Monthly Archives: 5月 2018

20180527 top
【アルモドバル版の純愛映画かな】

SNAKEPIPE WROTE:

2017年12月に「長年の夢が叶った」として書いたのは、スペインの映画監督であるペドロ・アルモドバルの作品「セクシリア」の感想だった。
他にも未鑑賞のアルモドバル監督作品があり、チャンスの到来を待っていたSNAKEPIPE。
ついにその時が訪れたのである。(大げさ)
今回鑑賞することができたのは、「マタドール〈闘牛士〉 炎のレクイエム (原題:Matador 1986年)」。
アルモドバル監督の5作品目ということになるのかな?
スペイン映画でタイトルに闘牛が入っていると、鑑賞前に勝手なストーリーを作ってしまうんだよね。
ところがアルモドバル監督「マタドール」は、SNAKEPIPEの想像を完全に裏切る物語だった!
トレイラーを載せてみよう。
※ネタバレしていますので未鑑賞の方はご注意ください

続いてあらすじね。

殺人にエクスタシーを感じる男と女の、極限的官能を描いた作品。
現役を引退したかつての闘牛士ディエゴに、青年アンヘルは教えを受けていた。
アンヘルは男らしさを誇示しようと、一連の未解決の殺人事件の犯人は自分だと嘘をつく。
しかし本当の犯人は、闘牛士時代のスリルから殺人を繰り返していたディエゴだった。
またアンヘルを弁護した女弁護士マリアも、セックス中の異様な興奮から男を殺していた…。

SNAKEPIPEは映画鑑賞前には、先入観を持たないようにするために、あらすじを読まない派。
何の予備知識もないまま素直に観るのが好みなんだよね。
今改めてあらすじを検索してみてびっくり!
最初からネタバレしてるんだもんね。(笑)
この文章を読むだけでは、アルモドバル監督のハチャメチャぶりを伝えることにはならないだろうし?
今まで鑑賞したアルモドバル監督作品と同様に、「マタドール」もかなりイカれてて、楽しめた作品だよ!

あらすじの中にある青年アンヘルを演じたのはアントニオ・バンデラス。
アルモドバル監督作品としては「セクシリア」以来の登場になるのかな。
本職(なんだか忘れてしまった)があるのに、母親には内緒で元闘牛士ディエゴの闘牛士学校(?)に通っているアンヘル。
闘牛士になるための学校があるとは知らなかったよ!(笑)
実はアンヘルは血を見ると気絶してしまう性質があるんだよね。
それなのに闘牛士を目指すって矛盾してるよ。(笑)
「セクシリア」では犬並みの嗅覚を持つ男、という役柄だったバンデラスだけど、「マタドール」でも不思議な役どころを演じていたよ。
なんと、超能力があるんだよね!
それも映画の後半になって急に能力に目覚めてしまうところが、アルモドバル監督らしい。(笑)
その能力のおかげでラストシーンに、うまくつながっていくところがさすが!
そんなハチャメチャを至極当然とばかりに取り入れるところが秀逸だよ。
それにしても、どうしてアンヘルは自分が犯人だと嘘を吐いたのかな。
あらすじには「男らしさを誇示」するためと書いてあるけれど、 ゲイではない証明が殺人犯になること、という発想自体違うように思ってしまうよ。

元闘牛士ディエゴを演じたのはナチョ・マルチネス。
闘牛の時、牛の角で突かれたために、今でも足をひきずっている。
映画のタイトルになっている「マタドール」とは闘牛士のランクの中で最高位で、この地位になるのは、全闘牛士の中でも1割程度だという。
ディエゴは闘牛の最中に「栄誉の負傷」をしたマタドールということは、恐らく英雄として讃えられる存在なんだろうね。
そんなディエゴは、ホラー映画に性的興奮を覚え、実際に殺人に手を染めている。 
英雄が殺人犯というあり得ないような設定がされているところがポイントだね。
イタリアの俳優マルチェロ・マストロヤンニに似ているように見えたナチョ・マルチネスだけど、なんと44歳の若さで亡くなっていたよ。
アルモドバル監督作品には、「ハイヒール」にも出演しているようだけど未鑑賞!
この作品も観たいんだよね。

殺人を自白したアンヘルの弁護士マリアを演じたのはアサンプタ・セルマ。
キリッとした美人でSNAKEPIPEの好み!(笑)
こんな弁護士がいたら大人気だろうな。
ところがマリアも秘密を持っている。
性的に興奮すると相手の男性を殺してしまう癖(?)があるとは!
こちらも弁護士が殺人という矛盾設定なんだね。
映画の冒頭でマリアが殺人を犯すシーンと、闘牛学校の講義がクロスするんだよね。
闘牛の技と殺人がリンクするようなカットが秀逸!
アサンプタ・セルマはアルモドバル監督の処女作とされる「ペピ、ルシ、ボンとその他大勢の娘たち」にも出演しているみたい。
これも未鑑賞なので、観たい1本なんだよね。
さっきから未鑑賞ばかりだね。(笑)

赤い服を着て中央に座っているのが、元闘牛士ディエゴの恋人でモデルのエヴァ。
エヴァ・コボという女優が演じていたね。
言われないとモデルだと分からなかったよ。(笑)
エヴァには矛盾点がないためなのか、上の3人とは関わりがあっても別種なんだね。
似た者同士のディエゴとマリアの結びつきの強さの前には太刀打ちできない。
これは性癖の問題なので、惨敗しても仕方ないだろうね。

画像中央にいる赤いシャツにヒゲの男性、アルモドバル監督ね。(笑)
またまた監督自身が登場しているよ。
どうやらファッション・デザイナーの役みたいだよ。
殺人要素を入れたファッション・ショーにするみたいだったけど?
「セクシリア」の時にも「血みどろ写真集」の撮影あったしね。
こういうブラック・ジョークが好きなんだろうね。(笑)

アンヘルの母親役はフリエタ・セラーノ。
初期のアルモドバル監督作品の常連女優で、「バチ当たり修道院の最期」ではレズビアンでヤク漬けの尼長だったね。
「神経衰弱ぎりぎりの女たち」ではアントニオ・バンデラスの母親役だったので、「マタドール」が原型だね。
「神経衰弱〜」の時には、ものすごくド派手な化粧をしているので、この画像とはまるで別人だよ。(笑)
宗教を第一に重んじ、世間体ばかりを気にする役どころ。
アルモドバル監督は宗教を取り入れることも多いよね。

モデルのエヴァの母親を演じたのはスペイン版浦辺粂子、チュス・ランブレアベ!
アルモドバル監督作品の常連で、間違っていなければ今まで8本に出演しているみたい。
これは俳優の中でのアルモドバル監督作品出演最多記録になるのかな。
決して主役にはならないけれど、印象に残る役が多いんだよね。
こんなにしっかり化粧しているチュス・ランブレアベは初めてかもしれない。

殺人を告白したアンヘルを取り調べる刑事を演じるのはユウセビオ・ポンセラ。
この刑事はゲイなんだよね。
闘牛学校に聞き込みに行った時の、視線は学生の股間に注がれていたよ。
アンヘルが自首してきた時にも、好色そうな視線だったし。
刑事の隣に写っているのはアルモドバル監督作品の常連、カルメン・マウラ。
警察関係者という設定で、なにかとアンヘルの面倒を見ていたよ。
公私混同して、アンヘルを抱きかかえたりしてたから、余程気に入ってたんだろうね。(笑)

アルモドバル監督は性の問題や宗教をテーマにした作品が得意だよね。
「マタドール」では(特殊な)性癖が最大のポイントになっていた。
SNAKEPIPEが一番初めにフェティシズムを描いた映画を観たのは、ジョン・ウォーターズ監督作品だったかもしれないな。
もしかしたらアルモドバル監督も観ていたかも?(笑)
そういえばジョン・ウォーターズ監督の「セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ (原題:Cecil B. Demented 2000年)」の中で、崇拝する映画監督の中にアルモドバル監督の名前も入っていたことを思い出す。
CULT映画ア・ラ・カルト!【06】JOHN WATERS part2」に感想をまとめていたね。
ROCKHURRAHが編集してくれたビデオがあるので、ご参照くだされ!

映画のラストで刑事以下数名が心中を止めるために奔走する。
ところがその日は皆既日食に当たる日だったんだよね。
あと一歩で2人を止められるというところで日食が始まってしまう。
全員が「あ、日食だ!」と空に目を転じた瞬間、心中が決行されてしまう。
このタイミングの絶妙さ!
「間に合わなかったけれど、2人はとても幸せそうだ」
という刑事の言葉で締めくくられ、映画は終わるのである。

三島由紀夫が「聖セバスチャンの殉教」に惹かれていたような感覚が、「マタドール」のフェティシズムに近い感じがする。
若者が痛みをこらえながら死にゆく様に「美」を見出し、憧憬を抱くのかもしれない。
苦痛や死に嘘がないところも魅力だろうと想像する。
こう考えると「マタドール」のフェティシズムも、決して理解できない種類ではないのかな?
劇中劇(映画内映画)でも愛する人の死に接するシーンがあったしね。

死に魅せられた、同じ性癖を持つ男女が惹かれ合う。
究極の愛を求め合うということは、すなわち心中になってしまうんだよね。
一般的には受け入れられないだろうけど、当人同士は真剣そのもの。
まるで大島渚監督の「愛のコリーダ」だよ。
SNAKEPIPEは、「愛のコリーダ」も「マタドール」も純愛映画だと思うな。
あえて漢字を変えるなら殉愛映画、とでも言うべきか?

32年前の映画「マタドール」、鑑賞できて嬉しかったな!

【建築の歴史が勉強できる色彩が美しいビデオ】

SNAKEPIPE WROTE:

大抵の場合、自分の好みで良し悪しを判断するSNAKEPIPE。
ブランド志向が強いわけではないので、Tシャツにブランドロゴが入ってるだけでは、なんとも思わないな。 
それでもやっぱりプロのデザイナーのデザインを見て、「さすが!」と感じることも多いんだよね。
今回の「SNAKEPIPE SHOWROOM」は建築家が手がけた家を特集してみよう。
どんな物件が登場するかな? 

最初に紹介するのは、現代アーティストが建築に関わった物件ね。
SNAKEPIPEは知らなかったけど、例えば金沢21世紀美術館などには常設展示されている作品もあるみたい。
アーティストの名前はジェームズ・タレル。 
紹介する物件は、ジェームズ・タレルの作品を中心とした造りになっているんだよね。
ジェームズ・タレルは光と空間を題材にした作品を発表しているという。
どんな感じなのか、youtubeに動画があったので載せてみよう。 

家にいながらにして、作品の鑑賞もできるとは素晴らしいよね。
この色の変化が自然に起きているとは不思議だよ。
非常にスピリチュアルな空間なので、瞑想するのにもってこいかも?(笑)

ラスベガスにあるこの物件は現MGM Resorts Internationalの会長兼CEOであるジェームズ・ミューレンのために設計されたという。 (写真①)
最小限の時間で環境に配慮して設計したのは、建築家のMarmol Radziner
ロサンゼルスとサンフランシスコに事務所を構え、65人以上の建築家やインテリアデザイナーなどを雇用しているかなりの大きな事務所のようで。
2016年には「最もホットな建築家」に選出されるほど、業界では有名な建築家なんだね。

その有名建築家と現代アーティストがコラボした物件だなんて、素晴らしいよね!
2階建ての室内には、4つのベッドルームと5つのバスルームがあるんだって。(写真④)
リビングは2階にあり、ワインセラーや劇場も完備。(写真⑤)
ハーブ菜園やフルーツ栽培などができる庭園もあると書いてあるのは、写真③の屋上部分かもしれないね?
前述したように、一番の目玉はジェームズ・タレルの作品ね。(写真⑥)
どんな状態で鑑賞するのか不明だけど、寝転んだり座禅組んだりして見上げる空。(写真②)
時間の流れ方が変わって、味わい深い人生が送れそうだね。
地下にもシアターがあり、バスケットボールのコートまであるとは驚き!

気になるお値段は?
$14.5ミリオン、日本円で約16億円也!
これくらいは覚悟してたけど、実際書いてみるとすごい金額だよね。(笑)
アート作品独り占めと思えば、お買い得かな?
ラスベガスでジャックポット出して買おうか。
もちろん掛け声は「ハローーーーーーォーーー!」だね。(ツイン・ピークス観た人だけ分かるネタ)

続いての物件はロサンゼルスにある、こちら!
「近代建築の巨匠」とされるフランク・ロイド・ライトに師事していた、ジョン・ラトナーが手がけているんだよね。 
なんて知ったように書いてしまったけど、調べてわかったことだよ。(笑)
映画「レス・ザン・ゼロ(原題:Less Than Zero 1987年)」 や、ミュージックビデオなどで使用されたことでも有名な物件なんだって。
特徴的な屋根から「Silvertop」という名前がついているよ。(写真④)
この円形が特徴的な物件は、「グーギー建築」というのかな。
ジョン・ラトナーが設計した「Googies」というカフェのスタイルが1940年頃から流行し、その様式をカフェの名前を使って「グーギー建築」とされたそうな。
まさに時代の最先端を走っていた建築家だったんだね!
確かに「古き良きアメリカ」を感じるよ。

「Silvertop」は、メイン・ハウスとゲスト・ハウスに分かれているらしい。
写真ではどこがメインなのか不明だね?
メインのほうで4,720平方フィート、約133坪の面積があり、3つのベッドルームに4つのバスルームが完備されている。
ゲストハウスにはベッドルーム、バスルーム、キッチンに加えて暗室があるんだって!
現在では写真を撮るのはデジタルになってしまったけれど、かつてはフィルムで写真を撮っていたSNAKEPIPE。
暗室付きの物件なんて聞くだけでワクワクしてくるよ!

ベッドルームにある暖炉には石が使われているのかな?(写真⑥)
バスルームは大理石なのかな。リッチだね!(写真③)
全体像が掴みきれなかったけれど、充分な広さとオシャレな設計だということは分かるよね。
この設計が1958年とは驚いてしまうよ。
こんな歴史的に見ても価値がある物件が売りに出されているなんてね!
お値段は$7.5ミリオン、日本円で約8億3千万円。
この物件にはやっぱりハリウッドで活躍する俳優に住んでもらいたいなあ!
玄関から出てくるだけでも絵になりそうだからね。(写真⑦)

まるで美術館のような物件はワインの生産で有名な、カリフォルニア州ナパ・バレーにあるという。 
広大な風景にポツンと建っているので、アメリカの景色とは思っていなかったよ。
この設計を手掛けたのはStanley Saitowitzという南アフリカ出身の建築家。
現在はサンフランシスコに事務所を構えているようだね。 

逆さにした「T」の文字を2つ、つなげたような設計なんだよね。
まるでコンテナを透明にして組み合わせたような感じ。(写真①)
倉庫のようなガランとした空間に憧れを持っているSNAKEPIPEには、たまらなく魅力的に感じるよ!(笑)
中央には中庭もあるようで、家庭菜園ができそうだよ!(写真③)
ナパ・バレーだったらブドウ栽培かな?
周りに見えるのが自然の風景だけ、という環境はストレスフリーだろうね。

ガラスの壁は動かせるようで、仕切ったり開放したり、空間の調整が自在だという。
そう説明されても、どの写真のどの部分なのかよく分からないよ。(笑)
百聞は一見にしかず。
早速問い合わせて見学させてもらおう!(うそ)

最後はルーマニアの物件ね!
これはRazvan Barsan + Partnersの建築なんだけど、他の作品をみていて驚いた。
ドイツのバウハウス・ミュージアムやヘルシンキのグッゲンハイム美術館の設計もやってるんだよね!
2番目に紹介した「Silvertop」に雰囲気が近いかな?

また丸いデザインを選んでしまったよ。
きっと何かがSNAKEPIPEを刺激するに違いない。(笑)

2013年7月の「SNAKEPIPE SHOWROOM 物件6」に書いていた文章なんだけど、今回も丸いデザインを2つもチョイスしてしまったことに気付く。
もしかしたら円盤に乗ってた過去でもあるのかなあ?(笑)

 生きた化石とされるオウムガイのフォルムからインスパイアされたデザインは、SFのイメージだよね。(写真②)
1階部分にはプールがぐるりと囲んでいるね。(写真③)
このプールで泳ぎ続けていたら、一体何m泳いだのか分からないよ。(笑)
室内の写真がなかったんだけど、温室やエンターテインメント・ルームなどがあるらしい。
エンターテインメント・ルームってなんだろうね。
ミラーボールが回っているステージとか?
この発想が古い?(笑)

SNAKEPIPEが持っているルーマニアのイメージと、 Razvan Barsan + Partnersの建築があまりにもかけ離れているんだよね。
ルーマニアといえばトランシルヴァニア、ドラキュラ伯爵のブラン城を思い浮かべてしまう。
宗教色が強くて、中世の建物に今でも住んでいるって勝手に想像してたからね。
それがこんなにモダンでカッコ良い建築があるなんてね!
 Razvan Barsan + PartnersのHPには、たくさんの作品が載っていて、観ているだけでも楽しかったよ。
SNAKEPIPEが家を建てる時は、Razvan Barsan + Partnersに設計を依頼しようっと。(笑)

久しぶりの「SNAKEPIPE SHOWROOM」 は、また新しい発見があって楽しかったね。
「グーギー建築」なんて言葉も初めて知って、勉強になったし。(笑)
例えば「ルネッサンス様式」とか「アール・ヌーヴォー」のような美術との関わりがある建築様式は知っているつもりだけどね。
次回は建築様式にスポットを当てて、物件検索するのも面白いかもしれないな!

【トレインと聞いて連想するのはこの曲だね!】

SNAKEPIPE WROTE:

久しぶりに「ROCKHURRAH紋章学」にしてみようか。
「紋章学」などと大それたタイトルを付けてはいるものの、特に学術的な要素はない。(笑)
パッケージデザインやラベル、会社のロゴなどを紹介するコーナーである。
もちろんSNAKEPIPEの琴線に触れたデザインでね!
今回は鉄道会社のロゴを集めてみたよ。
何故かといえば、それはもちろんSNAKEPIPEが鉄道ファンの鉄子だから!(うそ)
インダストリアルが好きなので、鉄鋼関係に関するデザインに興味があるんだよね。
今だったら「トレイン」と聞いて一番最初に思い浮かぶのは、3月下旬に鑑賞した「マイク・ケリー展」での「トレイン・ダンス」か。(笑)
未だに強烈な印象を残しているからね。
前置きはさておき、早速いってみようか!

最初に目に止まったのはこれ。
タイの鉄道会社STATE RAILWAY OF THAILANDのロゴなんだよね。
寺院と鳥の羽、てっぺんには太陽からの日差しが降り注いでいるデザイン。
いかにも仏教的で、これを会社のロゴに設定するところは、さすがにタイたい。(九州弁)
HPで使用されているのは涅槃像と象、そして寺院という三位一体に鉄道まで加わった画像なんだよね。
ちょっとてんこ盛りにし過ぎな感じはするけど、タイのイメージを前面に出していて、分かり易い。
微笑みの国、タイに行って鉄道に乗ってみタイね。(ぷっ)

次はクロアチアだよ!
とはいっても、、、クロアチアの公用語は「クロアチア語ラテン文字」らしい。
なんでクロアチア語だけじゃなくて「ラテン文字」まで入るんだろうね?
そのためHrvatske Željeznice Putnički Prijevozという名前の読み方すら分からないよ。
ロゴはこの名前の頭文字を取ってることだけは分かったけどね!
赤、水色、青の3色を使った記号(?)だけで表現しているシンプルなデザイン。
知らないと鉄道関係のロゴとは思わないかもね?
列車の車体にもロゴマークと共に周遊しているローマ、スウェーデン、リスボン、ハノイなどを代表する建造物や名所が描かれているところも秀逸。
大陸の場合には横断鉄道で東西南北移動できるからね。 
島国に暮らす日本人には珍しく感じてしまうけれど、大陸の人には鉄道で他国に旅行するのは当たり前なのかな。

いてはアメリカ!
シエラと聞くとMacのOSを思ってしまうね。
地名だから間違いではないか。(笑)
Sierra Northern Railwayはカリフォルニア州の主要工業地帯に位置し、鉄道輸送を行っている会社なんだよね。
このロゴマークからは物資の輸送をしている会社とは思わないなあ。
山脈の後方から太陽が昇り、その明るい方角に向かって道が続いているデザイン。
色合いもオシャレだし、明日への希望に満ちあふれている雰囲気だよね。
物資の輸送により、人々の暮らしが豊かになり、国の繁栄につながるからね。
カリフォルニア州の100マイル(約160km)の距離を輸送します、と謳い文句が書かれているよ。
右の画像の背景を見るとだだっ広い大地をひたすら走る黄色い列車は、まるで映画の中のワンシーンみたい。
例えば「パリ・テキサス」とかにありそうだもんね。(笑)

「グレート・ノーザン」と聞けば「ホテル」と答えるよね!
これはデヴィッド・リンチが手がけたアメリカのTVシリーズ「ツイン・ピークス」に出てくるホテルの名前ね。
そのためなのか「Great Northern Railway」に反応してしまったよ。 (笑)
もちろんこのロゴ・デザインもお気に入り!
赤・白・黒の3色のみ使用で、中央に鎮座しているのは(多分)シロイワヤギかな。
「ツイン・ピークス」の舞台になっていたカナダ国境近くのアメリカ近辺には、こんな野生動物がいそうだよね。
これはきっと北米の会社に違いないと思っていたのに、Great Northern Railwayはイギリスの会社だったんだよね!
これがその列車の画像なんだけど、この色合いとても素敵。 
オレンジとチョコレート色に黄色いラインなんて、ちょっとエルメスっぽいよね。
エルメスなんて縁がないのに、知ったかぶりして書いてるよ。(笑)
Great Northern RailwayのHPも紫が主体の変わった配色なんだよね。
日本の鉄道会社は、こんな冒険しないだろうな。

これまた縁がないであろう豪華絢爛列車だよ!
イギリスのチェシャー州に本社がある会社の名前は、なんとGOLDEN EAGLE LUXURY TRAINS。 
社名に「ラグジュアリー」って入ってるくらいだからね。(笑)
しかも王冠載せてる双頭の「金の鷲」がロゴだもんね。
これは最強クラス!
HPにはこの列車が企画したツアーがたくさん載ってるんだよね。
車内の様子が右の画像。
確かにラグジュアリーだよね。(笑)
試しにシベリアへのツアーを調べてみるとウラジオストク空港から4つ星ホテルに向かい、それからゴールデン・イーグル・シベリアン・エクスプレスに乗り、15日間の日程で旅をするんだって。
最終目的地はモンゴルで、ナーダム祭を鑑賞するという。
料金は最も高いインペリアル・スイートで5000ドル、日本円で約55万円だね。
ビザの料金や旅行保険、バーカウンターでのドリンク以外は全て料金に含まれているようだけど、そう考えると55万円というのはそこまで高くないのかも?
左が列車の画像なんだけど、素晴らしく美しいよね!
赤と青の配色の鮮やかさはもちろんのこと、タイヤが赤いところが素敵。
一番お手頃価格のシルバークラスなら16万円だって。
この値段なら手が出せるかもしれないね?

最後はカワイイのでしめようか。 
このロゴには何が描かれているのか、分かるかな?
アメリカの鉄道会社The Chess Systemが採用したのは、なんと子猫!
チェサピークとオハイオ鉄道のシンボルとして使われた人気のある猫で、ウィーンのアーティスト、Guido Gruenwaldによるエッチングから生まれたキャラクターだという。
1933年のFortune誌の「Sleep Like a Kitten」という白黒広告に初めて登場して以来、チェスシーの愛称で親しまれている子猫ちゃん。
比べてみると影絵になった状態がロゴに採用されているのが分かるかな?
なんとも微笑ましい寝姿に、見ているだけで心が和むよ。(笑)
日本で猫がキャラクターになったロゴで有名なのはクロネコヤマトだと思うけど、原画はあるのかな?
調べてみると、なんと!クロネコヤマトの原画も発見されていた記事があったよ。
しかも描いたのは当時6歳の子供だって!
ロゴマークに原画はつきものなのか?(笑)
これが列車にペイントされているロゴマーク。
車体横と先頭にも描かれているよね。
会社が合併したり統合されているようで、現在もこの機関車が走っているのかどうかは不明だよ。
名前も変わっているみたいだしね。
チェスシーのキャラクターは今でも愛されているようで、 チェスシーがプリントされたTシャツやマグカップなどが販売されているよ。
SNAKEPIPEもちょっと欲しいかも。(笑) 

鉄道会社のロゴをまとめてみたよ!
個性的なロゴに加えてHP上でのサービスやデザインも素晴らしかった。
記事にも書いたことだけれど、海外の場合は鉄道を利用した海外旅行が可能なので、夢が広がるよね。
検索していて楽しかったな!(笑)
 

20180506 top
【「隠蔽人類」映画版(想像)のポスターをROCKHURRAHが作成】

SNAKEPIPE WROTE:

NHKスペシャル「人類誕生」第1集が放映されたのが2018年4月8日のこと。
ヒトはどのように進化していったのかを探る全3回のシリーズである。
録画しておいた番組を鑑賞し、CGとは思えないほどのリアルな映像に驚く。
「人類誕生」第2集の放映も楽しみだね!

「人類誕生」を鑑賞して、しばらく経ったある日、ROCKHURRAHが興奮気味に叫んだのである。
「鳥飼先生の新作が出るよ!」
電子書籍「ジャーロ」に連載されている時は我慢して、1冊にまとまるのを待っていた小説の刊行である。
待ちかねていた、その時がやってきたのだ!
タイトルは「隠蔽人類」。
前述のNHKスペシャルとのシンクロを感じてしまうよね。
NHKスペシャルは恐らく多くの人が目にする番組だと思うし、日頃から人類について考えたり、思いを馳せる人ばかりではないはず。
大勢の人が日頃ほとんど耳にすることがないであろう「ホモ・サピエンス」という単語を意識した後、鳥飼先生の「隠蔽人類」が発売されるなんて、まるでNHKスペシャルとのコラボみたいじゃない!(笑)
鳥飼先生に追い風が吹いているように感じて嬉しくなる。
嬉しいサプライズにより新作を入手したことは、先週の冒頭でも書いていたね。
本当にありがとうございました!(笑)

鳥飼先生の新作「隠蔽人類」はどんなお話なんだろう?
光文社の紹介ページに載っていたあらすじを引用させて頂こう。

形質人類学者の日谷隆一率いる日本人学者の調査団は、アマゾン奥地の未接触民族キズキ族の村で世紀の大発見をした。
DNA分析から、彼らがホモ・サピエンスではない別種の人類、隠蔽種の可能性が見つかったのだ。
しかし沸き立つのもつかの間、調査団メンバーの一人が首を切断され、発見された。
調査団以外の全員にアリバイが。
犯人は──!? 
さらに、隠蔽人類と殺人の「秘密」は日本へ。
殺戮の連鎖が巻き起こり、探偵役が次々に死んでいく。
ことごとく読者の予想を裏切り、皮肉と逆説をはらんで疾走していく事件の展開。
誰にも結末を読ませない、圧倒的に面白い驚愕ミステリー!

アマゾン奥地で大発見、なんてワクワクするよ。(笑)
ROCKHURRAHは、タイトルと冒頭のシチュエーションから香山滋の「オラン・ペンデクの復讐」や昔の探偵小説でいう「魔境冒険物」を連想したらしい。 
SNAKEPIPEが思い出したのは、 鳥飼先生の「桃源郷の惨劇」。
外国を舞台にしていて、新種の鳥「ミカヅキキジ」を追うミステリーだったからね!
それにしても「隠蔽種」ってなんだろうね?

隠蔽種とは本来は別種であるが、外見上の区別がつかず、同一種として扱われていた種。
遺伝子の塩基配列などを調べる分子系統学的な手法で、別種の存在が明らかになることが多い。

似ていたから気付かなかったけど、よく調べてみたら別物だったということだね。 
簡単に説明し過ぎ?(笑)
本当はDNAやRNAやヌクレオチドとか遺伝子が、などと書くべきなんだろうけどね。
詳しく知りたい方は専門家の文章を参照してちょ。
「隠蔽人類」とは、人のように見えるけど、実は「ホモ・サピエンス」ではなかった人類ということなんだね。

「隠蔽人類」は5章からなる連作短編。
章ごとに感想をまとめていこうと思うんだけど、果たしてうまく書けるかどうか。(笑)
※ネタバレしないように書いているつもりですが、未読の方はご注意ください!

隠蔽人類の発見と殺人
綾鹿科学大学の形質人類学者である日谷隆一教授他、4人の日本人がアマゾンに行くところから話が始まる。
ということは「隠蔽人類」は「綾鹿市シリーズ」ってことで良いんだろうね?
「綾鹿市」という架空の地域で起こるミステリーは「綾鹿市シリーズ」と呼ばれ、鳥飼先生の代表的なシリーズとして有名なのである。
鳥飼先生のWikipediaがまだ更新されていないようなので確認できなかったけれど、新作は「綾鹿市シリーズ」だね!
綾鹿市は架空の都市だけど、地図が欲しくなるほどだよ。(笑)
何故、綾鹿科学大学の学者がアマゾンに行くことになったのか?
それはアメリカ人冒険家クリス・グロールの手記により、未接触部族の存在が明らかになったためである。
クリス・グロールにより、その部族はキズキ族と名付けられていた。
クリス・グロールが濁流に飲まれ不慮の死をとげたことにより、キズキ族についての詳細は不明なまま。
世界各国の人類学者がこぞってアマゾンに向かい、調査を開始するも発見には至っていなかったのである。

クリス・グロールというのはニルヴァーナだね、ROCKHURRAHが言う。 
アメリカのバンド、ニルヴァーナのメンバーだったクリス・ノヴォセリックとデイヴ・グロールの名前を組み合わせるとクリス・グロールになっちゃうよ! (笑)
よく分かったね、と感心するSNAKEPIPEに「初心者レベル」との返答!
鳥飼先生の小説には、名前の由来を解く楽しみも隠されていて、「痙攣的」や「爆発的」では夜な夜な謎解きに明け暮れたっけ。
「隠蔽人類」の登場人物も試行錯誤して考え続けていたけれど、日本の城や半島の名前が多い、ということしか見いだせなかった。
全員が城の名前じゃなかったので、恐らく不正解だろうな。(笑)

世界中の調査団はキズキ族を発見することができなかったのに、日谷チームは見事に発見し接触に成功する。
これだけでも充分な成果だけれど、日谷チームはキズキ族のDNAサンプルの入手にも成功し、驚くべき結果を目にするのである。
あらすじにもあるように、そこで事件が起こってしまうんだよね。

キズキ族は白人のような容姿で、アスリートのような引き締まった体型をしているという。
菜食主義で性格は温厚、富を蓄えるという概念がないなんて、それだけでもう人間じゃないかも。(笑)
部族の全員がお釈迦様みたいだよね。
キズキ族の一員になりたいかと聞かれたら迷ってしまうかもしれない。
ええ、SNAKEPIPEは欲にまみれて生きてますから。(笑)

綾鹿科学大学の准教授である尾崎が殺されてからの展開には驚いた!
まさかそんな秘密が隠されているとは。 

隠蔽人類の衝撃と失踪

日谷教授は、キズキ族の女性・ミラを伴って帰国した。
未接触部族というだけでも衝撃的なのに、ミラは美しくモデル並のスタイルの持ち主。
衣服を身に着ける習慣がないため真っ裸だというのもセンセーショナルだよね。
学術目的以上に、男性陣がこぞって見物にやってくるのも仕方ないかもしれないね?(笑)

そんなミラをイメージしてROCKHURRAHが作成してくれたのが一番上の画像。
「隠蔽人類」が映画になったら、という想定なので真っ裸にはしなかったという。
ジャングルと塩基配列をバックにした半裸体美女とはニクい演出だね。(笑)
いつも作成してくれてありがとう! 

第2章は密室に関するトリックが使われる。
完璧に思われたセキュリティを突破することができたのは何故か、という点がポイントかな。
第1章でも予想外の展開に付いて行かれるか不安になりながら読み進めてきたけれど、第2章でまたもや先が全く分からない展開になっていく。
SNAKEPIPEの頭で理解できるだろうか?(笑)

隠蔽人類の絶滅と混乱

混乱してしまったSNAKEPIPEは第3章を読んで安心する。 
第2章の顛末が説明されていたからだ。
内容を理解しないと読み進めることができないという、当たり前のことを改めて認識したよ。(笑)
これですっきりした気分で第4章に進むことができるね!

第3章にはロバート・ハンダという外国人留学生が登場する。
日本語が堪能な日系アメリカ人で、形質人類学を専攻している。 
日谷教授を紹介する時にも何気なく形質人類学と書いてしまったけれど、やっぱり調べてみようね。

人類やチンパンジーやゴリラなどヒト科の共通祖先からどのように原生人類が進化してきたのかを解明する学問である。
主に発掘された霊長類や人類の化石を対象に、その形態を分析する。
骨や歯の形態からその古人類の運動様式・食性・性・生活環境・社会構造などを明らかにする。

まさにNHKスペシャルの「人類誕生」なんだね。
どうしてロバート・ハンダが日本の大学に籍をおいているのかは不明だけど、第3章では大活躍する。
片言の日本語かと思いきや、かなり長いセリフを喋ってるんだよね。
ロバートのパートはカタカナ表記されているので、いつの間にか変なアクセントを付けて読み進めていることに気付く。
ケント・デリカットが喋ってるみたいな、ね。(笑)

いやはや、こんなにハチャメチャになってしまうなんて!
「芸のためなら女房も泣かす」(浪花恋しぐれ!古い!)
じゃないけど、善悪は後回しになっちゃうものなのかなあ?
成果を求めるあまり、行き過ぎた行動に出るジャーナリストを描いた映画「ナイトクローラー」を思い出したSNAKEPIPE。
「ナイトクローラー」のジャーナリストには共感する部分もあったから、そう考えると「隠蔽人類」での行動も納得できるかもしれない。
そうだよね、自分なりの目的あったら普通じゃないこともやっちゃうかもね。(笑)

隠蔽人類の発掘と真実

舞台は再びアマゾンへ。 
スペイン語が堪能で、生物に詳しい宮路司という翻訳家が登場する。
元・形質人類学教授だった父親と共に、キズキ族の村を探すためである。
恐ろしい鳴き声の正体をホエザルだと見抜いたり、飛んでいる鳥の名前を言ったりするシーンはまるで「観察者シリーズ」のトビさんが出てきたようで嬉しくなるね。
「観察者シリーズ」は2015年の「生け贄」が最後の刊行なので、3年前になるんだね。
またトビさんやネコに会える日が来ると良いな!(笑)

手がかりを得て帰国した宮路親子は驚愕の事実を知ることになる。
いや、驚いたのは宮路親子ばかりではない。
読んでいるSNAKEPIPEも顎が外れるほどだった。(大げさ)

ここまで「どんでん返し」が繰り広げられる鳥飼先生の作品は初めてだよ!

隠蔽人類の絶望と希望

最終章では綾鹿市を離れて、世界規模にまで広がりを見せる壮大なストーリーになっていた。
この章で、今までの疑問が解決することになる。 
まさかそんな事実が隠蔽されていたなんて!
「隠蔽人類」は章ごとの殺人事件と共に「DNA」に関するミステリーを合わせ持った小説だったんだね。
 生物学meetsミステリー、最後はSFになった感じかな?

実際に「ホモ・サピエンス」ではない、別種の人類が隣にいたらどうなるんだろう。
想像しようとしてもできないのは、全く経験がないからだろうね。
世界中の人が温和なキズキ族のようだったら、何の問題もなく全ての人類を受け入れるだろうけど。(笑)
隔離したり殲滅させようとする意見が出るのも納得できる。
前から虫が好かなかったとしたら尚更だろうね。

次々と探偵役がいなくなってしまう(光文社のあらすじより)「隠蔽人類」は、鳥飼先生の作品では初の試みかも?
アマゾンから始まり綾鹿市に移って、最終章ではインターナショナルな舞台に発展するなんて思いもよらなかったよ。

ROCKHURRAHが連想していた「オラン・ペンデク」や「魔境冒険物」とは全く違う作品だったね。
読み進める程に混乱し、死体はどんどん増えていく!
分かったと安心するのも束の間、新たな疑問にぶつかる、どんでん返しの連続だったね。
展開は急だったけれど、決して奇想天外ではない。
本当にこんな状況が訪れたら、と想像してROCKHURRAHとの議論が白熱したのは言うまでもない。(おおげさ)
驚愕しながら一気に読み進めた鳥飼先生の新作、楽しかった! (笑)