミュージシャンのフレッドと妻レネエの室内に置いてあったランプと台をリンチが作成した、とかね。
それを聞いた時には驚いたけれど、「デヴィッド・リンチ:アートライフ」を鑑賞して、DIYが得意だということを知って納得する。
ところがリンチのDIYは映画だけにとどまっていないことをROCKHURRAHが調べてくれた。
なんと、様々な家具のデザインを手がけていたんだよね。
検索すると出てくる出てくる!(笑)
今回はリンチがデザインした家具を特集してみよう。

このテーブルの雰囲気は、前述した「ロスト・ハイウェイ」のランプに似ているね。
1988年製で、100点のみの限定販売だったみたい。 
素材はバーチ材合板、スチール、ターンバックル付き鋼線だという。
「エスプレッソ・テーブル」と名前が付いているところが、いかにもコーヒー好きのリンチらしいね。(笑)
このテーブルはオークションで販売されていて、$2,188、日本円で約24万円だったようで。
ちゃんとリンチの手書きサインも入っているんだよね。
こんな値段でリンチの作品が手に入るなんて驚き!
ファンにはたまらない逸品だよ!

次もテーブルにしてみようか。
ランプが接続されたキャスター付きのサイドテーブルだね。
真ん中あたりにあるのはリモコンやメガネ、奥にはティッシュも見えるよ。
きっとリンチ自身がパッと手に取れるように設計したんじゃないかな?
テレビショッピングで見たたことがある多機能テーブルみたいな感じ?(笑)
「ツイン・ピークス The Return」の最終回近くを放映していた頃作ったような記事を読んだけど、このサイドテーブルについての詳しい話は書いてなかった。
 販売されているのかどうかも不明だけど、ランプの雰囲気がリンチらしいなと感じるよ。

引き出しがいっぱいあるキャビネット。
中に入っている写真(?)が謎なんだよね。
あまり大きな画像がなくて、何が映っているのか不明だけど、不気味に感じてしまう。
この作品は「Do It: How To Make A Ricky Board」というんだけど、20ある引き出しの名前がリッキーなんだって。
それぞれのリッキーに別の名前を付けることで、20の人格ができあがるという。
元はすべて同じだけれど、名前から変化が現れるでしょう、なんて書いてあるよ。
これは2012年の作品で、Gund Galleryで展示されていたみたい。
人格が変わるというのはリンチの映画では定番のテーマ(?)なので、余程気に入っているんだろうね。
この家具はサイズ調整もできるというので、どんな変化が起こるのか実際に観てみたいよ!

これはもしかしたらリンチ・デザインの家具というよりはアート作品になるのかもしれないけどね?
コードが伸びているので、赤い部分が光るライトだと思われるんだけど。
ぐんにゃりした形状と、色使い、中から飛び出している黒い棒状の物、というモチーフは「いかにも」リンチ!(笑)
リンチの絵画作品「I See My Love」の別バージョンに見えるなあ。
これは2011年の作品で、William Griffin Galleryで展示されたという。
リンチは絵画作品にもライトを取り入れたり、立体感を出しているので、オブジェも得意なんだね。

次もランプにしてみよう。
高さがあって、少しぐんにゃりして、ライト部分が小さめ。
実用性というよりは、オブジェなんだろうね。
このライトもリンチの絵画作品「Boy Lights Fire」に近いと感じるよ。
どんな絵画なのか載せておこうか。

少年が火遊びをしているところを描いているんだろうけど、不自然に長い腕、絵画の中に実際のライトを点けているところが特徴なんだよね。
この少年の腕部分を切り取って立体にしたら、上のライトにならないかな?
ライトといえば、「ツイン・ピークス The Return」に出てきたコンビニエンスストアの2階に住んでいる黒い男の「gotta light?」を思い出してしまうね。(笑)
「Fire Walk With Me」もそうだけど、リンチにとっては火は重要な意味があるんだろうね?

映画の音響にもこだわり、「ブルーベルベット」ではカイル・マクラクラン演じるジェフリーが野原で切り取られた耳を拾うシーンがあったことから、リンチと耳を結びつけて語る人が多いんだよね。
「耳の監督」なんて言われていたもんね。
リンチ自身もCDデビューを果たしているし、音楽への「こだわり」が強いことは知られている。
「ツイン・ピークス The Return」でも毎回必ずライブシーンが収められていたしね。
そのリンチがデザインしたスピーカーがこちら!
タールとラッカーでペイントされているという。
さすがにタバコ好きのリンチ、タールだって。(笑)
土台の部分が幾何学的で面白いんだよね。
一体どんな音が出るんだろう。
タールで塞いだせいで、音が歪んだりしないのかな?
それがリンチの狙いかもしれないけどね!

リンチのデザインについて調べていたら、2011年にリンチがパリのナイトクラブをプロデュースした話が出てきて驚いた!
クラブの名前は「Silencio」、そう「マルホランド・ドライブ」に出てきた劇場と同じ名前なんだよね。(笑)
クラブのオーナーはリンチの作品のファンで、「マルホランド・ドライブ」の雰囲気を打ち出したナイトクラブをイメージしていたのかもしれない。
アートを理解する大人のためのクラブなんて、リンチにとっても楽しい仕事だったんじゃないかな?
そのクラブでは映画の視聴もできるようで、シネマ・シートのデザインをリンチが担当したという。
人間工学的に設計されているようで、快適に映画鑑賞できるようだよ。
このシートが「Silencio Club」に並ぶと左の画像のようになるんだね。
これはすごい! (笑)
どんな座り心地なのか気になるよね。
それにしてもその「Silencio Club」は一体どんなシステムなんだろう?
700㎡の敷地に1階ギャラリー、24座席あるシネマ、図書室、喫煙室、黒幕、2つのバー、1つのステージがあるという。
黒幕ってなんだろうね?(笑)
毎週土曜日は一般でも入れるようだけど、通常は会員制を取ってるみたい。
どんな人が集い、どんな文化的な交流が図れるのか?
非常に気になる場所だよね! 

きっとリンチは自分の居心地を良くするために、オリジナルの家具をDIYで作成していたんだろうね。
そのデザインが、他の人にとっても使い勝手の良い家具として商品化されていると知って驚いたよ!
好きなことが商売になるなんて、アーティストとして最高だろうね。
今回はリンチの別の側面を知ることができて、とても楽しかった!
絵画、映画、音楽、家具デザインと多岐に渡る活動を観て、益々ファンになったよ。(笑)
また別のリンチ特集を組んでみたいね! 

【「デヴィッド・リンチ:アートライフ」のトレイラー】

SNAKEPIPE WROTE:

前回のROCKHURRAHが書いているけれど、2人揃ってインフルエンザによりダウンしてしまった先週。
医者に行って「インフルエンザですね」と宣告されたのは、人生初のことかもしれない。
もしかしたら子供の頃には経験しているかもしれないけど、自分で医者に行って宣告されるというのは初めてのこと。
これはかなり衝撃的だったよ!
今年はかなりインフルエンザが流行しているらしいけれど、ROCKHURRAH RECORDSもその流行に乗ってしまったんだね。
実は今でも少しお腹の調子が悪いSNAKEPIPEだけど、インフルエンザB型の特徴らしいので、まだ完治していないサインなのかもしれない。
おかげで更に痩せてしまったよ。とほほ。

本来であれば、敬愛する映画監督デヴィッド・リンチに関する映画だったら公開初日である1月27日に勇んで出かけたかったのに、、、。
体調の悪さをこらえてまで行くことはできないからね。
ということで、ようやく回復してきた今週映画鑑賞に出かけることにしたのである。

2週連続で雪が降るほどの寒さは少しだけ緩み、晴れてお出かけ日和だったのは良かった。
病み上がりに寒さはこたえるからね。(笑)
それでも万全の寒さ対策をして行くことにする。
「デヴィッド・リンチ:アートライフ」は渋谷のUPLINK、新宿のシネマカリテ、千葉の千葉劇場の3劇場で鑑賞することができることは調べていた。
体調が良かったらUPLINKにしていたはずだけど、今回は一番マイナーな千葉をチョイス。
行ったことないんだけど、どんな劇場だろうね?
セレクトしている映画は、アート系が多いようなので、意外と「通好み」の映画館かもしれない。

千葉に行くのは何年ぶりだろう?
販売を仕事にしていた頃は、毎年夏には千葉に通っていたSNAKEPIPE。
千葉パルコの水着特設会場が仕事場だったからね。(笑)
今はもう、そのパルコすら存在していない。
街の様子も変わっただろうな。
自他共に認める方向音痴なので、無事に千葉劇場にたどり着けるか不安だよ。

千葉駅に到着。
駅構内は随分長い間工事をしていた記憶があるけれど、いつの間にか駅ビルが完成していたようで。
電車の電光掲示板も見易く近代的な物に変わっている。
千葉駅、頑張ってるね。(笑)
ROCKHURRAHがいてくれたおかげで、不安だった千葉劇場への道のりも難なくクリア!
無事に辿り着けて良かったよ。
映画館としては、かなり辺鄙な場所にあるし、更に映画はリンチのドキュメンタリー。
どれだけお客さんが入るんだろうね?

映画の開始前に小じんまりしたロビーで次回上映を待っていたのは2人。
千葉劇場は60歳以上の観客は1,000円という料金で鑑賞できるシステムを採用しているようで、待っていたのはその恩恵を受けている年齢層の方々。
あっ、ROCKHURRAH RECORDSは恩恵受けてませんから!(笑)
最終的に映画が上映するまでの間に観客数は約15人程度かな。
年齢層はかなり高めだよ。
ROCKHURRAH RECORDSの周りは、全然人がいなかったのに、予告映像が始まる直前に走り込んできた年配の女性がすぐ目の前に座ってしまった。
しかもバッグの中をずっとゴソゴソ探っている。
これはきっと迷惑なタイプの客だな、と予想する。
その予想は当たってしまったんだよね…本当に迷惑な人って嫌っ!
なんでそんな高齢の女性が1人でリンチの映画観るのか、不思議でならないよ。

いよいよ上映が始まった。
映像は絵画制作をしているリンチを捉え、音声はリンチが自身の子供時代からのエピソードを語っている。
ある時は絵画に貼り付けるためのオブジェを作り、別の時にはリトグラフなのかクレヨンのような物で絵を描くリンチ。
その合間には必ずタバコを吸う。
かなりのヘビースモーカーだね。
愛飲しているのは「アメリカン・スピリット」、ニコチンもタールも数値高いよ!
あんなにガンガン吸って大丈夫なのかな。
体の心配しちゃうよね。

少年時代のリンチは、至ってノーマル、健全な子供だったようで、リンチがリンチになった要因については語られてなかったように思う。

リンチの父親は農務省に勤めていて、仕事の関係で数回引っ越しをしたという。
家族間での特にアート的な話は出てきていない。
今回のドキュメンタリーの中で、父親とDIYで何かしら作っていた、という話はあったけどね。
そのDIYの経験から、物を作る喜びを感じたと語るリンチ。
自分の映画のセット、例えば机などを自作することは知っていたけれど、それが少年時代から続く趣味とは知らなかった。
画像はリンチ一家で、一番右が長男のリンチ。
妹と弟がいたことも知らなかったよ。

少年時代の友達の父親が画家で、アトリエを自由に出入りしていた話がある。
これはSNAKEPIPEの勝手な想像だけど、その画家の絵、もしくは画家とのコミュニケーションの中で、リンチの中に何かしらの「リンチの原型」が形作られたのではないだろうか?

最も印象的だったのは、リンチのアトリエを訪れた父親とのエピソード。
地下室で「物が腐っていく様子」を観察するために、果物やネズミの死骸などをコレクションしていたリンチ。
それを自慢気に父親に見せたという。
地下室から出て登る階段の途中で、自分の成果を見せられて嬉しかったリンチが笑顔で、後ろにいる父親を見る。
すると父親の顔は曇っていたというのだ。
更に「お前は一生子供を持たないほうが良い」とまで父親に言われてしまったという。 
そして実はその時、最初のリンチの妻ペギーが、後に映画監督になる娘ジェニファーを身ごもっていた、というオチまでついている。
リンチの父親の心配をよそに、リンチは家族の長となっていく。

映画制作を始めるリンチにとっては幸せな時間だったようだけど、リンチの父親と弟からは反対されたという。 
子供もいることだし、堅気な仕事に就いて、家族を養うべきだと説得されたらしい。
リンチには辛い時期だっただろうね。
それでも映画を作り続けて良かったよ!
奨学金が出たおかげもあるけれど、一番はやっぱり続けていこうとする意志力だからね。
順風満帆なことばかりではなかったという話を聞いても、何故かあまりリンチが苦労人だったという印象を受けないんだよね。
好きなことを続けている人、というイメージのほうが強いからかもしれない。

リンチを追ったドキュメンタリーは、2004年頃から制作されているようだけど、SNAKEPIPEが鑑賞したのは今回が初めてである。
ここまでリンチに傾倒しているSNAKEPIPEだけれど、本人の口から過去について聞かなくても、映画や絵画、もしくは音楽などの作品からリンチを自分なりに知っていれば良いと思っているからだ。
「デヴィッド・リンチ:アートライフ」を鑑賞できたのは、もちろんファンとしては嬉しい経験だけれど、リンチの過去を少し覗くことができても、今まで感じていたリンチ像に変化はない。
それにしても「デヴィッド・リンチ:アートライフ」は、余程リンチに対して興味を持っている人以外には、退屈な時間になるのではないだろうか。
こんなにリンチ愛を熱く語っているSNAKEPIPEですら、一瞬眠りそうになることがあったくらいだから。(笑)

映画は「イレイザーヘッド」の部分までで終わっていた。
ということは1976年頃までについて、ということになる。
「デヴィッド・リンチ:アートライフ」のパンフレットによれば、今回リンチを追った時間は25時間に及ぶということなので、編集で約90分にまとめられているってことだよね。
SNAKEPIPEの想像だけど、このドキュメンタリーの第二弾があるような気がしてしまう。
もし次があったら、またUPLINK等で上映してくれるかもしれないね?