Alligatoo Boogaloo展鑑賞

【Lou DonaldsonのカバーをしたGSバンド、ホワイト・キックス】

SNAKEPIPE WROTE:

ちょっと気になる展覧会があるよ、と長年来の友人Mが知らせてきたのはいつだったのだろう。
情報収集能力に優れている友人Mは、びっくりするほどのアンテナを張り巡らせているようだ。
そして「行ってみたい」「観てみたい」情報をSNAKEPIPEに知らせるのである。
ROCKHURRAHも負けない収集能力があるので、2人から様々な情報が入るSNAKEPIPEは良いご身分だよね。(笑)
2人には本当に感謝しているよ!
そして友人Mとは、できるだけ多くの展覧会や映画を鑑賞することを約束している 。
実際に自分の目で観てから感想を言うことをモットーにしているからね!

今回友人Mから「面白そう」と提案されたのが、神田にあるTETOKAで開催されている伊藤桂司佐藤ブライアン勝彦による2人展「Alligatoo Boogaloo」である。
あれ?このタイトルって有名な曲「Alligator Boogaloo」?
あっ、「Alligator(アリゲーター)」が「Alligatoo(ありがとー)」になってるわけね!(笑)
ということで今回は寺尾聰がいたGSバンド「ホワイトキックス」のバージョンを冒頭に載せてみたよ! 

ギャラリーも初めて聞く場所、2人展の2人の名前も初耳だけれど、提示された作品はなかなか面白そうだった。
左の画像がその作品なんだけど、キレイで不気味で不思議な雰囲気!
これは好みのタイプだね!(笑)
SNAKEPIPEだから蛇には目がないし。(うそ)
行ってみたいけれど、ギャラリーのオープン時間は16時からのよう。
TETOKAは「カフェとギャラリーを併設したオルタナティブスペース」とのことなので、お茶を飲んだりお酒を片手に作品鑑賞を楽しんでね、という渋谷にあるアツコ・バルー方式みたいだね。
ワンドリンク制というところも同じだし。

夕方からのオープンなので、怪しい3人組には珍しく待ち合わせ時間を18時に設定する。
夜に初めて行く場所を探しながら歩く、というのは大変なことだよね。
TETOKAのHPにはJR神田駅から徒歩5分といった簡単な説明と地図だけが載っていて、何番出口を出て左折する、といったような詳細については皆無!
自他共に認める方向音痴のSNAKEPIPEは、1人だったらきっと永遠に辿り着けないだろうね。(笑)
SNAKEPIPEより少しはマシといったレベルのROCKHURRAHにも難しいかもしれない。
ここで登場するのが方向感覚に優れた友人M!
一度行った場所は記憶しているし、初めての場所も優秀な嗅覚と抜群の勘の良さも手伝い、迷うことが少ないのである。
今回も「あっちの方向!」「2本目を左折!」 などと適切な指示を飛ばし、怪しい3人組は無事にTETOKAに到着したのである。

ガラガラと音を立てて引き戸を開ける。
引き戸がお店のドアとは、これまたレトロ!
紙の倉庫だった古屋をリノベーションしたと書いてあるけれど、どこまで手を加えたんだろう?
とてもオシャレな空間が広がっていて、近所にこんなカフェがあったら良いなと思わせる居心地の良さ。
古道具も扱っているようだけれど、どこからどこまでが売り物なのか判別できない。
本や小物が壁一面を飾っていて、雑多だけれどお店の人が好きな物を集めている感じが分かる。

「展示をご覧になるのでしたら飲み物、注文頂かなくても良いですよ」
TETOKAの女性が言う。
いえいえせっかくですから、と3人揃ってアルコールを注文。
グラスもレトロでとてもかわいい。
空きっ腹には効きますなあ。(笑)
ROCKHURRAHと友人M、そしてSNAKEPIPEという3人組は、恐らくかなり印象に残るチームなのではないだろうか。
「怪しい3人組」と命名するのも、決して間違っていないように思う。
今回はこじんまりしたギャラリーだったので、TETOKAのにこやかな女性も忘れないだろうね。(笑)
しばらく談笑した後、店内に飾られている作品を観ることにする。

右の画像を「まるでSNAKEPIPEが描いた絵のよう」と評したのは友人M。
確かに!
ここまで明確な意図の絵ではなかったけれど、友人Mの言いたいことは分かるな。
シュルレアリスムという言葉や運動について知らなかった頃、こういった雰囲気の絵を描いていたっけ。(遠い目)
油彩というのがせっかちなSNAKEPIPEには合わなかったけどね!
乾くのが遅くてイライラしちゃうんだよ。(笑)
右の作品にはシュルレアリスムも感じたけれど、きっと影響を受けているだろうなと思ったのは横尾忠則かな。
似た雰囲気の作品があったから余計にそう思ったんだけどね。

TETOKAでは「PHOTO SNS WELCOME」と最初から明記されていたので、断ることもなく撮影させて頂いた。
先日「NAVERまとめ」でも問題になった著作権の問題だけど、SNSやブログ等で取り上げるというのは、お店側から見れば宣伝だもんね。
良薬は口に苦し?あれ?
諸刃の剣?ん?
用は使い方次第で毒にも薬にもなるってことだよね。(笑)
骸骨が裸体美女に襲いかかろうとしている作品、天井近くでじっくり鑑賞できなかったのが残念!
ROCKHURRAHに頼んで、もっと近づいて撮影してもらえば良かったなあ!

上に載せた迷彩服の男の絵も戦争をテーマにしているけれど、右もアラブ系の顔を隠した戦士(?)達を記念撮影したような作品だよね。
不安とか恐怖といった暗く陰鬱な印象で、とても好きなタイプだよ。(笑)
今回の展示は伊藤桂司と佐藤ブライアン勝彦がコラボした作品と、ソロとして制作した作品とが混ざっていたようで、「コラージュ」をテーマにしているという。
意図的になのか、今までもずっとそうだったのかは不明だけれど、全ての作品にタイトルがない!
タイトルがないことは「観る人に自由を与える」ことにもなるけれど、「全くヒントがない」ということになるんだよね。(笑)
そのため右の作品の作者の意図は不明のままだよ!

ーマである「コラージュ」を全面に打ち出していたのが左の作品。
大きさはA4サイズ程度だったかな。
実は最初に載せた蛇の作品もフォト・コラージュだったんだよね。
大きさも同じようにA4ほど。
1910年代から始まるダダイズムで、多く取り入れられたのがフォト・コラージュだった。
この時代のフォト・コラージュは大変素晴らしくて、 ROCKHURRAHはマックス・エルンストのコラージュ作品をパソコンの壁紙にしているほどの大ファン!
2013年8月に書いた「SNAKEPIPE MUSEUM #22 Hannah Hach」で取り上げたのはドイツのダダイストだったハンナ・ヘッヒ。
ハンナ・ヘッヒはフォト・コラージュが得意で、素晴らしい作品をたくさん残しているんだよね。
そのブログの中でSNAKEPIPEは書いている。

素材や材料の違いだけではなく、その時代の空気感を纏い、情熱の持ち方が作品に反映され、重要なエッセンスになっていたのではないだろうか。
特に戦争中の作品などは「これが最後になるかも」といったような切迫感を持ちながらの制作には鬼気迫るものがあったに違いないだろう。

なんだか評論家みたいな文章だよね。(笑)
ダダイズムのフォト・コラージュの魅力について考察してみたんだけどね。
今回鑑賞したフォト・コラージュには当然のように「時代の空気感」や「切迫感」はない。
そして先人達が既に素晴らしい作品を発表しているので、新たなる驚きを鑑賞者に与えるのは非常に難しいだろうと思う。
そんな困難を乗り越え(?)上手くまとまった作品だな、と感じた。
日本でもこんな作品を作る人がいるんだ、という驚きがあったよ!
あわわ、京都造形芸術大学教授に対してSNAKEPIPEが言うのは失礼だったね!(笑)
全作品数は20点程で少なめだったけれど、鑑賞できて良かった展覧会だった。

2016年のブログはこれで終わり。
今年も1年が速かったなあ!
2016年のニュースといえば…。

1:大ファンの鳥飼否宇先生が本格ミステリ大賞を受賞されたこと!
鳥飼先生、おめでとうございました!
これからも応援していきます。

2:長時間並んで伊藤若冲展を観たこと!
2015年から楽しみにしていた展覧会が、まさかあんなに大人気になるとは予想していなかった。
伊藤若冲は素晴らしかったので鑑賞できたのは嬉しかった。
残念だったのはニュースにもなった大行列!
あんな経験はもうしたくないなあ。

3:そして今回の「 Alligatoo Boogaloo展」鑑賞の後、「丸五」のとんかつを食べたこと!(笑)
「丸五」とは秋葉原にある、とんかつ好きにはお馴染みの行列ができる店として有名なのである。
美味しいお店情報も収集するのが得意な友人Mは、以前から「行きたいお店」として提案していて、今回やっとその約束が果たせたんだよね!
実はSNAKEPIPEは以前行ったことがあり、その味に感動したことがある。
「丸五」、相変わらず美味しかったなあ。
並んで待つ時間はあったけど、食べられて良かった!(笑)

4:もう一つ忘れちゃならないのは、このブログを丸10年続けていること!
毎週欠かさず10年だもんね。
自画自賛だけど、これはすごいことですよ。(笑)
2017年も相変わらず趣味の話題満載で書いて行く予定なので、よろしくお願いします!
では皆様、良いお年を!

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