闘うバンドのユニフォーム

                   

【ミリタリー系が最も似合わない人達を徴兵してみました】

ROCKHURRAH WROTE:

SNAKEPIPEやROCKHURRAHの書くこのブログ、最近の記事でも明らかな通り、以前から大好きだったミリタリー・スタイルにますます傾倒している。
ちょっと前はミリタリーも取り入れたパンクの服装だったのがだんだんエスカレートしてゆき、今ではどちらかというとミリタリーの方が主になってしまったようだ。本格派の人からすれば「何を今更」と笑われてしまうし特にポリシーもないんだが、機能的で動きやすく快適な服を求め、その究極はやはりミリタリーかアウトドアという事になってしまう。この世界は新素材と新技術の宝庫で昔から「NASAとデュポン社が共同で開発した素材」などという言葉に弱いROCKHURRAHはどうしても試したくなってしまう。が、色々あってROCKHURRAHはどうしてもアウトドア・ブランドの服は似合わないという情けない結果となってしまった。山に逃げて来た盗賊にしか見えないからね。しかもちょっとした服でも高すぎだよ。だったらやはり好きなミリタリー、という感じでもう流行り廃りなんか全然関係なく、これからもこの道を独自に昇華した服装をしてゆきましょうか。

さて、そんな個人的な嗜好を踏まえて今回はミリタリーを感じさせる服装が似合っていたバンド達の特集としよう。このブログでは恒例だが相変わらず70〜80年代のパンクやニュー・ウェイブをメインでね。


まず最初は70年代後半から80年代前半まで活躍したインダストリアル・ミュージックの元祖的存在、スロッビング・グリッスルから。彼らの音楽や変態的な世界がどうのこうの、とかは今回の趣旨とは関係ないから省略するが、写真を見る限り確かに彼らはミリタリーな服装を好んで着ていたようだ。ただし本格的ミリタリーの人やタクティカル方面の人(何じゃそりゃ)から見ればけしからんようなコーディネイトなのは確かかも。一体どこ製?この写真で見る限り何軍なのかわからないが東ヨーロッパを思わせるような服装で迷彩も独自のパターン、ジェネシス・P・オリッジ(左から二人目)の腿にはイナズマのような彼らのトレードマークが入っているところが手作りっぽいね。昔からかなりオバチャン顔してると思っていたが後に本当に手術してオバチャン化してしまったようで、倒錯を貫いた偉大なアーティストだと言えよう。


80年代初期に活躍したリヴァプールを代表するふたつのバンド、エコー&ザ・バニーメンとティアドロップ・エクスプローズもメンバー全員がミリタリー・スタイルで写ってる写真が多く残されている。元々は同じバンド出身という事もあるしこの時代のリヴァプールのバンド達はほとんどが顔なじみなのは間違いないところ。だから誰かが着だしたというようなところから広がって、ミリタリー・ルックが蔓延しててもおかしくはない環境にあったのかもね。
ティアドロップ・エクスプローズのジュリアン・コープは一時期R.A.F.(Royal Air Force=英国空軍)のアーヴィン・ジャケットにムートンのジョッパーズ・パンツというスタイルを好んで着ていた。米軍のムートン・ジャケットB-3に似ているが襟がちょっとダブルのライダースっぽくなってるのがカッコいい。しかしこのバンドのキーボードはまるで水兵、ドラムはG.I.風、ギターはアフガンかサウジアラビアか?というスタイルでてんでバラバラ。まあ全員が揃って同じ時代の軍服着てたら何かの主義者みたいだから逆にこれでいいのかもね。
対するバニーズ(懐かしい呼び方)はさすがヒット連発の一流バンドらしく、ソツなく金持ちミリタリーな感じ。特にギタリストは迷彩のM-65ジャケットが大好きらしく、愛用している写真をよく見かける。


全員揃っての制服姿と言えばビル・ネルソンズ・レッド・ノイズの面々が思い出される。テクノポップ、あるいはエレポップと呼ばれるような音楽の元祖的存在だったビー・バップ・デラックスのビル・ネルソンがビーバップ解散後、ソロになるまでのごく短い期間やっていたバンドなので、彼らの写真も映像もほとんど残ってない。なので本当にこんなステージ衣装でやってたのかは不明だ。これはミリタリーとかには関係ないのかも知れないがSF好きのビル・ネルソンが作った架空の地球防衛軍みたいな機関の制服というようなコンセプトだったのじゃなかろうか?想像は出来るが実際のところどうなのかも不明。うーん、どちらかと言うと限りなく詰め襟学生服に見えてしまうシロモノ。同時代にエルビス・コステロとかトム・ロビンソンも学生服着てたなあ。


今度はドイツの誇るパンク・バンドだったデアKFCの2ndアルバム・裏ジャケットより。後に重厚なデジタル・パンクを展開して今でもマニアが多いトミ・シュタンフのルーツとなったバンドだ(写真中央)。ドイツ語の難しいタイトルが付けられているので無学のROCKHURRAHにはさっぱりわからんが確か「ソビエト連邦共産党中央委員会の酔っ払い」というような雰囲気のタイトルだったような。最初は握手とかして談笑していた会談だったけどそのうち酔っぱらってグデングデンになり、最後は制服の下パンツ一丁になってしまった、というような経緯を現わす写真がコミカルなのに音の方は割と暗めで硬質。しかしシュタンフの顔つきは不敵そのものでこういう服装や帽子が非常に似合っているな。使ってる服も下っ端兵士ではなく偉い人のもの。というわけで高官度No.1がこれで決まり。


同じ系列としてはユーゴスラヴィアのインダストリアル音楽政治集団、レイバッハ(他の呼び方もあるが80年代風にこう呼びたい)もまた軍服がおそろしく似合う本気系の人々。子供の頃、九州のどこかの温泉地で特攻隊の服を着たパフォーミング歌謡集団を見て衝撃を受けたROCKHURRAHだが、このレイバッハはそんな子供だましとは比べ物にならない迫力。何を言ってるかはさっぱりわからないがインパクトは強烈で、本来の意味でのミリタリー度では今回のNo.1だろう。


さて、最後はやはりパンクでしめようか。クラッシュのヒット曲「Rock The Casbah」のビデオより。クラッシュがミリタリーな服装をしてたのはこの時期だけのようだが、さすがスタイリッシュなパンク者達だけに似合いっぷりはすさまじい。ポール・シムノン決まりすぎ、ミック・ジョーンズ顔隠しすぎ。このスタイルを真似た人もさぞ多かったことだろう。
あとはエクスプロイテッドや初期ハードコアの連中のようにカーゴパンツをブーツインしてスタッズベルト、上はライダース・ジャケットというような折衷スタイルは今でもパンク系のライブではよく見かける。

ミリタリーを取り入れた服装には「何かと闘う」という意味もあるし逆に「反戦」という意味もある。しかし最も多いのは「ポリシーは特になし」というものでROCKHURRAHも最初にそう書いているな。服装ごときで主義主張を全て体現するつもりはないから見た目だけの人になるのはやめよう、という程度でいいと思う。

本当はまだまだ本格派のミリタリー・スタイルのバンドは数多く存在していただろうが、イザとなると思い出せないもんだから、相変わらず企画倒れの記事となってしまったのは否めない。Mission Failed.
反省して次に活かします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です