好き好きアーツ!#35 Alex de la Iglesia part2

                   

【 どちらもイエローが印象的なポスターだね!】

SNAKEPIPE WROTE:

今回の「好き好きアーツ!」はアレックス・デ・ラ・イグレシア監督の第2回目。
前回のイグレシア監督作品は「刺さった男」と「スガラムルディの魔女」を特集したんだよね。
その2作品は2011年と2013年に公開された、イグレシア監督の中では最近のもの。
今回は少し時代をさかのぼって、2つの作品を紹介しましょ!

まずは「13 みんなのしあわせ(原題:La Comunidad  2000年)から。

簡単にあらすじを書いてみよう。

不動産会社で分譲アパートのセールスをしている女性ジュリアは、ひょんなことからとあるアパートに住む一人暮らしの老人の死に遭遇する。
この老人、なんと3億ペセタの大金を20年間隠し持っていたのだ!
ジュリアは偶然その事実を知り、アパートからの持ち出しを図ろうとするが、同じアパートの住人たちもその大金の存在を知っていた。
果たしてジュリアは大金を持ち出すことができるのか?

主人公ジュリアを演じたのはスペインを代表する女優カルメン・マウラ
アルモドバル監督作品でもお馴染みだよね。
あらすじにあったように、不動産のセールスをやっているんだけど、よくも次々と取り繕いながら嘘八百が言えるなあと感心しちゃうほどのお喋り上手。(?)
この映画が15年前の作品ということは、カルメン・マウラが55歳くらいなのかな?
そんな熟女、カルメン・マウラのシャワーシーンも見逃せないよ!(笑)

一癖も二癖もある住人たちだけど、その中でも印象的だったのがスター・ウォーズ・オタクのチャーリー。
エドゥアルド・アントゥニャという俳優が演じているんだけど、前述したカルメン・マウラのシャワーシーンで身悶えするんだよね。
ちょっとマザコン気味のオタクを見事に演じていたよ。(笑)
イグレシア監督がカルロス・アレセスに出会っていなかったら、エドゥアルド・アントゥニャが「気狂いピエロの決闘」の主役に抜擢されていたかもしれないよね?
スペインではハゲ・デブ系俳優が台頭してることが分かるよ。(笑)

大金持った老人の死を待ちわびていた住人たち。
狙われているのを知っていた老人は一歩も外に出なかったという。
そもそも3億ペセタって日本円でいくらなの?
現在はユーロに変わり、ペセタという通貨は使用されていないので、はっきりは分からないけど日本円で2億5千万くらいなのかな?
間違っていたらスミマセン!
老人が死んだら住人たちがお金を奪おうとしていたんだね。
笑顔で近付いてくる人には要注意、という教訓を知ることができるね。

ほんのちょい役なんだけど、アントニオ・デ・ラ・トーレも出演していたね。
カフェのボーイの役で、ちゃんとセリフもあったけれど、よく観てないと見逃してしまうかも。
アントニオ・デ・ラ・トーレは主役も脇役もこなす俳優で、役ごとに全く違う顔を見せるスペイン版デ・ニーロといったところか。
かなりの数、スペイン映画を観ているので過去の作品の中に知った顔を発見することもあって楽しい。(笑)

「13 みんなのしあわせ」のタイトルバックもとてもスタイリッシュだったね。
3つのシーンをROCKHURRAHが編集してくれたのが右の画像ね。
ちょっとカクカクした動きにして、昔のホラー映画のように仕立てた逸品!
イグレシア監督のタイトルバック集があったら、エンドレスで流しておきたいくらい。
「13 みんなのしあわせ」はお金をめぐるドロドロした映画には違いないんだけど、笑いあり、ちょっとエロあり、アクションありのスペイン映画らしいミクスチャーが楽しめる作品だね。
カルメン・マウラの体当たり演技には感心しちゃうよ!(笑)

続いては「マカロニ・ウエスタン 800発の銃弾(原題:800 balas 2002年)」ね。

最初にあらすじから。

かつてはマカロニ・ウエスタンのロケ地として栄えたスペイン・アルメリア地方の撮影所「テキサス・ハリウッド」。
ブームも去った今は、元スタント・ガンマンたちがしがない実演ショーで細々と食いつないでいた。
そんなある日、ウエスタン村の座長を務める元スタントマン、フリアンのもとに、彼の孫だと名乗る少年カルロスが現われる。
最初はカルロスを邪険に扱うフリアンだったが、やがて少しずつ心を通わせていく。
そんな時、カルロスの母ラウラが進めている土地買収事業の候補地に、フリアンのウエスタン村が突如浮上してくるのだった。

マカロニ・ウェスタンというジャンルは、本当はROCKHURRAHの得意とするところ。
大好きだったらしくて、次々と俳優や監督の名前が出てくるよ。
イグレシア監督もマカロニ・ウェスタンへのオマージュとしてこの作品を作ったのかな。
あらすじにあった「テキサス・ハリウッド」は実在するテーマパークなんだよね。
HPにある画像中央には、今回紹介している「マカロニ・ウエスタン 800発の銃弾」の主人公フリアンの姿も見える。
フリアンを演じたのはサンチョ・グラシアという60年代から俳優として活躍している大ベテラン。
どうやらマカロニ・ウェスタンの俳優としても有名みたいだけど、日本のページでは詳細がわからなかったよ。
かつてクリント・イーストウッドのスタントをやっていた、という設定でウエスタンをこよなく愛する人物を好演していたね。
2012年に亡くなっているようで、とても残念!
頑固だけど、本当は気が優しい役をもっと見たかったな。

先に書いた「13 みんなのしあわせ」に続き、なんと今作でもカルメン・マウラが登場してるんだよね。
「スガラムルディの魔女」にも出演していたし、イグレシア監督の常連でもあるんだね。
今回は小学生くらいの男の子の母親で、あらすじにある土地買収を行っているラウラという役どころ。
元スタントマン、フリアンとは因縁のある関係なので、フリアン側に立ってしまうと嫌な女になってるよ。
それにしても小学生の母親役にはちょっと無理があったような?(笑)

「テキサス・ハリウッド」にいるフリアンの同僚たちも、みんな良い味出してるんだよね。
保安官と「ならず者」、絞首刑にされた人、棺桶屋などそれぞれが自らの役に成り切ってショーを盛り上げている。
クリント・イーストウッドとの思い出の品を展示しているコーナーもあり、かなりインチキ臭くて面白い。
日本にもかつて鬼怒川に「ウエスタン村」があったけれど、2006年より閉鎖されているという。
ウエスタン大好きなROCKHURRAHですら一度も訪れたことがなく、未だに後悔しているとか。
今からだったら、スペインの「テキサス・ハリウッド」に行ってみようか?(笑)

この作品のタイトルバックもカッコ良かった!
モノクロと赤、という非常にシンプルな色使いが効果的なんだよね。
左は撃たれて倒れる人物をモンタージュしたシーンを、ROCKHURRAHが3つ並べて編集したもの。
今までこんな映像を観たことがない!
イグレシア監督独自のセンスなんだろうね。
かなり衝撃的で驚かされたよ。
この映像だけでも観る価値あり!だよね。

ROCKHURRAH註:ジュリアーノ・ジェンマの「怒りの荒野」のタイトルバックに近いセンスを感じる。
映画が始まる前のタイトルバックの重要さは前回も語っているけれど、本で言えば装丁だと思うし、DVDのパッケージでも同じことが言えるよね。
ジャケ買いしたくなるかどうか、の判断基準になると思うな!

「 マカロニ・ウエスタン 800発の銃弾」も「13 みんなのしあわせ」も、どちらも「戦い」を描いている映画だったよ。
かたや自分の信念を貫くため、かたやお金を奪取するためという違いはあるけどね。
イグレシア監督の作品はブラックな要素がたくさんあるのに笑ってしまう、ジャンルに囚われないところが良いんだよね。
次回の「好き好きアーツ!」もイグレシア監督の作品を特集する予定だよ!
どうぞお楽しみに。(笑)

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