田中一村展~新たなる全貌~

                   

【千葉市美術館前の柱に貼られていたポスター】

SNAKEPIPE WROTE:

敬老の日を含む3連休、猛暑も収まってキレイな秋晴れ。
お出かけするには持ってこいですな!
行楽の秋、食欲の秋、芸術の秋!(笑)
ということで出かけてみたのが千葉にある千葉市美術館
SNAKEPIPEはアイラブ千葉なのに、この美術館のことは全然知らなかったよー!
現在開催しているのが「田中一村 新たなる全貌」展である。

ここで田中一村について簡単にご紹介。
1908年栃木県生まれの日本画家。
幼少の頃より水墨画に才能を発揮し「神童」と呼ばれるほどの画力を持つ。
東京美術学校(現:東京芸術大学)中退後、千葉に暮らし50歳で奄美大島に移住する。
1977年に69歳で亡くなる。
没後にNHKの「日曜美術館」の紹介で、一躍脚光を浴びる。

「日曜美術館の紹介で脚光を浴びた」のが1985年の番組だと思うんだけど。
実はSNAKEPIPE、その番組観てるんだよね。(笑)
その後、SNAKEPIPEもすっかり一村ファンになっちゃったのね。
日本画と聞いた時に思い浮かべる画風とはまるで違う、斬新な色使いや構図。
もちろんモチーフも南方の動植物だからエキゾチックだし。
日本画家というよりは現代アートに分類したくなる画家なんだよね。
以前書いた松井冬子の先輩って感じか?

千葉駅から歩くこと約15分。
国道126号沿いに千葉市美術館はあった。
今まで行ったことがある美術館って建物として独立している場合が多かったので、まるでマンションのような美術館って初めてかも。
美術館前の柱に開催している田中一村のポスターが貼られていなかったら、素通りしちゃったかもしれないね。(笑)
この建物は区役所や図書施設との複合施設になっているため、美術展は7階と8階の2フロアで開催されている。
やっぱりこの美術館、変わってるね!

千葉駅から歩いている時にはガランとして、人通りが少なかったのでとても快適な散歩を楽しめたんだけど。
田中一村は大人気!
これだけの人、一体どこから来たの?というくらい館内に溢れる人の多さにびっくり!
恐らく美術館側もこんなに人が多くなるとは予想してなかったのでは?
そしてその観客の約9割がご高齢の方!
もしかして敬老の日にちなんで何かイベントがあったの?と思ってしまったほど。
初めて行った美術館だから他の企画の時がどうなのか分からないけど、元々年齢層が高い美術館なのかもしれないね。

今回の田中一村展は
「一村ゆかりの地にある美術館が共同で本格的に取り組む初めての回顧展で、近年の調査で新たに発見された資料を多数含む約250点の出品作品による、過去最大規模の展観となります」
と書かれている通り、かなり見ごたえのある展覧会だった。
神童と言われた子供時代の作品から始まり奄美大島に移り住むまで、という時系列で構成されていた。
田中一村は20年間くらい千葉に住んでたことがある、というのが今回の企画の趣旨(?)で千葉市美術館の開館15周年特別企画になってるんだよね。(笑)
そのため「千葉時代」として、昭和13年から33年までの千葉を描いた作品が展示されている。
この時代の作品の中にはすでに、後の奄美時代のようなデザインや構成の片鱗を観ることができる。
北欧のテキスタイルみたいな色彩とかデザインなんだよね。
日本人離れした感覚を持っていたんだろうね。

この千葉時代から田中一村は写真撮影も始めていたらしい。
オリンパスフレックスの二眼を使って、恐らくは絵のモチーフ用の写真を撮っている。
自分で焼付けもやってたというから、写真も好きだったみたいね。

とても印象的だったのが数多く残されている襖絵。
数少ない理解者から依頼を受けた、個人宅の襖に描かれた絵である。
襖4枚とか8枚続きを一枚の絵として完成させてるんだけど、この構図が素晴らしい。
SNAKEPIPEが特に気になったのが「花と軍鶏」と題された襖8枚に描かれた作品。
これは軍鶏師(という職業なのか?)の家用に、タイトル通り軍鶏2羽と花を描いている。
非常に興味深いのはその構図。
もしかしたら日本画の世界ではそんなに珍しくないのかもしれないけど、SNAKEPIPEにはとても斬新に映った。
こんな襖のあるお宅ってどんな豪邸なんだろうね?(笑)

観終わって帰り道のこと。
SNAKEPIPEはとても不思議な体験をしてしまった。
ROCKHURRAHと普段通りに会話をしたり歩いたりしていたはずなのに、途中で意識が飛んでいる!
目覚めながらに眠っていたような、夢見ていたような。
そう、脳内トリップ!
これ、すごい!
田中一村の絵にはトリップ効果があるのかも!(んなバカな)
ただし「すごい」と思っているのはSNAKEPIPEだけで、話しかけても反応がヘンだったのを目の当たりにしたROCKHURRAHには迷惑なだけだったみたいだけど。(笑)

田中一村は今でいうところのスローライフというのかな。
世間の評価などを気にせず、自分のペースで好きな作品を描き続けた画家なんだね。
没後に評価された、というところがちょっと悲しいけどご本人にとっては描き続けることが幸せだったのかもしれないしね?
南方の画家というとゴーギャンを思い浮かべるけど、SNAKEPIPEは作風や没後に評価されたという部分も含めてアンリ・ルソーに似ていると思った。
アンリ・ルソーも大好きな画家の一人だしね!
そして奄美大島と言えば忘れちゃならない我等が鳥飼否宇先生!
奄美の自然を愛し移住するところは田中一村と鳥飼先生、よく似てらっしゃる!
奄美、いいなあ。
一度行ってみたいなあ!(笑)

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