SNAKEPIPE MUSEUM #15 Albert Birkle

                   

【Albert Birkle1926年の作品:The Last Cavalier】

SNAKEPIPE WROTE:

昨年鑑賞したモホリ=ナギ以来、1920年代に対する興味を持ち続けているROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
その時代の今まで知らなかったアーティストを発見することに心血を注いでいるところである。(大げさ)
「これはいい!」と思った作品を発見すると、お互いに紹介し合うことにしている。
今回のSNAKEPIPE MUSEUMもたまたま発見した、1920年代の温故知新系アーティストAlbert Birkleについて書いてみたいと思う。

ROCKHURRAHは観てすぐに
ORCHESTRE ROUGEのジャケットを描いているRecardo Mosnerに似てる」
と言う。

このRecardo Mosnerはアルゼンチンのブエノスアイレス生まれの画家・彫刻家で、フランスで活躍中らしい。
左がAlbert Birkleで右がRecardo Mosnerなんだけど、構図とか雰囲気が確かに似てるよね!(笑)
そして2人の画家についての詳細がはっきりしないところも良く似てる。
どうやらAlbert Birkleはドイツ人のようで読み方すら分からない。
日本語ページでの紹介文も見当たらないほどマイナーな画家のようである。
当たってるのかどうか不明だけど、アルベルト・バークルと表記していこう。

アルベルト・バークルは1900年ベルリン生まれ。
第一次大戦で兵役に就く前に、すでにベルリンの芸術大学でアートについて学んでいたようである。
親戚の中にも裁判画家を生業としている人もいたようで、どうやら芸術に対して理解がある環境で育ったらしい。
1927年ベルリンで初の個展開催。
1941年から1943年まで戦争特派員としてフランスに滞在。
1944年にはザルツブルグで開催された「ドイツ人アーティストとSS」展に出品しているようなので、ナチスとの関係もあった模様。
1946年、戦争が終結した年にオーストリアの市民権獲得。
1958年には教授となる。
この頃にはステンドグラスの作家として有名で、ドイツ国内だけでなくワシントンでもバークルのステンドグラス作品を鑑賞することができるようである。
1986年にザルツブルグで死去。

ドイツ語で書かれた文章を英語に訳してから更に日本語訳にして作った文章が上述のもの。
だからもしかした誤訳があるかもしれないけど、許してね。(笑)
バークルが活躍していた時代が丁度世界大戦真っ只中だったということで、かなり戦争の記憶がトラウマとなっていたようである。
その傷が影響を及ぼし、影のあるなんとも印象的な作品に仕上がっているように思う。
バークルにとっては辛い傷だったと予想できるけれど、作品として鑑賞した場合には非常に魅力的だと感じるのはSNAKPIPEだけではないだろう。

「The Last Cavalier」(最後の騎士)と題された上の作品は、怯える老女と忍び寄る紳士的な(?)骸骨を描いた作品である。
「怖がらないで一緒に参りましょう」と笑いながら誘っているように見えるよね。
戸惑いながらも誘いに乗りそうな老女。
そのままの解釈だけじゃなくて、もしかしたら風刺画みたいに隠喩としての作品だったのかもしれないね?

アルベルト・バークルはフレスコ画を手がけていたり、教会の窓にステンドグラスを施したりするような宗教的な一面を持っている。
そして同時に「反乱と革命」というテーマにも取り組んでいたので、「磔」というのが重要な表現手段になっていたようである。
政治的な意味と宗教的な意味を掛け合わせると左のような作品が出来上がるんだね!
苦痛、という共通項から「磔」になったみたいなんだけど、宗教について詳しくないSNAKEPIPEには深い部分まで語ることはできないので、その点は専門家にお任せするとして。
テーマとか主題について理解できなかったとしても、インパクト大だよね。
構図の斬新さや色使いはもちろんだけど、なんといっても手前の人の顔がすごい。(笑)
「叫び」で有名なノルウェーの画家、ムンクに似た生と死、孤独や不安といった人間の心のダークサイドを表現した画家なんだろうね。
調べてみるとムンクは1890年代ベルリンに滞在していてドイツ表現主義に影響を与えた人物、とされているから関連があっても不思議じゃないかもね?

詳細が分からないまま特集にしてしまったアルベルト・バークルだけど、これからもこうした観た瞬間ファンになるアーティストに出会っていきたいと思う。

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