Monthly Archives: 3月 2018

【レアンドロ・エルリッヒ展のトレイラー】

SNAKEPIPE WROTE:

展覧会情報をチェックする際に、必ず確認する美術館がある。
例えば現在リニューアル中の東京都現代美術館や森美術館である。
ん?「必ず確認」と書いておきながら、森美術館で何の展覧会が開催されているのか覚えていない!
調べてみると「レアンドロ・エルリッヒ展」とのこと。
いやあ、失態だなあ。
昨年の11月から開催されていたというのに、全く確認していなかったようだ。
会期は終了間際なので、遅ればせながら春分の日に出かけることにしたのである。

春分の日は32年ぶりの大雪の予報だった。
それならば逆に外出を控える人が増えて、美術館が空くかも!と期待してROCKHURRAHと六本木に向かう。
10時の開館に間に合うように到着すると、森美術館入り口付近に人だかりがある。
同時開催されている「ジャンプ展」目当ての観客だろう、と列に近付いてみると、、、。
「レアンドロ・エルリッヒ展チケットお求めの方はこちらにお並びください」
係員が叫んでいる。
なんと!
行列を作っているのは「エルリッヒ展」で、「ジャンプ展」のチケット購入は待つ必要がない!
「エルリッヒ展」のチケットを買うための行列ができていたんだよね。
これには非常に驚いてしまった。

もしかしたらSNAKEPIPEの「雪で空いてるかも」という考えと、同じような思考パターンの人が多かったのか?
並んで待っている間に周りの会話が聞こえてきて、少しずつ状況が分かってくる。
春分の日が水曜日だったため、月火を連休にして東京観光に来ている人がいた模様。
そのスケジュールの1つが「エルリッヒ展」だったみたいだね。
学生が春休みに入っていたのも混雑の原因になっているようだった。
更に「エルリッヒ展」は2月末に観客動員数が40万人を超える大人気展覧会だった、ということ。
撮影が可能で、いわゆる「インスタ映え」する写真が撮れるというのが人気の秘密のようで。
これは益々、昨年中に鑑賞しておくべき展覧会だったなあ、と後悔するSNAKEPIPE。
本来ならば大人気企画には、できるだけ近寄らないことにしているけれど、今回は鑑賞することに決定。
ROCKHURRAHも快く付き合ってくれたよ!

結局チケットを購入するまで35分経過。
入場できるまでに2時間半待った2016年の「若冲展」に比べればカワイイものか?(笑)
あれだけ多くの人がチケット購入に並んでいたので、会場は押し合い圧し合いの大混雑だろうな、と覚悟する。
ところが、会場の内部はそこまで混雑していなかったんだよね。
これは嬉しい誤算だけど、あの人達は一体どこに行ったんだろうか。

展覧会の感想を書く前に、まずは簡単なレアンドロ・エルリッヒのプロフィールを紹介しよう。
1973年アルゼンチンのブエノスアイレス生まれで、現在45歳。
公用語はスペイン語だね。
南米のアート・シーンには驚かされることが多いので、今回も期待が高まるね。
1998年から1999年までテキサス州ヒューストンのアーティスト・イン・レジデンス・プログラムであるコア・プログラムに参加。
その後ニューヨークに移りニューヨークの商業ギャラリーで初めての展覧会を開催。
2000年にホイットニー・ビエンナーレに参加。
2001年には第49回ヴェネチア・ビエンナーレにアルゼンチン代表として参加。
それからも世界各国で2年に一度開催される美術展覧会である、ビエンナーレにはコンスタントに参加しているようだね。
20年以上に渡って世界的に活躍しているアーティストだけど、作品観たことあるかな?
2014年の「驚くべきリアル展鑑賞」は東京都現代美術館で開催されたスペインや中南米のアーティストの展覧会だったね。
今回のレアンドロ・エルリッヒ展の副題「見ることのリアル」と非常に似ているタイトルだけど、エルリッヒの作品も展示されていたのかな?
あまり記憶に残っていないんだよね。(笑)

エルリッヒの最も有名な作品は、金沢21世紀美術館にある「スイミング・プール」だって。
それはテレビで観たことある!(笑)
作品が大型のインスタレーションが多いためか、なかなか現物を鑑賞するのは難しいのかも?
今回はどんな展示になっているのかな?
作品は全て撮影オッケー!
森美術館のHPに記載されている「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」の記載を忘れず、早速感想を書いてみようか。

「足元が暗いのでお気を付けください」と注意書きがされた会場は、本当にかなりの暗さだった。
中央には波止場(?)のような空間が広がり、何艘もの船が浮かんでいる。
浮かんでる?
暗さに目が慣れてきて、じっくり船を観察する。
これはどうやら水面に写った船影の部分まで作り込んでいる作品なんだね。
まるで水面を漂っている船のように見える錯覚を起こさせている。

撮影を続けるSNAKEPIPEに、
「真っ暗で何も映らない」
と嘆くROCKHURRAH。
何か設定がおかしいのか、せっかく撮影オッケーなのに残念なことになっている。
もう少し明るいところで設定を確認してみよう。 

レアンドロ・エルリッヒの作品はトリックアートなんだね!
次の作品からは「どんなトリックが仕掛けられているか」心して鑑賞することに決める。

10枚程度のアクリル板を重ねて、雲の形を国に見せる作品。
一枚一枚のアクリルはどんな状態だったんだろう?
重ねて正面から見ると立体的な雲に見えるから、あら不思議!(笑)
やっぱりこれもトリックアートなんだよね。
日本人には一番馴染みがある日本の雲を載せてみたけど、国は他にフランスやイギリスもあったよ。
ネットで検索すると、室内にぽっかり浮かんだ雲、という作品を発見した。
画像だけなので詳しくは分からないけど、同じ仕掛けなんだろうか。
アクリル板が見えないと、奇妙な印象が強くなるよね。
この雲に動きが出たら、もっと楽しいかも?
技術的には不可能ではない気がするよ。

ここでROCKHURRAHは設定ミスに気付いたようだ。
なんと「自撮りモード」にしてたらしい!
それでは作品を撮影できるはずないよね。(笑)

SNAKEPIPEが一番最初に海外旅行に行ったのは、かなり昔のことだ。
場所はニューヨーク!
長年来の友人Mと一緒に行き、ニューヨーカー気分を味わえるように、コンドミニアムを選択したのだった。
キッチンがついていたけれど、実際には食材を買って調理することはできなかった。
オーブンとか使い方が分からなかったからね。(笑)
寒い時期に旅したので散歩や買い物に出る以外は、窓辺に座って町並みを見ていることが多かった。
そこで気付いたのは、海外の人ってカーテンやブラインドを閉めないってこと。
室内が丸見えなのに、無頓着なんだよね。
エルリッヒの「眺め」という作品は、丁度そのニューヨークで見た景色とダブって見え感慨深かった。
あの時感じた疎外感や世界的に有名な都会で暮らす人々への羨望、どんな暮らしぶりなのか知りたい欲望などが蘇ってくる。
ニューヨークでは考えもしなかったけど、こちらから見えるってことは、あっちからも見えてるんだよね。(笑)
作品には、あっちから覗く人はいなかったのかな?
「見る/見られる」を考えさせられる作品だったね。 

この作品は、どうしても他のお客さんが映り込んでしまうため森美術館のHPからの画像を載せさせて頂くことにした。
SNAKEPIPEは撮影しなかったからね。
手前の教室にはリアルな存在が、そして奥にはまるで亡霊になったような薄い自分を発見する。
たまに電車やビルのガラスに、薄ぼんやりとした人影を見つけてギョッとすることがあるけれど、似た感覚だよね。
行ったことないけど、もしかしたら「おばけ屋敷」にも同じようなアトラクションありそうな気がするよ。

この作品も上述の「教室」と同じ理由で、SNAKEPIPEは撮影しなかった。
あり得ない場所に複数の自分を見る。
例えば左の画像では右側と左前方に同じ男性が見えるよね。
簡単な鏡のトリックなんだけど、驚きと共にゾッとする感覚がある。
鏡を使ったアート作品で思い出すのは、2017年正月に鑑賞した柳幸典の「ワンダリング・ポジション展鑑賞」での「Icarus Cell」だね。
同じように鏡の角度を変化させることにより、自分の姿を確認できなかったり、思わぬ場所に自分が映っていた。
「Icarus Cell」は薄暗い照明の中が迷路になっていたので、より一層不安な気分になったっけ。
「異次元に迷い込んだよう」と表現していたSNAKEPIPEだよ。

柳幸典の「Icarus Cell」の迷路に似ていたのが、「試着室」だったよ。
いくつもの同じ仕様の試着室が並ぶ中を、自由に行き来することができる。
どれが鏡で、どこまでが空間なのか判断が怪しくなってくる。
手をかざして空間の広がりがあるのかどうか、目の前に自分の姿が映っているのかを確認しないと前に進むことができない。
ここから本当に抜け出せるのか?と不安になってしまうのである。
最終的には出口にたどり着けるけれど、方向音痴のSNAKEPIPEにとっては恐怖体験だったよ。(笑)

ブラックユーモアの作品もあるんだよね。
これは根っこが生えた実物大の家をクレーンで吊った作品の模型ということになるのかな。
実物の作品はさすがにここにはなくて写真展示のみだったので、模型を撮影したよ。
「家シリーズ」は他にも「溶ける家」や「ファニチャーリフト」という空に向かう長い階段がある家など「んなバカな!」と笑ってしまうような作品があった。
鏡を利用して覗いている人が映る仕掛けの建造物も面白かったね。
実際に体験しないと、写真や模型では面白さは半減だろうな。

以前より、現代アートに言葉は要らないと思っているSNAKEPIPEなので、観て解る作品は大賛成だね。
この作品の実物大を観てみたいよね。 

今回の展覧会で一番人気だった作品「建物」の模型ね。
レアンドロ・エルリッヒ展のポスターになっている作品は、仕掛けを知らないで見ると重力に逆らっている瞬間を撮影したものかと勘違いしてしまう。
SNAKEPIPEはポスターだけでは意味が分からなかった。
その全貌を知ることができるのは、床と斜めに掲げられた鏡を見てから!
寝転んでいる人を鏡に写すと、まるで窓に張り付いているように見えてしまう。
この視覚効果が展覧会入場者数を増やした原因で、自分が寝転び作品の中に入り込んだ写真を撮り、SNSにアップするのが目的だったみたいで。
これは森美術館の作戦勝ちかな。(笑)
それにしても、肖像権がどうのとうるさいことを言う人が多い昨今なのに、こういう時に他人の写真に映り込むのはオッケーなんだ?と少し冷めて見ていたSNAKEPIPEだよ。

「覗き」や「鏡」というと連想するのは江戸川乱歩!
延々と連なる鏡の中の鏡の世界は正に無限の鏡地獄。
覗く、という行為からは「押絵と旅する男」を思い出す。
双眼鏡で覗き見るシーンがあるからね。(笑)
SNAKEPIPEが独自のエルリッヒと乱歩の共通項などを喋りながら美術館を出ると、外は吹雪になっていた!
横殴りの雪が体にまとわりつく。
東京タワーの先端が霞んで見えなくなっているのが印象的だった。
こんな悪天候の日だったけど、鑑賞して良かったね。
南米のアートは、期待通り面白かったよ!(笑)

森美術館キュレーターが「レアンドロ・エルリッヒの現代アートとトリックアートの違い」について語っているインタビュー記事を読んだ。
「仕掛けを全部見せるかどうか」
が決めてで、その違いによりエルリッヒの作品は現代アートなんだって。
SNAKEPIPEはトリックアートを集めた美術館に行ったことがないので、どこまで仕掛けが見えているのかどうかを知らない。
そのためそのキュレーターの言葉がいまいちピンとこないんだけどね?
エッシャーやアルチンボルドのだまし絵はアートで、トリックアート美術館は不思議体験ができるアトラクションとして扱われているのかな。
その違いについてはよく分からないなあ。

自分が作品に入り込み、それを撮影することができる参加型・体験型の展覧会だったエルリッヒ展。
SNAKEPIPEやROCKHURRAHは、自分が写った写真をアップすることに興味がないし、今回のブログにもその手の写真は載せていない。
そもそも撮ってないからね。(笑)
自分が写りこんだ写真を撮ることに熱心な人がいかに多いことか。
これは世界的に同じ傾向なんだろうね。
自己愛の強さなのかな?

大勢の人がアートに関心を寄せて鑑賞するのは良いことだと思う。
ただ、鑑賞にはルールがあることを知らない人も多かったように感じた。
模型を触ろうとする何人もの人が、係員に注意されていたのを目撃したからね。
寝転び撮影する「建物」では「譲り合ってください」と何度もアナウンスが聞こえてきた。
自分が納得する写真を撮ることに夢中になり、他の人が順番を待っていることにはお構いなしなんだろうね。 
最低限のルールやマナーを守れない人は、本来は入場してはいけないように思うけど、どうだろうか。

2時間半並んだ「若冲展」について書いたブログの最後に載せていた文章がこれ。
「展覧会は早めに行くこと!」
ああっ、この教訓胸に刻むべし!(笑)

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【SNAKEPIPEが愛聴していた一枚】

SNAKEPIPE WROTE:

何かの拍子に、突然脳内に音楽が流れることがある。
もちろん知らない曲ではなくて、以前耳にしたことがあるものだ。
そしてその曲は一度記憶の枠から流れ出たのを良いことに、何度もリピートする。
これはイヤーワームという現象で、誰にでも起こることらしいね?

先日のイヤーワームでは、非常に懐かしい曲が聞こえてきた。
1980年代後半に一部でブームを巻き起こした「ネオGS」の代表格とされる、「ザ・ファントムギフト」のデビュー曲「ジェニーは嘘つき」だったのである。
どうして急にこの曲が蘇ったのかは謎だけど、おかげで当時を思い出すことができた。
今回の「ふたりのイエスタデイ」は「ネオGS」について書いてみようか。
とは言っても、「ネオGS」として括られるバンドを総合的に知っているわけではないので、偏りがあることはご了承下され。(笑)

そもそも「ネオGS」って何?と疑問に感じる人が多いのではないだろうか。
1960年代後半に大ブームとなった「グループ・サウンズ」、略してGSの服装をマネたり、曲調を当時の雰囲気にしたバンドが出現してきたのが、前述したように1980年代後半のこと。
流行は繰り返すというけれど、元祖GSから20年経って「ネオ」が発生した、ということになるんだね。
もちろん60年代のGSのような全国区の広がりじゃなくて、恐らく一部の熱狂的なファンがいたようなブームだったと思う。
知ってる人は知ってる、くらいなのかな?

SNAKEPIPEが最初に「ネオGS」を知ったのは、当時アルバイトをしていた新宿伊勢丹でのこと。
今でも新宿伊勢丹は日本国内での百貨店のトップだと感じているけれど、流行を取り入れたり提案していく姿勢は、もしかしたら80年代のほうが上だったのかもしれない。
なんと新宿伊勢丹で、「ネオGS」をバックアップするようなイベントが開催されたんだよね。
伊勢丹の屋上で2日間に渡って、複数のバンドが演奏をするという。
SNAKEPIPEは2日間とも行ったっけ。(笑)
そこで「ザ・ファントムギフト」や「ザ・ストライクス」を知ったのである。
新宿伊勢丹はイベント以外に「ザ・ファントムギフト」のメンバーを伊勢丹のポスターに起用するなど、「ネオGS」に力を入れていたんだよね。
SNAKEPIPEは人の「つて」を頼って、そのポスターをGETしたなあ!
残念ながら今はもう所持していないけど、サイケ文字とメンバーがオレンジと黄緑で彩られた、いかにもGS調のポスターだったんだよね。
開店前の掃除タイムに「ザ・ファントムギフト」の「ハートにOK!」が店内放送で流れていたことは、今でも信じられない感じだしね!(笑)
その曲を載せておこうね。(秒数の関係で途中からの再生に設定しています)

いやはや、懐かしい。(笑)
その頃のSNAKEPIPEにとって「ザ・ファントムギフト」は、曲や演奏よりファッション要素の強さを感じていたので、あまり夢中になることはなかった。
それから少し経ってから、知人に連れられて出かけたライブを観てすっかり虜になったのである。

新宿ANTIKNOCKにはライブの途中で入場したため、大勢の観客が発する熱気が充満していた。
出演者が誰なのかも聞かされないまま会場に入ったので、最初はステージに誰が立っているのか分からなかった。
そのうち出演しているのが「ザ・ファントムギフト」だと気付く。
おや?新宿伊勢丹で観た時とはパワフルさが違っている!
ギターは爆音で鳴り響き、ヴォーカルの声がのびやかだ。
「ザ・ファントムギフト」はライブ・バンドだったんだね。

それ以降、ライブに足しげく通うようになり、「渋谷クラブクアトロ」で行われた解散ライブにも行ったなあ。
「ザ・ファントムギフト」のヴォーカル、ピンキー・青木はGSっぽく王子様のような服装だったのに、後半になるとレザーのバンツなどのハードな服装に変化し、髪も伸びていたよ。
女の子がキャーと叫ぶようなアイドル的なバンドというよりは、むしろ男性が好みそうな音になっていた気がする。
最初のイメージを持ったままの人がいたら、それは少しもったいないかも?
テレビ情報誌「TV Bros」で当時、故・川勝正幸氏が「ネオGSの雄、ファントムギフトの解散ライブは鬼気迫るものがあった」と書いてあったように記憶する。
ものすごく迫力があって行って良かったライブだったからね!
解散するのが残念なバンドだったなあ。

「ザ・ストライクス」も最初に観たのは伊勢丹の屋上だったね。
いかにもビートルズを意識してます、というメンバー4人が揃いのスーツ姿。
音も甘めで、「いい子ちゃん」の感じがしたので、SNAKEPIPEはどちらかというと苦手だったかも。
この印象も、後に変化することになる。
「ザ・ストライクス」も、たまたま観に行ったライブに出演していたのだった。
この時に演奏の上手さ、ノリの良い音に驚き、大ファンになってしまった!
「ザ・ストライクス」は優等生の雰囲気から、ガレージ・バンドに変わっていたんだよね。
ヴォーカルのかわいい声からは想像できないほどの、パワフルなステージに圧倒される。
SNAKEPIPEもノリノリで踊ったなあ。(笑)
「ザ・ストライクス」を最初のビートルズ風イメージとだけ持っていた人は、ライブ観たら驚くだろうね。
当時の映像を載せておこうか。(秒数の関係で途中からの再生に設定しています)

2007年に「ガレージGSとR&E」という記事を書いているSNAKEPIPE。
あっ、もう既に「ザ・ストライクス」についていっぱい書いてるじゃないの!(笑)
GS系の音楽は好き嫌いが別れると思うので、誰にでもお勧めはしない。
ただし、食わず嫌いというのがあるからね、という忠告だけはしておきたい気分かな。
「ザ・ストライクス」は広範囲に受け入れられるバンドだと思うけどね?

「ネオGS」が好きになった後は、オリジナルのGSに興味が出た。
 「グループ・サウンズ」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは「ザ・スパイダース」「ザ・タイガース」「オックス」だよね。
「ザ・スパイダース」はかまやつひろし、堺正章、井上順が所属していたバンド。
「ザ・タイガース」は沢田研二、岸部一徳、岸部シローがいたよね。
失神バンド「オックス」は真木ひでと、赤松愛だよって言っても、もう知らないか?(笑)
SNAKEPIPEも、もちろんその辺りにも探りは入れたし好きな音楽だったけど、のめり込むほどにはならない。
探していってぐっときたのは2つのバンドだったよ。 

「ザ・ダイナマイツ」の「トンネル天国」は「ザ・ファントムギフト」がカバーしていた影響で、曲自体は知っていた。
他の曲を聴いてびっくり!
60年代のバンドとは思えない演奏力、カバー曲選択のセンスなどに夢中になってしまった。
ギター・山口冨士夫のテクニックは他のミュージシャンに影響を与えた、という記載もあったので、全体レベルが高いバンドだったんだね。
今聴いても全く古臭さがないと思う。
いわゆる「GS」としては、すぐに名前が出てこないバンドかもしれないけど、通好みの本格派R&Bを聴かせてくれるよ!

「ジャックス」と検索するとクレジットカードのジャックスがヒットしてしまう。(笑)
バンドの「ジャックス」だからね!
Wikipediaによると「日本のサイケデリック・ロック・バンド」だって。
一番好きな曲「堕天使ロック」を載せてみたけど、大江健三郎の「見るまえに跳べ」にインスパイアされた歌詞は文学的で、歌い方は演歌調。
バンドの「怒髪天」より先にR&E(リズム&演歌)をやってる感じだよね。(笑)
ヴォーカルの早川義夫が怪しい雰囲気で、いかにも60年代的!
かなり濃い目のキャラクターだね。
どうやら「ジャックス」は活動していた時には、ほとんど支持されなかったらしい。
「ザ・スターリン」の遠藤ミチロウが影響を受けたと語っていたり、「ザ・ファントムギフト」も「ジャックス」の「いい娘だね」をカバーしてたっけ。
暗くて情念的な部分があるので、好き嫌いが分かれそうなバンドだけどね!
そう言えば「いかすバンド天国」に出た「ザ・ゴールデン・エッグス」、ライブ観たことあるんだけどね。(笑)
「ジャックス」の完全コピーやってたね。
全部一緒に歌ってしまったSNAKEPIPEだよ!

「ネオGS」では他にも「ザ・コレクターズ」や「ヒッピー・ヒッピー・シェイクス」など、人気のバンドがたくさんあったね。
未だに活動しているバンドもあるし、再結成ライブやってる情報もあるね。
今でも行ってみたいとしたら、やっぱり「ザ・ファントムギフト」と「ザ・ストライクス」かな。
ROCKHURRAHが一緒に行ってくれるかどうか?
そこが問題かな。(笑)

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【ストリート・ファッションの元祖?レザーで連想するのは映画「乱暴者」。】

SNAKEPIPE WROTE:

初夏の陽気になったかと思うと、突然真冬並の気温になったりする。
体が気温差についていかれなくなるよね。(笑)
そうは言っても桜の便りが届く時期になっているんだよね。
すでに咲いてる桜も見かけたし。
そろそろ厚手のコートやダウンは着られなくなるね。
この時期、上着として活躍するのはレザー!
ROCKHURRAHもSNAKEPIPEもレザーが大好き。
コーディネートを考えるのが楽しみだよ。

レザー・ジャケットの販売ページを見ているだけでも心が躍る。
素敵なデザインに出会うと物欲や創作意欲が刺激されるからね!
検索していると世界には驚くようなレザー・ジャケットがあるんだよ。
SNAKEPIPEのレベルではとても手が出せない高額品がいっぱいなの!
今回はそんなレザー・ジャケットを紹介してみようか。
ワクワクしちゃう逸品が勢揃いだよ!

最初に登場するのは英国を代表するブランド、バーバリーのPコートだよ!
あれ?レザー・ジャケット特集と言っておきながらコートだったか?
まあ、良いことにしよう。 (笑)
平置き画像だと分かり辛いと思うけど、着用写真になると素材の素晴らしさがよく分かる。
なんて軽そうで柔らかそうなんだろうねえ!
ベーシックで飽きがこないデザインも素材の良さを引き立てているね。
新鮮な食材に手を加え過ぎず、素材で勝負する料理人みたいな感じ?(笑)
SNAKEPIPEは一目惚れしてしまったよ。
さて気になるお値段は?
$5,750、日本円で約62万円!
うわっ、さすがに良いお値段だよね。
現在もバーバリーで販売中だけど、S,M,Lサイズは完売してるよ!
このクオリティなら60万出して購入する人が大勢いるんだねえ。

続いてもムートンになってしまったね。
時期的には冬物になるけど、これも一目惚れアイテムなので紹介しよう。
イタリアのハイ・ブランド、ドルチェ&ガッバーナのレザー・ジャケットだよ!
身頃にはハンドウォームポケットとフラップ付きのポケット、合計4つのポケットがあるところが秀逸!
更にSNAKEPIPEの心をくすぐるのはボタンの数が多いところ。
軍服っぽいシルエットもぐっとくるんだよね。(笑)
さて気になるお値段は?
$1,950、日本円で約21万円。
おや、そこまでの金額じゃないみたいだね。
換算間違ってないよね?
ドルガバでこのデザインのメイド・イン・イタリーならお値打ち品かも!
あ、メンズだったね。(笑)

ドルガバからはもう1点紹介してみよう。
ウエスタン・レザー・ジャケットと名付けられているジャケットだよ!
サボテンやピストル、薔薇が刺繍されていて強いインパクトがあるよね。
腕に入っている2本のラインとウエスタン・モチーフの融合が面白い。
画像で見ているより恐らく着用している人を直に見たほうが派手になりそうだよね。
日本人でこのジャケットを着こなせる人は、あまり多くないかもしれない。
お値段は$5,141、日本円で約55万円!
1回着たら「サボテンと薔薇の人」と記憶されてしまいそうだけど、世界のセレブなら1度の着用のためでも購入するかもね?(笑)

ジバンシィも頑張っているよ。
スタッズ付きのジャケット、カッコ良いなあ!
それにしてもジバンシィというのは懐かしい名前に感じてしまうSNAKEPIPEなんだよね。
60年代や70年代のイメージが強いせいで、現在でもファッション業界で名を轟かせていることに驚きを感じてしまう。
恐らくこれはSNAKEPIPEがその世界について詳しくないからで、業界通の人から見たら「何言ってんの?」というレベルなんだろうけど。(笑)
最近はイメージの若返りを図る老舗ブランドが多いのか、斬新なアイデアを持っている若手デザイナーを主任デザイナーに決定しているみたいだよね。
シンプルだけどスタッズが効いているD-1タイプのジャケットも、元々のジバンシィのイメージとはかけ離れているように思うよ。
ここで少し説明をしておくとD-1というのは、アメリカ空軍が1940年代に地上整備員用に支給したジャケットのこと。
そのデザインを参考にしているように見えるんだよね。
エレガントなイメージのジバンシィがミリタリー・テイスト、だから違和感があるのかもね?
お値段は$6,610 、日本円で約71万円!
ボマージャケットをスタイリッシュにデザインしている逸品。
これも欲しいなあ!(笑)
残念ながら既に完売しているようだね。

スタッズ付きなら負けてないのがこれ!
販売しているのはグッチだよ。
まるでパンクスが自作したライダースにしか見えないけどね?(笑)
一体いくつスタッズを打ち込んでるんだろうね?
その昔スタッズ打つのが趣味だったSNAKEPIPEなので、これだけの数を仕上げるのにどれだけ苦労するのかよく解っているつもりだよ。
製品の場合は手作業じゃないのかな?(笑)
このジャケット、素晴らしいのは前面だけじゃないんだよね。
見よ!このバックスタイルを!
ピラミッド・スタッズを正方形に仕上げているデザインが秀逸。
ROCKHURRAHが大昔に財布に打ち込んでいたのに似ているなあ。
グッチのデザイナー、ROCKHURRAHの真似をしたのかも。(笑)
お値段は$18,650 、日本円で約200万円!
おおっ、ついに最高額が出たね。
このお値段なのにネットサイトでは完売状態だよ。
世界にはお金持ちがたくさんいるんだねえ。
羨ましい限りだ。(笑)

ショップの前を通るといつも溜息が出るほど、うっとりしてしまう憧れのブランドであるリック・オウエンス。
カッコ良いけど、高くて買えましぇーん!(笑)
当然ながら一度も着たことがないSNAKEPIPEだよ。
そんなリック・オウエンスの中でも一際高額品だと思うのがこちら。
なんとワニ革のジャケットなんだよね!
襟や袖口と裾にはカンガルーの革を使用しているという。
着心地はどうなのかな?
硬いレザーという印象があるけど、どうなんだろう?
お値段は$53,925、日本円でなんと約575万円!
うひゃー!ついに500万を超えてしまったよ。(笑)
一体どなたが購入したのかな?
とても気になるよね!

ワニ革が出たので、別の素材も紹介しておこうか。
アイザック・セラム・エクスペリエンスというフランスのレザー・ブランドが販売しているのが、左のジャケット。
特に変わったところが見当たらないシングルのライダース・ジャケットだけど?
ん、んん?素材がイールスキン?
イールって、、、えっ!うなぎ!(笑)
画像では分かり辛いけど、うなぎの幅で縫い合わせてあるのが確認できるんだよね。 
調べてみると、どうやらイールスキンはヨーロッパにおいては幸運アイテムらしく、牛革より軽くて丈夫であり、様々なカラーに染めることができるとのこと。
食用にはならないアブラウナギを使用するんだって。
日本では例えば蛇革の財布が金運アップにつながる、のような感じなのかな?
お値段はなんと118万円!
日本で買った場合で調べたので輸入関税も含んでいるけどね。
それにしてもうなぎレザーに馴染みがないので、100万超えと聞くだけで驚いてしまう。
サイズがXXLとXXXL以外は完売だって。
うなぎ人気恐るべし!

高額レザーと検索すると、必ず1位になっているのがこれ!
ご存知マイケル・ジャクソンが「スリラー」の中で着用していたジャケットね。
このジャケットが2011年のオークションで$1.8 millionの値がついたという。
1.8ミリオンって180万ドル、現在のレートで約1億9,200万!(笑)
完全な一点物だし、マイケル着用だからねえ。
このジャケットだけは今まで紹介した物とは、話が違うよね。
例えばマリリン・モンローが着用したドレスがオークションで高額だった、みたいな話と同じだと思うけど一応載せておこうね。

あまりに高額過ぎると身に着けるのが怖くなりそう、と思ってしまうのは金持ちじゃない証拠か。(笑)
今回紹介したのは全てメンズなんだけど、SNAKEPIPEは欲しくなるジャケットがいっぱいだったな。
さあて、手持ちのジャケットお手入れして、着用に備えようか。
春はもうすぐそこだからね!(笑)

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【これらの者どもが映画で大暴れ】

ROCKHURRAH WROTE:

何回かブログ記事にも書いてるように本日、3月4日はSNAKEPIPEの誕生日でウチにとっては記念日となる。
おめでとう、SNAKEPIPE。
さらに3月6日は尊敬するミステリー作家、鳥飼否宇先生の誕生日なのだ。
おめでとうございます、鳥飼先生。
ついでと言っちゃ何だが3月5日はROCKHURRAHの兄の誕生日、おめでとう。

メデタイ日が続くという事で今週のブログはハッピーにまつわる曲を選んで・・・おっとっと、それは既に1月に書いてしまっていたよ。
では今回のはハッピーともバースデイとも関係ないけど、「映画の殿」にしてみよう。
このシリーズ企画「映画の殿」をROCKHURRAHが書くのも久しぶりで最後に書いてから2年くらいは経ってるみたいだね。

そもそも感想文みたいなのが非常に苦手なROCKHURRAH。
映画について素直に書くよりも、映画の中でかかった80年代ニュー・ウェイブについて、とか本筋とは関係ないところばかりに着目して今まで記事を書いてきた。
しかし好きだった曲がたまたま映画の中で使われるなんて、確かにそうそうある出来事じゃない。
偶然見つけたらメモっておいていくつか貯まったら書くという手法だから、そりゃ記事数が少ないのも当然だとは思うよ。

今回はパンクやニュー・ウェイブのミュージシャンが演奏シーンでもドキュメンタリーでもなく、役者として登場する映画を軽く書いてみようかな。さて、どんな名演技が飛び出してくるのか?

ROCKHURRAHが知る限り最もリアルタイムでパンクのミュージシャンが登場した映画はデレク・ジャーマン監督の「ジュビリー(1978)」だと思う。

元々はケン・ラッセル監督の下で働いてたという経歴を持つデレク・ジャーマン。
ケン・ラッセルと言えばイギリスのぶっ飛んだ映像で知られる異端監督だった。
ザ・フーのロジャー・ダルトリーを主演にした「トミー」や「リストマニア」などのいわゆるロック・オペラと呼ばれる作品でよく知られているね。
ROCKHURRAHはリック・ウェイクマン(イエスのキーボード奏者)による「リストマニア」のサントラを所有していたが映画の方はなぜか未見。

で、別にケン・ラッセルの下で経験を積んだからという因果関係はないだろうけど、このデレク・ジャーマンもパンク世代でパンク・ミュージシャンが出て来る映画を撮ったので、誰かが両者の映像美やエキセントリックさを比較した文章でも書いてないかと探したんだが、うーん、まるで期待したようなのは出てこないなあ。

デレク・ジャーマン作品は例えば80年代に読んでた音楽雑誌「フールズメイト」などでもちょっとした特集記事になるほど、ニュー・ウェイブ世代では比較的知られた監督だった。何で映画雑誌じゃなくて音楽雑誌で?と思われるかも知れないが、作品の音楽にややマニアックなミュージシャンを起用したり、プロモーション・ビデオを撮影したり、音楽にもこだわった映画監督であったからだ。
監督自身もゲイであり(エイズで亡くなった)LGBTの世界でも有名な人。

そこそこ文化的な街の品揃えのあるレンタルビデオ屋(まだDVDやブルーレイが主流になる前の時代ね)だったらコーナーがあるくらいのネームバリューだったけども、今現在はどうなんだろう?
この手の映画っていつもそうなんだけど、一番観たかった時には映像ソフト化されてなくて、忘れた頃に「遂に初DVD化」なんて事になって需要と供給の時期に大きな隔たりがあるのが常だよ。
「ジュビリー」がいつDVDになってたのかは知らないが、これを本当に観たかった時じゃないのは確かだと思う。
ちなみにSNAKEPIPEはかなり昔に劇場で観たらしいけどROCKHURRAHが最初に観たのはいつの話だろうか?全然記憶にないんだよね。

エリザベス1世が魔法の力で未来(1977年頃の英国?)にやってきてパンクでアナーキーな荒廃した世界を見て嘆く、というような大筋なんだけど、え?簡単すぎ?
実は途中で眠くなるような部分もあって、ストーリーの詳細まで覚えてないのだ・・・。それで特集しようと思う自体が無謀か。

エリザベス1世の生まれ変わりだと思われる暴力的な女(左の写真:後列のサングラス)とその一団のワルな女たちがメインで話が進んでゆくんだが、その中で主役級なのがジョーダンとして知られているパメラ・ルーク(左の写真:一番右)だ。

マルコム・マクラーレンとヴィヴィアン・ウエストウッドがロンドンで営んでいたSEX、セディショナリーズというパンク・ショップ、そこの名物カリスマ店員だったのがジョーダンらしいが、見てきたわけじゃないので詳細は知らない。
その店にたむろしていた中からセックス・ピストルズが出てきてロンドン・パンクが「単なる街の若者の流行」だけじゃなくなった時代の変革期、メディアに登場しまくったジョーダンの役割は大きかったんじゃないかな、と想像するよ。
彼女の髪型やメイク、ファッションを真似てロンドン・パンクの派手で過激な部分が出来上がったんだろうかね。
このジョーダン、初期アダム&ジ・アンツのマネージャーをやってたらしいが映画の中では演技もするし歌も踊りも披露して、存在感も抜群。
この顔立ちから想像も出来ない「意外な事にぽっちゃり体型」というアンバランスさも際立ってるな。なぜモデル体型になれなかったのか謎だよ。

この女軍団の中で一番やんちゃな役割を演じていたのがトーヤ・ウィルコックス(上の集合写真:真ん中のオレンジ短髪)だ。
キング・クリムゾンのロバート・フリップの奥さんとしてプログレ界では有名なんだけど、元々は1970年代の終わり頃、つまりパンクからニュー・ウェイブへの変換期にデビューした歌姫。
イギリスでは大ヒットしたシンガーで日本でもそこそこの人気と知名度もあったんだが、この映画の中ではまさにパンク真っ盛りのぽっちゃり娘でビックリしたもんだ。目つきは一緒なんだけど顔や体がコロンコロンじゃないか?
トーヤはモッズ映画として名高い「さらば青春の光」でも熱演しているがこの時もやっぱりぽっちゃりんこなんだよね。
ROCKHURRAHが知ってるニュー・ウェイブ時代のトーヤはもっとほっそりしてたはずだが・・・。
なぜ短期間にモデル体型になれたのか謎だよ。

意外なところでは80年代にベルギーのクラムド・ディスクなどからレコードを出していたハーマイン(上の集合写真:後列の横向き)がこんなパンク映画に出ていたので驚きだよ。
ニュー・ウェイブ世代のフレンチ・ミュージックみたいな感じの音楽をやっていてニコのソロっぽい雰囲気もあった。同時代のクレプスキュール(同じくベルギーのレーベル)などで活躍したイザベル・アンテナやアンナ・ドミノなどと比べると知名度も低く通好みだったな。
ROCKHURRAHが北九州から上京した頃は渋谷のアフタヌーンティーで友人が働いてて、その友人の同僚たちとも少しだけ交流があった。店内のBGMで流すようなのがそれこそ上記のクレプスキュール系やチェリーレッド(というレーベルがあった)系などのあまり自己主張しないようなネオ・アコースティックっぽい音楽だったのを思い出す。ハーマインもそういう流れで知ったアーティストだったな。
そんな80年代当時のおしゃれ系アーティストだったハーマインにもパンクやってた時代があったというのが驚きの理由だ。
5人の美女軍団の中では最も目立たなく、いつもアイロン掛けや拭き掃除をしてるという意味不明の役どころ。目立たないからなのか役名「Chaos」が頬に書いてあるので人名が覚えられないROCKHURRAHにとっては非常にわかりやすかったよ。なぜか劇中で綱渡りまで披露してくれるがそのココロは不明。

熱演というほどもなく、出てきてあっさり殺される役ではチェルシーのジーン・オクトーバーもいかにも「らしい」出演だね。
日本ではあまりレコードが出てない(この辺あまり調べてないから記憶のみで記述)から知らないパンク・ビギナーもいたはずだが、ごく初期にはジェネレーションXのビリー・アイドルやトニー・ジェイムスも在籍していたロンドン・パンクの大御所バンドだったのがチェルシーだ。
ジーン・オクトーバーの鬱陶しいまでの不敵さ、アクの強さやゴリラ顔もあって、バンドとしての存在感だけは抜群だね。
下のビデオのデビュー曲「Right To Work」や80年代になってからの「War Across The Nation」とかは個人的に今でも愛聴してる名曲だよ。

鬱陶しいインタビューが見たくない人は2分05秒くらいから見てね。
安っぽいビニールみたいなライダースとこのごつい顔で歌う代表曲がこれ。
パンクの中で強そうな人物と言えばストラングラーズのジャン・ジャック・バーネルを筆頭にシャム69のジミー・パーシィ、アンチ・ノーウェア・リーグのアニマルなどが思い浮かぶが、ジーン・オクトーバーはどうだろうか?パッと見は粗野なふるまいと顔立ちなんだけど、大口の割には意外と弱そうな気がする。物流系とかでも見た目はいかにもなのに大した事なくて粗野なだけ、というタイプがいるからね。
動きを見ていると脇のあたりにスキがあるような・・・などと格闘技評論家には言われてしまいそう。 

熱演はしているが出てきてあっさり殺されると言えば、ウェイン・カウンティも忘れちゃならない大役だね。
ニューヨーク・パンクが誇るドラァグ・クイーンで後に性転換して本気の人になるけど、この頃はまだエレクトリック・チェアーズという物騒な名前のバンドを率いてた。
後にスキッズのドラマー、さらにガーデニング・バイ・ムーンライトをやってたJ.J.ジョンソンもこのバンドの出身だね。
パンクとは言ってもロンドン・パンクとは違ったテイストを持つニューヨークのパンク。
その中でニューヨーク・ドールズを思わせるような毒々しいロックンロールで独自路線を築いたウェイン・カウンティが、なぜロンドン・パンク満載のこの映画に出てたのかは不明だ。
ロンドンが勝ってニューヨークが負けた、などという短絡的なものじゃないだろうけどね。

映画ではTVに映る演奏シーンと自分が出演するTV観ながら歌うようなシーンがあったが、その曲ではなく初期の代表曲を挙げてみた。鼻にかかった声とコミカルなパフォーマンス、行って楽しいライブなんだろうね。

「ジュビリー」に登場したパンク・ロッカーの中では最も大役だったのが若い頃のアダム・アントだろう。
アダム&ジ・アンツはニュー・ロマンティックの時代に海賊ルックで大ヒットしたアイドル系バンドの印象が強いが、アダム・アントは元々は(後の)ヴァイブレーターズのメンバーなどと一緒にバズーカ・ジョーというパブ・ロックのバンドをやっていたらしい。
このバンドは音源として残ってないのかな?
詳しい事はちょっとわからなかったが、パンク・ロッカーとして名高い人たちにも当然、パンク以前の時代があるという事だね。
アダム&ジ・アンツを結成した初期の頃は結構変わり種のパンク・バンドとして知られていた。
「Young Parisians」などはシド・バレット(ソロの時の)みたいな曲調でアダム・アントのルーツが垣間見える名曲だが、パンク時代の大衆には受けそうもない要素が満載。デビュー曲からこんなんでいいのか?とこっちが心配してしまうよ。
ちなみにジ・アンツの初期メンバーとアート・アタックスというパンク・バンドのメンバーが合わさってモノクローム・セットの原型が出来上がったというから、意外なところで意外な人脈がつながってるもんだね。 

映画の中でアダム・アントは、まだあどけなさの残る容姿でパンク・スターを目指すような役どころだったが、出演時間の長さの割にはセリフも少なく、無気力なのかナイーブなのかはにかみ屋なのか、とにかく何考えてるかわかりにくい青年を演じた。
役柄の性格のせいであまり熱演っぽくは見えないよね。
最後には警官二人に暴行を受け、生死がよくわからないままフェイドアウトしてしまう。
その損な役柄の褒美(?)としてなのか、ちゃんとした演奏シーンがあるのは嬉しい。

その他、ほんの意味不明のチョイ役でスリッツのメンバーらしいのもちょっと出てくる。嬉しそうに車を破壊するだけのシーンでパンクのデストロイを表現したのか?どこに出演してるのか探すのに苦労したよ。
さらに探すのに苦労したのがスージー&ザ・バンシーズだ。劇中でアダム・アントが眺めてるTVの中で演奏シーンがちょっと映るだけ、これで出演者と言えるのかいな?

これだけのメンツが出てきて、パンク好きとしては大満足、といいたいところだけど、何だかよくわからないシーンも多く説明不足の感があるのは確か。
この監督で最もわかりやすくてキャッチーな映画がこの「ジュビリー」だと思えるし、きっちりしたストーリーを追うタイプの映画ではないからまあそれでいいのかな。

以上、映画のテーマや内容については全く語ってないが、こういうのがROCKHURRAH流のアプローチだと思ってけれ。

実はこの後、もう一本別の映画について語ろうとしてたんだけど、今週はもうこれで時間切れとなってしまった。また別の機会があったら他の映画も特集してみるからね。

それではまた、ド・ヴィゼーニャ(ポーランド語で「さようなら」)。