「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展」鑑賞

                   

【美術館前の作品を撮影】 

SNAKEPIPE WROTE:

今年の7月に書いた「好き好きアーツ!#26 DAVID LYNCH –「鬼才デヴィッド・リンチの新作版画/写真展」と「イメージメーカー展」」の時に、長年来の友人Mと
「次は竹橋の美術館に行こう!」
と約束をしていたのが今回鑑賞した「 現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展」である。
なんとも奇抜なポスターと風変わりなタイトルに、ふざけた内容を想像してしまったのはSNAKEPIPEだけではないと思う。
ウケを狙ってのことだろうけど、成功したのかな?(笑)

この展覧会は台湾資本の大手電子部品メーカー、ヤゲオ・コーポレーションのCEOを務めるピエール・チェンと家族、そしてヤゲオ・コーポレーションからの寄付金によって創立された非営利の組織であるヤゲオ財団が所有する美術コレクションの展示だという。
ヤゲオ財団なんて名前は初めて聞くし、台湾に現代美術の収集に力を注いでいる企業があることも知らなかった。
例えばそれは、SNAKEPIPEとROCKHURRAHが気に入っている、佐倉にある川村記念美術館のようなものか?
あの美術館はDIC株式会社がその関連グループ会社とともに収集した美術品を公開するために設立してるからね。
世界的に有名なソロモン・R・グッゲンハイム財団により運営されているグッゲンハイム美術館も同じ形態ってことになるんだろうね。
国が運営する国立系の美術館ではなくて、個人や団体がコレクションできるのは、余程の目利きで、更に購入できるだけの資金がある場合に限られるだろうから、好きなだけでは難しいね。(笑)

そんなSNAKEPIPEの心の声に応えるように、今回のヤゲオ財団コレクションには「サザビーズ」や「クリスティーズ」のオークションでの落札金額についての文章が記載されている。
実際に展示されている作品がいくらだったかということではなくて、同じタイプの作品の金額が提示されているのね。
いやはや、なんとも!
億超えなんて当たり前!(笑)
初めは入り口で手渡された小冊子を読まないで鑑賞していたけれど、途中で読んでしまったらもう大変!
友人MとROCKHURRAHとの3人で
「12億超えるって〜!」
「ひ〜!」
などと通常の美術展館賞の途中で話す内容とは違い、お金にまつわる生々しい会話になってしまうのである。
心なしか目つきまで変わってくるような?(笑)
そして金額の高低(低いとは言っても億超えだけど!)の違いを考えてしまったりして、やっぱりこの点も通常の鑑賞とは大きく異なっていたところ。
小冊子にも書いてあったけれど、単なる鑑賞者としてではなく、コレクターとして購入する側に立って観るというのは初めての経験だったと思う。
金額が書いてある=裕福さの誇示、ということではないんだよね。
その趣旨を理解した上で鑑賞に臨もうね!(笑)

東京国立近代美術館は2013年3月のフランシス・ベーコン展以来になるんだね。
展覧会開催が終わる直前の土曜日は、薄い雲が広がり、いつ雨が降ってもおかしくない天気だった。
この時期にしては気温は低め。
夏のお出かけには最適な日だったね!
東京メトロ東西線竹橋駅を下車して、ほんの数分で美術館に到着。
この近さはとても良いよね!
そしてチケット売り場に行く前に、目に飛び込んできたのがトップの画像にある立体作品。
マーク・クインの「スフィンクス」はスーパーモデルのケイト・モスがヨガのポーズを取っている作品である。
展覧会のポスターで使用されていた金ピカの彫刻も、同じくケイト・モスをモデルにしたヨガのポーズのタイプ。
立っていた警備員に撮影しても良いのかを尋ね、オッケーが出たので撮影する。
その後友人MとROCKHURRAHと3人共ケイト・モスと同じヨガのポーズを取り、作品の前で記念撮影。
良い年した大人がやることじゃないよね!
しかもSNAKEPIPEとROCKHURRAHはヨロける始末!
ずっと様子を見ていた警備員も笑っていたに違いない。(笑)

チケットを購入し、いざ会場へ。
一番最初に展示されていたのはマン・レイの油絵だった。
かなり漫画風に描かれた作品で
「トップからマン・レイの作品とは」
と少し驚く。
マン・レイと結婚し晩年を共にしたジュリエットの肖像である。
2010年8月に「マン・レイ展」に行ってるけど、油絵の印象はほとんどないなあ。
今回鑑賞できて良かったね!

それからも有名アーティストの作品のオンパレード!
フランシス・ベーコン、アンディ・ウォーホル、ロイ・リキテンスタイン、マーク・ロスコなどなど。
40作家、75点の作品が展示されているのは圧巻!
そして日本ではなかなかお目にかかれない、中国や台湾のアーティストの作品の展示もさすがに台湾の財団だからだね。
中では蘇旺伸(Su Wongshen)という台湾のアーティストの「川の桟橋」という作品が気に入ったな!

展示されている作品の中でとても衝撃的だったアーティストが2人。
1人はドイツのゲルハルト・リヒター
恐らくリヒターの作品は今までにも数点は鑑賞しているはずだけれど、これだけのまとまった数を観られるのは嬉しいね!
写真がブレたように見えるフォト・ペインティングを観るのは初めてかもしれない。
左の画像で抱かれているのはリヒター本人という「 叔母マリアンヌ」は1965年の作品。
インターネットの画像検索などでも簡単に作品を観ることはできるけれど、やっぱり実物を自分の目で観るのとはわけが違うよね!

リヒターの作品は他にも抽象絵画が展示されていた。
小冊子の説明にあったけれど、リヒターは現存する作家の中での最高落札価格を記録したとのこと。
Wikipediaにもエリック・クラプトンが所有していたリヒターの抽象絵画が約26億9000万円で落札されたなんて書いてあるしね。(笑)
金額を聞くと驚いてしまうけれど、実物を観ると確かに部屋に飾りたいなと思ってしまうね!
いつ買えるんだろう?(笑)

鑑賞できて嬉しかったもう1人のアーティストはロン・ミュエク
実はロン・ミュエクの作品は写真集でしか観たことなかったんだよね。(笑)
左の「若者」は、まるで黒人青年のポートレートのように見えるけれど、実はハイパーでスーパーでリアルな彫刻なんだよね!
そして更に驚くのは、この作品は高さが65cmしかないこと!
まるでミニチュアサイズの人間が、台の上に立っているかのような不思議な感覚に襲われてしまう。
Tシャツやジーンズまで、ここまで小さく精巧に作れるのか?
あまりの出来に3人でじーーーっと近付いて観ていたら、
「もう少し離れて頂けますか」
と係員から注意されてしまった。(笑)
ロン・ミュエクはもう1点「若いカップル」という、こちらもミニチュアサイズの若い男女の作品も素晴らしかったな!

展覧会ではヤゲオ財団のCEOであるピエール・チェンの自宅の様子も展示されていた。
惜しげも無く飾られている現代アート!
バスルームやリビングに、世界的に有名な彫刻や絵画があるのってどんな感じだろうね?
SNAKEPIPEもブログの企画としてSNAKEPIPE MUSEUMをやっていて、自分で美術館を持って展示するなら買い取りたいなという作品紹介をやっている。
それが現実になったらすごいことだよねー!
SNAKEPIPEが知らないだけで、きっと世界には大金持ちが道楽でコレクションしてる人いるんだろうなあ。
またどこかで企画して作品みせて欲しいよね!

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