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【向こうの部屋に誰かいる!いかにもありそうな恐怖へのいざない】

SNAKEPIPE WROTE:

敬愛する映画監督デヴィッド・リンチの作品の中でよく登場するのが、ドアを開けると漆黒の闇が広がっているシーン。
自分の家の中なのに、まるで異空間のように感じてしまう恐怖を表しているのである。
通称「リンチ・ブラック」と呼ばれていると聞いたことがあるよ。
ここまでの闇ではなくても、実際に自宅で似た経験をすることってあるんだよね。
日が落ちているのに、電気を点けないで部屋に入った瞬間。
もしかしたら誰かが潜んでいるかもしれない、と一瞬想像してしまうことがある。
これってSNAKEPIPEだけかなあ?(笑)

そんな日常的に感じる恐怖を描いているアーティストを発見した。
上の画像も、上述した話に近いシチュエーションだよね。
向こうの部屋に確認できる人影。
家族なのか、もしくは見知らぬ人物?
小さく「ヒッ」と声を上げてしまいそうな、ゾクッとする心理を上手く表現していると思う。

これはSam Wolfe Connellyというイラストレーター。
サム・ウルフ・コネリーでいいのかな。
1988年北バージニア州生まれの29歳。
2011年にジョージア州サバンナ芸術大学デザイン学部を卒業。
以来、イラストレーターとして活躍し、個展も開催しているという。
現在の活動拠点はニューヨークだって。
左はコナミのホラーゲーム「サイレントヒル」のポスターとのこと。
しっかりカタカナで書いてあるから分かるよね。(笑)
映画のポスターなども手がけているので、プロのイラストレーターとして成功しているんじゃないかな。
本人のインタビューによれば「家賃が払えるように仕事するだけが望み」とのこと。
恐らくはプロのイラストレーターよりアーティストになりたいように思うけど?

サム・ウルフ・コネリーは子供の頃に感じた恐怖を絵の題材に選んでいるらしい。
それがきっと一番上の画像のような隣の部屋だったり、右の画像のような窓から垂れ下がる髪の毛なんだろうね。
これらは子供じゃなくても怖いと思うけど。(笑)
右の画像では、窓枠に点滴のパックのようなものが吊り下がっているので、恐らく窓を頭にした状態で寝ている女性がいるんだろうね。
種明かしをされたら「なあんだ」と思うかもしれないけど、一瞬ギョッとする光景には間違いない。
剥がれかかった壁も意味深に思えるし、手入れされていないような雑草が、まるで髪の毛の仲間のように見えてくるのも効果的。
これがカラーの作品だったら草の緑と髪の色の違いが分かるんだろうけど、モノクローム(ちょっとセピア?)だからこそだね。

サム・ウルフ・コネリーの恐怖イメージは続く。
月明かりの中、湖に浮かぶ男性の半裸体。
これは水浴びをしているところなのか。
それとも溺死体なのか。
SNAKEPIPEには溺死体に見えてしまうよ。
だって泳ぐなら、ジーンズは脱ぐと思うし?
まるで映画の中のワンシーン。
死体かもしれない人物がいる絵に美しさを感じてしまう。
もしかしたら殺人かもしれないのに、静謐で凛とした空気まで読み取ろうとする。
2つ以上の相反する感想を持つことができる作品は大好きなんだよね!

サム・ウルフ・コネリーの作品を調べた中で、最も恐ろしいと思ったのは右の画像。
「Above My Floorboards」と題された2013年の作品なんだよね。
「これ、こわい」とROCKHURRAHに見せると、昔の心霊写真に似たものがあったような気がすると言う。
確かに100年以上前の怪奇映画の雰囲気あるよね。
右の作品は、シーツを頭から被ったように見える左の人物(?)もさることながら、階段の上に浮かんでいるように見える人の影が恐怖を倍増させてるよね。
この作品は本当に心霊写真に見えるよ。
でもこれは実は写真じゃなくて絵なんだよね。
サム・ウルフ・コネリーはカーボングラファイト鉛筆やチョークを使用して作品を制作しているという。
普通の鉛筆より硬くて黒鉛粒子が細かいけれど、紙に付着した後はあまり粒子が動かないため、紙を汚さないのが特徴とのこと。
右の作品にはモノクロ写真によくある「ほこり」まで描かれていて、「やるなあ」と思ってしまった。
SNAKEPIPEは昔、自分で写真を印画紙に焼き付けていたので、この「ほこり」みたいな糸くず状の跡には苦労していたことを思い出したよ。
細い筆(面相筆)使って、点描の要領で修復していくんだよね。
そんなモノクロ印画紙の特徴まで描きこむなんて驚いちゃうよね!

サム・ウルフ・コネリーは油絵も手がけている。
左は「Whiteout」という2014年の作品ね。
車のライトが照らし出した一瞬の光景を描いているように見える。
「今の何だった?」と運転手が走り去った後でギョッとする。
そしてきっと見間違いだった、と自分を納得させてしまうに違いない。
恐怖や面倒には巻き込まれないほうが無難だからね。
この女性がどうして裸足で、薄手のワンピースを着て外出しているのかは不明。
勝手に想像してしまうと、精神病院に入院中の女性が病室から抜け出したシーン。
どこに行くあてもないため、さまよい歩いているように見えてしまうよ。
人によって様々なストーリーが展開しそうだね。

サム・ウルフ・コネリーの不穏な空気を孕んだ、不吉で恐怖を感じる絵はとても興味深い。
まるでスナップショットを写実的に描いたように見えるけれど、選び方が上手なのかもしれない。
これからどんな作品が完成していくのか楽しみである。

インタビューの中でサム・ウルフ・コネリーが座右の銘にしている格言について語っている。
Wolves don’t lose sleep over the opinions of sheep.
直訳では「オオカミは羊の意見の上に睡眠を失うことはない」だけど、意訳としては「狼は羊に振り回されることはない」、つまりは「人目を気にせず己の道を行く」ということになるのかな。
サム・ウルフ・コネリーのスペルは違うけれど、名前にウルフが入ってるから一層本人にとって意味のある言葉なのかもしれないね?
このまま独自の表現を追求してもらいたいアーティストだね!


【「ツイン・ピークス The Return」に出演の俳優陣とリンチの記念写真】

SNAKEPIPE WROTE:

2017年はSNAKEPIPEにとってワクワクするイベント続きの年になった。
1982年公開の映画「ブレードランナー」の35年後を描いた「ブレードランナー2049」が今年の10月に公開され、アレハンドロ・ホドロフスキーの自伝小説を元に映画化された「エンドレス・ポエトリー」は11月に鑑賞済。
そして3つ目のイベント、「ツイン・ピークス The Return」も全て鑑賞し終わってしまったのである。

「ツイン・ピークス The Return」とは1991年に終了したテレビドラマの後、1992年に公開された映画「ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間」から25年後の世界を描いた全18章のテレビドラマである。
殺害された女子高生ローラ・パーマーに瓜二つの女性が、通称レッドルームと呼ばれる赤い部屋で「25年後にお会いしましょう」とクーパー捜査官に言うシーンがある。
それで実際に25年経った2017年に続編の企画が持ち上がったようで。
まさか、あのセリフから続編の制作が実行されるとは思ってもみなかったよ!
1991年のシリーズは章によって監督が変わる持ち回り制だったけれど、「ツイン・ピークス The Return」は全編リンチが監督だという。
リンチ・ファンのSNAKEPIPEにとっては、んもぉ〜願ったり叶ったりの嬉しいお知らせ!(笑)
8月よりWOWOWで放映が開始され、最終話が12月で終了。
ROCKHURRAH RECORDSは字幕版で鑑賞していたので、二ヶ国語版で鑑賞していた方より少し遅いんだよね。
毎週楽しみに展開を追っていたので、終了してしまった今となっては少し体がしぼんでしまったような感じ。
気合入れて息を溜め込んでいたのが、すっかり吐き出されたような感覚かな。

25年前のテレビドラマ「ツイン・ピークス」の最後の章で、クーパー捜査官は既に2人存在していたんだよね。
レッドルームにいるクーパーと、現実世界にいるクーパー。
そして現実のクーパーは、なんとキラー・ボブに乗っ取られた「悪いクーパー」になっていた。
洗面台の鏡にヒビが入る程、強く額を打ち付けて血を流しながら鏡を見るクーパー。
映る姿はボブだったからね。
テレビドラマはそこで終わってしまい「クーパー、一体どうなるんだろう」と不安な気持ちでいっぱいになってしまった。
その後の世界が「ツイン・ピークス The Return」で描かれていたのである。
なんと!クーパーは更に分身を増やして3人になってたんだよね。
それは「悪いクーパー」「バカなクーパー」「普通のクーパー」とでもいおうか。
まるで「欽ドン!良い子悪い子普通の子」の「イモ欽トリオ」みたい。(古い!)
ミスターCとして、肩にかかる長さの髪にレザージャケットを着ているのが、ボブに乗っ取られた状態のクーパー。(画像の一番左)
ダギー・ジョーンズという名前で、また別の世界で生きていた保険会社に勤める男が、途中で「バカなクーパー」に様変わりする。(画像の真ん中)
このクーパーがずっとバカなままで、見ている側がヤキモキしてしまうんだよね。
それにしても3人を演じ分けたカイル・マクラクラン、大変だっただろうね。(笑)
「バカなクーパー」のような役は初めてじゃないかな?

「ツイン・ピークス The Return」の感想をまとめたいと思って書き始めたけれど、あまりにエピソードが多過ぎているし、それぞれ謎が残ったまま展開していないシーンがてんこ盛り!
リンチらしいと言えばそうなんだけど、文章にしようとすると困ってしまうね。
それぞれのエピソードについては「ネタバレ」というタイトルを付けて詳細を書いている方がいらっしゃるようなので、SNAKEPIPEは気になったシーンを書いていこうかな。
本当は1回のブログでは全然足りないんだけどね。(笑)

リンチが「もう映画を撮らない」と宣言した理由が「映画の商業主義化」だというのは、ホドロフスキーも同感のようで、アートな映画は一切評価されないのが現代みたいなんだよね。
良いとか悪いとかではないけれど、大抵のことはCG(コンピュータグラフィック)使って、あり得ないような状況をいとも簡単に映像化してしまう映画が多いのが最近の傾向かもしれない。
リンチは「ツイン・ピークス The Return」で、その2つにあえてアナログな手法で対抗しようとしたんじゃないかな。
リンチが得意にしているフィルムの逆回し、少しコマをずらしてわざとギクシャクした動きを見せたりする、まるで1920年代のSF映画みたいな方法ね。
それはまるで学生が一生懸命知恵を絞って実験映画作りました、みたいな感じ。
そう、結局は「イレイザーヘッド」なんだよね!(笑)
70歳をとうに過ぎたリンチが、原点である「イレイザーヘッド」精神を持ち続け、ハリウッドに感化されずに映像作品を制作しているところが素晴らしい!
今だったらCGだろう、というのを「あえて」稚拙に見せるところがポイントなんだよね。
もしかしたらその「ズレ」やバレバレの「逆回し」もCGでできるのかもしれないけど、「ギクシャク」させないと思うよ。(笑) 

レッドルームの「The Arm」の存在も「いかにもリンチ」だったね。
25年前に印象的なダンスを披露した小人の代わりみたいだけど、このオブジェクトはリンチが作ったに違いないよ。
「イレイザーヘッド」の赤ん坊も似た感じだし、リンチの絵画作品にも近いし。
レッドルームの特徴的な幾何学模様の床から、にょっきり生えている「The Arm」の存在自体がシュールだからね。
「ツイン・ピークス The Return」でのレッドルームの役割が謎だったな。
まるでクーパー捜査官を助けるための舞台みたいに見えたからね。 

リンチらしい映像ということで付け加えると、「ボブの誕生秘話」だった第8章。
リンチ・ファンのSNAKEPIPEにとっては至福の時だったけれど、テレビドラマの映像ではないよ。(笑)
こんな実験映像を観て喜ぶのは、ほんの一握りだろうなと想像する。
リンチはカラー作品ももちろん素敵だけど、モノクロームの映像が素晴らしいよね。
最近はリトグラフ版画を手がけているリンチなので、やっぱりモノクロームに魅力を感じているのかもしれないね。
また「あえて」モノクロームの映像で、リンチの作品観たいなあ!
1945年に始まったボブの誕生物語は、この1回だけで終わってしまい、あの変な虫のような蛙みたいな物体を飲み込んでしまった少女の運命についての言及はなし!
謎は謎のままで良い、はリンチの言葉だからね。(笑)

その関連ということになるのか、ローラのお母さんのエピソードも尻切れトンボだったんだよね。
25年前に夫と娘を亡くし、あの家で一人暮らしをしているローラの母セーラ。
相変わらずのヘビースモーカーで、更にアルコールも相当飲んでいるみたい。
何かが映っていれば良いと思っているのか、意味のないテレビばかり観ているね。
そんなセーラがショットバーに行った時の怖いシーン。
これも説明なく、ここで終わってるんだよね。
やっぱりあの虫みたいな蛙飲んだの、セーラだったのかなあ。

これもアンチ・ハリウッドかなと思ったのは、ワン・シーンの長さ。
最近の映画だったらカット数が多くて、Aの顔、Bの顔のアップ、手の動き、なんて感じでカメラの動きが速いよね。
それを「あえて」間を取る、セリフがなくてもカメラが回っているような無駄な時間の多さに感心してしまった。
元々「ツイン・ピークス」の面白さは、無数に張り巡らされた伏線にあったので、まるで無駄のように思えるシーンやセリフの1つ1つにまで気を配り神経を集中させることだったので、「The Return」も同じような鑑賞法が必要なんだろうね。
リンチの部屋にいる女性がFBI同士の話があるから、部屋を出てバーで待っててと促されたシーンなどは、リンチのギャグなんだろうなあ。
切羽詰まった状況と、のんびり化粧してる女性の対比みたいな感じの。
それにしてもリンチは「ツイン・ピークス」の時にはダブルRダイナーのウエイトレスであるシェリーとキスしてたり、今回も美女をはべらせ、更にはモニカ・ベルッチとの共演も果たしている。
この助平根性がリンチらしさの秘訣なんだろうね。(笑)
リンチの俳優としての出番も多い「The Return」はリンチ・ファンには嬉しい限りだったね! 

どんなにキレイで可愛かった女性でも、25年経つと変わってしまうのか…。
それにしても目の当たりにするとショック大きいんだよね。
ダブルRダイナーのシェリーとノーマは、別人に見えるほどではなかったように思う。
ローラも少しふくよかになってるけど、そこまでの変化ではなかった。
えっ、うそ?と目を疑ってしまったのはオードリー!
オリジナルのドラマは90年代だったのに、まるで50年代の女優のような雰囲気を持ち、コケティッシュで少し生意気な美人だったオードリー。
きっとリンチもお気に入りだったに違いない。
確かリンチとの噂もあったように記憶しているよ。(笑)
ところが今はかなり残念な結果に。
25年前の「ツイン・ピークス」では、爆発した銀行にいたところで終わっていたっけ。
突然出て来たかと思うと話していることは支離滅裂で意味不明。
本当にあの小男が旦那なのかな?
最後にオードリーが出てきた時は鏡を見ながら泣き叫んでいるシーン。
一体どうしちゃったんだろうね?
それなのに、息子がいる設定なんだよね。
そして息子も極悪非道な悪いヤツ。
この点についての説明はドラマの中では全くされていないので、想像するしかないよね。 

「インランド・エンパイア」でちょい役だった裕木奈江が、大役もらっていたのには驚いた。
「ツイン・ピークス The Return」では印象に残る存在だったと思うよ。
とは言っても、、、誰だか分からない状態だったけどね?
顔は見えない、セリフといえるようなセリフはない。
「Naido」という名前で、後半にも登場してくる重要な役割なんだよね。
リンチ作品に出演した日本人は裕木奈江だけだと思うし、2作品に選ばれるなんてすごい! 
調べてみたら現在47歳だって。
その年でフルヌードとは、裕木奈江頑張ったね!(笑) 

25年前にも出演していた俳優の懐かしい顔が見られたのも嬉しかったね。
ツイン・ピークス保安官事務所のホーク、アンディ、ルーシーは相変わらず勤務していて、ローラの同級生だったボビーが保安官事務所に勤めていたのは意外だった。
精神科医のジャコビーは自らの意志や主義を訴えるための海賊放送(?)をしていて、その訴えに共感する片目のネイディーンは、外見が25年前と変化がなかったよ。
ネイディーンは音がしないカーテンの特許取得したのかもしれないね?(笑)
ジェームズは25年前に歌った曲「Just You」を披露し、エドは念願だったノーマとの再婚が果たせそうで良かった。
残念だったのは、ピート役だったジャック・ナンスと「丸太おばさん」役だったキャサリン・コウルソンが既に亡くなっていること。
「丸太おばさん」は「The Return」が遺作になったのかな。
2人共リンチとはゆかりのある人物だったし、「ツイン・ピークス」でも存在感がある俳優だったからね。
今調べて初めてピートと「丸太おばさん」が実生活で夫婦だったと知り驚いた! 

「ツイン・ピークス」に出演はしていなかったけれど、リンチ組と言って良いであろう女優が「The Return」には登場していたのも注目だったね。
ナオミ・ワッツは「マルホランド・ドライブ」で主役を演じ、その後から知名度がアップした女優。
「インランド・エンパイア」ではラビットの声を担当してたよね。
「The Return」ではダギー・ジョーンズの妻という役どころで、出演回数が多かったね。
気が強くてせっかちな妻を上手に演じていたよ。

ーラ・ダーンは「ブルーベルベット」で、恐らく「変な口の形」が気に入られ、キャスティングされたのではないかとSNAKEPIPEは予想しているけれど、その後も「インランド・エンパイア」では主役を勤めている女優ね。
リンチとは長い付き合いのようだけど、まさか「The Return」でダイアンとして登場するとは思わなかった!
「ツイン・ピークス」でクーパーが「ダイアン」とレコーダーに呼びかけていた、あのダイアンである。
本当にダイアンが存在しているのかどうかが不明だったのに、「The Return」で実在の人物として描かれることになるとはびっくり!
ローラ・ダーンも裕木奈江と同じようにヌードを披露してたけど、こちらは50歳!
熟女のヌード、多かったなあ。 

「ロスト・ハイウェイ」「マルホランド・ドライブ」「インランド・エンパイア」の3作品、SNAKEPIPEが「迷宮系3部作」と名付けた作品に共通するもう1つの世界という概念が「ツイン・ピークス The Return」にも継承されているので、理解できないような事がいっぱいなんだよね。
舞台が1つだけじゃないし、登場人物もドッペルゲンガー状態。
リンチが瞑想の中で思いついたか、夢で見たストーリーなのかもしれない。
以前「マルホランド・ドライブ」の感想をまとめた時に書いた文章。

自分の夢でも整理して説明できないんだから、他人の夢を見させられたら困惑するに違いない。
理不尽で整合性がないのは当たり前!

もしかしたら「ツイン・ピークス The Return」にもあてはまるのかもしれないなあ。

最終話は一体どんな展開になるのだろうとドキドキしていたけれど、なんとまあ!
こんな終わり方で良いの???
あっけにとられてしまったSNAKEPIPE。
この終わり方では次を期待してしまうんだよね。(笑)

まずは「The Return」を鑑賞し直してみよう。
前述したようにちょっとした会話や意味がないと思われた伏線に気付くかもしれないしね?
あれはどんな意味だろうと思い巡らせるのが「ツイン・ピークス」の醍醐味。
もし謎が解けなくても全く問題ない。
リンチが監督した映像を鑑賞できるだけで、SNAKEPIPEは幸せだから!(笑)


【SNAKEPIPEが試着したところ。さすがにサイズぴったり!】

SNAKEPIPE WROTE:

オリジナルの洋服や雑貨を制作し、それを発表する「逸品制作日誌」を最後に書いたのが、なんと2013年7月のこと!
実に4年も前のことと気付いて愕然とする。
その間何も制作していなかったのかというと、そんなことはない。
大抵の場合、制作というよりはリフォーム作業をしていたようで…。
このブログには「劇的ビフォ→アフター」というリフォームについて特集するカテゴリーがあるけれど、そこで書くまでもない程度の作業しかしていなかったみたい。
今までも何度か書いているけれど、大好きだったバンド、ROBINが解散してしまってからというもの、ライブに行く機会は皆無になり、それと同時に制作にも熱が入らなくなってしまった。
あの頃はライブに行くため、という目的が制作意欲を掻き立てていたんだよね。

そんなSNAKEPIPEが久しぶりに作ってみたいと思ったのは、ROCKHURRAHが着ているレザー・シャツが羨ましかったから!
それはウエスタン調のレザー・シャツで、とてもカッコ良いんだよね。
もちろんROCKHURRAHにとても似合っているから余計なんだけど。(笑)
レディスには、そんなレザー・シャツってなかなかないと思う。
よおし、それならば作ってしまえ!
と意気込んで柔らかい革を手に入れたのが、2015年の年末近く。
ROCKHURRAHに付き合ってもらい、一緒に選んでもらった。
そしてシャツの裁断をしたのが、2016年の正月。
そう、去年の1月なんだよね!

洋服の場合はいつもそうなんだけど、この裁断という作業が一番苦労する。
型紙置いて、印付けてカットするだけなんだけどね。(笑)
素材がレザーだからなのか、この裁断まで済んでしまえば、ほとんど完成したと言っても良いくらい。
もちろん実際はそうじゃないんだけど、それくらい裁断の作業は大変なんだよね。
腰が痛くなりながらも、なんとか裁断し終わり、あとは縫うだけ。
左は裁断してパーツになった革の様子。
最初は順調だったはずなのに。
ああ、それなのに。(笑)
なんでこんなに時間がかかっちゃったんだろうね?

原因の一つは、 シャツの作り方そのままを参考にしてしまったから。
レザーと布では厚みが違うのに、同じように作ろうとして苦労してしまった。
例えば襟とかね。
右は非常に時間をかけて作った襟部分の画像。
レザーで裏表を作っているため、少し不格好なんだよね。
もう一つは裏地を付けてしまったこと。
ROCKHURRAHのレザー・シャツには裏地が付いていなくて、シャツの中に着る素材によっては、滑りが悪くて着づらいことがあるとのこと。
この話を参考に、裏地を作ろうと計画したのが更に苦労の元になってしまった。
シャツを作ったこともないのにも関わらず無謀だったのかもしれない。

そしてSNAKEPIPEが胸ポケットの素材にこだわってしまったのも原因かな。
同じレザーではなく、ハラコにしてはどうだろうと想像してしまったのである。
そしてその考えが素晴らしいと思い、また素材を調達することになってしまった。
ここでまたタイムロスだ。(笑) 
左はハラコのポケットを付けた身頃を撮影した画像。
ここまでで何ヶ月かかったんだろう?

去年の冬には間に合わず、結局今年中持ち越しそうになってしまった。
いや、今年の冬はこのレザー・シャツジャケットを着たい!
そう決心して再び制作を始める。
襟、袖、身頃と完成させたら、あとはそれら全てを合体させるだけ!
右は合体させて、残るは袖のカフス部分を作るだけとなった画像。
裏地が少し見えているのがおわかり頂けるだろうか。
これは古着屋で手に入れた70’sのブラウスを使用している。
ちょっとサイケっぽい柄が気に入って、何かで使おうと買っておいたものだ。
「開くとすごいんです」
って感じにしたかったんだよね。(笑)
この画像からは見えないけれど、内ポケットも付けて好みの状態にしてある。
レディスの洋服って、ポケット少ないのが多いんだよね。

カフスを作り、シャツの裾部分を縫って完成!
これでやっと今年デビューすることができたよ。
計画からということになると、約2年をかけて完成にこぎつけた逸品。
今年中に仕上げることができて、本当に良かった。(笑)

次回の逸品制作日誌はいつ書けるだろう?
まさかまた4年後?
オリンピックみたいだね。(笑) 

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【SNAKEPIPE作だまし絵。さて、この風景に何匹の動物が隠れてるでしょうか?】

ROCKHURRAH WROTE:

「動物王国」などと壮大なタイトルをつけたものの、前回はちょっとしか紹介出来ずに終わってしまったので渋々続きを書くことにする。 

前も書いた通り1960〜70年代のロックは動物名がついたバンドが結構たくさんあって、ロック好きだったら即座にいくつかの有名バンド名がすんなり出てくると思う。でもそれはROCKHURRAHが語るようなものがほとんどなく、強いて言えばヘンリー・カウとかアート・ベアーズとかレコメンデッド・レコード系くらいか?

ROCKHURRAH RECORDSとしては70年代のパンク、80年代の初期ニュー・ウェイブをメインとしてるので、そんな中から動物名のついたバンドを探してみたのが前回のブログというわけ。
が、生き馬の目を抜く80年代に動物名バンドは向かなかったのか、あまり大したのは思い出せなかった。
そういうわけもあって思ったほど動物を集める事が出来なくて動物王国もまだガラガラの状態だよ。
平たく言えばテーマに沿ったバンド(尚かつ何かコメント書けそうなバンド)があまり見つからなかった。だから結構大変だなという予感がして「渋々」書いてるのが今のROCKHURRAHの心の中なのだ。

で、バンド名ではちょっと難があるという事で今回のは曲名に動物名がついたの、と方向転換してみたよ。これならバンド名よりは数多く出てくるだろうと思う。

自分も猿の仲間のくせに猿を見てかわいいと思った事はなく、例えば動物園に行っても素通りしてしまうだろう。別に憎んではいないけど、これはもう好みの問題だから仕方ない。

猿が意志を持ってワンランク上の存在になった瞬間と言えば「2001年宇宙の旅」の冒頭や、現在もしつこく続編が作られてる大河猿ドラマ「猿の惑星」などで描かれているが、猿には興味ないくせにこの手の題材は大好きなのだった。
大昔の「宇宙猿人ゴリ」などというどうでもいいようなのまでついでに思い出してしまった。ゴリの部下がラーという安易極まりないネーミング・センスにも絶句したもんだ。

子供の時に一番最初の「猿の惑星」を観て衝撃を受けたし続編も観た事はあったけど、後の方になると記憶もあやふや、何となくしか覚えてない。SNAKEPIPEも子供の時にTVで最初のヤツを観たのみだったので、ウチの中で何年か前に「シリーズを通して観てみよう」という企画があった。それで「続・猿の惑星」や「新・猿の惑星」などもひと通りは観てるし、近年のリブート版のももちろん観ている。 
ただしあまりにも長年に渡ってひとつの世界観につじつまを合わせようとしてるため、新作が出ても前のストーリーがすっかりあやふやな二人だけどね。

モンキーをタイトルに使用した曲はたぶんいくつも存在してて選び放題なんだろうけど、たまたま思い出したので今日はこれにしてみる。

パンクからニュー・ウェイブに時代が変わり、色々な音楽が一気に登場した1970年代の最後に一大ブームとなったのが2トーン・スカと呼ばれるムーブメントだ。
60年代にジャマイカで発生したスカを、この当時の現代人(表現変か?)にわかりやすく、ビートを速めてパンク的な熱気も加えて大衆にアピールし、大成功を収めたのがネオ・スカという音楽。
2トーンというのはそれらの主要アーティストをリリースしていたレーベルの事で、白黒の市松模様を大胆に使ったレコード・ジャケットやロゴマークが斬新で一躍流行の最先端となった。細身のスーツにポークパイと呼ばれるツバの狭いハットをかぶったファッションも色々なブランドがこぞって真似して出して、街中はにわかにスカっぽいヤツらで溢れるほどだった。
その2トーン・レーベルの中でも筆頭に人気があったのがスペシャルズやマッドネスだった。
イギリスの工業地帯、その労働者に多かったジャマイカ人の故国の歌がそこかしこに流れてるような環境で育った若者にとって、レゲエやスカは身近な音楽だったんだろう。さらにジャマイカよりはパンクもニュー・ウェイブも身近にあるので、その両方の要素が合わさる事には何も違和感がない。これぞワンランク上の存在になった猿と同じで進化の瞬間なんだろうね(大げさ)。まあ日本人が取ってつけたようにスカ始めるよりは自然な出来事だろう。

スペシャルズは2トーン・レーベルを立ち上げたジェリー・ダマーズを中心とする白人とジャマイカ人の混成バンドなんだが、インパクトが強く目立っていたのは鋭い目つきの短髪男、テリー・ホールのカッコ良さと観客をノセる盛り上げの帝王、ネヴィル・ステイプルズの活躍だろう。

映像は1980年に初来日した時のものらしいが、エネルギッシュなライブ・パフォーマンスに定評があるバンドだけに音も声もよく出ているな。 「Monkey Man」はオリジナル・スカの時代に人気のあったトゥーツ&ザ・メイタルズのカヴァー曲だが、スペシャルズ・ヴァージョンもメリハリのある元気の出る曲としてROCKHURRAH家では定番の名曲。「モンキー・マン」と言っても猿人間の事を歌ったわけではなくイカサマ野郎とかそういう意味合いの歌だと字幕には書いてあるな。これで動物王国に入れて良いのか?という問題もあるが、ノリノリになれるからまあいいよね。

馬の思い出がある人は犬や猫との思い出がある人よりは少ないだろうが、キツネやアルマジロとの思い出がある人よりは多いんじゃなかろうかと推測するよ。実際の馬を見たり触ったり乗ったりした経験がない人もいるだろうけどね。
ROCKHURRAHは確か子供の頃に阿蘇山で乗った覚えはあるけどいわゆる乗馬とは程遠い。金持ちでもなく騎馬隊でも開拓者でもない一般レベルではこれくらいが関の山だろうね。無論これ以上に馬との緊密な時間を過ごした人も数多くいるのは確か。

馬と言えば思い出すのはだいぶ昔にのめり込んでやってた光栄(というメーカー)の「ウィニング・ポスト」という有名な競馬シミュレーション・ゲーム。アスキー(というメーカー)が出してた「ダービー・スタリオン」という一世を風靡した競馬シミュレーション・ゲームと双璧をなすタイトルだった。
自分が馬主となって仔馬を購入し、自分の牧場で育てて調教し、レースに出て賞金を貰う。そういう事を繰り返してだんだん大馬主として成功してゆくというようなゲームで、いわゆる育成シミュレーションの醍醐味を味わえる大人向けの内容だったな。確か桜子という秘書がいて何だかんだ言ってきたり、たまにドラマティックなイベントが発生したり、キタサンブラック並みの名馬が生まれたり、退屈なルーティン・ワークに飽きが来ないような設計で延々と遊んでいた記憶があるよ。レースの時は見てるだけで自分では特に何も出来ないというもどかしさが良かったな。
馬の名前はもちろん好きだったバンドのメンバーにしたり、楽しみ方も色々だった。
これや「ダービー・スタリオン」の影響で実際の競馬ファンになったという人も多数だろう。

このように毎回、本筋とは関係ない話ばかりしてるので長さの割には中身のないブログになってるけど、音楽評論が書きたいわけじゃないからこんな中途半端なスタイルになってしまうよ。

そんな身近な存在の馬ちゃんについて歌ったのがデス・カルトです。デスという言葉が入ったバンド名の時はお約束でなぜか丁寧語になってしまう。
1983年作の「Horse Nation」を取り挙げてみよう。ROCKHURRAHは歌詞を解読もしてないし単にHorseとタイトルにあるだけでここに紹介してるのみ。実際のところ何についての歌なのか一切理解してないというありさまだけど、そういう短絡的な姿勢を貫いてるのでこれからもよろしく。

このバンドがデビューしたのは1981年。
イギリスで退廃的な化粧をして死とか悪魔とかアンチ・キリストとか、欧米社会ではあまり快く思われない題材の歌で若者に人気があったジャンルがポジティブ・パンクと呼ばれる暗ーい音楽。その中枢を担う人気バンドのひとつだったのがサザン・デス・カルトというバンドだった。それからサザンがなくなってデス・カルト、デスもなくなって最後には単なるカルトだけになったという短縮の美学を極めた。
Horse Nation」はカルトになる前のデス・カルト名義の頃のシングル収録曲だが後のカルトになってもしつこく歌い続けてる。同じ頃のシングル「Gods Zoo」が派手でノリの良い名曲なのでそれに比べれば地味な感じなんだけどね。
サザン・デス・カルト時代からこのバンドの中心だったイアン・アストベリー はこの頃はGSバンドのメンバーみたいなルックスにデカ・タンバリンのパフォーマンスが冴えた美形の化粧男。甲高い声がどうも好きになれず、ポジパンにもっとドギツイものを求めてたROCKHURRAHにとってはちょっと物足りないバンドだったな。
ビデオは音や映像の途切れがひどいけど、どうしてもデス・カルト時代のが良かったからこれにしてみた。

美形バンドじゃなきゃ人気になれなかったのがポジティブ・パンクだったんだけど、中でも気色悪くなくて普通の意味で美形だった彼は不気味なセックス・ギャング・チルドレンやヴァージン・プルーンズなどよりは女性受けしそうなルックスだったね。同時期に日本のパンク・シーンで活躍したウィラードのJUNと髪型やヘアバンドが似すぎなのは偶然なのかどっちかが真似したのか?どちらにしろ後の時代のヴィジュアル系とかに強く影響を与えたバンドなのは確かだろう。
この後、カルトになるとメイクを落として長髪になり、ハードロックっぽく変貌してゆくんだけどやっぱり個人的にはこのポジパン時代が一番いいな。

田舎育ちのROCKHURRAHは子供の頃、普通にアオダイショウが近くを横切ったりしてるようなところで育ったし、おそらく家の屋根裏や床下にいるんじゃないか?とも思っていた。怖さを知らなかったからだろうが、毒蛇として名高いヤマカガシなども全然恐れる事なく近づいて行ったりもしたものだ。
今は見るのも触るのも苦手な虫を捕まえてたのも子供だったからだね。同じように昔は平気だったヘビも今では怖く思うかも知れない。

ヘビ、スネークと言えば当ブログで最も有名なのはSNAKEPIPEだが、この名前は一体どこから来てるのか?
かつてROCKHURRAHと知り合う前は写真を志していて東京近郊を撮影して歩き回っていたSNAKEPIPE(この時はまだその名ではなかった)、 ある時、川崎の工業地帯で「スネークパイプ株式会社」なるものを発見し、衝撃を受けてからSNAKEPIPEを名乗るようになったという事らしい。うーん、勝手に自称してるだけか・・・。
「この人物名はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」 と但し書きをしなければ。
というわけでヘビとは特に関係ない名前だった事はわかったが、もう後には引けないのでこのままスネーク談義を続けるよ。

ポジパンつながりで大好きだったこのバンドを挙げてみよう。マーチ・ヴァイオレッツの「Snake Dance」だ。
上のサザン・デス・カルトと同じくらいの時代に活躍したポジティブ・パンク、あるいはゴシックと呼ばれた系列のバンドなんだが、その筋で大変に有名なシスターズ・オブ・マーシーと同郷のリーズを拠点にして初期の頃は同じマーシフル・リリースというレーベルからレコードを出していた。
同じように生ドラムがなくドラム・マシーンを使うバンド構成なので必ずと言っていいほどに比較され続けてきたが、聴けばわかる通りシスターズ・オブ・マーシーとは特に似てもいない。
マーチ・ヴァイオレッツの方は押し殺したような低音のヴォーカルではなく、サイモンDのややチンピラ風の下品な歌い方と輪郭のハッキリした演奏が際立ったもの。ポジティブ・パンクという音楽的にはよくわからんシロモノのいかがわしさ、みたいなものが詰まってた素晴らしいB級バンドだと個人的には思うよ。 

グシャグシャの長髪、髭面のサイモンDの歌声と濃い顔立ちの魔女っぽい美女、ロージー・ガーランドとの掛け合いが魅力だったけどこの二人がいない時期もあり、その時はもう同じ名前がついてるけど別物のバンドだとしか言いようがない悲惨なもの。何か妙にメジャー志向の時があったんだよね。

マーチ・ヴァイオレッツはどういう経緯でかは知らないが10年前くらいから再結成したようで、年老いてしまった近年の映像が結構出てくる。「Snake Dance」は1984年の曲で彼らの代表曲なんだが、当時の映像はさすがになくてこの近年のビデオしか用意出来なかったのが残念。サイモンDはビア樽のように太ったおっさんになってしまった(元からその傾向はあった)が横で歌ってるのはロージーなのかどうか?それすらもよくわからないけど本人なんだろうな。だとしたら今いくつなのか?まさに魔女は不滅だな。

家の宗派はまるで違うくせに、なぜかレバノン幼稚園という変わった名前のカトリック系に通ったROCKHURRAHだ。
迷える子羊がどうのこうの、という説話はたぶん色々聞いてるはずだが全く身につくはずもなく、どの宗教にも心の拠り所がないまま現在に至ってる。

各地の牧場やふれあい広場などで大人気のはずの羊だが目つきを見ると意外と怖く、本物を見て可愛いと思うかは不明だな。 ぬいぐるみとかイラストで見ると必ず可愛く描かれているのはなぜ?と思ってしまうよ。

昔、小倉(福岡県北九州市)の実家にいた時は朝刊のチラシを見るのが日課になっていたが、普段は絶対に行かないような紳士服店の正月のチラシで「AvirexのB-3 半額」というのを見て心が動いたのを思い出す。カジュアルな洋服屋じゃなくてスーツとか売ってるような店。毎年のように倒産セールやってるけど延々と生き延びてるんだよね。
知らない人のために一応書くがアヴィレックスというのは大昔に米国空軍にフライトジャケットを納入していたメーカー。納入してた当時はエアロ・レザーという名前だったな。MA-1などの誰でも知ってるフライトジャケットも作ってるけど有名なのはメーカー名でわかる通り、革製のフライト・ジャケットだ。特にムートンを使った内側モコモコのヤツが得意技でB-3もその代表格なのだった。
その当時はアヴィレックスも大人気の時代でB-3も十数万円してたはず、それが半額なのはチャンスだと思って出かけてみた。が、試着してみたら思ったよりずっとデブに見えてしまい全く似合わなかった、結局買う事はなかったという他者にはどうでもいい話。
B-3はムートン部分が分厚すぎるから保温性は抜群なんだけど見た目がイマイチ。MA-1や海軍デッキ・ジャケットN-1などは「タイト」なモデルも出てるのでそういうのがムートンでも出ればいいのにね。細すぎて腕も動かせないようなのは困るけどな。

羊と言えばどうしても弱っぽいイメージがあるのでパンクやニュー・ウェイブの題材にはなりにくいけど、最も平和そうなこのビデオを選んでみたよ。
1986年に出たハウスマーティンズのシングル「Sheep」だ。

80年代前半からニュー・ウェイブの世界でひそやかに浸透していったネオ・アコースティックやギター・ポップというジャンルがあった。この手のバンドは服装も普段着だし見た目の華やかさや派手なパフォーマンスもなかったものが多かったから、他のムーブメントに比べると地味な印象しかない。ひそやかに浸透するくらいしかなかったわけだ。
しかし大仰なロックと違い等身大の若者の青春(?)を歌い上げるのも必要な事で、その手の地味なバンドでも多くの聴衆にアピールする事が出来た。その辺を元に80年代後半には数多くのバンドがよりパーソナルな分野のロックを展開していったというのが大雑把な説明だ。
このハウスマーティンズもその辺の潮流に乗ってヒットしたバンドのひとつだろうか。
1983年に英国北東部のキングストン・アポン・ハルという街で結成されたバンドだが注目されたのは1986年、「Caravan Of Love」というアカペラのカヴァー曲が大ヒットした事による。これは個人的にはどうでもいいような曲なんだが、同時期のHappy Hour」はさわやかな青春ギター・ポップの名曲として名高く、人気を不動のものにした。
見た目も歌もいい子ちゃんっぽくていわゆるロック的な格好良さは皆無なんだけど、 淀みの全くないシャキッとしたギターは同時代に活躍したブリリアント・コーナーズやジム・ジミニーあたりにも通じる路線。
このバンドが有名なのはその辺のヒットだけではなく、後にファットボーイ・スリムとして大ブレイクするノーマン・クックが在籍していたので、後になって再評価された部分にもある。やってる事が全然違うのでその根底が謎なんだけどね。

この「Sheep」もヒットした「Happy Hour」の延長線にある曲でビデオも何てことないが、いくら何でも可愛らしくし過ぎでないかい?という軟弱なクネクネなダンスが逆に男として異常に見えてしまう。これでいいのか大英帝国? 

最近はハリネズミをペットにしてる人が増えてるらしい。確かに映像で見ると小さくて丸くて可愛らしい。狭い日本の家屋でも飼えそうだし犬や猫のように大声で鳴いたりしないだろうから隣近所の迷惑にはならなさそう。
ヤマアラシはハリネズミと似たような扱いを受けていたり、似たような比喩に使われるけど全くの別物であまり可愛いとは言われないくらいの大きさがある。性質も攻撃的なようで針毛で実際に刺してきたりするらしいから恐ろしい。これをペットにしたいとは滅多に思うまい。
しかし見た目からすればパンク的に例えられる生き物なのは間違いないだろうね。

パンクの時代に誰もがやってたツンツンに逆立てたヘアスタイル。今でも廃れる事なく同じような髪型の若者を見かけるが、美容室も床屋も一切行かないROCKHURRAHはヘアスタイルの名前さえ知らないよ。
その昔は自分で切ってたし今はSNAKEPIPEに切ってもらってるからね。
最も短かったのは高校で不祥事を起こしてしまい坊主にさせられた時、最も長かったのはシスターズ・オブ・マーシーのアンドリュー・エルドリッチみたいな長髪にしてた時。今もその頃に匹敵するほど長いけど、帽子かぶってない時は落武者みたいにも見える不気味な髪型。
ROCKHURRAHの場合はその時好きで聴いてた音楽のスタイルによって髪型が決まるのでリーゼントやサイコ刈りにしてた時期もあったけど、やっぱりトータルで言うとツンツンの頭にしてた時期が長かったかな。昔はあまり良い整髪料がなかったからデップと呼ばれるジェルを塗りたくってドライヤーで固めてようやくツンツンになってたが、生まれついての天然パーマらしくピシッと直毛にはならないので苦労してたよ。時間が経つと全ての毛先がクリリンと曲がってきてパンクとは程遠い髪型になってしまうんだよね。
柳屋の名前は忘れたけど「練れば練るほど激HARD」みたいなキャッチコピーのワックスが出た時は整髪力の強さに驚いたものだが、その頃はもう逆立てる髪型じゃなくなってきた頃だったので、いつ買ったか覚えてないくらい昔のワックスが今でも家に残ってるよ。ツンツンやってた頃にこれがあれば苦労しなかったのに。

ヤマアラシを英語にするとポーキュパインだそうだが、それを曲名にしたのがエコー&ザ・バニーメンの「Porcupine」だ。1983年に出た傑作3rdアルバムのタイトルでもあったな。
ジョイ・ディヴィジョンやバウハウス、スージー&ザ・バンシーズのように暗い曲調を得意とするバンドを元祖として影響を受けたバンド達が次々とデビューしていたのが1980年くらいの話。上の方で書いたポジティブ・パンクなどもその系譜のひとつだが死化粧みたいな不吉なメイクや暗黒舞踏のようなパフォーマンスが音楽よりも先に話題となってしまった。
似たような暗い音楽をやってても化粧っ気がなくてもう少し内気っぽいのはネオ・サイケデリックと呼ばれる音楽にカテゴライズされていたが、本人たちの多くは「ネオ・サイケ?何それ?」という風潮があったくらい、あまり定着しなかった呼び名だったな。しかし呼び方はどうでも、この手の暗い音楽は当時のイギリス(あくまでもインディーズ界)では主流と言えるくらいに数多くのバンドを輩出したのは確かだ。
エコー&ザ・バニーメンもその手のジャンルに属するバンドで、ネオ・サイケ・バンドの宝庫とも言えるリヴァプールから出てきた。当ブログでは何度も語ったので書いた本人も飽きてるが、その昔にティアドロップ・エクスプローズのジュリアン・コープ、ワー!のピート・ワイリーと一緒にバンドを始めたのがバニーズ(80年代にはカッコつけてエコー&ザ・バニーメンをこう略していた)のイアン・マカラックだった。ちなみにこれも毎回のように書いてるが現在のWebに出てくる表記はマカラックではないのが多いけど、ROCKHURRAHは80年代風にずっとマカラックと呼んでる。

聴けば誰にでも「イアンの声だ」とわかる特徴的なヴォーカルと正統派ネオ・サイケのお手本のような端整で美しく力強い曲、誰もが忘れない分厚い唇にツンツンの頭。たちまちのうちにネオ・サイケ界を代表するバンドになった。美しく雰囲気のあるレコード・ジャケットも統一感があってさすが一流。
3rdアルバム「Porcupine」は氷山のようなところを四人のメンバーが歩いてる写真のジャケット、見るだけで寒そう。
The Cutter」や「Back Of Love」などのヒット曲も含まれてるけど今回採り上げたこの「Porcupine」はロシア民謡みたいな異色のネオ・サイケ。
ルースキイ・アヴァンガルト、わかりやすく言うならロシア・アヴァンギャルドの絵画が浮かび上がってくる中で歌ってるだけの何てことない映像なんだけど古いロシア映画っぽい色調になってて、通好みのビデオだよ。
 歌詞とか全然知らないんだけどヤマアラシ要素はあるのかな?

もはや全ての記事で全く関係ない方向の話になってしまってるが、前の記事と合わせて多少は動物王国らしくなったかな?どうでもいいような事ばかり書いてるがそれはそれでエネルギーを使うね。

それでは、アバール デカホベ(ベンガル語で「また会いましょう」)。