箱根初上陸!ポーラ美術館 鑑賞

20240317 01
【ポーラ美術館入口を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

ROCKHURRAH RECORDSでは3月にイベントがあるよ。
これまで何度も書いているので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれない。
そう、SNAKEPIPEの誕生日!(笑)
ちなみにSNAKEPIPEが4日、ROCKHURRAHのお兄さんが5日、そして大ファンの鳥飼否宇先生が6日なんだよね。
遅ればせながら、お兄さん、鳥飼先生、おめでとうございます!(笑)

SNAKEPIPEの誕生日プレゼントとして、箱根温泉旅館とポーラ美術館を巡る旅行プランを提案してくれたROCKHURRAH。
「えぇーっ!嬉しいっ!ありがとーっ!」
絶叫に近い声を出し、全身で喜びを表すSNAKEPIPE。
2022年6月に書いた「金沢初上陸!金沢21世紀美術館」続く「金沢初上陸続編!KAMU kanazawa」のように、観光とアートが融合した素敵な旅になること間違いなし。
ポーラ美術館では、5月29日まで「モダン・タイムス・イン・パリ 1925 ― 機械時代のアートとデザイン」が開催されていて、とても気になっていたんだよね。
3月中に行かれるなら、展覧会の鑑賞も可能じゃないの!
温泉旅館の予約やポーラ美術館のチケット手配を完了し、旅行の日を迎えたのである。

箱根に行く、というのが「遠い場所を旅行する」ことだと思っていたSNAKEPIPE。
昨年10月、神奈川県に新事務所を構えたことで移動距離が変わったことを失念していた。
横浜〜小田原は1時間。
小田原〜箱根湯本は約15分!
箱根湯本〜強羅で37分くらいなので、2時間もあれば観光旅行できてしまうんだね。
「踊り子号」みたいな特別な電車に乗らなくて行かれるというのもビックリ。
旅行慣れしていらっしゃる方からみると、バカなことを言ってる、と思われるかもしれない。
神奈川県民になって約半年、車に乗ることもなく地理は苦手なSNAKEPIPEなので、驚くのも無理はないのさ。(笑)
それにしても強羅って地名、強い羅生門と連想してしまう。
いつの時代からある地名なんだろうね。

旅行の2日前には、東京でもみぞれが降っていたけれど、当日は快晴!
日頃の行いが良いからだね。(笑)
温泉旅館のチェックイン時間から逆算して、11時頃に箱根湯本に到着するような予定を組む。
来た電車に乗るだけだから、とても気楽な旅行だよ。
旅館に行く前にポーラ美術館に立ち寄ることにしよう。
ポーラ美術館には、箱根湯本、もしくは強羅からバスを利用する必要があるんだよね。
ROCKHURRAHもSNAKEPIPEも乗り物に弱いので、少しでもバスの乗車時間が短い強羅ルートを選択したよ。
すんなり箱根湯本に到着し、一旦下車。
「ぶらり途中下車の旅」みたいだよね。(笑)
駅近くの食堂で早めのランチにする。
籠清の揚げたてかまぼこ、美味しかったー!
お腹いっぱいで強羅に向かい、バスで無事にポーラ美術館に到着。

まだ雪が残る景色の中に「POLA MUSEUM OF ART」の看板が堂々と立っている。
来たかったポーラ美術館だっ!
感激して何枚も記念撮影してしまったよ。(笑)
渡り廊下を歩き正門へ。
敷地内には彫刻が点在していたよ。
近寄って観られないのが残念だね。

ポーラ美術館のチケットは予約していたので、そのまま入ろうとすると
「お荷物をロッカーにお願いします」
美術館スタッフから呼びかけられる。
会場に入る前に荷物を置く必要があるとのこと。
美術館によってロッカーの場所が違うからね。
身軽になったところで入場する。
会場は地下にあるんだね。

エスカレーターで下ると、最初に見えてきたのがこちらの作品。
これってマルセル・デュシャンの「何か」だったはず。
あやふやな記憶を頼りに発言したSNAKEPIPEだったけれど、それは正解だったみたい。(笑)
ポーラ美術館に展示されていたのは、ケリス・ウィン・エヴァンスの「照明用ガス…(眼科医の証人による)」とのことだけど、元ネタはやっぱりマルセル・デュシャンで「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも(通称:大ガラス)」の中にあるモチーフ。
このモチーフは「眼科医の証人」と名付けられているんだとか。
2022年11月にアーチゾン美術館で「Art in Box マルセル・デュシャンの《トランクの箱》とその後」を鑑賞した時にも似た作品があったことを思い出した。
瀧口修造と岡崎和郎の連名で「檢眼圖」(画像左)というタイトルが付いていたよ。
確かに眼科の検査で「どの線が強く見えますか?」と質問される時、線で描かれた円を見たような?
およそ100年前に発表されたデュシャンの大ガラスが、現代にも影響を与えているんだね。

会場に入ってみよう。
「機械時代のアートとデザイン」というサブタイトルが付いている展覧会なので、1925年の機械類も展示されている。
手前の車は、まるで玩具みたいでとてもキュート!
その後ろには、当時のポスターが展示されている。
ほとんどの作品が撮影オッケーだったのに、カッサンドルのポスターは禁止されていたよ。
可/不可の基準は不明だね。

ROCKHURRAHと「とても好き!」とうなずきあったのがフェルナン・レジェの作品。
1920年から1950年代までの7点が並んでいる。
くっきりした線と美しい色使いが楽しい。
左の画像はポップで遊び心が感じられるよね!
レジェの作品は恐らく今までもどこかで鑑賞しているはずだけど、今回の展示は強く印象に残ったよ。
カンディンスキーやモホリ=ナギなどの大御所の作品を観ながら会場を歩く。
やっぱり1920年代いいよね!

中央に円形の展示コーナーがあり、中にはルネ・ラリックの香水瓶がたくさん並んでいた。
どれも美しくて一つずつ撮影していたSNAKEPIPEに「まだ先があるよ」とROCKHURRAHから少し急ぐようにと指示を受ける。
展示の前半に時間を割き過ぎて、後半は駆け足になるパターンが多かったからね。
ラリックの作品を何枚も撮ったけれど、載せたのはこれ。
人の形をした謎の香水瓶を選んでしまった!
しかもピンボケじゃないか。(笑)

マックス・エルンスト、キリコ、ダリ、ポール・デルヴォー、ハンス・ベルメールの作品が並んでいる。
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEの大好物だらけ!
残念ながら撮影禁止だったけれど、2人でヒーヒー言いながら楽しく鑑賞したよ。
シュルレアリスム、いいよね!

マルセル・デュシャン監督、マン・レイ撮影の興味深い動画があったよ。
アネミック・シネマ(貧血症の映画)」というタイトルで1925年の作品。
Youtubeを載せておこうか。

アニメーションで制作されたのかと思ったら、Wikipediaに「回転する円盤を撮影」と書いてあったよ。
実験映画という響きだけでも惹かれてしまうSNAKEPIPE。
ぐるぐるを観続けていると「貧血」というよりは「めまい」を感じるけど、夢のコラボ作品を鑑賞できて嬉しいよ!(笑)

別会場に移動すると、今度は日本の1920年代が展示されていた。
1925年は大正14年、モダニズムの時代だよね!
杉浦非水の作品がたくさん並んでいる。
絵画の中でひときわ目を引いたのが、古賀春江の「現実線を切る主智的表情」(1931年)だったよ。
国立近代美術館に所蔵されている「海」に似たタッチなので、キャプションを確認しなくても古賀春江の作品だと分かるね。
中央に間をもたせた斬新な構図と、馬をあやつるロボットが斬新!

瑛九のフォト・コラージュも素敵だったね。
2019年3月に庭園美術館で鑑賞した「岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟」は、1950年代に制作されたフォト・コラージュで、当時の雑誌を素材にした切り抜きだったっけ。
瑛九の作品は1937年に制作されているので、何を素材にしたのか想像するのも面白い。
フォトグラムも制作していたとのことなので、自らの作品を切り取った可能性もあるし。
実験的でダダイズムを感じるよ!

2016年12月に鑑賞した「宇宙と芸術展」で対面したことがある空山基のセクシー・ロボットが3体展示されている。
宙返りしたり伸び上がったりするロボットは、鏡で増幅して見えて面白い。
シルバー色でピカピカ光る物が大好きなSNAKEPIPEにとっては、垂涎の的!
セクシー・ロボットが自宅に飾ってあったら嬉しいだろうね。
ありゃ、同じことを2016年の記事にも書いてるわ。(笑)

鑑賞し終えて帰ろうとした時、別の展示室があることに気付く。
展示室が5つあったとはね。
展示室4に入ると、そこはなんとリヒター・ルーム!
真っ暗な会場にポワッとライトが当たり、作品を照らしている。
リヒターを鑑賞せずに帰るところだったとは!
「グレイ・ハウス」「アブストラクト・ペインティング」「ストリップ」の3作品が並んでいたよ。
2022年7月に東京国立近代美術館で鑑賞した「ゲルハルト・リヒター展」の感想で「迫力がある作品ばかりが並んでいると、一点ごとの凄味が軽減されてしまう」と書いたSNAKEPIPE。
ポーラ美術館のリヒターはそれぞれタイプが異なる展示だったため、一点ごとの作品の重さや凄みを体感できて新鮮だったよ。
「ストライプ」が浮き上がってくるように見える効果は抜群で、ポーラ美術館の演出(?)に拍手だね。

以前よりずっと気になっていたポーラ美術館を訪れることができて大満足!
また別の企画の時に鑑賞したいと思う。
次回は近隣の散策もしてみたいな。
以前「ポーラ美術館気になるよね」と話していた、現代アート好きの友人Hにも是非お勧めよ!(笑)

ポーラ美術館鑑賞後、ROCKHURRAHとSNAKEPIPEは温泉旅館に向かう。
この続きは次週にしよう。
どうぞお楽しみに!(笑)

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