伊藤公象  秩序とカオス展

                   

【魚の集合?菊の花?一体何に見える?】

SNAKEPIPE WROTE:

世間はお盆休み。
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEもどこかにお出かけしよう、と思いついたのが東京都現代美術館
ここは以前「ダイドー・ブランコ・コーヒー」の時にも行った周りが大きな公園のある非常に立地の良いリッチな美術館である。(げっ、以前と同じギャグ!)
現在開催している企画が「伊藤公象~秩序とカオス」展、同時開催が「メアリー・ブレア」展とのこと。
メアリーの方はあまり興味があるタイプではないようなのでパス。
久しぶりに現代アートに触れてきた。

現代美術といわれてもそんなに詳しくないし、立体を扱う日本のアーティストはほとんど知らない。
実は今回の伊藤公象の名前も初耳だった。
作品の雰囲気からてっきり若い世代なのかと思いきや、なんと1932年生まれというから今年77歳、活動歴の長いアーティストだった。

土をこねて造るいわゆる「陶芸」とはかなり雰囲気が違うけれど、伊藤公象の作品の素材はほとんどが土からできている。
それらはまるで布や石、または金属に見えたりして、とても陶芸品には見えない。
ちょっとトリックめいていて面白い。

今までほとんど現代美術展を観たことがないROCKHURRAHが
「えっ、作品を床とか地面に直接置いてるの?」
とびっくりしていた。
例えば上の写真の作品なども台の上に置いてあったわけではなく、歩いているカーペットの上に直接並べられていたのである。
「きっと毎回展示の度に形が変わってるだろうね」
などと笑っていた矢先に、それが事実であることが発覚!

なんと<アルミナのエロス(白い固形は・・・)>という作品は1984年制作の時の写真と、今回展示されていた作品とは大きく違っていたのである。
恐らく並べたり撤収したりを繰り返しているうちにどんどん作品が崩れていったのだろう、白いレンガの塊だったはずがボロボロになって廃墟のように変化している。
解説にも「自然の作用を採り込む有機的な創作の世界」と書いてある。
うーん、モノは言いようですな。(笑)
時と共に作品が変化する、というのは今まであまり経験ないかも。
ただ、確かにその崩れた後の今回の展示のほうが1984年版よりもSNAKEPIPEは好みだった。
陳腐な言い方だけど「終末感」が感じられたからだ。

他にとても気になったのは同じように土から造った焼き物にプラチナを吹き付けた、というまるで金属にしか見えないようなピカピカのシルバー群。
群と呼ぶほどの、一体いくつあるのか分からないほどのたくさんの造形物が所狭しと並んでいる様は圧巻である。
そう、伊藤公象の作品はほとんどが「群」で構成されているのだ。

一つだけ置かれていたらあまり気に留めないかもしれないけれど、まとまって集合体になると非常に迫力が出てくる。
まるで一つ一つに意味があるんじゃないか、全体で観た場合はどうだろう、などと考えたくなってくるから不思議だ。
ま、そういうところを含めて現代美術なのかもしれないね。
SNAKEPIPEもROCKHURRAHも「ごたく」やら「うんちく」のような理屈(屁理屈?)が必要なアートにはあまり興味がない。
むしろ言葉を必要とする、能書きばかりの作品はアートにしないで文章の世界に入ればいいのではないかと思う。
言葉にできないからアートにするんじゃないか、と考えるからだ。
伊藤公象展は解説がなくても観た瞬間に
「わっ!すごい!」
と思えるアートの根源が感じられて充分に満足できた。
行って良かったな!

常設展として現代美術館所蔵作品が観られるスペースに面白い作品を発見。
伊藤存というアーティストの「しりとりおきもの」という作品。
「りんご」→「ゴリラ」とたどって行った先にあったのは
「ラモーンズ」!
恐らく「しりとり」をクリアできた人は少ないのでは?
だっていきなりラモーンズが入るのは例外だろう。
その次は「頭脳」だったし。(笑)

やー、今回は二人の「伊藤」にやられちゃったね!
現代アートは楽しいな!(笑)

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