ROCKHURRAH紋章学 ウォーター・ボトル編

【水筒の水、美味しそうに飲んでるね!】

SNAKEPIPE WROTE:

10月に入ったというのに、最高気温が30℃を下回らず、記録が更新されちゃったらしいじゃないの!
いい加減にしてよ、アグネス・チャン!って感じだよね。(古い)
ほんの少し出かけるだけでも、喉が乾く。
熱中症も怖いので、必ず飲み物を携帯する。
遠出の時には、何本のペットボトル(500ml)を飲み干したのか覚えていないほどだよ。
自動販売機で買えるし、携帯にも便利なペットボトルは優れものだよね!

いつの頃からか、お茶や水が販売されるようになった。
SNAKEPIPEが子供の頃には売ってなかったもんね?
お茶は急須を使って茶葉から入れるもの、水は水道水を意味していたからね。
「おーいお茶」なんて商品名で、お茶が売られていることを知った時には心底驚いた。
外国では当たり前だろうけど、日本で水の販売を知った時には、腰を抜かしたものよ。(笑)

石油の次には水の価格が高騰する、なんて噂を聞いたこともあったね。
実際水を買って飲んでいる人、多いよね。
確かに最近では水道水をそのままガブガブ飲むことも少なくなったし。
食の安全と叫ばれているせいもあるだろうけど、口に入れる物に気を配るようになったことは確かだよね。

前フリが長かったけど、今回の「ROCKHURRAH紋章学」では、水のパッケージ・デザインを特集してみよう。
最初はビザールなデザインを探していたけれど、さすがに水にビザールは少なくて。(笑)
オシャレで、水が美味しそうに見えるデザインを選んでみたよ!

最初のデザインはこちら!
FUENSANTAはスペインで1846年に創立された飲料水メーカーだという。
フエンサンタの起源は自然と結びついている、というメッセージを元に、緑の森にガラス瓶をおいたらどうなるか、というコンセプトでデザインされたという。
デザインしたのは同じくスペインのPati Nunez Associats
まるで日本酒の瓶のように見えてしまう形に、緑の葉が清涼感をもたらし、とても美味しい水なんだろうな、と想像させてくれるよね。
この水を飲んだら心も体もキレイになれそうじゃない?(笑)

続いても日本酒みたいに見えてしまう瓶の形だね。
スペイン、バスク地方で高級な水ブランドを展開しているGOROBEL。
何度もスペルを確認して検索したんだけど、このメーカーのHPを探すことができなかったんだよね。
パッケージ・デザインをしたのはIsusko、やっぱりスペインの会社みたいだね。
たおやかな曲線と、木の幹がプリントされ、そして縦書きの商品名が和風に感じる。
スペインでは栓抜き使うタイプのパッケージが多いのかな?
一度開けると、蓋ができなくて困らないのか、小さいことだけど気になってしまう。
スーパーにこんなデザインがズラリと並んでいたら、買うよりも鑑賞したくなりそうだよね。
さすがにスペイン、オシャレなデザインがたくさんあるね!

ちょっとレトロな雰囲気が残るオシャレなデザイン!
デザインしたのは、またもやスペインのSeriesNemoね。
この名前に聞き覚えがあったSNAKEPIPE。
調べてみると「ROCKHURRAH紋章学 コーヒー・パッケージ編」で紹介していたデザイン会社だったんだね。
その時にも「さすがスペイン!」と褒めちぎっていたよ。(笑)
まるでガラス瓶のように見えるけれど、素材はPETとのこと。
そして二酸化炭素排出量を削減するように最適化もされているというから、デザイン性だけではなく環境問題にも取り組んでいるということが分かるよ。
こんなペットボトルだったら、捨てるのが惜しいくらいかも。
地中海の光を捉えたウォーターグリーン色も、清潔感と体に染み込む水を連想させるよね。
いくら贔屓の国とは言っても、スペインの商品3つは連続し過ぎてるかな?(笑)

スペインからスウェーデンに行きましょ!
Ramlösaは北ヨーロッパで親しまれている、発泡性ミネラルウォーターのブランドだという。
起源はなんと1707年まで遡るというから、日本では江戸時代だね。
ヨーロッパとは水に対する歴史が違うことを、改めて認識するよ。
このパッケージ・デザインをしたのはGrowという、ブランド開発コンサルタント会社だという。
デザインだけではない専門知識により、需要を生み出し、真のビジネス価値を創造し総合的にプロデュースをする会社ということみたいだね。
Ramlösaの親会社であるカールスバーグより安価で持ち運びが容易で環境に優しく、かつプレミアムなデザインを依頼されたという。
PETボトルでこのカッティングとは!
二酸化炭素排出量を大幅に削減し、デザイン・アワードも受賞したというから大成功だよね。
このスパークリング・ウォーター飲んでみたいよ!

丸い蓋が印象的なデザイン!
こちらはイギリスで1997年に設立された精製飲料水メーカーであるPURE WATERのもの。
水源で精製および瓶詰めされ、輸送されるため、二酸化炭素排出の環境への影響を軽減しているという。 
環境に配慮しています、という文言をどのメーカーでも必ず書いているんだよね。
これがやっぱり世界レベルなんだろうな。
このデザインを担当したのはNeueというノルウエーのデザイン会社ね。
栓抜きが必要な瓶詰めの場合、こぼれないか心配だったけど、これなら大丈夫そうじゃない?
そしてこのデザインだったら醤油入れたりして、再利用できそうなところも良いよね。
えっ、ノルウエーの人だったら醤油入れないって?(笑)

最後はこちら!
今まで見たことがないデザインじゃない?
LH2Oは2005年からポルトガルのリスボンを拠点にしているデザイン会社PedritaとLusoブランドのコラボレーションで生まれたデザインとのこと。
5つの正方形と12の六角形の同一面を持ち、「3次元空間充填モジュール」と呼ばれているそうだ。
意味は正確に分からなくても、こんな積み上げ方をされたら目を引くことは間違いないよね。
手に取って、実際に飲む時はどうなんだろう?
非常に気になる一品だね!

今回は水をテーマにパッケージ・デザインを特集してみたよ!
日本のスーパーで見かけるペットボトル、どれも大差ないように感じているので、オシャレなデザインに憧れちゃうよね。
また世界の秀逸なデザイン、探していこう!

大人社会科見学—横田基地日米友好祭2019—

20190928 top
【なんとも和洋折衷な電光掲示板】

SNAKEPIPE WROTE:

前週、鳩ノ巣渓谷散策の記事をまとめ、その最後に「社会科見学、午後に続きがあるんだよね」と書いたSNAKEPIPE。
続きが気になって眠れなかった読者の皆様に、その後の行動についてお伝えしよう。(大げさ)

東京の西方面に行くことは非常に稀であるため、鳩ノ巣渓谷からの帰りに寄り道する計画を立てていた。
当ブログには「がっちりBUYましょう!」という、記事になりそうな買い物をした時に、商品の詳細を伝えるカテゴリーが存在する。
主にROCKHURRAHが担当しているカテゴリーで、2010年12月に初めて記事にしたブランドがある。
それは「5.11」という、CIAや米軍の特殊部隊、PMC(民間軍事会社のこと)に絶大な人気と支持を得て、全世界の軍、警察にて採用されている装備やウェアを扱っているブランドである。

かつては店頭で現物を見ることが少なくて、ファントムや(今はなき)シーザムで、やっと手にすることができた。
ROCKHURRAHはバッグや靴、パンツやジャケットなどを所持していて、かなりの「5.11」好きと言えるよね。
その影響で、SNAKEPIPEもバッグや靴を愛用している。
世界的に有名なブランドなのに、誰かとバッグが「かぶった」という経験をしたことがないんだよね。
日本ではそこまで知名度が高くないのかしらん?
などと勝手に想像していたSNAKEPIPEの認識が甘かったようで。
なんと2018年1月に日本初の旗艦店が福生にオープンしていたとのこと!
10年程前から注目していたブランドなのに、全く情報を得ていなかったROCKHURRAH RECORDS。
これはなんとしてでも行かないとね、と話していたのだった。

鳩ノ巣からの帰り道、「5.11 Tactical Store Tokyo」 を目指して牛浜駅で下車。
するとホームは、驚くほどの人で溢れかえっている。
何かをアナウンスしている声も聞こえてくる。
ROCKHURRAHと顔を見合わせるSNAKEPIPE。
「まさかっ?!」
横田基地でイベントが行われているのかな?

以前横田基地で開催された日米友好祭に出向いたことがある。
大人社会科見学—横田基地日米友好祭2010—」として記事にまとめているよね。
これは2010年8月なので、今から9年前のこと。
だだっ広い敷地を歩いていたら、熱中症の手前のような症状になり、気分を悪くしたSNAKEPIPE。
「もう横田基地に来ることはあるまい」
と密かに胸の奥で呟いたっけ。(大げさ)

牛浜駅にこれほどの人だかりと言えば、友好祭以外考えられないよ!
慌ててホームのベンチに座り、スマートフォンで検索する。
ああ、やっぱり!
まさに、この日が友好祭だったとは。
「5.11」のショップに行くことを目指していただけだったけれど、せっかくなら友好祭にも行きたいよ。
それにしても驚きの展開だよね!(笑)

牛浜駅から横田基地を目指す人の群れは途切れることがない。
まずは、最初に腹ごしらえだね。
9年前には見かけなかった、駅の目の前にあるインドカレー屋に入ってみる。
どうやらオープンしたばかりのようで、内装が中途半端!
小料理屋(?)の居抜き物件だったように見受けられる装飾がチラホラしていて、アンマッチさがおかしい。
カレー屋なのにお座敷席があるし。
それでも店員はインド系の方なんだよね。(笑)

お昼ご飯が終わって、横田基地に向かうことにする。
人の流れは相変わらずで、線路を渡る前などでは警察官が誘導している。
基地までの道が少し狭いので、蟻の行列のように前に続いて歩いていくしかない。
本来であれば牛浜駅から徒歩10分程度で到着するはずなのに、この日は約30分程度かかったかもしれない。
鳩ノ巣渓谷で足がパンパンになったSNAKEPIPEなので、スロースピードでの歩きは丁度良かったかも。(笑)

汗だくになってきた頃、やっと横田基地の入り口が見えてきた。
福生ベースサイドストリートと呼ばれる国道16号線でも警察官による誘導がされている。
信号を無視して車を停止させ、通行人を基地に入れていた。
おお、9年ぶりの横田基地!
まさか再訪することになるとは、思いもよらなかった。(笑)
ROCKHURRAHに入り口の写真を撮ってもらったよ。
先週に引き続き、ROCKHURRAH撮影の画像を多く使用しているよ。

門をくぐった後、身分証明書の提示と荷物検査が待っている。 
9年前、この場所には銃を構えた兵士が睨みを利かせていたっけ。
その様子が「本物は怖い」という印象を残していたけれど、今年はそこまで迫力がある兵士は見当たらなかった。
9年前のROCKHURRAHとSNAKEPIPEは、「基地に行くんだから」とミリタリー系のファッションで身を固めていたけれど、今回は全く予想していなかった訪問である。
鳩ノ巣渓谷対策としてトレッキングし易い服装をチョイスしていたので、ミリタリーの匂いはNothing!
あーあ、もっとオシャレするんだったね。(笑)

荷物検査が終わって、いよいよ基地内部へ。
道幅が広くなり、ごった返していたはずの人の群れがバラけて、少し歩きやすくなる。
道に沿って歩いていくと、人だかりが見えてきた。
赤いバックに展示されているのは銃火器?
えっ、まさか本物!?
その横には装備品の展示もあり、どうやら実際に使用されている(されていた?)物を見せてくれているようだ。
SNAKEPIPEは触らなかったけど、手にしている人の様子では、かなり重量がありそうだったよ。
それにしてもいきなりの銃には驚いたね!

「ひー!カッコ良い!」
思わず声をあげてしまったSNAKEPIPE。
これは自衛隊の軽装甲機動車とのこと。
日米友好祭なので、自衛隊の所持品も展示されているんだよね。
ゴツイ車体と、太いタイヤ、そしてオリーブドラブ色が見事にマッチした素晴らしい逸品!
この車なら、完全にペーパードライバーのSNAKEPIPEが運転して、どこかにぶつけてもビクともしないだろうな。(笑)

9年前にも「YOKOTA」の文字がプリントされたTシャツを購入したので、今回も記念に買って帰ろう、と物販コーナーを目指す。
映画で観るような巨大な格納庫を横目に、歩き続ける。
なんと言っても広いからねえ。
鳩ノ巣渓谷の後で、よく頑張ってるよ。
もしかしたらROCKHURRAH RECORDS、意外と丈夫なのかもね?

見て笑ってしまった風景がこれ。
ブログのトップ画像で掲示板の文字が分かるよね。
鳥居にアメリカ空軍マークが配されているって、おかしい。(笑)
遠景で眺めた画像で、奥に赤い欄干が見えるんだよね。
どうしてアメリカ空軍基地の中に和風の橋がかかっているのか?
その後ろにある建物が何なのかも気になるところ。
とても不思議な光景だったよ。

ニュースでも度々耳にする、輸送機「オスプレイ(CF-22)」の展示もされていたよ。
ここは大人気で、 兵士と一緒に記念撮影する人が多数。
その様子を見ていて驚いた。
アメリカ兵達、ものすごくフレンドリーなんだよね。(笑)
前述したように9年前には怖い兵士が多かった印象なので、この態度の豹変ぶりには驚愕するばかり。
そしてオスプレイ、大きいなー!
飛んでいるところを見てみたかったよ。

お目当ての物販も大賑わい!
食べ物や飲み物を買い求めるお客さんが行列を作っていた。
大混雑の中、結局お揃いのTシャツを購入したROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
ペアルックにして出歩くことはないので、ご安心を。(笑)
その後、展示されている戦闘機を鑑賞する。
2010年に展示されていたF-22ラプター(ラプちゃん)にはお目にかかれなかったよ。
F-15やF-16はやっぱりカッコ良いね!
地面に座り込んで戦闘機を鑑賞している人がいる。
ん?なんと戦闘機の写生をしているじゃないの!
「旅サラダ」の山代エンナじゃあるまいし、絵にするとは驚きだよね。(笑)

一通り見て回ったので、出口に向かう。
強い日差しが照りつけているので、汗だくになっている。
トレッキング後なのに、広大な基地内を歩いたため、足は棒状態だよ。(笑)
途中、野外ステージから懐かしい曲が聞こえてくる。
もしかしてラッツ&スター?いや、シャネルズのカバーか?
古き良きアメリカを彷彿させる50年代っぽい曲がウケるのかな。(笑)

横田基地を出て、福生ベースサイドストリート(国道16号)を歩くと「5.11」の看板が見えてきた。
壁の側面に描かれた絵を撮影し、いざショップ内へ!
落ち着いた色合いで、高級感あふれる店内の様子は、タクティカル系を扱っている感じではないね。
2Fにはレディス用品があり、嬉しい限り。
実は試着してみたSNAKEPIPEだったけれど、いまいち似合ってなかったんだよね。(笑)
好みとしてはメンズのデザインをそのままサイズダウンしたレディス服を作って欲しいんだけど、それでは売れないのかもしれないね?
当初の目的だった「5.11」ショップに行かれて良かったよ!

朝早くに家を出て、鳩ノ巣〜横田基地〜「5.11」ショップと歩き回り、非常に充実した1日になった。
日米友好祭は、まるで予定に入っていなかったので嬉しい誤算だったね。(笑)
またどこかに出かけてみよう。
今からとても楽しみだよ!

大人社会科見学—鳩ノ巣渓谷—

20190922 22
【鳩ノ巣小橋からの風景を蜘蛛入りで撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

我がROCKHURRAH WEBLOGには、いくつかのカテゴリーがある。
最近ではアート関係の話題が多いので、それらのカテゴリーの記事数は更新されていく。
数年来、全く記事を書いていないカテゴリーもあるんだよね。
その中の一つが、ROCKHURRAHとSNAKEPIPEがお出かけした様子を記録した「大人社会科見学」。
ROCKHURRAH視察団」というカテゴリーも存在しているんだけど、「視察団」は店舗取材(大げさ)で「社会科見学」は学術研究(のつもり)や旅行などを記録するために使用している。
大雑把な「くくり」だけどね。(笑)
それにしても「社会科見学」は2015年の那須高原まで、「視察団」は2013年のかっぱ橋道具街以来、更新していなかったことに驚く。
ROCKHURRAH RECORDS、どこにも行っていないんだね。(とほほ)

9月の3連休、どこかに出かけてみようか、と話し合う。
近場で楽しそうな場所ってどこだろうね?
東京の西には、数えるほどしか行ったことがないSNAKEPIPEは奥多摩方面に興味があった。
奥多摩に行ってみようか!(笑)

奥多摩と一口にいっても、ROCKHURRAH RECORDSが行かれる場所は限られてくる。
1.電車やバスなどの交通機関が利用できること。
2.あまりに過酷な徒歩ルートではないこと。
車を所持していないため、車でしか行かれない場所は無理なんだよね。
ワクワクしながら検索した結果、鳩ノ巣渓谷を目指すことに決定する。
JR青梅線の鳩ノ巣駅と白丸駅との2kmのコース中、吊橋を渡ったりしながら歩くことができるという。

鳩ノ巣駅へは新宿から約1時間半、料金はおよそ1,000円ほど!
新宿が始発駅のホリデー快速に乗る、という手もあるけれど混みそうなのでパス。
朝の6時前に家を出て、中央線快速青梅行きに乗る。
青梅から鳩ノ巣まではおよそ30分ほど。
電車の窓から見える風景がどんどん変化していく。
遠くに見えていた緑色の山が大きく目の前にせり出してくる。
山間に近付いてきたよー!(笑)

ついに目的の鳩ノ巣駅に到着する。
この日は雨男のROCKHURRAHも幸運に見舞われ、ご覧の通りの晴天!
一緒に電車を降りたのは、ほんの数名。
朝早くに青梅線に乗車するのは、山を目指している人が多かったみたい。
鳩ノ巣駅が無人駅だったこと、近くにあったトイレが最新式の設備を備えていることに驚く。
ちゃんとトイレットペーパーも補充されていたり、日本ってすごいなあと改めて感じたよ。

さて、早速歩き始めよう、と確認したのが駅近くにあったマップ。
ブログに何度も書いていることだけど、SNAKEPIPEは自他共に認める方向音痴なんだよね!
そのため地図を見る(読む?)ことも不得手としている。
最近はROCKHURRAHが悪い影響を受けてしまい、若干方向音痴気味になっているので注意が必要だよ。(笑)
マップにて「なんとなく」の進む方向を見定めてから、早速ウォーキングのスタートだ!

歩き始めて5分も経たない頃、水が流れる音が聞こえてくる。
道路脇から景色を見て驚く。
下に降りられる階段と激しい水の流れも確認する。
これは行くしかないでしょ!
どんどん階段を降りていくと、更に水の音が大きく聞こえる。

かなり落差のある滝が目の前に! 
こんなに駅から近い場所で滝に出会うことになるとは、全く予想していなかったよ。
轟音が聞こえたのも納得だよね。(笑)
日光の華厳の滝を見て以来、滝が大好きになっているROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
鳩ノ巣を調べた時には、全く情報に載っていなかった嬉しいハプニングだよ!
「双竜の滝」だという。
しばし佇み鑑賞した後、駅方向に戻るか別のルートを探索するか迷う。
前述したように方向音痴のSNAKEPIPEだからね。
通常ならば駅方向に戻るほうがベターだけれど、今回は少しだけ冒険したい気分だった。

完全に廃墟になっている旅館の脇を通り抜けると、道がまだ続いている。
どんどん下っていくので、もし戻る時にはキツい上りになるんだな、と思いながら進んでいく。
小川の流れと鳥居が見えてきた。
水神様、と看板に書かれていたよ。
ROCKHURRAHと一緒だから問題ないけれど、一人だったらちょっと怖いだろうね。


渡りたいと思っていた鳩ノ巣小橋まで0.15kmとの記述があったので、道が間違っていないことを確認する。
そのまま進もうとした時、本日2回目の驚きがあった。
なんと小さな滝に遭遇したんだよね!
朝ごはん用のお弁当を持参していたので、滝を鑑賞しながら頂くことにする。
こんなに間近で滝壺を見ながらの朝ごはんなんて、贅沢だわ!(笑)
聞こえるのは滝の音だけ。
まるで日常の煩わしさを洗い流してくれるようで、開放的な気分になった。
この瞬間を味わえただけでも、来て良かったと心から感じたよ!(笑)

再び鳩ノ巣小橋を目指して歩くことにする。
多摩川は場所によっては、流れが早く大きな岩がゴロゴロしていた。
その風景は新宿から1時間半の距離とは思えないほど「思えば遠くへ来たもんだ」状態!
ROCKHURRAHが撮影した、光が差し込み、神々しさすら感じる一枚。
傑作ですな!(笑)
同じ場所でSNAKEPIPEも撮影してるんだけど、この一枚には敵いませんでした、、、。
実は今回のブログで使用している画像の7割はROCKHURRAH撮影なんだよね。
SNAKEPIPEの傑作はトップ画像の蜘蛛入りだけかな。(笑)

目指していた鳩ノ巣小橋がこれ。
高所恐怖症のROCKHURRAHとSNAKEPIPEは、無事に渡ることができるんだろうか?
人数制限がありそうな揺れるタイプの橋なんだよね。
救い(?)は、距離が短いことかな。(笑)
橋の上には最初、三脚使って写真撮ってる人が1人だけだったけれど、向かいから1人やってきた!
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEで4人。
ふと目をやるとまた1人後ろから橋に足をかけた人が!
これで5人が橋の上にいることになる。
その様子を横目で見たROCKHURRAH。
橋の耐荷重量オーバーだと思ったのだろうか、ものすごいスピードで橋を渡り始めるではないか!(笑)
小走りに前を行くROCKHURRAHのせいで、橋が揺れること。
「はあ〜、助かった〜」
って大げさだよね。(笑)

次の目的地は白丸ダム!
道沿いを歩いていけば着く予定だけど、大丈夫だろうか。 
なんとなく「ここだろう」と分かる程度の道を歩いていく。
これ、ほとんど山道と言って良い荒れた道よ。
トレッキングやらハイキングをしたことがないROCKHURRAHとSNAKEPIPEには、初めての経験なんだよね。
下って下って川に近付いたかと思うと、今度は上って上って、木々の間を抜けるように歩いていく。

こんな階段が何段も続いてるんだよね。
場所によっては、1段の高さが非常に高くて、足がパンパンになってくる。
「えっ、また上り?」
だんだん疲れがきて、SNAKEPIPEは笑うしかなかった。
楽しいとか大変とかのように、いっぺんに複数の感想を持った時に笑うことがあるんだね?
ただ辛いとか疲れただけではなくて、楽しいとか嬉しいも混ざった心の動きは生まれて初めてだからね。
SNAKEPIPE、もしかしたら楽観主義者なのかも?(笑)

かなりの距離を歩き、やっとダムらしき建造物が見えてくる。
道は間違っていなかったので安心したよ。(笑)
人工湖である白丸湖は、美しいエメラルドグリーン色をしていた。
多摩川沿いに階段のような設備が見える。
「あれが魚道だよ」
ROCKHURRAHが教えてくれる。
次は魚道見学なんだよね!

多摩川にいる魚の遡上を助けるために造られたという魚道。
結構急勾配だと思うけど、魚は上っていくんだね。
ヤマメや鮎、ニジマスなどが上るんだって。
さすがに上ってる様子を見ることはできないだろうな。(笑)
魚道の入り口となっている管理棟に向かう。
前に数人のお客さんがいたくらいで、中はそんなに混雑していない。
この時の時間午前9時過ぎ。
かなり早い時間なんだよね。

魚道の見どころの一つとして、螺旋階段が有名だという。
確かに!
インダストリアル好きのROCKHURRAHとSNAKEPIPEにとって、まさに垂涎の的だよ。
カッコ良い!と写真に撮ろうと下を覗きこむSNAKEPIPE。
こ、こわいっ!
下までぐるぐるがずっと続いているよ。
一体どれほどの高さがあるんだろう?
尻から腿にかけての神経がモゾモゾして、心臓が縮み上がる。
高所恐怖症だから、落ちそうになる感覚に弱いんだよね。 (笑)
それでもやっぱり好きだわ、この風景!

魚道の様子だよ!
パンフレットなどで説明をされても、実際に魚がどういう動きをするのかは分からなかった。
他の見学客が全くいない状態で、ゴーゴーと水が流れる音を聞きながら魚道を歩けたことだけでも貴重な体験になったよ。
魚道を抜け、再び管理棟に戻ると、巨大扇風機を回してくれた受付の方の親切に感謝だね。
こんなに立派な建物を無料で見学させてくれる東京都交通局って太っ腹だよね! 
ダムの写真が載ったカードまで貰い、本当に社会科見学になったよ。

鳩ノ巣で見学したいと計画していたことは、これで完了したので、駅に行くことにする。
ここでROCKHURRAHと協議したのは、鳩ノ巣駅に戻るか白丸駅まで行くか、である。
鳩ノ巣駅に戻るルート、山道以外もあるのかな?
実はこの時点で、SNAKEPIPEの足はパンパンになっていた。
再び山道を歩く元気はなかとよ。(笑)
車道を少し歩けば白丸駅に出るのではないか?
のんびり歩くこと、およそ20分で白丸駅に到着する。
全くの無人駅で、カメラを下げた鉄道ファンが電車を待っている。
新宿方面の電車は、10分程度待てば来ることになっていた。
画像を見てもらうと分かるように、この時まだ11時前。(笑)
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEの社会科見学、午後に続きがあるんだよね。
午後の話は、次週に乞うご期待!(笑)

塩田千春展:魂がふるえる 鑑賞

20190915 top
【どんよりした空模様がよく分かる一枚】

SNAKEPIPE WROTE:

森美術館で開催されている「塩田千春展:魂がふるえる」については、長年来の友人Mから「とても良かったので行ったほうが良いよ」とお勧めされていた展覧会である。
行ってみよう、と計画していた日には、令和元年台風15号(アジア名:Faxai/ファクサイ) が関東に上陸したのである。
過去最強クラスの強い勢力を持った台風の影響で、現在でも千葉県内では復旧作業が行われているほど。
ROCKHURRAH RECORDSは、幸いにして明け方の強風を感じる程度だったため、六本木行きを決行!(大げさ)
電車も少し遅れながらではあったものの、支障をきたすことなく六本木に到着したのである。
今回のトップ画像は、あえて空が映っているものにしてみたよ。
まだちょっと怪しい雲が見えるよね。

台風の影響で、展覧会場はガラガラに空いているだろうと予想していたけれど、通常より少し少ないくらい。
例えば観光客は近くに宿泊しているだろうから、あまり天候に左右されることがないのかもね?

最初に森美術館作成のPR動画を載せておこうかな。

塩田千春という名前を今まで聞いたことがないSNAKEPIPE。
経歴について調べてみたよ。

1972年 大阪府岸和田市生まれ
?年 大阪府立港南造形高等学校卒業
?年 京都精華大学洋画科卒業
1993年 オーストラリア国立大学(ANU)キャンベラスクールオブアートに交換留学生として留学
1996年 ハンブルク美術大学(HfbK)に入学
1997年から1999年 ブラウンシュバイク美術大学(HBK)にてマリーナ・アブラモヴィッチに師事
1999年から2003年 ベルリン芸術大学(UDK)にてレベッカ・ホーンに師事
2008年 平成19年度 芸術選奨新人賞、平成19年度 咲くやこの花賞 美術部門受賞
2015年 第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展で日本代表に選出される
2010年度~ 京都精華大学客員教授

現在はベルリンを拠点に活動しているという。
それにしても一体いくつ大学に通ったんだろうね?
数えてみると5つだよ!
30歳近くまで大学生だったことになるのかな。
その間の生活費などはどうしていたのか、小さいことだけど気になってしまうよ。(笑)
それにしても、以前は確か「レベッカ・ホルン」と表記されていたように記憶してるけどね?
読み書きは変化することがあるから、まあいいか。

今回の展覧会についての説明文を森美術館のHPから載せてみよう。(一部抜粋)

ベルリンを拠点にグローバルな活躍をする塩田千春は、記憶、不安、夢、沈黙など、かたちの無いものを表現したパフォーマンスやインスタレーションで知られています。
副題の「魂がふるえる」には、言葉にならない感情によって震えている心の動きを伝えたいという作家の思いが込められています。
「不在のなかの存在」を一貫して追究してきた塩田の集大成となる本展を通して、生きることの意味や人生の旅路、魂の機微を実感していただけることでしょう。

「不在のなかの存在」なんて哲学的だわ!
一体どんな作品なんだろう?
森美術館では一部の作品を除いて、ほとんど撮影が可能なんだよね。
クレジット表記のルールを守れば、ネットへのアップもOKとのこと。
良い美術館だよね!(笑)
それでは気になった作品の感想をまとめていこう。
通常は展覧会の順路通りに作品を載せることが多いけれど、今回はなるべく作品の制作年順にしてみようかな。
理由は後ほど明らかになるであろう。

オーストラリアで留学中だった1994年の作品である。
「絵になる夢を見た」という塩田が、アクリル絵の具をかぶり、初めて身体表現に挑んだという。
そもそも自分自身が絵になるという発想が変わってるよね。(笑)
そして選んだ絵の具の色が赤というのも、血みどろのスプラッター状態にしか見えないし。
奇をてらう、というよりも死にたい気持ちを表しているように感じるんだよね。
この時塩田は22歳。
病んでいるようにみえるなあ。

1997年、ハンブルク美術大学時代の作品である。
アクリル絵の具をかぶった次には、泥水に浸かるパフォーマンス!
塩田千春、体張ってるよねえ。
泥の中で、塩田千春は何を思ったんだろう。
そしてまたこの行為も「死」を連想させるよ。
死人になりきることで、次のステップに進んだんだろうなあ。

1997年、ブラウンシュバイク美術大学在学中のパフォーマンス。
4日間断食した後、行ったのが全裸で斜面に掘った洞窟によじ登り、転げ落ちてはまた登ることを繰り返す行為だったという。
カミュの「シーシュポスの神話」を思い出すなあ。

カミュはここで、人は皆いずれは死んで全ては水泡に帰す事を承知しているにも拘わらず、それでも生き続ける人間の姿を、そして人類全体の運命を描き出した(Wikipediaより)

またもや体を張って頑張る塩田千春。
内面の苦しみを体で表現した感じなのかな。
観ているほうまで苦しくなってしまうよ。

1999年のパフォーマンス。
自宅のバスルームで泥をかぶり、拭いきれない皮膚からの記憶を表現しているという。
ドイツに住み始めて3年が経過していたらしい。
皮膚からの記憶ってなんだろう。
日本人である存在を意味しているのか。
今まで生きてきた自分自身ということなのか。
はっきりは分からないけれど、今の自分をあまり好きではない状態だったように見えるよ。

泥と皮膚というのがテーマだったようで、上の作品と同年に制作されたインスタレーション。
体の不在を表すドレスは泥にまみれ、上部に設置されたシャワーでも皮膚の記憶を洗い流すことはできない、ということらしい。
ドレスは7mもあるとのこと。
目の前に泥まみれのドレスが出現したら、かなり迫力あるだろうな。
先日鑑賞したボルタンスキーにも、日を追うごとに電球が消えていくインスタレーションがあったように、時間経過を含んだ作品なんだろうね。 

黒や赤の糸を空間全体に張り巡らせたダイナミックなインスタレーションが、塩田千春の代名詞とのこと。
その片鱗が見えたのが1996年の「意識へ戻る」なのかもしれない。
使用されている材料は黒い毛糸、ガラス管、血。
血って一体何の血よ?
毛糸に血液入のガラス管を括り付けてるのかな。
心のモヤモヤした状態を表しているように見えるよ。
毛糸はこれからずっと使用していく材料になるんだね。

2010年のパフォーマンス。
ここでも塩田千春は、血を使ってるね。
血が連想させる家族や民族、国家、宗教などの境界を壁に喩え「その壁を超えることのできない人間の存在」を表現したという。
塩田千春の言葉をそのまま書いていると、「〜できない」という表現が多いことに気付く。
ここらへんがネガティブ思考というのか。
だからこそ表現できるとも言えるのかもしれないけど?
この作品の時、塩田38歳。
まだまだ全裸で頑張ってるよ!

この作品は、フィリップ・モリス.K.K.アート・アワード2002大賞受賞作とのこと。
糸がまるで繭のように人間を包み、人が眠っている姿は莊子の「胡蝶の夢」のように、夢と現実の間にいる世界を表しているという。
分かるような分からないような文章ですな!(笑)
ドイツで3年の間に9回引っ越しをし、自分の居場所を探していたという塩田。
安寧の場所は繭の中、と夢想したんだろうか。
そしてそんな状況になっても、日本に帰ろうとは思わなかったのか。
どうしてもドイツに留まる必要があったのかな。
作品から安心感は全く得られず、SNAKEPIPEは蜘蛛の糸を連想してしまった。
絡め取られて生贄になるイメージね。(笑)

燃えるような赤色の世界。
かなり大きなインスタレーションで、枠組みだけの船がいくつあっただろう。
この船は棺か、それとも魂の容れ物か。
そこから湧き出て上へ、上へと昇っていくのは、魂ではないのだろうか。
もしくは血管なのかも?
そんな想像をしながら会場を歩く。
どこを見ても赤が目に入る。
一体どれだけの毛糸が使用されているんだろう。
ここまで糸を張り巡らせるのは大変だったろうなあ。
言葉がなくても、見た瞬間「うわっ、すごい」と感じることができる。
これこそ現代アートだなあ!

次は黒の世界ね。
燃やされた(?)椅子やピアノに黒い糸が張り巡らされている。
これはイタリアのテキスタイルメーカーであるアルカンターラ社製の糸で、見た目がゴムっぽい感じだった。
赤が生なら、黒は死なのか。
かつてこの世の生を受けていた人たちの、想念が揺らめいているようだったよ。
なんとも言えない異様な雰囲気に圧倒される。
この作業に携わったスタッフの方は、悪夢にうなされたりしなかっただろうか?

古い木枠を並べたインスタレーション。
旧ベルリンで廃棄された木枠を使用したみたいね?
一つ一つに、それぞれの家の歴史があるんだよね。
塩田千春のインスタレーションは、コツコツと小さな作業を積み重ねていった結果、巨大な作品が完成しているパターンが多いみたい。
「個」が「群」になると、存在感が増して迫力が違うんだよね。
木枠の内側に入ってみると、閉塞感で息が詰まりそうだった。
多様な記憶の洪水に飲み込まれそうになったのかもしれないね。

最後の作品も「群」物ね。
これはROCKHURRAHが動画で撮影してくれたよ!

作家名/作品名:塩田千春《集積-目的地を求めて》この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています
旅行かばんが赤い糸で吊るされている。
低い位置から徐々に高い位置へと連なっている。
バッグが揺れるんだよね。
まるで中に何か入っているみたい。
それは持ち主の記憶や念なのかもしれない。
まるであの世へ旅立つような印象を受けたよ。

塩田千春展はとても見応えがあった。
自分の存在とは何か、生きる目的を知るために苦しみ続けていた様子が表現されているように感じた。
作り続けながら、頭の中ではきっと様々な想いが巡っていただろうな。
かなり根気のいる作業を続けていて、努力家だなあとも思った。
こうした作品は、とても女性的に映るし、実際女性のアーティストが多いんじゃないかな。

2019年5月に鑑賞した東京都現代美術館の「百年の編み手たち〜ただいま/はじめまして」で鑑賞した、手塚愛子を思い出す。
手塚愛子もドイツ在住のようで、そんなところまで似ているとはね?
ドイツは住みやすいのかなあ。
移住を考えるか?(笑)