「ホドロフスキーのDUNE」鑑賞

【映画「DUNE」の分厚いストーリーボード集】

SNAKEPIPE WROTE:

ドキュメンタリー映画というジャンルについてはあまり詳しくない。
例えば70年代オリジナル・パンクについて、数十年経った後で、その時代活躍した人が「あの時は…」という感じで語るような記録としての映像は何度か鑑賞したことがある程度である。
大抵の場合は、名前も顔も知らない人ばかり出演して語っているばかりになってしまい、途中で眠くなるのがオチである。
SNAKEPIPEやROCKHURRAHが選んで観ているのが、たまたまそういうタイプの映画だっただけで、世界にはもっと感動的だったり手に汗握るようなドキュメンタリーは存在しているんだろうね。(笑)

敬愛する映画監督アレハンドロ・ホドロフスキーについては、今までに何度も当ブログに登場しているし、2014年4月22日に来日した監督の講演を聞くことができて感激した話も書いているよね。
この監督の来日は、7月12日公開予定の自伝的作品「リアリティのダンス」と、未完に終わった映画「DUNE」についてのドキュメンタリー映画「ホドロフスキーのDUNE」の宣伝のためだったんだよね。
「リアリティのダンス」はその講演会の時に鑑賞したけれど、「ホドロフスキーのDUNE」は6月14日から公開のため、その日をじっと待っていたSNAKEPIPE。
ついに6月に入り、お待ちかねの映画公開の日になったのである!

ホドロフスキー監督についての説明があった場合、必ず紹介されるのが「未完に終わったDUNE」について。
そうそうたるメンバーが集結し、実現していたらどんなに壮大なSF映画になったことだったろうと結ばれていることが多い。
確かにもしその映画が完成していたら、と想像すると興奮するんだよね!
サルバドール・ダリとミック・ジャガーが俳優として、ピンク・フロイドが音楽を、ギーガーが美術を担当する、なんて聞いただけでワクワクしちゃうよ。(笑)


SNAKEPIPEと同じように話だけでも興奮した人が、今回の「ホドロフスキーのDUNE」の監督、クロアチア系アメリカ人、フランク・パヴィッチである。
お蔵入りとなった「DUNE」のことを知り驚き、ドキュメンタリーを作らなきゃと思ったそうだ。(笑)
早速ホドロフスキーのエージェントにメールをすると、ホドロフスキー本人から
「パリにおいで。話をしよう」
と返信があったというからホドロフスキーも乗り気だったんだね。
ホドロフスキーと話をしたことがある人は皆「ホドロフスキーは、とてもオープンに話してくれた」と語る。
先日の講演会で、ホドロフスキーご本人を目の前にすることができたSNAKEPIPEには、それはよく解るなあ。
ホドロフスキーは相手に対峙する時、1対1で真剣に向き合っていると思うから。
もちろん話をするのに値する人物だった場合、だけどね!(笑)

「ホドロフスキーのDUNE」は都内でも、ほんの数カ所しか上映されていない。
新宿か渋谷か有楽町。
今回は初めてヒューマントラストシネマ有楽町に行ってみることにした。
有楽町駅から徒歩1分の好立地!
方向音痴のSNAKEPIPEでも迷わない、安全な場所だね。(笑)
映画上映開始から1週間が過ぎた梅雨の晴れ間を利用して、ROCKHURRAHと共に出かけたのである。

座席を予約した段階で埋まっていたのは、ほんの5、6席程度。
実際行ってみると、もう少し入って30名〜40名くらいだろうか。
およそ3/4は空席でガラガラ状態。
空いている映画館は好きだけど、このままではいつ打ち切りになってもおかしくない状況だよね。
鑑賞できて良かった〜!(笑)

予約当日の朝、何気なくヒューマントラストシネマのHPを見ていると、ラジオ番組で「ホドロフスキーのDUNE」が紹介されることになった記念に、その日の初回鑑賞をするお客さんに非売品プレスをプレゼントしてくれるという。

当日、対象回のチケットをお求めの際に劇場窓口にて
「タマフルの予習にきた」と伝えて頂ければ、
その場でプレスをプレゼント致します。

非売品のプレスが何なのか「タマフル」の意味も分からないけど、とりあえず対象回に当っているので言ってみた。
「タマフルの予約に来ました」
「予習の間違いだよ」
ROCKHURRAHに指摘されるまで気付いてなかったけど、言い間違えてたみたいね。
窓口の女性がプッと吹いていたのは、間違いを笑っていたのか!
一応キーワードらしい言葉は言ったと理解してもらえたらしく、すぐに小冊子を袋に入れて渡してくれた。
それが写真左の白いほう。
そのまま中身を確認せずバッグにしまい、鑑賞後に購入したのが右のパンフレット。
「表紙が違うだけで中身が同じ!」
気付いたのは帰宅後よ!
非売品プレス2冊にパンフレット1冊、合計3冊同じ物を所持するとは!
1冊は長年来の友人Mにプレゼントしよう。(笑)

映画はほとんどホドロフスキー監督自身が語り、その合間に当時の関係者が補足説明をする、というスタイルだった。
途中でホドロフスキー監督の愛猫が登場して、猫を抱きながら喋ってたよ。
猫好きで、いつも猫と一緒というのは以前どこかで読んだことがあるけど、それを知った時には親近感がわいたものだ。
SNAKEPIPEもROCKHURRAHも猫が大好きだからね!(笑)

バンド・デシネ作家のメビウス、画家のサルバドール・ダリ、ローリング・ストーンズのミック・ジャガーとの出会いは、偶然にしては出来過ぎていて、フィクションみたいな逸話だった。
ホドロフスキーは精神修行や精神の拡張について真面目に取り組んでいるから、きっと偶然を呼びこむ力があるんだろう、ホドロフスキーには必然的なできごとだったんだろうなと思ってしまう。
ダリとの会話が面白かった。
ホドロフスキーをテストするかのようにクエスチョンを投げかけるダリ。
「私は砂浜でいつも時計を拾うんだけど、君はどう?」
「私は時計を拾いませんが、いつも時計を失くしています」
ほおっーーっ。
なんでしょうか、このシュールな会話はっ!
このテストでホドロフスキーは合格点をもらったようで、ダリが出演を承諾したとのこと。
ポール・エリュアールから奪ったガラ・エリュアールはのちにダリの奥方になる女性だけど、そのガラ夫人公認の愛人がいたというから驚きね。

右の写真の女性がそのダリの愛人だったアマンダ・レアね。
ブライアン・ジョーンズ、デヴィッド・ボウイ、ブライアン・フェリーなど数々のロック・スターと恋仲になったファム・ファタール的女性なんだって!
ダリとも愛人関係にあり、「DUNE」ではイルーラン姫としてキャスティングされていたらしい。
最もこれはダリが出演の条件として、アマンダを姫にするように申し入れたみたいだけどね。(笑)
アマンダも映画の中でインタビューに応えてるんだけど、その顔を見た時に
「似てる!」と思ってしまったのが Dead or Aliveのピート・バーンズ!(写真左)
活躍していた80年代とは違った顔になってるんだよね。
現在は同性婚もしているようで、かつての眼帯姿とは全然違うんだけど、昔の整形前のほうが綺麗だったように感じるのはSNAKEPIPEだけかしら?
そしてその整形後の顔がアマンダ・レアに似てるというのは、失礼にあたるのかしら?
えっ、どっちに対して?(笑)

最高のキャスト、スタッフを集めたホドロフスキーは、映画の製作のために「こんな感じの映画ですよ」というストーリーボードを製作する。
それが冒頭画像の分厚い本なんだけど、中にはメビウスが描いたスケッチやギーガーによるセットのイメージ画などが収められている。
スケッチもイメージ画像も本当に素晴らしくて、すぐに撮影開始できる状態だったことが良く解るんだよね。
映画は12時間の大作になる予定だったという。
企画は素晴らしいし、キャストやスタッフも良いんだけど、監督がホドロフスキーなのが問題だと映画会社が口を揃えたという事実を知る。
一部の人からは絶大な支持を集めたホドロフスキーだけど、やっぱり大衆には受け入れられなかったみたいだね。
当然といえばそうなんだけど、「DUNE」を完成させるには、その点がネックになったみたい。
未完に終わってしまった原因の一番は、監督がホドロフスキーだったことだったなんて、かなりショックだな…。
いやいやSNAKEPIPEよりもホドロフスキー自身が一番ショックだったろうね。

その後これまた敬愛する映画監督デヴィッド・リンチが「DUNE」を監督する。
ホドロフスキーは息子から「観なきゃダメだ」と言われ、重たい体をひきずりながら映画館に向かい、悔し涙を流しながら映画を鑑賞。
ところが観ていくうちに
「これは駄作だ!全然ダメだ!」
と感じて元気になったと言う。
デヴィッド・リンチは良い監督だから、失敗はリンチのせいではなくて製作者側の問題だろう、とも語っていたので、ホッとしてしまった。(笑)
リンチもあまり思い出したくない経験の1つだろうからね。

ホドロフスキーは300歳まで生きたいと語っていた。
まだまだやりたいことがやりきれていないんだろう。
そりゃそうだよ!
「リアリティのダンス」はまだ少年時代しか撮ってないし。
青年時代がもっと面白くなるんだもん。
是非またプロデューサーのミシェル・セドゥーと組んで「リアリティのダンス〜青年編」を作ってもらいたいからね!

「ホドロフスキーのDUNE」ではエネルギッシュなホドロフスキーを観られて良かった。
ドキュメンタリー映画、面白いな!(笑)

SNAKEPIPE MUSEUM #27 Beth Robinson

【不気味でかわいい!Hanging Day of the Deadちゃんは$100だよ!】

SNAKEPIPE WROTE:

前回のSNAKEPIPE MUSEUMでも取り上げたのが、人形作家による人形だったよね。
あの時に検索していて、他にも気になった人形作家がたくさんいたことについては記事にも書いていたっけ。

天真爛漫で愛くるしい人形よりも
病んだ印象を持つ人形に惹かれてしまう

これは好みの問題なので、人形は愛くるしくてカワイイのが一番!と考える人には理解してもらえないかもしれない。
それでもSNAKEPIPEと似た嗜好を持つ人が世界には存在してるみたいなんだよね!
今日ご紹介するアーティストも独自の世界観を人形で表現している作家なのよ。

Beth Robinsonについての情報はそれほど多くない。
HPに載っているポートレートでは、パープルの髪に革のライダースジャケットを着ていて、かなりパンクっぽい印象の美人さん!
墓場で自作の人形達と一緒にニッコリ笑っているのは、さすがにホラー好きだよね!
Bethはアメリカ合衆国バーモント州のバーリントンにアトリエを構えていて、月に一度は見学ができるらしい。
ドイツ、ロシア、ノルウエーなどのギャラリーで個展を開いていると書いてあった。
人形作りは独学で始め、ポリマー粘土の使用が独特の世界を表現することに成功した素材だったとのこと。

ポリマー・クレイ(粘土)はドイツ発祥の、アメリカやヨーロッパでは人気の素材で樹脂で作られたクラフト用粘土らしい。
常温では硬化せず、オーブンで130℃、30分加熱することで完全硬化し、加熱後はプラスチック素材になるため軽くて強くて耐水性のある作品を作ることができると説明されている。
色や種類も豊富で、人形だけじゃなくて色々な物が作れる粘土なんだね。
調べてたら俄然興味が湧いてきたよ!(笑)
実は昔から図画工作では図画が得意で工作が苦手だったSNAKEPIPEだけど、制作してみたい欲求はいつでも持ってるからね!
ROCKHURRAHを誘って遊んでみようかな。(笑)

それではBethの作品を紹介していこうか。
「It Came From The Trees」と名付けられている人形は、S.Vogelsangという写真家とのコラボレーションにより写真作品として個展で展示されていたようだ。
人形のアップじゃないから判り辛いけれど、実は右目がえぐられてるんだよね。
ひー!こんな人形、見たことないよ!
スキンヘッドで、ピエロみたいな服装なのに、ゾンビを思わせるよね。
Beth Robinsonはまるでホラー映画に出てくるようなキャラクターをモチーフに人形を作っているから、不気味な人形ばかりなのも納得!
だからこそ上の写真のような舞台設定に映えるんだよね。
「It Came From The Trees」は$200、日本円で約20,000円だね。
自分で舞台を作って、人形を配置するのも面白いかもしれないね?

「Hanging Dolls – The Accident」はその名の通り、吊り下げタイプの人形で、頭の後に金具が付いているとのこと。
手足が棒みたいに、かなりぞんざいに作られているのに対して、頭部は力が入っていてインパクトあるよね。

どこを見てるんだろう?
どうして鼻血を流しているんだろう?
何故無表情なんだろう、といくつもの「?」が頭をよぎってしまうけれど、ホラー映画の登場人物だと思えば不思議ではないよね。

同じ服装の同じ顔、ということで思い出すのはダイアン・アーバスの代表作である双子のポートレートかな。
スタンリー・キューブリック監督もインスパイアされて、「シャイニング」に使用されたイメージとしても有名だよね。
この雰囲気に「Hanging Dolls – The Accident」は近いように感じる。

2体で、なのか1体だけなのかお値段が判別できなかったんだけど、$75というから日本円で約7,600円。
身長約30cmほどの彼女達が部屋にいたら、印象がガラリと変わること間違いなしだよね。
たくさん並べてホラー・ルームにするのも楽しそう。(?)

最後はこちらの作品。
おおっ!これはまさにスプラッター・ホラー!
昔観た「デリカテッセン」とか「八仙飯店之人肉饅頭」、そしてもちろん「悪魔のいけにえ」、小説では江戸川乱歩の作品などを頭に浮かべてしまう。
この作品のタイトルはそのまんま「The Butcher」(肉屋」だからね。
落とされている首が笑顔なのに対して、肉屋の主人の形相ったら!
その対比が余計に怖さ倍増だよね。

いつの時代にもホラー映画というのは製作されている。
それは需要があるということで、きっと大好きな人がいる証なんだろうね?
SNAKEPIPEは全く観なかったけれど、ROCKHURRAHが大のホラー映画好きだったため、勧められて観るようになった。
鑑賞していくうちに怖いだろう、気持ち悪いはずだという固定観念に縛られ食わず嫌いだったことが解り、それからはジャンルに関係なく様々な映画を観るようになった。

ある凶悪犯人が好んでいたのがホラー映画だった、という報道が流れ「教育に悪影響を及ぼす」理由からR指定が強化されているので、あまり大きな声では言えないけれど、映画を観た人誰もが凶悪犯になるわけじゃないのにな、とも言いたい。
ま、どちらにしてもどんなレベルのR指定にも引っかからない年齢だから関係ないけど!(笑)

「The Butcher」のお値段は$200、日本円で約20,000円だね。
この背景込ではないと思うので、この世界観に仕上げたい時には自作するしかないね!

今回のホラーな人形達を作っているBeth Robinsonのアトリエはどんな様子なんだろうね?
月一回のアトリエ訪問、いつか行ってみたいな。
仲良くなれたらBethの自宅に招待して欲しい。
ゴシックでホラーな、Bethの世界を観てみたいな!(笑)

ビザール・バッグ選手権!15回戦

【バッグがトレードマークの有名人と言えばこの人!アンガス・ヤング!】

SNAKEPIPE WROTE:

重要なファッションアイテムの1つにバッグがある。
外出の際には必ず持っているし、ある程度の大きさがあるのでぞんざいな扱いはできないキーアイテムだと思う。
その日のコーディネートに合わせてバッグを変える人はどのくらいいるだろう。
通勤用と休日用くらいの2つは持っている、という程度だろうか。
有名高級ブランドのバッグを買って、それをどんな時でも持ち歩くという女性も多く見かけるよね。
高級品なのは解るけど、いつでも同じっていうのはいかがなものか?

SNAKEPIPEは、高級とか有名とかブランドなどにはほとんど興味がなくて、できるだけオリジナリティあふれるカッコ良いバッグが好み!
そのため自作することも多かったアイテムである。
ところが先日、あるブランドのバッグに一目惚れをしてしまった!
あ、ブランドとはいってもシャネルだグッチだヴィトンだ、というブランドではないからね。
男性が持ってもおかしくないような、ミリタリー・パンク系でまさにSNAKEPIPEのハートに直撃だったんだよね!(古い表現)
今まで一度もブランド品のバッグを持ったことがないSNAKEPIPEの耳元で、長年来の友人Mが囁くのである。
「良品だから10年は使えるよ!一年に換算したら安いもんだよ!」
確かに。良い品だから大事にするだろうし、一目惚れするくらい好きなバッグに出会えるチャンスはなかなかないよね。
高級ブランド品の購入に慣れている友人からみれば大した買い物じゃないだろうけど、10万を超えるバッグを買うのが初めてのSNAKEPIPEにとっては清水の舞台から飛び降りるくらいの勇気が必要だった。(笑)
まだ使ってないんだけど、お出かけが楽しみになりそうだ。

ということで、今回のビザール・グッズ選手権はバッグ!
実際に使うという目的で作られたというよりは、アクセサリーの延長のようなデザイン重視のアイテムを集めてみたよ!

 
初めに紹介するのはアメリカのデザイナー、James Piattの作品。
HPにはまるで映画のスチール写真のような、凝った素敵な写真が載っているよ!
水着のソルジャーが下げているのは、ガンをモチーフにしたバッグ。
Pursuaderという名前のこのバッグは、黒い革にレーザー処理を施し、全く縫い目のないタイプだという。
携帯用ポケットが一箇所、本体にも物が入る作りになっている。
横幅20インチ、高さが8インチというから約50cm☓20cmだね。
気になるお値段は$379,日本円にして約38,800円くらい。
本格ミリタリーを目指すなら、これくらいのバッグを持ってないとダメかも?
いつかは手に入れたいアイテムだね!(笑)

同じデザイナーの他の作品をもう1点。
アメリカのセレブとして有名なパリス・ヒルトンが飼っていたチワワをモチーフにした作品らしい。
Wikipediaによれば、どうやらパリス・ヒルトンは飼っていたチワワが大きくなり過ぎて可愛くない、という理由でその犬の飼育を放棄し別の犬を購入したせいで、「最悪の飼い主」に選ばれた経験があるらしい。
きっとJames Piattには何かしら思うところがあって、モチーフとして採用したんだろうね?
このバッグのお値段は$419、日本円で約43,000円ね。
お腹の部分が開くので、多少の物は入れられると思うけど、これもアクセサリー感覚で面白いバッグだよね。
持っていたらアンチ・パリス・ヒルトンってことになるのな?(笑)

では動物つながりでこちらはいかが?
アメリカのアーティストでデザイナー、Reid Peppardはデザインと剥製を融合させた作品を発表している。
上の作品はカラスのクラッチバッグね。
他にもキツネのバッグやネズミの小銭いれなど、彼女のサイトにはたくさんの作品が紹介されている。
グロテスクだとか不道徳などと感じる人も多いだろうなあ。
ただしサイトには注意書きがされていて「自然に、もしくは防げない原因で死んだ動物だけを剥製にしています」とのこと。
実際に使用することができるのかどうかは不明だけど、カラスを小脇に抱えて歩いていたら、びっくりすること間違いなしだよね!(笑)
次は使用できるタイプのバッグにしてみようか。
ポルトガルのデザイナー、João Sabinoのキー・バッグだ!(笑)
キーとは言っても鍵のことじゃなくて、キーボードのキーね。
写真だと判り辛いかもしれないけど、パソコンのキーボードを使用しているシンプルなバッグなんだよね。
持ち手の部分に指が挟まらないのかだけが心配だけど、カラーも白、黒、ピンク、赤、シルバーがあって楽しい!
お値段も130ユーロ、日本円にして約18,000円とお手頃なのも良いね。
手に持つタイプのバッグはどちらかというと苦手なSNAKEPIPEだけど、このバッグは欲しいと思ってしまった。(笑)

今回初めてビザールなバッグを特集してみたけど、検索してるだけでワクワクしていたSNAKEPIPE。
本当に欲しくなった最初のガン・バッグと最後のキー・バッグなどは買おうと思ったらネットで買えちゃうところも魅力だよね。
前向きに検討してみよう。(笑)

映画の殿 第08号 ウィル・フェレル01

【「俺たちフィギュアスケーター」より氷上の男子ペア!】

SNAKEPIPE WROTE:

前回の「映画の殿 第7号」で、トホホな映画として「俺たちサボテンアミーゴ」について書いたことは記憶に新しいね。
その主演男優であるウィル・フェレルにとても興味が湧いたため、彼が出演している映画を調べることにした。
ウィル・フェレルが主演の映画には、「俺たち〜」という邦題が付けられていてまるでシリーズのように展開されていることが分かったんだよね!
当然ながら前回の「俺たちサボテンアミーゴ」もそのシリーズの中の1本ということになるんだろうね?
とは言っても、監督や配給会社が全て同じというわけではなく、共通しているのはウィル・フェレルが主役であるという点だけ!
恐らくウィル・フェレル関連を全て「俺たち〜」というタイトルで統一させてしまっているのは、日本だけなんじゃないかな?

せっかくなので他の「俺たち〜」シリーズも鑑賞してみようということになり、トホホな感覚をとことんまで追求することにしたSNAKEPIPEとROCKHURRAH。
B級、マイナー、アングラなんて言葉に反応する人なら、きっと同じように面白いと思うんじゃないかな?(笑)
「俺たち〜」シリーズの紹介は年代順ではなくて、SNAKEPIPEとROCKHURRAHが鑑賞した順番になっているので4649!

一番初めにご紹介するのは「俺たちフィギュアスケーター」(原題:Blades of Glory)である。
アメリカでの興行収入がディズニーを上回るほど大人気、日本でもみうらじゅん賞を受賞している2007年の作品である。
みうらじゅん賞受賞ということで、ある程度の傾向が解るよね?(笑)

簡単にあらすじを書いてみると、

フィギュアスケート界から追放された2人のスケーターが史上初の男子ペアを結成し、再び栄光を取り戻すスポ根コメディ

ということになる。
ウィル・フェレルは野性味あふれるセクシーさが売り物のチャズを、もう一人の主役である色白で金髪の美青年ジミーをジョン・ヘダーが演じている。
見かけも性格も対照的な2人が、特訓を続けていくうちにお互いを認め合い、友情へと発展していくというスポ根ではお馴染みのテーマが根幹にある映画なのに、どうしてここまでヒットしたのか?
それは鑑賞して解った。

 下ネタ満載の下品さがプラスされてるんだよね。(笑)
北朝鮮をネタにした、かなりどぎつい映像があったり。
国民性の違いなのかもしれないけど、恐らく日本での好き嫌いは完全に分かれてしまうタイプのギャグなのかもしれない。
SNAKEPIPEとROCKHURRAHは涙を流して大笑いしてしまった。(笑)
どこまで本当にスケートができるのか不明だけど、ウィル・フェレルもジョン・ヘダーも本物のスケート選手に見えるんだよね。
きっとかなり練習したんだろうなあ。
そしてすっかりウィル・フェレルに魅了されてしまったのである。
これは他の「俺たち〜」シリーズも鑑賞しなければ!

 「俺たちニュースキャスター」(原題:Anchorman: The Legend of Ron Burgundy)は2004年の作品で「俺たち〜」シリーズの第1作目になるんだね。
「俺たちフィギュアスケーター」の衝撃から抜け切れていないまま鑑賞してしまったので、少しおとなしい印象を受けてしまったかも?
こちらも簡単にあらすじを書いてみようか。(allcinemaより引用)

1970年代のサンフランシスコ。
地元テレビ局の人気ニュース・キャスター、ロン・バーガンディは、おバカな仲間たちと街を闊歩し、何でもやりたい放題の 日々を満喫していた。
そんな中、キャスター志望の野心溢れる女性ヴェロニカが入社してくる。
間もなく惹かれ合うロンとヴェロニカ。
しかし、ヴェロニカがメ インキャスターに抜擢されたことをきっかけに、2人の間には亀裂が生じ始める。
それはやがて、ライバル他局のキャスターたちをも巻き込む激しいバトルとな り、収拾がつかなくなっていく。

最初に見た時にはウィル・フェレルだと判らなかったほど、ニュースキャスター、ロン・バーガンディに成り切っている。
口ひげもあって、いかにもアメリカの番組で司会をしている雰囲気。
どうしてそこまで人気キャスターなのか謎だけど、ウィル・フェレルが主演の映画の場合は「俺ってセクシー」と自画自賛する役どころが決まりのようなので、これで良いのかな。(笑)

この映画の中で特筆すべき点は、口を滑らせてしまったせいで、落ちぶれた生活を送っているロン・バーガンディがバーで酔っ払っているシーン。
なんとここのバーテン、我らがダニー・トレホじゃないの!(笑)
ちゃんとセリフのある役で、やっぱりかなりの存在感だね!
全然情報を知らずに鑑賞していたので嬉しかった!

そしてなんとこの「俺たちニュースキャスター」は続編が既に昨年アメリカでは公開されていて、2014年5月28日「俺たちニュースキャスター 史上最低!?の視聴率バトルinニューヨーク」という邦題でDVDリリースされるんだよね!
これも絶対観ないとね!(笑)

 「俺たちダンクシューター」(原題:Semi-Pro)は2008年の作品である。
えっ、まさか今度はバスケット選手?!
ウィル・フェレル、頑張るなあ。(笑)

1970年代、アメリカではNBAとABAの2大プロ・バスケットボール・リーグがあった。
過去にヒット曲を出したシンガーのジャッキー・ムーンは、 ABAのチーム「トロピックス」のオーナーであり、なおかつ監督兼選手だ。
試合前に歌を披露してショーアップするも、チームの試合成績と観客動員は悲惨な 状況。
ある日、ジャッキーはリーグの会合で、NBAに吸収合併される上位4チームを除き、ABAは解散と告げられてしまう。

あらすじにあった過去のヒット曲が「Love Me Sexy」というタイトルで、ウィル・フェレル本人が本当に歌ってるんだよね。

なかなかどうして!(笑)
歌手でもイケるんじゃないかと思うほどの歌声にびっくり!
お父さんの遺伝子受け継いでるんだねー!
そしてまたもや時代は1970年代という点にも注目。
きっとウィル・フェレルが好きなんだろうね?
そして定番の「俺ってセクシー」も健在。(笑)

 もう一点、SNAKEPIPEが注目したのは、「Hey Ya!」が大ヒットしたアメリカのヒップホップデュオ、OutKastAndré 3000がバスケットボールの選手として登場していたこと!
鑑賞後に調べるまでは全然気付かず、本当にバスケット選手が起用されていると思っていた。
ミュージシャンでありながら俳優もできて、バスケットも上手とは!
その姿はウィル・フェレルにも通じるよね。(笑)
そんな2人が同じチームに所属しているせいなのか、バスケットの試合前恒例のショータイムは、かなり気合が入っていたね。
このショーだけでもウケそうだけど、観客の本当の目当てはバスケットだもんね。(笑)

結局「俺たちダンクシューター」もスポ根物で、難題に立ち向かい克服していく、涙と友情の物語という点では他の「俺たち〜」シリーズと全く同じ展開だよ!
でもなんでだろう?
ウィル・フェレル、クセになる!(笑)

そして最後に2008年の「俺たちステップブラザーズ」(原題: Step Brothers)のご紹介。
SNAKEPIPEはてっきり今度は兄弟2人でステップを踏む、つまりダンス映画なのかと勝手に想像していたら、義兄弟の意味だったのね!(笑)

それぞれの片親同士が結婚したことから義理の兄弟となった、39歳のブレナンと40歳のデール。
親元で暮らして定職に就かず、経済的にも精神的にも自立できないまま育ってしまったダメ人間である。
大人げない言動で衝突を繰り返し、騒動を繰り広げていくさまを描いたドタバタ・コメディ。

ひゃー!
日本にも最近多いタイプと聞くけれど、アメリカにも親元を離れず自分の趣味のことだけに没頭している中年っているんだね!
わがまま言いたい放題、精神的には子供のままの中年ってどお?
そんな子供に育てた親が悪いのかもしれないけど、自立しようという気が全くなく親に頼りきっている人生って楽しいのかね?(笑)

 ウィル・フェレル演じるブレナンとジョン・C・ライリー演じるデールは、見ていて嫌になるほど甘えん坊の中年を見事に演じていたね。(笑)
中でも最も印象的だったのが、2人共が夢遊病のために部屋をメチャクチャにするシーン。
40歳をとうに過ぎている大人の男性2人が、子供のフリをして演じてるところが本気っぽくて怖かったなあ!(笑)

そんな子供じみたことばかりやっている2人が、将来に向かって歩み出すための手段として選んだのがブレナンの歌、なんだよね。
ああ、やっぱりウィル・フェレル相当喉に自信があるよね!
もしかしたらこれはポール・ポッツ のエピソードを少し取り入れてるんじゃないかな?
歌っていたのも「アヴェ・マリア」だったしね。
ウィル・フェレル、この歌も堂々と歌唱していて、素晴らしい!
そしてダメ中年男達も歌の成功がきっかけで、 人生が明るくなっていくハッピーエンドなんだよね。

「俺たち〜」シリーズはウィル・フェレルが脚本を手がけていることもあり、似た雰囲気の映画に仕上がっていることが多いみたい。
分かっていても、観たくなってしまう恐るべしウィル・フェレル効果!
何も知らないまま鑑賞してしまった「俺たちサボテンアミーゴ」をもう一度観たほうが良いかもしれないね。
ウィル・フェレルの魅力を知る前と後では、感想が違ってくるかもしれないし?
そして3日後に迫った「俺たちニュースキャスター」の続編も楽しみだ!
SNAKEPIPEは「俺たちフィギュアスケーター」の続編を希望したいんだけどね。(笑)