マイク・ケリー展 デイ・イズ・ダーン 鑑賞

                   

20180401 top
【マイク・ケリー展のフライヤー】

SNAKEPIPE WROTE:

意外に感じる方が多いと思うけど、ROCKHURRAH RECORDSでは毎年花見を実行してるんだよね。
今年はどこの桜を観に行こうか、とROCKHURRAHが言う。
なるべく人が少ない場所を選び、桜を眺めながらお弁当が食べたいと思っているSNAKEPIPE。
ところが今回は全く別の提案をしたのである。
「代々木公園はどうかな?」
これには理由があった。
ROCKHURRAHが調べてくれた、面白そうな展覧会が原宿近辺で開催されていたからなのである。
3月31日が展覧会の最終日なので、花見と展覧会を同時に楽しんでみてはどうだろう。
前述したように、なるべく人が少ない花見を心がけているROCKHURRAH RECORDSにとっては、都内での花見のメッカともいえる代々木公園は初めてのこと。
混雑は覚悟の上、出かけることにしたのである。

2日前の夏日から通常の気温に戻った3月の終わりは、これが最後の花見とチャンスと考える人が多かっただろうね。
元々原宿駅は人で溢れかえっているけれど、この日は花見見物らしき人を多く見かける。
代々木公園までの道も歩く人で渋滞している。
予想以上の人出に少しうんざりしたけれど、代々木公園って広いんだよね。
桜のメインストリート(?)を過ぎると、少しずつ人が減り、ストレスなく桜を鑑賞できる場所を確保することができた。
ここ数年の花見の中ではベストポジションだったんじゃないかな?
代々木公園と聞いて難色を示していたROCKHURRAHも満足したようだ。
今年もキレイな桜を満喫したよ!(笑)

花見を終えてから、会場まで歩くことにする。
今回はワタリウム美術館で開催されている「マイク・ケリー展」が目的なんだよね!
ワタリウムって聞いてピンと来ない人でも「オン・サンデーズ」なら分かるんじゃないかな。
実際ROCKHURRAHも「オン・サンデーズ」時代には通っていたらしい。
一体今から何年(何十年?)前のことだろうね?(笑)
代々木公園から歩くと結構距離あるよ。
良いウォーキングになったね。

さて、今回の「マイク・ケリー展」だけど、実はSNAKEPIPEもROCKHURRAHもその人、初めて知るアーティストなんだよね。
ワタリウム美術館が載せているマイク・ケリーの年表を一部流用させて頂き、どんな人物なのか紹介してみよう。

1954年 デトロイト生まれ。
デトロイト郊外のミシガン州ウェイン郡で、労働者階級の家庭に生まれる。
1970年代 地元のデトロイト音楽に熱中し、バンド「デストロイ・オール・モンスターズ」のメンバーとしても活動。
1976年 ミシガン大学を卒業し、ロサンゼルスへ移住。
1978年 カリフォルニア芸術大学で美術学修士号を取得。
在学中からさまざまなメディアを用いた詩的な作品を制作。
1980年代からは、使い古しのぬいぐるみやおもちゃを用いた作品を発表。
1987年 代表作「返済できない程の愛の時間と罪の重荷(More Love Hours Than Can Never Be Repaid and The Wages of Sin)」の制作が完成。
1988年 第43回ベニス・ビエンナーレに出展。
1992年 交流のあったロックバンド、ソニック・ユースのアルバム「ダーティ」のジャケットを手掛け、一躍世界に。
2005年 ロンドンのガゴシアン・ギャラリーで「デイ・イズ・ダーン」を発表。
2012年 ロサンゼルス近郊の自宅で死亡。享年57才。

この年表の中でROCKHURRAHが一番反応したのは「デストロイ・オール・モンスターズ」の部分。
このバンドのアルバムを所持していたらしいけど、マイク・ケリーがメンバーだったことは知らなかったそうで。
右の画像が「デストロイ・オール・モンスターズ」で、マイク・ケリーは一番左に映っているね。
もう一点、 「ソニック・ユース」のアルバム・ジャケットについても語ってくれたよ。
さすがにレコード屋だね。(笑)
ソニック・ユースと聞いてSNAKEPIPEの遠い記憶が蘇ってきた。
新宿ロフトのライブに行ったことあるんだよね。
村上隆のスーパーフラット・コレクション鑑賞」にも書いていたことすら忘れていたとは。(笑)

それでは会場の様子と感想をまとめていこうか。
ワタリウム美術館で展覧会を観るのは初めてなので、システムもよく分かってなかったよ。
ポストカードやグッズの物販がある1Fのチケット売り場に向かう。
大人2人ならペアチケットとして割引してくれるとは、ありがたい。(笑)
エレベーターで2Fに上がると、すでに目の前が人の山だった。
あやうく「つんのめり」そうになったSNAKEPIPEだよ。
そこで展開されていたのは映像作品だったんだよね。

さっぱり意味は解らないんだけど、この3人娘のインパクトはすごかった。(笑)
モノマネしてトレイン・ダンス踊りたくなるくらいにね!
2Fには他にも映像作品がそこかしこに流れていて、全部観るには相当時間がかかりそう。
少しずつ観て回ると、プッと吹き出してしまうような内容に遭遇することもある。
映像はどれも複数のシチュエーションが編集されていて、それぞれの設定につながりがあるのかどうかも分からない。
映像は唐突に切り替わるので、それぞれのストーリーを追うことが難しいんだよね。

会場にはその映像のカラー写真と、もう一枚そっくりなモノクローム写真が並べて展示されている。
これは一体どういうことだろう?
「デイ・イズ・ダーン」についての説明もワタリウム美術館から引用させて頂こう。

「デイ・イズ・ダーン」は「課外活動再構成#2−#32」の総称です。
ケリーは、もともと1日1つの映像で1年間に365になるマルチメディア大作として構想し、生涯この作品を作り続けましたが、計画全体が完了することはなく、今回ここに展示した31作品が全てとなりました。

31の映像作品が並んでいたってことなんだね? 
ではあのカラー写真とモノクロ写真の意味はなんだろう。
ワタリウム美術館の説明を読むと、どうやら高校の卒業アルバムや地域の新聞からとった放課後の「課外活動」のモノクロ写真の中から、あえて意味がないように思えるものをチョイスして、それを基に物語を作っているのだという。
ダンスの原案や音楽、シナリオテキストなどすべてがマイク・ケリーによるものとのこと。
一枚の写真からインスピレーションを受けて、映像を作っていたということなんだね。
それにしてもまあ、よくもここまでそっくりに再現するよね。(笑)

マイク・ケリーは「トラウマ」をテーマに作品制作したという。
階級やジェンダーなどのマイノリティに対する差別、トラウマや暴力、性などを題材に痛烈な皮肉やユーモアを交え作品として発表しているという説明を聞いて納得する。
SNAKEPIPEが吹き出してしまったのは、「痛烈な皮肉やユーモア」だったからね!

全部を観たわけではないけれど、登場人物がヴァンパイヤやグール、悪魔などのホラー系が多いんだよね。
目の周りを黒くしているようなゴシックっぽい化粧もよく見かけたよ。
元の写真は例えばハロウィーンや何かしらのイベントなどで撮られたものなんだろうね?
これだけ集まると、まるで黒魔術や悪魔崇拝者の集いのように見えてしまうよ。(笑)
アメリカの典型的な儀式をベースにして「偽りの記憶」を捏造した作品が「デイ・イズ・ダーン」ということになるみたい。
SNAKEPIPEはドギツい「お下品」な表現は好きなので、もっと観たいと思ったよ。
って下品好きを告白しなくても良いか。(笑)

会場2Fの天井から吊るされていたシルクスクリーンの作品は、色がとてもキレイだったね。
今回の展覧会は、残念ながら撮影が禁止されていたんだよね。
そのため左の画像は今回とは違う展示方法になっているものを採用させて頂いたよ。
マイク・ケリーがアイルランド系なのでシャムロック(クローバー)が使用されている、と書かれていたよ。
シャムロックとは葉が3枚に分かれている草の総称とのこと。
とすると、四葉のクローバーはシャムロックじゃないんだね?
アイルランドでは聖パトリックの祝日ではシャムロックや緑色の物を身に着ける習慣があると書かれている。
そのシャムロックをモチーフにしているけれど、愛国主義っぽくは見えないところがポイントかな。

ポップアートの表の顔がアンディ・ウォーホールならば裏の顔はマイク・ケリー、とワタリウム美術館に書いてある。
映画「ピンク・フラミンゴ」監督ジョン・ウォーターズがマイク・ケリーの親友だったと聞いて、更に「裏の顔」という表現に納得してしまう。
マイク・ケリーはドローイング、コラージュ、パフォーマンス、テキスタイルやビデオなど多岐に渡る作品を残しているという。

ニューヨーク・タイムズ紙によると、2012年にオランダ・コッターは、この芸術家を「過去四半世紀の最も影響力のあるアメリカ人のアーティストの1人であり、アメリカの階級、人気のある文化、そして若々しい反乱についての刺激的な解説者」と述べている。

Wikipediaに載っていた文章を引用してみたよ。
こんな賛辞が送られているアーティストを今まで知らなかったとは!
今回は映像作品が中心だったけれど、ワタリウム美術館はこじんまりした美術館なので狭苦しく感じた。
キャパシティの問題もあり、作品の全てを落ち着いて鑑賞することができなかったのが残念。

マイク・ケリーの展覧会は複数回予定されているという。
次はどんなマイク・ケリー作品を観ることができるだろうか。
今後の展覧会が楽しみだね!

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