ビザール・トイレ選手権!4回戦

【テキサスにあるトイレット・シート・アート・ミュージアム。行ってみたいね!】

SNAKEPIPE WROTE:

ビザールシリーズを展開してからというもの、世界の変わった商品を探すのが趣味になってしまったSNAKEPIPE。
今回特集するのはトイレ!
実はSNAKEPIPE、いろんな場所のオシャレなトイレを発見するのが好きなのである。
「あの美術館には素敵なトイレがある」
のように記憶し、トイレに行くのを楽しみにするほど。(笑)
清潔なのはもちろんのこと、そのデザインや機能性、広さや明るさなど細部にこだわって観察するのが好きなのである。
ただし、このブログではビザールな逸品を紹介するのが趣旨なので、SNAKEPIPEが実用性を重視して普段から観察しているタイプとは違うものになるんだけどね!
以前、とあるニューハーフの方が経営するその手のバーにあったトイレカバーは印象的だったなあ。
「ベガスから取り寄せた」とママから説明を受けたそれは、なんとカバーと便座に金貨が埋まっていてキラキラしてたんだよね。
さすが、ベガス産!金貨ときたか。(笑)
では金貨に負けないタイプから紹介してみようか!

こちらのゴージャスでブリリアント&ラグジュアリーな逸品ならベガスに対抗できそうじゃない?(笑)
このキラキラ光る豪華なトイレはJemal Wright’s bedazzled throne というバス・トイレ用品のデザイン会社の商品のよう。
写真から推測するしかないんだけど、恐らくダイヤの粒が一面に貼り付けられているように見えるよね。
ガラス製だとは思うけど(当たり前か)これだけの数をびっしりと貼り付けるには、一体何粒のガラスが必要なんだろうね?
タンクからトイレ、水を出すためのコックまでキラキラとは驚きだよね!
一体どんな豪邸に住むお金持ちが手に入れるのやら?
ちなみにお値段は75,000ドル。
現在のレートで約580万円也!
キラキラ好きの女性って多いから、意外と注文多いかもしれないね?
SNAKPEIPだったらこれから紹介する逸品のほうが好みだけどね。

どお、このトイレカバーは!
便座とフタのセットなんだけど、カミソリと有刺鉄線が透明樹脂から透けて見えてるタイプ。
なんてパンクな逸品!素晴らしいよね。(笑)
どうやらイギリス製のようで、平均的なイギリスサイズにはマッチします、と書いてあるよ!
vivo mountsというところで取り扱ってるみたい。
一年間の保証が付いて、税込お値段25.51ポンド!
これを円に換算してみると、なんと3100円!
うそー!こんなにカッコ良いカバーなのに、こんなお値段とは!
SNAKEPIPEは本気で欲しくなったよ。
と思ったら品切れだって!ぐっすん、遅かったか。(笑)

じゃあこっちのカバーはどうだ?
おおっ!前に書いた「ビザール・チェア選手権!2回戦」に登場した悪魔椅子に通じるタイプね!
このガーゴイル・トイレカバーについては調べてみたけど、詳細がよく分からなくて残念。
どこの国のものなのか、素材は何なのか、とかね。
お値段についても不明。
もしかしたら販売されてる商品じゃなくて、作品かもしれないね?
この手のモチーフはファンが多いと思うので、調査は継続していきたいと思う。(大げさ)
本当はSNAKEPIPE自身が興味あるだけだったりして?(笑)
代わりにと言ってはヘンだけど、違うガーゴイルアイテムを発見したよ!

ガーゴイルシリーズ第2弾!
ガーゴイル・トイレット・ホルダーだっ!(笑)
この商品、amazonで購入可能なんだよね。
Cool Gargoyle Toilet Paper Roll Holder Gothic Tissueで検索すると出てくるよ。
お値段なんと18.99ドル!
日本円に換算して、えっ1500円!!
これはガーゴイル好きにはたまらないね!
amazonのカスタマーレビューに
「期待以上に素晴らしい!」
って感想が載ってるんだよね。(笑)
レビュー書いた人、上のトイレカバーとセットで持ってるかもしれないよね?
SNAKEPIPEもできれば揃いで欲しいと思うな!(笑)

ここで思い出したのがバブル時代、有明にあったMZA有明
その昔あったライブハウス・ディスコである。
ディスコだよっ、ディスコ!(笑)
この建物の上から下を覗き込んでいたのが、ガーゴイルちゃんだったんだよね。
MZA有明で行ったのはラモーンズだったか。
調べてみたらなんと1988年だって。
ぎゃっ、今から24年前とは…。
ちなみにROCKHURRAHは1988年ラモーンズ来日の時は中野サンプラザに行ったそうだ。
結局二人共観てるのね。(笑)

なんだかガーゴイルづくしの記事になっちゃったね。
ビザールシリーズはまだまだ続くよ!(笑)

大人社会科見学—明治大学博物館・爆音劇場—

【鉄の処女と爆音劇場原画展DM】

SNAKEPIPE WROTE:

本来であれば歌川国芳展後半戦を鑑賞するつもりでいたROCKHURRAHと友人Mを加えた3人組。
先日の「人と人の隙間から『覗き』みたいな感じで鑑賞する」のにはこりごりだったため、急遽予定を変更!
前々より行ってみたい場所だった明治大学に足を運ぶことにした。
何故明治大学なのか?と疑問に思われる方も多いだろうね。
なぜなら明治大学には博物館があり、その中に「刑事関係資料」の展示を扱うコーナーがあることを聞き知っていたからなのである。

「江戸の捕者具、日本や諸外国の拷問・処刑具など人権抑圧の歴史を語り伝える実物資料をご覧ください。とくにギロチン、ニュルンベルクの鉄の処女は、我が国唯一の展示資料です。」

と説明されているように、明治大学博物館の目玉(?)はギロチンと鉄の処女!
是非とも鑑賞してみたい!と思うのはSNAKEPIPEだけではないでしょ?(笑)
江戸時代の補者道具や刑罰についての資料も同時に展示されているとのこと。
これは興味津々!

御茶ノ水駅から歩いてほんの数分の所に明治大学はあった。
この年齢になって初めて大学キャンパス内を歩くSNAKEPIPE。
聞いてみるとROCKHURRAHは友人がいた九州大学に、友人Mは学園祭などで早稲田大学に遊びに行ったことがあると言う。
一度も経験がないのはSNAKEPIPEだけみたいだけど、結局3人共大学生活を送ったことがないという点では一致してるんだよね。(笑)

明治大学の博物館はアカデミーコモンの地下にある。
いつでも誰でも鑑賞することができるという、なんとも太っ腹な対応にびっくり。
しかも業務用ではない個人的な撮影はオッケーと書いてあり、より一層好感を持つ。
商品部門、刑事部門、考古部門とそれぞれセクションで区切られ、係員も警備員もいない状態で展示がされている。
鑑賞に訪れている人が意外と多くてびっくり。
やっぱり人気は「ギロチン」の刑事部門だった。

よく時代劇などでみかける「刺又(さすまた)」やお役人が持っている「十手」の展示から始まる刑事部門。
「刺又」や「突棒」などの補者道具は、時代劇ではハッキリ判らなかったけれど、じっくり詳細を眺めると細工の細かさや棒の長さや重量などを推測することができてとても興味深い。
あの長い棒を振り回せるのは、かなりの体力自慢じゃないと無理だろうね。
江戸時代の男性の体格について調べたことはないけれど、恐らく現代人よりは小柄で体重も軽かったんじゃないかしら?
棒を持つコツがあったのかもしれないね?(笑)

自白を強要するための措置として設けられたのが「笞打(むちうち)」「石抱(いしだき)」「海老責(えびぜめ)」「釣責(つるしぜめ)」で、列記した順番にどんどん辛い責めになるという。
その装置の展示と、「こんな感じだよ」という絵の展示がされていた。
SNAKEPIPEには「釣責」よりも「海老責」のほうが辛そうに見えたんだけど、実際に責めを受けたことがないから判断できないよね。(笑)
「恐れ入りました」と言うまで拷問が続いた、と書いてあったよ。

一番衝撃的だったのは、1869年(明治2年)に外国人によって撮影された処刑写真の展示である。
店の小僧が強盗に手引きをしてその店を襲わせ金を奪った、という事件内容だったと思う。
手引きをした小僧は磔刑、強盗は斬首という裁きを受けたらしく、その様子が写真として残っていたとは驚き。
教科書などで習う「明治時代」というのは「散切り頭を叩いてみれば、文明開化の音がする」のように明治時代=西洋文化だと思っていたSNAKEPIPEだったけれど、写真の明治2年では頭を結った着物姿。
年号が変わっても庶民の生活や文化はまだそれほど変化してなかったことが判る。
これはちょっとした発見だったね!
そして当時の裁きの厳しさにもビックリしちゃうよね。
密通でも死罪と書いてあったよ?
現代よりも道徳に厳しかったみたいだね。

この写真展示がかなり衝撃的だったため、国内唯一の展示品である「ギロチン」と「鉄の処女」にはそんなに感動しなかった。
どちらもレプリカで、恐らく縮尺も変えてあるだろうから余計かもしれないね。
そして「鉄の処女」の造りをジッと観て、3人共に同じ感想を持つ。
「扉を閉めるの、大変だったろうね?」
「鉄の処女」は中が空洞になった立った棺のような内部に、様々な長さの釘が打ち付けられていて、中に人が入り扉を閉めることで釘が全身に刺さる仕組みになっている拷問具なのである。
扉を閉めた瞬間には、釘が全身を貫いていることになる寸法だから、余程の力自慢じゃないとできない作業だと思われる。
調べてみると「空想上の拷問具の再現ではないか」という説が多いとのこと。
やっぱり!無理があるなと思ったからね!

明治大学にはミュージアムショップもあり、そこには「鉄の処女」をモチーフにしたTシャツや便箋などが販売されていた。
SNAKEPIPEが興味を持ったのが「土偶のコースター」。
博物館には考古部門もあり、「土偶」と遭遇!(韻を踏んでる)
あのカタチは不思議でならないよね。
古代宇宙飛行士説なども確かに考えられるかも、などと思いを馳せるSNAKEPIPE。
土偶コースター、とっても素敵!買うっ!
と勢いづいているSNAKEPIPEを横目で見る友人M。
いいよね?とROCKHURRAHに同意を求めても、すぐには反応なし!
えー?なんでー?
ものすごく気に入ったので購入したSNAKEPIPE。
今見てもやっぱりとってもかわいい!土偶ちゃん、最高!(笑)

この日の大人社会科見学はまだ続き、なんと御茶ノ水から原宿に移動!
眠くなったから帰る、と友人Mはこの時点で脱落。(笑)
原宿に行くのなんて何年ぶりだろう?
恐らく5、6年は行っていないはず。
以前の用事が何だったのかも忘れてるよー。とほほ。
今回の原宿行きは友人である漫画家丹波鉄心氏の原画展の鑑賞が目的である。
「え~!A STORE ROBOTが会場だってよ~!」
と叫んでしまったSNAKEPIPE。
ROBOT…なんて懐かしい響き!
遠い昔、そうSNAKEPIPEがまだまだ子供だった時には、ほぼ毎週のように通っていた憧れのお店だったROBOT…。
JUMPIN’, KICKIN’, TWISTIN’ SHOES」や「ファッション雑誌なんかいらない!」でも書いたことがあったね。
「お小遣いに対してROBOTのラバーソールは目ん玉飛び出るほど高くて、それでも欲しくて欲しくて買った一番の宝物だった」
うっ、懐かしい過去の自分にタイムスリップして涙が出そうなくらい!
俺も良く通ったもんだよ、とROCKHURRAHも遠い目をする。
何年どころじゃない、何十年ぶりか判らない程の長い年月を経て、ROCKHURRAHと二人でROBOTに向かったのである。

それにしても…かつてはあんなに足繁く通っていた道のりだったはずなのに、二人共すっかり忘れているとはね。
街並みが変化したせいもあるけれど、人の記憶の曖昧さを再認識させられますなあ。(笑)
店舗に到着してやっと「こんな建物だったな」とうっすら思い出す始末。
ああ、情けない!

ROBOTに足を踏み入れると、赤×黒のモヘアボーダーセーターを着た丹波鉄心氏の姿が目に入る。
手土産のビールを渡すと、とても嬉しそうにしてくれた。
そしてすぐさま栓を抜く鉄心氏。
な、なんと!MY栓抜き持参とは!さすが鉄心氏、やるねえ!(笑)

と、ここで丹波鉄心氏の簡単なプロフィール紹介をしようか。
丹波鉄心氏は少年マガジンで漫画家デビューを果たし、音楽雑誌「DOLL」で4コマ漫画を連載していたパンク漫画家である。
きっとそう聞けば「ああ、あの漫画!」と思い当たる方も多いと思う。
熱烈なファン、いっぱいいただろうからね!
漫画家というと部屋にこもりきりのイメージがあるけれど、鉄心氏はパンク系のライブといえば必ず顔を出すアクティブ&アグレッシブな方!
SNAKEPIPEは恐らく10年程前にライブにご一緒したのが縁で、不定期にライブ参戦や飲み会などでお付き合いをさせて頂いている仲である。
鉄心氏は音楽についてはもちろんのこと、映画や小説などあらゆる分野における知識をお持ちなので、一緒に飲んでて楽しいんだよね!
新しい情報も積極的に取り入れる柔軟な方だなあ、といつも感心してしまう。
キチンと健康管理もされているようで、お会いする度にどんどん体脂肪が減っているように見受けられる。
やっぱりパンクはスリムじゃないとね!(笑)

今回はその「DOLL」で連載をされていた4コマ漫画の原画を展示、そして1999年から始まった10年分の連載をオリジナル単行本「丹波鉄心の爆音劇場 総集編」として販売しているのである。
なんとこの単行本、限定100部でサイン入り!
これは絶対に買わなければ!(笑)
ちなみに購入した単行本のナンバーは68/100!
残念、せっかくだったら69が良かったのになあ!
いや、ROCKHURRAHだから68でいいか。(笑)
それにしても、鉄心氏の漫画はとても面白い。
普段は無口なROCKHURRAHが声を出して笑ってたくらいだよ!(笑)

この原画展は2月19日まで開催しているので、是非ROBOTまで足を運んでね。
どうしても期間中原宿に行かれない方には、ROBOTの通販で購入する手もあるよ!
鉄心氏のオリジナルグッズとして「オヤジクッション」や「マカロンブローチSET」などもあり、鉄心氏から
「バッジ、買わない?」
と強くお薦めをされたSNAKEPIPEだけれど、ごめんなさい勇気がなくて。(笑)
目立つこと間違いなし!のブローチなので、是非みなさん購入しましょうね!

今回の大人社会科見学は「鉄の処女」と「丹波鉄心」で、「鉄つながり」の一日だったなあ!(笑)
おあとがよろしいようで!

がっちりBUYましょう!vol.5 iMac & ライオンちゃん編

【貧困な発想のパクリで申し訳ない】

ROCKHURRAH WROTE:

そろそろ買い換えるか?いいや、まだまだ。などと言いつつもROCKHURRAH愛用のiMacは既に6年目に突入していた。前に買った時のOSは10.4/Tigerだったがその後、10.6のSnow Leopardにして大活躍してくれたもんだ。
家にいる時間はほとんどMacの前というような生活で、まさに「駆使」という言葉がピッタリくるほど慣れ親しんできたのは間違いない。この6年間で内蔵のディスク・ドライブが壊れたくらいで、他には特に故障も問題もなかった。
故障がないというのはいい事の反面、買い換える機会を逃してしまうという事にもつながるわけで、それが冒頭の「いいや、まだまだ」だったわけだ。

ウチのブログのここここにも書いてる通り、ROCKHURRAHは根っからのアップル愛好家だが、ウィンドウズからのスイッチ派ではない。どちらも使えるが自分にとって使いやすいからMacをメインにしてるだけの話。ここで言う「使いやすい」は便利機能がどれだけ付いてるかとか、そういう事とは全く関係ない次元での使いやすさだから、勘違いしないようにね。
この辺の主義主張は敢えて書きたくないし、故スティーブ・ジョブス氏についてのコメントも書かない事にしよう。

さて、前置きが長くなったがそんなROCKHURRAHがiMacを買い換えようと思いつつも今まで買い換えなかったのは、故障してないという以外にもう一つ理由があったからだ。
それはバカバカしくも重大な問題なんだが、古いのを捨てられないからという理由だ。
部屋が無尽蔵にあるわけでもないのに先々代のMacまで後生大事に持ってるよ。

先々代のはMac OS X起動のモデルだが、それ以前の「クラシック」と呼ばれる環境で使えた最後のモデル。要するに大昔に使ってたアプリケーションはそこでしか起動出来ないという事。
先代はインテルに代わった世代のMacだが、「ロゼッタ」という環境でそれ以前に作られたパワーPC対応のアプリケーションがシームレスに使えた。何も考えずに使えたからその恩恵を感じる事はなかったけどね。

そして最新モデルというわけでもないこのiMacなんだが、価格も随分安くなったし前よりはかなりパワーアップした印象があったし、遂に買い換える気になったのが先日。
こういうのは勢いだから衰えないうちに速攻で買う事にしよう。
最近のiMacはワイヤレス・キーボードとマジック・マウスなるものが標準で付いてくるのが慣わしらしい。しかし10キーが付いてないまるでノートのキーボードみたいなのはいくら省スペースでスタイリッシュだろうと使いにくいに決まってる。日常的に億単位の数字を扱うので10キーがないのは困るのだ(大ウソ)。しかも個人的にこの大画面にあのちびっ子キーボードじゃバランス悪くねーか?という思いもあった。

という事から以前の10キー付きのキーボードをわざわざオプションで換装してアップル・ストアにて購入。もっと安く売ってるところはあったんだが、キーボード取り替えに対応してるところをアップル・ストア以外で見つけられず、やむなく定価でお買い上げとなってしまった。基本的にどこで買っても大差ない時代だし、アップル・ストアで買ったから超純正品というわけでもない。
マジック・マウスに至っては買うまで全く機能も知らなかったよ。今まで純正マウスは使った事がなかったしな。

頼んでから約一週間、キーボード取っかえて送るだけなのに意外と遅いな、と思っていたら、何と日本ではなく上海から送られて来るとの事。日本にもたくさんあるだろうに、やることが大掛かりだな。超純正品どころか超パチもんが届くんじゃなかろーか?などとドキドキして待つ。国内に来てるらしいのは確かだがヤマト運輸ADSC支店ってどこよ?何だか想像を遥かに超えた謎のルートで手元に届くらしい。

そして届いたのがみぞれ混じりの冷たい雨が降る夜だった。濡れてもいないし地面に置いたりもしない、さすがヤマト運輸、素晴らしい心がけだね。
さあ開封、と箱を開けたら暖房との温度差がすさまじく、一瞬で結露、大汗をかいた状態の新品iMac。いきなりの挫折か。
気を取り直してまずはあらかじめ買っておいたメモリを増設。前に使ってたiMacはスロットが2つしかなくて、4GBにしても3GBまでしか認識してくれなかったが、今度は最大16GBまで取り付けられて、メモリ不足に悩まされる事がなくなった。ウチのはノート用のDDR3-1333というもので元から付いてたのと足して12GBにした。豪華なり。

起動する前に悩んだのが新型に入ってるOS Lionにするか以前のままSnow Leopardで使うかという事。ネットでレビューを読んでもLionの魅力があまりROCKHURRAHに関係ない部分での進化だったので、なおさら悩んだ。まあ嫌だったら戻すという事で取りあえずLionのまま、先代からユーザー環境をほぼまるごと移植するという方針にした。
Time Machineバックアップからの復元は過去にやった事はあったが、OSをまたいでの復元は初めて。うーん、取り返しがつかないほどのミステイクはないと思うけど緊張しますな。

で、結果はあっけないほど簡単に移行出来てしまった。設定し直しもほとんどなく、アプリケーションのシリアルとかも(おそらく)完璧に引き継いだまま。パソコン買い替えの時の移行の面倒さがまるでないのがさすがTime Machine、優秀だな。
あまりにも環境が違わないので逆にビックリだが、よく見ると確かにSnow Leopardではなく、ちゃんとLionなんだよな。

いよいよこれからLionやiMacのレビューかと思いきや、それをかなり端折ってしまうのがROCKHURRAH流だ。いつも自分で思うんだけど、前置き長過ぎなんだよね。そしてこれからって時に疲れてしまうんだよね。しかも発売から結構経っててイマサラ敢えて書かなくても、先人がちゃんと書いてくれてるんだよね。
今年もダメダメだなあ(笑)。

Lionは誰もが予想した通り、限りなくiPhoneとの境界線があやふやなOSだと感じる。みんなが大好きなiPhoneだけど、それを大画面のパソコンでまでやるのはちょっとなあ、という抵抗はあったが、想像したほどiPhoneもどきではなく、ちゃんとSnow Leopardと同じくらい熟成したOSだとわかって安心した。
さすが、今日を愛するLION。あっ、これはライオン違いか?

アップルのサイト上で紹介されているLaunchpad(全画面で表示するランチャー)やMission Control(起動中のアプリケーションを全部表示して切り替える)などは正直言って個人的には使う事がない機能だと思えるが、システム純正でこういう機能が派手に展開するのはいかにもMac的なのかね。
前から愛用しているHimmelBarやmulti X Finderとかぶる機能なので自分としては必要ないなあ。
まだ全機能を試したわけじゃないし、そもそもアプリケーションを使う母体としてのOSなので、OSの基本機能だけを言っててもはじまらないね。
困った事と言えばROCKHURRAHがレコードを録音する時に使っていた波形編集ソフト、Bias Peak Pro 6がなぜか起動しなくなった事。その前のヴァージョン5が普通に起動してるから使えなくなるはずはないんだけどなあ。まだ原因究明する時間がないんだけど、そのうちちゃんと元のように使えるようになるだろう。

Lionの新機能がどうとかよりも、初めて触れたマジックマウスの新触感にビックリ。
表面に継ぎ目もボタンもスクロールホイールも存在してなくて、指のタッチのみで既存のマウスと同じ事をやろうとする精神が尊いよ。パソコンとはこういう操作をするもの、と体で覚え込んでる事を根底から今さら覆すわけだから。iPhone経験者は逆に驚かないんだろうけど、スクロール操作が逆、さらにスワイプなどと言われても慣れるまで数日かかってしまった。しかし慣れなかった場合は市販のマウスに戻そうと考えていたのに、今でもマジックマウスをなぜか使ってしまっている。いいとか悪いとか以前にこの触感がやみつきになってしまうのだ。スクロール設定は戻す事は出来るんだが、せっかく開発者が考えだした手法をロクに使いもせず、慣れようともしないのも情けない話だからな。そんな頑固オヤジみたいにはなりたくないよ。

OS X Lionはこのマジックマウスを駆使する事を前提に作られてるのは間違いない、と感じた。本当はマウス形状じゃなくてオプションのマジックトラックパッドを使えばさらに使いやすいのかも。ノートパソコンのトラックパッドが苦手で使いにくいと思ってたROCKHURRAHは最初からこのオプションに関しては考えてもいなかったが、今にして思えばこの操作性はマウスでなくても良かったんじゃないかと思っているほどだ。

ほとんどの人にはどうでもいい事だろうが、スリープ状態にした時に前のMacはうっすらとしたライトが、まるで寝息を立てているかのようにゆっくりと点滅していたのが好きだった。今回の機種にはそれがないようで、ちょっと寂しい。無駄な部分ももっと進化しようよ。

以上、特に目新しい事も面白い事も書けずに苦しい記事となってしまったが、これから買おうと思ってる人には少しくらいの参考にはなったかな?
ではまた、さよなライオン(古い・・・)。

CULT映画ア・ラ・カルト!【11】哀しみのベラドンナ

【哀しい運命に翻弄されるジャンヌ】

SNAKEPIPE WROTE:

SNAKEPIPEが小学生だった頃、子供の寝る時間として決められていたのは確か夜の20時だったと思う。
最近の子供には信じられないかもしれないけれど、昔はそれが当たり前の習慣だったんだよね。
そしてSNAKEPIPEもその教え通りに、毎日20時には眠ってしまう良い子だった。(笑)
ところがある日のこと、テレビの音で起こされてしまう。
どうやら父親が深夜番組を鑑賞していたらしく、その物音で目覚めたようだ。
寝ぼけ眼に飛び込んできたのは極彩色のアニメーション。
その映像の面白さに引きこまれてしまい、ついには父親と最後まで鑑賞してしまった。
「夜中に起きてテレビを観たことは母親には内緒」
ということにしてね。(笑)
その時の衝撃的な映像というのが手塚治虫が原案・構成・監督を務めた「クレオパトラ」であった。

1970年代、「千夜一夜物語」「クレオパトラ」「哀しみのベラドンナ」の3部作が制作された大人向けアニメーション「アニメラマ」。
その洗礼を恐らく10歳くらいで受けてしまったSNAKEPIPE。
はっ、この文章だけ読むと1970年に10歳だった子供=現在52歳という年齢だと思われてしまうよっ!
違うからねっ!観たのはきっと再々々々々放送くらいだと思うよ。
決してリアルタイムではないので、勘違いしないでね!(笑)
確かに子供が観るには早すぎる内容が含まれていたと思うけれど、あの時の衝撃は今でも忘れられない。
そして「クレオパトラ」がDVDになっているのを知ったのは、今から5年程前のことである。

「ああっ、あの時のっ!」
と喜び勇んで早速注文し、再び鑑賞することができた時の喜び!
ただし、幼少時代に最も強く印象を残していたクレオパトラ整形部分の映像が見当たらなかったのが残念だった。(SNAKEPIPEの記憶違い?)
何かの薬を飲まされたクレオパトラの原型となる不美人女は、全身がくねくねの軟体動物にようになって眠らされている。
そこに整形師とでもいうのか、美容整形専門のジイさんがやってきて、「顔はこんな感じにして」とまるで印鑑を押すようにペッタンと顔型を押し付け美人にしてしまう。
「体はこんな感じが魅力的」と手で粘土をこねるようにグラマラスボディを作り上げていく様子がたまらなく面白かったのに。(笑)
これもまた手塚治虫の漫画・アニメ「ふしぎなメルモ」に出てくる、青いキャンディーと赤いキャンディーのどちらかを食べることで年齢を変化させることができるミラクルキャンディーと同じくらい魅力的な題材である。
あのクレオパトラのクネクネになる薬と、ミラクルキャンディーがあったらアンチエイジングなんて関係ないもんね。(笑)

「クレオパトラ」に関しては前述したように「もう一度鑑賞」する夢が叶ったけれど、「アニメラマ」の他2作品は鑑賞することができなかった。
と、ここでまた「探しモノなら俺に任せろ!」とROCKHURRAHが見つけてくれたのが、「哀しみのベラドンナ」である。
この作品は「アニメラマ」の最後の作品として制作され、手塚治虫自身は全くノータッチとのこと。
そのため手塚治虫が描くようなキャラクターではなく、イラストレーター・深井国による作画である。
ROCKHURRAHは昔から深井国のファンだったようで
「あの絵が動くと聞いただけでファンとして嬉しい」
と鑑賞前から目を輝かせワクワクしている様子。(笑)
どうやらROCKHURRAHの自宅に、SF好きのお兄さんが購入していた本があり、その挿絵を深井国が担当していたらしい。
SNAKEPIPEは深井国については全く知らなかったんだよね。
こんな対照的な二人であるが、「哀しみのベラドンナ」の鑑賞を始めたのである。


観てまず驚いたのはその色彩である。
アニメーションということで、ポスターカラーのような極彩色を想像していたけれど「哀しみのベラドンナ」は淡い色調や中間色を多用している作品であった。
長い巻物のような一枚の紙に右から左へと物語に沿って絵が描かれ、順に絵を追ってカメラを移動させるような手法も採用されており、いわゆる通常観慣れたアニメの作りとは大きく異なっているのも特徴的だ。
そしてまるで最盛期の浅丘ルリ子や加賀まりこのようなお目目パッチリ、まつげビンビンロングヘアーの女性キャラクターが登場する。
そう、この女性が主人公ジャンヌなのである。

簡単に「哀しみのベラドンナ」のあらすじを書いてみようか。
19世紀フランスの歴史家ジュール・ミシュレが書いた「魔女」が原作になっている。
時代は中世のフランス。
ジャンとジャンヌが結婚式を挙げる。
当時のフランスでは、領主に貢物をし結婚の許しを得る慣例があったようだ。
ところが貧乏なジャンは充分な貢物を贈ることができず、罰として新妻ジャンヌの貞操を領主に奪われてしまう。
結婚当初から不幸な目に遭ってしまうジャンとジャンヌ。
生活は苦しく、不幸はずっと続いたまま。
そんなジャンヌの前に悪魔が現れる。
悪魔に願い事を聞いてもらう代わりに、ジャンヌは身を捧げ続け、ついには魔女になってしまうのである。

中世のフランスの領主と教会、民衆の関係が良く解っていないSNAKEPIPEなので、「どうして結婚するために領主に貢物を捧げるのか」を理解するところから始めないとね。
Wikipediaで見つけた「初夜権」に答がありそうなので、ご参照下され。
実はこのアニメ映画を観始めてすぐにこのシーンが始まるんだけど
「貢物が充分じゃないと判っていながら、何故結婚するのか」
と思ってしまったSNAKEPIPE。
そもそも最初から間違ってなあい?(笑)
その間違った考えのせいで、新妻ジャンヌは領主やその家来達から陵辱を受け、心身共にボロボロになってしまうのだから。
うーん、もうこの時点で普通なら即離婚だよね?
ジャンヌの稼ぎに頼り切り、自分は酒浸りのジャンの情けない男ぶり。
ヒモで酒飲みとは。うーん、絶対離婚だよね?
そして追われる身になったジャンヌのことを助けることもできない不甲斐なさ。
ここまで来ると、ジャンに対して怒りを覚えるほどだよね。
なんだかひどい話だなあ。
ネタバレになるから最後までは語らないけど、ひどい話ですっかり呆れてしまったSNAKEPIPE。
「哀しみのベラドンナ」は物語についてではなく、その作画や色彩などのアート作品として鑑賞するのがベターだと思う。

深井国の絵は不協和音な色を組み合わせたサイケデリック調で、とても60年代的だった。
あの色合わせ感覚、是非とも見習いたい分野だなあ。
描いている絵の途中途中でフィルムを回していたようなコマ撮り、前述したようなカメラのパンによる撮影など、かなり実験的な手法が採り入れられていて面白かった。
現代のようにCG技術などなかった1970年代に、手間暇かけてここまでの実験性と耽美的な世界を実現したこと、そしてそれが日本人の作品だということに驚き!

「アニメラマ」の最初の作品「千夜一夜物語」を未だに鑑賞していないSNAKEPIPEなので、またROCKHURRAHにお願いして探してもらおーっと!(笑)