映画の殿 第06号 好き好きスペイン映画

【霊能者役のサンティアゴ・セグーラ演じるカルロス・ホセ。最高!】

SNAKEPIPE WROTE:

明けましておめでとうございます。
今年もどうぞROCKHURRAH RECORDSをよろしくお願い申し上げます!
毎週恒例の偏愛的ブログも更新していきますので、こちらもよろしくね!(笑)

ではSNAKEPIPEがお送りする年明け最初の記事、ブログ初め、というのかな?
ん?なんか変?(笑)
ベストオブ2013」以外にも散々書き続けている、スペイン映画だけれど、今回はそんなスペイン映画の中で注目している俳優について特集してみたいと思う。
注目という点では、我らがハビエル・カマラがいるけれど、彼の場合は別格扱いのため今回は他の方々に登場してもらいましょう。(笑)

 「トレンテ ハゲ!デブ!大酒飲みで女好き!超・肉食系スーパーコップ」というタイトルは一体誰が考えたんだろうね?
音楽関係でいうところの「ジャケット買い」のようにタイトルだけを読んで「観てみたい」 と思わせる戦略を一切採らなかったとしか思えないセンス!
ま、そうは言ってもROCKHURRAH RECORDSでは観たんだけどね。(笑)
上の画像右側の人物がトレンテという名前の、タイトル通り酒飲みで女好きの刑事。
演じているのはサンティアゴ・セグーラ
なんともびっくりなことに監督兼主役なんだよね。(笑)
タイトル通りにハゲでデブ、こんな俳優に主役をさせる他の監督はいないのかもしれないね?
だったら自分で自分を主役に映画を撮ろうと考えたんだろうか。

写真左に遠視用メガネをかけて、まるでケント・デリカットみたいに大きな目をして写っているのは我らがハビエル・カマラ!
いい加減な刑事トレンテの助手として活躍する近所の青年ラフィという役を演じていた。
実を言うとハビエル・カマラが出演しているのが「トレンテ」鑑賞の理由だったんだよね。(笑)
そうじゃなかったら「ハゲ!デブ!」で観ないって、普通!
「トレンテ」は1998年の映画なので、今から16年前なんだね。
当時30歳だったハビエル・カマラの若いこと!
体型も今とは違って痩せ型だったのね。(笑)

かなりハチャメチャで、とても刑事とは思えない行動をするトレンテなんだけど、最後はちょっと正義感に燃えたりして派手なアクションシーンもある。
トレンテ、最高!(笑)
トレンテ役のサンティアゴ・セグーラのすっかりファンになっちゃったよ!
「トレンテ」はスペインで大ヒットした映画らしく、「トレンテ4」まで制作されているというから驚いちゃうよね!
いいのか、これで?と思いながらも、この手の笑いに寛容なスペインが益々好きになるね。(笑)
残念ながら日本では「トレンテ1」しかDVD化されていないので、是非とも続きが観たいね!

 次にまたサンティアゴ・セグーラに再会したのは「クイーン&ウォリアー」という1999年の映画だった。
「クイーン&ウォリアー」は [魔法の国]のトレジャー・ハンターが呪いをかけられ、現代のスペインに住む少年に変えられてしまい、元の世界に戻るために[現実世界]で勇者のごとき活躍をする異色ファンタジー・サスペンスである。
この映画の中でサンティアゴ・セグーラはカルロス・ホセという謎の霊能者を演じている。
この時のサンティアゴ・セグーラ、「シュッ、シュッ、シュッ」と変な擬音と共に両手を口から前に出す怪しい動きをしていて大笑いさせてくれるんだよね!(笑)
ものすごくインチキ臭い霊能者の役がぴったりだったね!

 「スキと言って!」という2004年の作品もサンティアゴ・セグーラ目当てで鑑賞してしまった!
今回はカップルを誕生させるテレビ番組の中で、愛のキューピッドみたいな「ハートちゃん」という役どころ。
上の写真はハートのかぶりものをしているところなんだよね。
アップにすると意味不明でおかしい。(笑)
さすがはサンティアゴ、やっぱり変な姿で登場してくれて期待を裏切らないね。
これからもサンティアゴ・セグーラから目が離せない!

 次にご出演頂くのは「気狂いピエロの決闘」 で主役ハビエルを演じていたカルロス・アレセス
サーカス団に「泣き虫ピエロ」として入団したハビエルは「怒りのピエロ」セルヒオと、ガールフレンドを巡り争いを繰り広げるのである。
最初は弱気だったハビエルが、だんだん狂気へ向かって行く様は圧巻だった。
この映画の中で最も印象に残っているのは、入院していたハビエルが病院服のまま脱走するシーン。
割烹着みたいに後ろはヒモで結んでるだけの服なので、後ろ姿はほとんどヌード!
前述のサンティアゴ・セグーラと似た体型のカルロス・アレセスなのでぽっちゃりした肉体を晒してるんだよね。(笑)
この映画の内容や他のことよりも、その後姿が一番印象に残ってるなんて、まさかSNAKEPIPEってデブ専か?(笑)

 先日書いた「スパニッシュ・ムービー」 にもカルロス・アレセスの姿を発見!
この映画自体が様々なスペイン映画のパロディなので、元ネタを知っていると笑いが倍増する。
写真は「ノーカントリー」のハビエル・バルデムのモノマネしているシーン。
このシーンの前には「オープン・ユア・アイズ」のパロディで、ベッドに裸でうつぶせになっていたカルロス!
あ、また後ろ姿のヌード!
もしかしたらカルロス・アレセスって露出好きなのかも?

ゴースト・スクール」にもカルロス・アレセスが出演していたよ!
口うるさい厳格なPTA代表という役だったけれど、やっぱり露出するシーンがあったんだよね!
カルロス・アレセスの体を張った演技には今後も注目だね!

 続いてはラウール・アレバロのご紹介!
マルティナの住む街」は結婚式当日、花嫁に逃げられたディエゴが、いとこのフリアン、ミゲルと青春時代に素敵な夏の思い出を作った懐かしの村を訪れ、当時のガールフレンドに再会する話である。
ラウール・アレバロは写真の中央でサングラスをかけて写っている。
この写真だと判り辛いかもしれないけど、ショーン・ペンに似てるんだよね!
よし、勝手にラウール・アレバロに「スペインのショーン・ペン」と命名させてもらおうかな。(笑)
右の写真はショーン・ペンだからね。
お間違いないように!(笑)
「マルティナの住む街」は出演者のキャラクターが立っていて、とても面白かった。
フリアン役だったラウール・アレバロも非常に良い味出してたね。
昔のアダ名が「イワシ」というのに大笑いしたよ。(笑)
元ビデオ屋店主のバチのセリフに、必ず映画紹介が入るところもニヤリとさせられたね!

 前述の「ゴースト・スクール」の主役がラウール・アレバロなんだよね。
ラウール・アレバロ演じる霊視能力を持つ教師モデストが、学校に平和を取り戻すために5人の生徒の幽霊を卒業させるために奮闘する話である。
幽霊が見える、なんていうとホラー映画と思ってしまうけれど、「ゴースト・スクール」は全然怖くなくてコメディ映画といったほうが良いんじゃないかな。
ラウール・アレバロはもちろんのこと、5人の幽霊や他の出演者たちも個性的なんだよね!
前述したカルロス・アレセスのお尻にも注目だし、用務員役のシルヴィア・アブリル も良かったね!
校長先生役だったアレクサンドラ・ヒメネスと共に「スパニッシュ・ムービー」に出演していたんだね。
同じ人とは思えない変身ぶりに脱帽!(笑)
「ゴースト・スクール」はハリウッドでリメイクが噂されているらしい。
確かに展開が面白かったし、ちょっとハートウォーミングなところもあったからウケるだろうね。
リメイクか、、、あえてコメントしないでおこう。(笑)

今回紹介したカルロス・アレセスとスペインのショーン・ペンことラウール・アレバロ、そして我らがハビエル・カマラの3人が、客室乗務員となって乗客を楽しませるというストーリーの映画「アイム・ソー・エキサイテッド!」 はペドロ・アルモドバル監督の最新作!
今月25日から公開予定だよ!
って、なんだかお勧め新作映画の前フリみたいな記事になっちゃったね。(笑)

ベストオブ2013

【アルモドバル監督のおかげです!】

SNAKEPIPE WROTE:

今回が今年最後のブログになるんだね。
先週も書いたけど、1年なんてあっという間!
これって結局は何もしてなかったせいだと聞いたことがあるけど、本当にこの1年は何もなかったのかしら?
2007年以来の企画、ベストオブ2013を書いて確認してみようかな!

なんといってもROCKHURRAH RECORDSでの今年1番の話題といえば、スペイン映画に熱中したこと!
きっかけとなったペドロ・アルモドバル監督の「私が、生きる肌」 を観たのが今年の初め頃。
その時は「変わった展開の映画だな」程度の感想しか持たなかったSNAKEPIPE。
ところが「オール・アバウト・マイ・マザー」を以前鑑賞していたことを思い出し、再鑑賞した時にはすっかりアルモドバル監督作品のファンになっていたのである。
せっかくなら、と鑑賞できるだけの作品を集め、毎回ワクワクしながら楽しんだ経過については、「好き好きアーツ!#22 Pedro Almodóvar part1」から4回連続で特集した記事で十分納得して頂けるはず。(笑)
そしてアルモドバル監督作品以外のスペイン映画にも関心を広げ、今ではかなりの本数を鑑賞している。

先日観たのは「スパニッシュ・ムービー」という、数々のスペイン映画パロディを集めた2009年のスペイン映画である。
パロディを理解するためには、元を知らないと笑えないよね?
この「スパニッシュ・ムービー」を観て笑うことができるのだろうか?
もしかしたらこれが本当のスペイン映画通と言えるかどうかの登竜門となるかもしれないね?(大げさ)
果たして結果は?
ボルベール」でペネロペ・クルスが演じるライムンダのそっくりさんや「永遠のこどもたち」 での布袋をかぶった子供のパクリを観て笑い、「ノーカントリー」でハビエル・バルデムが演じた殺し屋のモノマネでは大爆笑!(笑)
他にも「アザーズ」や「オープン・ユア・アイズ」「パンズ・ラビリンス」など、全てではないけれどある程度元ネタを理解することができたのである。
もしスペイン映画検定があったら合格できるレベルかも。(笑)
来年もまだまだスペイン映画ブームは続きそうだね。

2013年、印象に残った出来事といえばSNAKEPIPEの誕生日にROCKHURRAHがプレゼントしてくれた伊豆の旅行!
3月の伊豆は暖かいかと思いきや、非常に寒かったんだよね。
生まれて初めてリフトに乗り大室山山頂を目指し、「野坂オートマタ美術館」で西洋からくり人形を鑑賞し、「ねこの博物館」で猫とたわむれたっけ。(笑)
1泊2日の旅行だったけれど、もっと長い時を過ごしたように錯覚してるね。
お、やればできるじゃない、時間経過の操作!(笑)

他に印象に残っていることといえば、これはROCKHURRAH RECORDSだけに限らないと思うけれど、夏の異常な暑さかな。
ほとんど家から出ることなく、エアコンをかけた室内に引きこもっていたSNAKEPIPEですらバテてしまったからね。
来年はどうなるんだろう?
今年のような猛暑は勘弁願いたいよね!

さて他にはどんなことがあったのかな、と頭を悩ませてしまったSNAKEPIPE。
本当は今年の出来事ベスト10を考えていたのに、3つで息切れしてしまうとは!(笑)
2014年はベスト10を書いてみたいな!

今年も残すところ2日。
どうぞ良いお年をお迎え下さいませ。
来年もROCKHURRAH RECORDSをよろしくお願い申し上げます!

 

ビザール・ポストカード選手権!12回戦

【CCCP坊やの可愛らしさとサンタの衣装に注目!】

SNAKEPIPE WROTE:

今年も残すところあと10日ほど!
時が経つのが本当に速く感じるよね。
この時期になると毎年決まって制作するのが年賀状。
今年2月の記事「ビザール・ポストカード選手権!8回戦」にもメールが主流となってしまった昨今の現状について書いていたSNAKEPIPEだけれど、我らROCKHURRAH RECORDSは恒例行事として年賀状制作を楽しんでいる。
毎年何かしらのテーマを決めてからアイデアを出し合う。
こんな感じ、あんな感じと話し合っている時間のほうが、実際に作業する時間よりも長いこともある。
今年は実際の年賀状制作の作業をROCKHURRAHにお願いし、その間に「面白いポストカードないかな?」と検索しているSNAKEPIPE。(笑)
クリスマスと新年前のこの時期にぴったりな、ビザールなカードをご紹介してみようかな!

今回一番初めに出会ったビザールなポストカードがこちら!
新年用のカードのようなんだけど、この月だと思われる円形の顔がすごいよね。
新年を祝っているというよりは、悪巧みを考えているようで。(笑)
そして2人(2体?)の天使のうつむき加減な暗い表情との対比も気になるところだ。
年が明けたら天使達にとっては不都合な、月にとっては嬉しい出来事が起こるのか?
勝手にドラマを想像してしまう不思議なカード。
もしSNAKEPIPEがこのカードもらったら嬉しいな!(笑)

クリスマスカード、だよね?(笑)
どうしてカエルなの?
そして同類を殺害し金品を強奪し、逃走?
全く意味不明なんだけど、もしかして宗教的な意味があるのかしら?
日本では「無事帰る」などの語呂合わせで縁起物とされているカエルだけど、海外ではどんな評価なんだろうね?
このカードで「メリー」と言われても困惑しちゃうな。
でもね、SNAKEPIPEは困惑系ポストカード結構好きなんだよね。(笑)

こちらもやっぱり困惑系。
雪山でシロクマに遭遇してつかまった場面だと思うんだよね。
そしてシロクマは全然温和な顔つきじゃなくて、今にも襲いかかろうとしているように見えるんだけどね?
まさかシロクマとダンスしているとか?(笑)
いやはや、このカードもとてもクリスマスカードとは思えないし、全然「ハッピー」ではないよね?
不思議なカードを作るもんだ、と感心しちゃうよ!

次も不思議なカードね。
今年の2月に紹介した「子供に水責めをする女」に雰囲気が似ているんだよね!
あのカードも意味不明なバースデーカードだったなあ。
なんと今回は鍋の中に入れて煮てしまう魂胆みたいだよ!
わざわざ「スープ」って書いてあるし、鍋の中に足が見えるんだよね。
こんなにすごいカードを新年用にするセンス、恐るべし!

お次はユーモアのあるカードね。
「サンタクロース第3号」ってことか?
なんだか「007」とか「009」とか「サンダーバード」を想像しちゃうんだよね。(笑)
カードの中のサンタクロースが人目をはばかりながら指令を受けて
「はい、了解しました。◯◯地区を巡回ですね?」
なんて応答してるように見えてくるから面白い!
たった一言を付け加えただけで、意味合いが違って見えてくるとはね!

最後はこのカード。
一番上に載せた画像と同じシリーズだと思われるソビエト連邦時代のクリスマスカードね!
CCCP坊やがプレゼントと樅の木を手にして笑っているという、非常にシンプルな構図なんだけど、なんとも言えない魅力を感じてしまう。
書いてあるロシア語もよく分からないんだけど、恐らくメリークリスマスだろうね?
ロシア語がデザイン的に見えるのも惹かれる原因の1つかな。
こんなポストカードもらったらものすごく嬉しいだろうな!

今回のビザールポストカードは、全部ビンテージになってしまったね。
昔の時代の作品は現代とは全く違う趣があって、刺激されることが多いんだよね。
ROCKHURRAH RECORDSの年賀状も負けないように頑張らないとね!(笑)

ブランカニエベス鑑賞

【ブランカニエベスのトレイラー】

SNAKEPIPE WROTE:

ついに12月7日がやってきた!
実はROCKHURRAHとSNAKEPIPEはこの日を心待ちにしていたのである。
何故ならその日はスペイン映画「ブランカニエベス」の公開日だから!
「ブランカニエベス」はスペインのモノクロ・サイレント映画。
「あのペドロ・アルモドバルが大絶賛!」とフレーズ付きで紹介されていた記事をROCKHURRAHが発見したのはかなり前のことだ。
このブログで何回か書いているけれど、最近のROCKHURRAH RECORDSでの流行はスペインなので、スペイン物でしかも「あのアルモドバルが」なんて書いてあったら観に行かずにはいられないんだよね!(笑)
新宿武蔵野館で上映が決定しても、12月に入ってからやっと上映時間のスケジュールがアップされるなんて情報が遅過ぎる。
この遅れは、もしかしたら初日に開催されるイベントのせいだったのかもしれないな。
SOPHIAのヴォーカル松岡充とヴィヴィアン佐藤が上映終了後にトークショーを行うという。
どうやらSOPHIAのPVを「ブランカニエベス」の監督であるパブロ・ベルヘルが担当したことがある縁で、ゲストとなったらしい。
SNAKEPIPEとROCKHURRAHは映画を鑑賞したいだけなので、当然ながらトークショーには全く興味なし!
初日の一番の回を狙って、新宿武蔵野館に出かけたのである。

新宿武蔵野館は今年の4月に公開されたデヴィッド・クローネンバーグ監督の「コズモポリス」を観に行って以来のSNAKEPIPE。
確かあの時も公開初日に行ったはず。
そのため武蔵野館のシステムは覚えていた。
最近では、事前にネットでチケット購入と共に座席予約ができる映画館がほとんどなのに、武蔵野館は「早く行って並んだもん勝ち!」なんだよね!(笑)
開場時間になったら整理券を配布し、その順番で劇場内に入ることができるという非常にシンプルなシステムである。
それを知っていたので、開場時間の30分前には到着して並んで待つ作戦を決行!(大げさ)
無事に武蔵野館に到着したROCKHARRAHとSNAKEPIPEは整理券番号2番と3番を入手することに成功したのである。
列に並ぼうとしたところを武蔵野館のスタッフから呼び止められ、トークショーの回を希望するか尋ねられた。
トークショー希望の場合はあちらの列の最後尾へ、と手をかざした方向を見てびっくり!
年齢層が様々な女性の長い行列が!(この微妙な言い回し!)
「あんなに大勢の女性客が初回に来るのか!」
と完全に勘違いしているROCKHURRAH。
トークショーは午後の回で、初回に彼女達は来ないから安心したまえよ。(笑)
14時からの上映後に行われるトークイベントのために9時頃から並ぶとはすごい情熱だよね!
それまでの時間は何をしてるんだろう?
変な心配をしちゃうよね。(笑) 

無事にチケットを購入した後は上映時間まで少し時間があったので、館内をブラブラしている。
公開記念ということなのか、闘牛士の衣装が展示されていた。
それにしても武蔵野館の映画のコピー「美・サイレント」って古過ぎない?(笑)

いよいよ入場できる時間になった。
早い時間から並んで入手した整理券番号順に、まずは1番から10番まで先に入ることができる仕組み。
ところがROCKHURRAHとSNAKEPIPEより明らかに後ろの番号の人に先を越されてしまった!
係員もちゃんと本当の番号順で呼んでくれたら良いのにね!
じーさんに負けるとは!とほほ!
席に座ってから周りを観察し、およその人数を確認してみると約30人程度というところか。
座席数は133席だったので、かなりガラガラ。
これは良い感じだ!(笑)
しかも観客のほとんどが一人で来ている人ばかり。
これは「どうしてもこの映画が観たい」という映画ファンに違いない。
好感が持てるなあ!

映画が始まってから気付いた。
そうか、いくらサイレント映画でも音楽や効果音は入るんだね! (笑)
登場人物のセリフ部分が文字になっているだけなんだよね。
サイレント映画を最後に観たのはいつだったのか覚えていないけれど、「戦艦ポチョムキン」やチャップリンのシリーズで観て以来かも?
「ブランカニエベス」では賑やかだけれど、どこかセンチメンタルな要素を含んだスペインの音楽を聴くことができる。
この音楽にとても哀愁を感じてしまい、何故だか泣いてしまったSNAKEPIPE。
てへっ、音楽だけで感動しちゃったみたいだよ!

「ブランカニエベス」というのはスペイン語で「白雪姫」を意味する言葉とのこと。
映画の公式サイトにも書いてあるけれど、いわゆるグリム童話の「白雪姫」を題材に、闘牛とフラメンコの要素を取り込んだスペイン版白雪姫という紹介がされている。

 ディズニーランドで有名な「白雪姫と7人のこびと」というフレーズにもあるように、やはり映画の中には7人の小人が登場するんだよね。
この中におネエ系が入っているところに笑ってしまう。
アルモドバル監督作品の影響か、スペイン映画には必ずいるタイプって感じだからね。(笑)
おネエ良い味出してたよ!

そして「白雪姫」の中で最も有名な「世界で一番美しいのは誰?」と鏡に問いかける意地悪な継母も当然のように映画に登場する。
この継母がコスプレマニアのように、いろんな衣装で登場するのが面白かった。
継母の衣装にも大注目だね!
かなり頬のこけた顔で、口が大きかったので女装したミック・ジャガーって感じなんだよね。(笑)


成長した白雪姫がどうしても80年代にヒットしたマルティカに見えて仕方がなかったSNAKEPIPE。
髪型のせいもあるだろうし、ややしゃくれ気味の顎のあたりも似てるんだよね!
マルティカがキューバ人移民の両親の元に生まれる、と書いてあって納得。
やっぱり近い感じなんだね。
え?武蔵野館のことを言えないくらい例えが古いって?(笑)

映画鑑賞後にROCKHURRAHと感想を語り合った時に驚いたこととして一致したのが「死者との記念撮影」のこと。
左の画像がまさにその記念写真なんだけど、もしかしてスペインにはこんな風習があるのかしら?
以前観た多分「アザーズ」だったと思うけど、その中にも死者の写真が出てきたように記憶してるんだけどね?
あの映画もスペイン人監督アレハンドロ・アメナーバル!
スペインでの死に対する意識について調べてみたいね。

「ブランカニエベス」の感想をもう少し書いてみようか。
SNAKEPIPEはモノクロ写真を愛好していて、自分で撮った写真を自ら暗室で焼き付けも行っていたことがある。
写真学校にも通っていたしね。(笑)
学校で習ったのは主に写真の技術的なことだったな。
例えばモノクロ写真の場合、白は印画紙の白色と同じではなく、黒は丸っきり何も見えない真っ黒ではない、といった具合だ。
つまりモノクロというのは真っ白じゃない白から真っ黒じゃないっ黒までの階調(トーン)で表現される世界ってこと。
「ブランカニエベス」はモノクロ映画だったけれど、ものすごくトーンに気を遣っていたように思う。
全然見辛いシーンがなかったから。
たまに大昔に撮影されたモノクロの邦画を観ると、目が疲れることがあるんだよね。
前述した真っ白と真っ黒が目に突き刺さるみたいで。
その点「ブランカニエベス」はさすがに良くできてたね!

もう1つ気になったのはセリフ部分のト書き。
スペイン映画なのに、何故かト書きだけ英語だったこと。
そのため「blancanieves」は「snowwhite」になってるんだよね。
ト書きにも日本語字幕が付くんだから、せっかくだったらスペイン語にして欲しかったなと思う。
どうして英語だったのかを教えて欲しいよ。

最後はやっぱり音楽。
これもまた前述したように音楽に感動して泣いてしまったSNAKEPIPEだけど、ROCKHURRAHもまた感銘を受けたようだ。
なんと帰宅してから早速フラメンコについて調べているではないの!

「すごいぞ!これはすごい!完全ノックアウトされた!」
興奮気味に叫ぶROCKHURRAHが見せてくれたのが上の映像。
ルーズベルト大統領の招きでホワイトハウスでもダンスを披露したというカルメン・アマヤの激しくキレのあるフラメンコだった。
いやあ、本当にすごい!
1930年代にこんなステップ踏む人がいるなんて!
それにしても「ノックアウト」って死語じゃないかね?(笑)

またスペイン映画で盛り上がってしまったね。
来月はアルモドバル監督最新作「アイム・ソー・エキサイテッド!」が公開されるし、まだまだスペイン熱は冷めそうにないな。(笑)