SNAKEPIPE SHOWROOM 物件5 海と山編

20121202-top【究極の人嫌い用物件は宇宙かな?駅まで徒歩35万光年!(笑)】

SNAKEPIPE WROTE:

去年実に大変な苦労をして引越しをしたばかりだというのに、また「引越したい病」に感染中のSNAKEPIPEとROCKHURRAH。
ポール・デルヴォー観に行った府中が良い環境だった、なんていうのを知ったことなども理由かもしれないね。
普段はほとんどテレビを見ないけれど、毎週やってる世界の紀行番組だけは楽しみにしていて、「外国住みたいなあ!」なんて夢を見たりすることもしばしば。
SNAKEPIPEとROCKHURRAHの好みで共通しているのは、ゆったりした環境で人がまばらに活動していること。
狭い場所に人が窮屈そうにしている、そう、まさに日本の環境が最悪なんだけどね。(笑)
年末ジャンボも売りだされたことだし、せっかくだから世界のゆったりした人のいない環境で生活できる物件を探してみようか。

20121202-01
一番初めにご紹介するのはプライベートアイランド!
プライベートアイランドと聞いてパッと思い浮かべるのはスウェーデン版横溝正史といった感じの「ミレニアム」の一番最初に出てきた話の中の孤島かな。
あの島は本島とつながっていたけどね。
あとは「サンダーバード」の秘密基地。
そしてもちろん忘れちゃならない「パノラマ島」だよね。(笑)
何か秘密めいたことをするには良いシチュエーション。
だって、自分達以外に人がいないんだもん。(笑)
推理小説の舞台としても密室物として大活躍だしね!

先日の「尖閣諸島問題」でも明らかになったように、島って買えるんだよね。
SNAKEPIPEは随分前から「島は買える」ということを知っていた。
だって「さだまさしが関白宣言の印税で島を買った」って聞いたことあったからね。
えっ、関白宣言自体が古い?まさか知らない?(笑)
ちなみにさだまさし所有の島は長崎県にある詩島ってところらしいよ!

SNAKEPIPEだったらどんな島にしようかな、と調べていて見つけたのが上の写真の島ね。
これはカナダ、ブリティッシュコロンビア州南西部に位置する同州最大の港湾都市にあるブラインド・ベイの北に位置するフォックスアイランドである。(写真①)
名前がフォックスだからって残念ながらキツネがいるわけじゃないみたいね。
George Lane-Foxさん所有の島だったから、というのが理由みたい。
なーんだ、せっかくキツネと私の12ヶ月ごっこができると思ったのにね!(笑)
でも名前がカワイイということでいいか。

バンクーバーからフロート水上機なら約20分で移動可能、とのこと。
フロート水上機って何?と調べたら水上飛行機のことで、水上にて離着水できるように設計された航空機のことだって。
ここでちょっとした疑問。
水上で離着水する時ってボートを使うんだよね?
上手にできるかなー、難しそうだよねー。
プライベートアイランドを持つくらいなら、マイ水上機も買うだろうから練習もできるし、買い物も大丈夫か!
いや、本当にリッチな人だったら、自分では買い物しないかもね?(笑)

この島は「Developed」とされていて、多分前述のフォックスさんが家を建てたり、例えば水が使えるように整備していてくれた模様。(写真②)
海の近くの家に憧れたことがあるSNAKEPIPEだけど、これは360℃が海、という素晴らしい環境だもんね。
どの場所に家があっても、必ず窓から海が見えるだろうね。
おおっ、これで「魅せられて」ごっこもできるよ!(笑)

この島の周りの海域北側にはカキ、ムラサキガイが採れたり、なんとサケ、カニ、クルマエビなども採れるとのこと。 (写真③)
この船着場からボートに乗って釣りをしたら、気分は釣りキチ三平だね!
きっと大物がいるに違いない、だってカナダだもん!(根拠なし)
オラ、大物釣るだぁ~!
自分で釣ってサケやらエビが手に入るなら、狩りで生活できるかもね?
その釣った魚をこのオーブンで調理するってわけね。 (写真④)
ああ、憧れのオーブン!
やっぱりいいなあ、カナダ!

この島の広さは46エーカーらしいんだけど、単位としてエーカーで言われてもよく判らないよね。
調べてみると、どうやら東京ドームの約4倍だって!
ま、そんなことどうでもエーカー!(ぷっ)
そんなに広い敷地を持って一体何するのって感じだけど、ゆったりと自分だけの時間を過ごすにはもってこいのこちらの物件!
さて気になるお値段は?
4,359,549USドル、日本円にして約35億9000万円!
この環境や広さだったら納得のお値段かな。

バンクーバーについて調べてみたら、緯度が高いわりには寒くなくて、夏は暑過ぎない西岸海洋性気候なんだって。
そしてかなりアジア系の人種が多く住んでいる、なんて書いてあるので差別も少ないのかもしれないね。
考えちゃうねー、いいよね~!(笑)

20121202-02
続いては山のご紹介!
海の次は山って短絡的だけど、この規模がすごいからまあ、見てって頂戴よ!

今回ご紹介するこの物件は、アメリカ、ノースカロライナ州にあり、South Mountains State Parkの近くにある山なんだよね。(写真①)
山の中の一部分を切り取って売りだされてるから、地名もはっきりしないみたいだね。
写真①の黄色く縁取られている場所ってことで許してね。

ノースカロライナ州について詳しくないSNAKEPIPE
州の北はバージニア州に、西はテネシー州に、南はジョージア州とサウスカロライナ州に接し、州の東側は大西洋に面している場所って分かるかな?
アメリカって広いから州名だけ言われても、馴染みがない限りは知らない場合が多いよね。
ノースカロライナ州は山が多いのか、他にもたくさん物件が載ってたんだけど、この山に決めたのには理由があるんだよね。

なんとこの物件、湖付きなのよっ!(写真②)
ウィリス湖っていうらしいんだけど、この湖も所有できちゃうってすごくない?
マイ湖持ってる人ってあまり聞いたことないんだけど、どお?
マスが釣れるみたいだから、釣り好きにはたまらないよね。
ここでもまた釣りキチ三平できるじゃん!
オラ、湖の主、釣るだぁ~!(しつこい)
広い牧草地も完備。(写真③)
馬にも乗れるみたいだし、ゴルフもできるかも?
ハイキングに、自転車に、とアウドドア好きも大満足なこと間違いなし。
野生動物のウォッチングにも最適な環境だね。

湖の周りは森になっていて、雑木林ではサバイバルゲームができそうだよ。(写真④)
この雑木林の中だったらギリースーツを試すにはもってこいだね。
ただし、SNAKEPIPEとROCKHURRAHが二人ともギリースーツを着て隠れていたら、お互いを見つけることができなくて苦労するかも。
敷地広いから、夕方まで見つからないかもね。(笑)

この物件、以前よりかなりお値下げして販売中とのこと。
351エーカー、東京ドームの約30倍と言われても想像すらつかない広さだよね。 そんな広大な土地のお値段、かつては7950USドル/エーカーだったのが、3500USドル/エーカーと半額以下!
351エーカーで計算してみると…えっ、お値段まさかの1億円!
以前の金額でも2億3000万円だったとは!
SNAKEPIPEの計算間違ってないよね?
うそー、こんなお値段で買えちゃうのー?
これなら年末ジャンボで余裕のお買い物よ~!(笑)

敷地があまりに広いためなのか、写真が少なめだったので、家が建てられているのか、ライフラインが通っているのかなどの詳しい情報は不明なんだよね。
自分の好きなように山荘建てるのも良いな!
こんなに広い土地なら、曜日毎に違う家とか気分で寝る場所を替えるなんていうのも面白いかも。
夢が広がるね!

今回は海と山の紹介だったけど、きっと他にも海外にはびっくり仰天物件があるはず!
また探していきたいね。
まずは年末ジャンボか。(笑)

好き好きアーツ!#18 DAVID LYNCH —CHAOS THEORY OF VIOLENCE AND SILENCE

20121118-top【ラフォーレの垂れ幕にリンチの名前がっ!交差点手前から撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

2012年11月10日よりラフォーレ原宿にあるラフォーレミュージアムにて、「デヴィッド・リンチ展~暴力と静寂に棲むカオス」が開催されている。
この情報を教えてくれたのは、またもやROCKHURRAHだった。
それはもう今から2ヶ月くらい前のことになるのかな。
心待ちにして、展覧会の初日に鑑賞してきたSNAKEPIPEとROCKHURRAH。
2012年7月に鑑賞した渋谷ヒカリエで開催された「Hand Of Dreams」の記事に

「リンチは平面の作品だけじゃなくて、立体作品も制作しているのを海外のサイトで知った。
その作品もまた稚拙な雰囲気だけど怖いんだよね。(笑)
そんな作品群も鑑賞できたらいいなあ。 」

と書いていたのだけれど、今回の展覧会でその希望が叶うことになった。
なんて幸運なんでしょ!(笑)
1991年今はなき東高現代美術館での個展、1996年渋谷パルコギャラリーでの写真展「Dreams」、今年7月ヒカリエにおけるリトグラフ展に引き続いての鑑賞。
どうやら2010年に大阪でも個展を開催していたようだけれど、全然知らなかったよー!
その時に情報を入手していたら、初の大阪入りができたかもしれないのにね。(今まで一度も大阪に行ったことがないSNAKEPIPE)
今回は絵、写真、映像に加えミクストメディアの展示ということでリンチの世界を堪能できる企画になっているようだ。
ワクワクしながら原宿に向かう。

ラフォーレミュージアムという名前は聞いたことがあったけれど、そもそも原宿大好きだった少女時代(ぷっ)から、ほとんどラフォーレ原宿にすら足を踏み入れたことのないSNAKEPIPE。
聞いてみるとROCKHURRAHも同じく、ラフォーレ原宿には思い出がないと言う。
フロアの天井が低く、細かく店舗が分かれているため、買い物がし辛い印象があったんだけど?
やっぱり今回も同じように感じてしまった。
店内を物色することもなく、最上階にあるラフォーレミュージアムへ。

チケット売り場の前にはリンチの「ようこそ」的な映像が流れている。
なんだかこれって…夏に開催されたヒカリエの時とほとんど同じ。(笑)
前回は「愛・平和」の漢字を空中に書いていたリンチが、今回は日本語を喋っていること、モノクロからカラーに変わったこと以外は似た映像だね。

チケット売り場の横には物販店があった。
ポストカードと、リンチの絵をプリントしたTシャツや関連書籍などを販売している。
おや?お目当ての図録がないよ?
どうやらこれは完全予約制での受付となっているようで、11月下旬発送予定で受付だけ行なっているとのこと。
帰りに予約することにして、逸る気持ちを抑えながら会場へ。

20121118-01
最初は写真作品の展示からである。
ポーランドの廃工場を撮影した作品群が並ぶ。
イレイザーヘッドの舞台にもなっている、フィラデルフィアのリンチ撮影の写真を観たことあるけど、やっぱりそれらも工場地帯の写真だったんだよね。
工場にある魅力はSNAKEPIPEもよーく解る。(笑)
きっと今回のポーランドの工場なんて、目の前にしたらヨダレが出るだろうな。
クレジットを確認すると、今年の撮影ってことみたいね。
2012年にもまだこんな工場があるとは、ポーランド恐るべし!(笑)
他にも写真作品が続き、男女のヌードのクローズアップシリーズ、snowmenという雪だるまシリーズ、と全てモノクロームである。

ヌードのクローズアップの写真群には「その手があったか」と唸ってしまった。
クローズアップにすることで、体のどのパーツを写してるのか判らなくなるんだよね。
そして明らかに、通常ならば服や下着で隠れている部分を露出させた写真(まわりくどい言い方だけど)と並べて展示されることで、謎のパーツ写真が想像によってエロティックな方向に進んでしまうから不思議だ。
もしかしたらそれは肘を曲げたり、首のしわだったりするような、普段から目にしている部分かもしれないのにね?
この、ちょっとトリックめいたシリーズは興味深く感じたよ。

短編映像作品3作品を鑑賞する。
2009年、2011年、2012年の作品、というかなり最近の作品なんだけどね。
映像作品ガイドで確認しないと「最近の?」と思ってしまう映像作品。
だってリンチの初期映像作品との違いがはっきりしないんだもん。(笑)
1968年制作ですよ、と言われても何の疑いも持たないかもしれないなあ。
途中で出てきたゴッホは、やっぱり「耳つながり」ということでOKかしら?

続いては夏に鑑賞したリトグラフと同じ系列の、和紙への「にじみ」を活用したような絵画が並ぶ。
これらの絵画は、ヒカリエで鑑賞したリトグラフのような黒っぽさ、線の太さはなくて、強烈なインパクトは残さなかった。

またもや映像作品2作品。
リンチ自身が出演していて、まるでツインピークスのゴードン・コール並に声を張り上げて喋り、おかしい。(笑)
17分と13分、という合わせて30分の映像のため、全部を鑑賞するのを諦めることにする。
字幕もなかったので、さっぱり意味が解らなかったし。(笑)

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次は油絵の登場である。
1991年に鑑賞した時のリンチの油絵は、色彩や題材がいかにもリンチらしく暗いもので、あの時には確かバンドエイドが貼り付けられてる作品もあったはず。
それでもほとんど「平面」の作品ってことになるよね。
今回は油絵、といっても単なる絵画ではなくて、油絵の具と粘土のような物を組み合わせたり、立体物がキャンパスに貼り付けられているような作品であった。

上は「I see my Love」と、そのまんま絵にタイトルが書かれてる作品である。
リンチの作品にはこのようにタイトル記載が多いんだよね。
以前も言ったことだけど、その字がまた「リンチ・フォント」とでも名付けたら良いような独特の風合を持ったアルファベットで、それだけでもアートになってしまう。
色彩の暗さは相変わらずだけど、立体になっている部分が新しいね。
そして貼り付けられているのは…じっと見ていると、もしかして歯?
ぎゃーっ、怖いっ!
目から飛び出してるのも嫌だけど、なんだか歯が本物っぽいんだよね。
ひー、顔が顔として写実的じゃないところが余計に不気味!
ROCKHURRAHは「レザーフェイスみたい」と言う。
リンチの娘であるジェニファー・リンチが監督した「サベイランス」にも、似たお面が出てきたことを思い出す。
世界一カルトな親子の作品!Surveillance鑑賞」 に画像を載せているので、ご参照くだされ。

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いよいよ大詰め!ミクストメディアの登場である。
今回の展覧会で一番観たかったのがこのシリーズ。
立体油絵(変な造語だけど)だけでもかなりのインパクトがあったけれど、ミクストメディアはまずその大きさに驚いてしまう。
「Boy Lights Fire」という作品は208.3cm x  330.2cmという巨大さ!
下地になっているのはどうやらダンボールのよう。
そこに「にじみ」を加え、更に立体を貼りつけたり、マッチ部分が光るように細工がされていたり、と実験的な要素が満載である。
このタイプと同系統の「Bob’s Second Dream」などを含めた巨大ミクストメディアが全部で4点展示されている。
川村記念美術館の「ロスコ・ルーム」ならぬ、「リンチ・ルーム」といった感じだろうか。
ゾワゾワと背中から寒気が襲ってくるような恐怖感。
それでもずっとその場に留まっていたいと思う相反する心情。
「怖いもの見たさ」なんて簡単な言葉では説明し切れない摩訶不思議な引力のある空間だった。
あの感覚はやっぱりあの場で体験・体感しないと解らない類のものだろうね。
行って良かった、鑑賞できて幸せだった、と心から思ったSNAKEPIPEである。

以上で展覧会の概要のまとめは終わりなんだけど、出口近くに設けられたスペースに、何やらゴージャス感漂うガラスケースがいくつか置かれている。
なんとそれはフランスのシャンパンであるドン・ペリニヨン
なんでリンチの個展にドンペリなの?

どうやらリンチがドン・ペリニヨンのボトルとパッケージデザインをした、ということらしい。
リンチアンを名乗って長いSNAKEPIPEがそんなことも知らないとは!(笑)
お詫びにドンペリ購入させて頂きますっ!
ではお値段を調べてって…えーっ!
「ドンペリニヨンヴィンテージ 2003」が2万1000円、「ドンペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2000」が4万3050円だって。
2本購入なら6万4050円だよー!
ドンペリってやっぱり高額品なんだね。
小さいことだけど、最後の50円ってところがものすごく気になるなあ。(笑)
2本買うから6万ちょっきりでどおだ?と言いたくなるよね!
いや、スミマセン、買えません。(涙)
カリフォルニアのスタジオで2日間かけて撮影されたのは、光や煙の中に浮かび上がるドンペリのマーク。
キラキラしていてとてもキレイ。
リンチらしいのかどうかは不明だけど、ドンペリのイメージには良く合ってるように思うね。

リンチの絵の怖さについてずっと考察していたら、結局行き着いたのは「境界」という言葉かな。
夢なのか、現実なのか。
正常なのか、異常なのか。
リンチの絵はまるで、知的障害者や精神障害のある人が、勢いに乗って制作しましたという雰囲気がある。
何も考えず、ただその欲求に駆られ、想いのまま筆を動かしたような。
子供が描いたようにも見えてくる。
その稚拙そうに見える部分が余計に怖いのだ。
例えば小説などで犯人が子供時代に描いた、心理検査として使用されるような絵、もしくは犯罪を目撃してしまった後、ショックで喋ることができなくなった子供が現場を描いたような絵、と説明したら解ってもらえるだろうか。
何かを内に秘めた人物の絵。
それは凶暴性だったり残酷性なのかもしれない。
展覧会のタイトル通り「静寂と暴力が棲むカオス」だね。(笑)
きっとそのカオスを、SNAKEPIPEの頭でも心でもなく、皮膚が反応していたようである。
背中がゾワゾワしたのはそのせいね、きっと。
図録の到着が楽しみである。

2012年は「Crazy Clown Time」のCDデビューに始まり、ヒカリエでの個展、そして今回のラフォーレミュージアムにおける個展と続きリンチ大活躍、ブログに登場することも多かった。
リンチアンには幸せな年だったね!
そしてリンチに、また子供ができたらしい。
「リンチ、66歳で再びパパに!」なんて記事も発見。
そんな精力的なリンチに、これからも期待しちゃおうね!

ポール・デルヴォー 夢をめぐる旅

20121104-top【府中市美術館前の看板を撮影。「夢に、デルヴォー。」ってコピーどうなの?】

SNAKEPIPE WROTE:

9月12日から11月11日まで府中市美術館でポール・デルヴォー展が開催されていることを教えてくれたのはROCKHURRAHだった。
ROCKHURRAHは以前よりデルヴォーのファンで、
「この展覧会には是非行きたい」
と強く希望。
そこで11月3日の文化の日らしく(?)デルヴォー展に出かけたのである。

それにしても…。
千葉県から府中に行くのって遠いんだよね。
ROCKHURRAHも、もちろんSNAKEPIPEも府中に行くのは初めてのこと。
府中で知ってることと言えば、競馬場と刑務所くらいのものか?
出かけた3日も府中競馬場ではレースが行われていたようで、府中近辺の人出は多かったみたいだね。

東京の西の地域は全体的にほとんど知らないんだけど、府中駅前を歩いてびっくり!
とても開けているし、道は広いし、伊勢丹まであるし!(笑)
住みやすそうな土地だな、と感じる。
I LOVE 千葉と言い続けてきたSNAKEPIPEだけど、それはもしかしたら単に他の土地を知らなかっただけ?
色々な選択肢があるんだな、ということをこの年齢になってやっと気付いたよ。(笑)

府中市美術館のHPには
「京王線府中駅からちゅうバスに乗って府中市美術館 下車すぐ 8番乗り場から、8時から毎時30分間隔で運行。運賃100円」
なんて書いてあるからすっかり信用していたけれど、このちゅうバスが曲者!
1時間に2本しかないと思って並んで待ってたのに、
「これは違う路線で美術館には行きません」
と運転手にあっさり言われてしまう。
ROCKHURRAHが再び検索してくれて、やっと武蔵小金井駅行きバスにて美術館に到着。
やっぱり初めての土地っていうのは難しいね。

府中市美術館は府中の森公園の中にある美術館で、緑の多いゆったりした空間が広がりとても気持ちが良い。
至る所にベンチが点在していて、市民の憩いの場といった感じね。
こんな公園が近くにあったら気軽に散歩が楽しめそう。
いいなあ、府中!(笑)

まずは簡単にポール・デルヴォーの略歴をまとめてみようか。
ポール・デルヴォーは1897年生まれのベルギーの画家である。
10歳の時にジュール・ヴェルヌの「地底旅行」を愛読し、13歳ではホメーロスの「オデュッセイア」を読む。
この読書体験が後のデルヴォーに強い影響を与えている。
22歳で美術アカデミー美術科に入学。
29歳の時にアンソールの影響を受ける。
おっ、先日出かけたアンソールの名前が出てくるなんて嬉しいね。(笑)
32歳で生涯の伴侶となるタムに出会うが、両親に反対され結婚を断念する。
そのタムとは18年後に再会し、なんとデルヴォーが55歳になってから結婚するんだよね。
ずーっとタムのことを考えていたようで、絵のモチーフにも繰り返しタムが出てくるところにデルヴォーの純粋さを感じたよ。
その愛情はタムが亡くなるまで続いていたようで、その死により絶筆したとのこと。
そしてデルヴォー本人はそれから6年後の1994年に96歳で死去。

それではポール・デルヴォー展についての感想をまとめてみようかな。
今回の展覧会は5章のチャプターに分かれて展示されていたので、その章ごとに追いかけてみよう。
わざわざ書くまでもなく、いつも通りじゃん。(笑)

第1章 写実主義と印象主義の影響
20121104-01デルヴォー初期の作品はほとんどが風景画で、当たり前だけどいわゆるデルヴォーらしさは確立されていない。
いかに見たままを絵にするか、を模索している様子は良く解ったよ。
そしてその後も繰り返し描かれるモチーフである蒸気機関車や駅もすでにこの頃に登場してるね。
若くして才能を認められただけあって、さすがに上手い絵が並んでいたよ。(笑)
上は「リュクサンブール駅」(1922年)という未完の作品である。
まだ下描きが残されている状態がアニメっぽっくて面白い。

第2章 表現主義の影響

ここではセザンヌ、モディリアーニ、アンソールなどに影響を受けた風景画が展示されている。
この頃から女性を描くことが多くなったのは、前述したタムというデルヴォーにとっての永遠の愛の対象と出会ったことに起因してるんだろうね。

第3章 シュルレアリスムの影響
20121104-02ポール・デルヴォーの作品はシュルレアリスムに分類されることが多いけれども、シュルレアリスムと一括りにするだけでは真の理解は得られない、と図録に書かれている。
SNAKEPIPEも大好きな画家、デ・キリコの作品との出会いからシュルレアリスム的要素が表れたとのこと。
このチャプターからデルヴォーらしい作品が展示されていて、第2章とは全く違う雰囲気に驚かされる。

このチャプターで非常に気に入ったのが「レースの行列に基づく舞台装置の習作」(1960年)というタイトルの作品である。
確かにデ・キリコの影響を受けている様子が解るよね。
墨と淡彩で描かれていて、モノクロームの世界も素敵!
デルヴォーの作品によく出てくる背景が、荒地とでもいうのか石がゴロゴロしている空き地みたいな空間。
上の作品にも両サイドに描かれていて、SNAKEPIPEはその背景に目を奪われたよ。
ガランとした風景は大好きだからね!(笑)

第4章 ポール・デルヴォーの世界
20121104_03上の作品は「エペソスの集いII」(1973年)である。
デルヴォーに特徴的なモチーフがふんだんに使用された、幻想的な作品だよね。
奥にギリシア・ローマ建築、真ん中にはトラム(路面電車)、そしてアーモンド型の目を持つドレスを纏った女性達、裸体。
ギリシア・ローマ建築は少年時代に愛読したホメーロスから、トラムは駅長になりたかったほど少年時代から魅了された列車への興味、そしてアーモンド型の目を持つ女性はデルヴォーの愛の対象であるタムからの影響、とのことである。
ずっと好きなものを想い続け、それを自身の画風とするところは、日本で言えば横尾忠則みたいだよね。

古代建築と列車が同居していて時代錯誤なこと、夜の場面みたいだけど女性には光が当たって時間の観念が欠落していること、女性しか存在していない世界、といったあらゆる矛盾点が何の違和感もなく描かれているのがシュルレアリスムとして分類される所以なのかもしれないね?
この世界観はデルヴォーならではの独特の雰囲気。
女性の目にほとんど光がなく、まるで人形のように見えるのも不思議な魅力だよね。
デルヴォーはモデルとして採用していた女性も長い間ずっと画家とモデルとして関係を続けていた、と書かれていた。
デルヴォーのキーワードは「長期間」なのかもしれない。

第5章 旅の終わり

デルヴォー80歳代にして、視力の低下という深刻な事態に陥ってしまう。
1986年に最後の油彩「カリュプソー」を描いた後、前述したように最愛の妻タムの死により絶筆してしまう。
20代から91歳で絶筆までのおよそ70年間、デルヴォーが描き続けていたとは驚きである。
もしタムが存命していたら、恐らく絶筆の時期も違ってきたんだろうね。
そして1940年代にはすっかり完成していた、いわゆる「デルヴォー式」とでも名付けたくなる、あの定番モチーフを使用した絵画群を、その後も執拗に描き、膨大な数の作品を仕上げていることにも驚かされる。

Wikipediaでデルヴォーと検索してみると、姫路市立美術館にはデルヴォー作品139点が所蔵されていると書かれている。
エルンスト展を鑑賞した横浜美術館にも18点のデルヴォー作品があるそうだ。
ベルギーにはもちろんポール・デルヴォー美術館があるので、一体全作品数がどれくらいあるのか不明なほどの量産型の画家といえるだろうね。
「思うような成果を達成できない、といつも感じていた」
と語るデルヴォーだからこそできた偉業なんだろうね。

「詩情と夢の画家」と評されるデルヴォーの魅力を知ることができた、とても良い展覧会だったと思う。
「~主義」や「~派」のような分類には、評論家じゃないSNAKEPIPEは興味を持っていない。
鑑賞して何かを感じることができたら、ただそれだけで嬉しくなってしまうのだ。
デルヴォーの絵画は、矛盾点の発見の面白さや全体として鑑賞した時には調和の美しさにまず目を引かれる。
そしてクローズアップと遠景など、フォーカスの当て方によって違った物語を作ることができるから、一粒で二度おいしいって寸法ね。
夢想家でなくても長い間、魅入られたようにじっくり鑑賞すること間違いなしだろうね!(笑)

先日鑑賞したジェームス・アンソールもデルヴォーと同じベルギーの画家で、益々ベルギーへの興味を持ったよ。
他の国にもまだきっと好きなアーティストいるんだろうね。
次の出会いがとても楽しみだ。

好き好きアーツ!#17 鳥飼否宇 part4–妄想女刑事–

20121021_top【これがTHE ROTTERS CLUBね!】

SNAKEPIPE WROTE:

ついに鳥飼否宇先生の最新作が発売された!
今か今かと待ちわびていたSNAKEPIPEとROCKHURRAH。
前回鳥飼先生の作品について書いたのが2011年9月のこと。
好き好きアーツ!#8 鳥飼否宇 part3 –物の怪–」としてまとめさせて頂き、鳥飼先生ご本人からコメントを頂戴する、というファン冥利に尽きる経験をさせて頂いたんだよね!
そしてまた今回の新作についても拙いながらも、ブログで感想を書いてみようと思っている。

鳥飼先生の新作のタイトルは「妄想女刑事」!
もうこのタイトルを聞いただけで、「あっち系の路線かな?」と勝手に想像してしまったSNAKEPIPE。
そう、あっち系とは先生の小説の中に登場する「増田米尊」のこと!
興奮すると頭の回転が速くなり、スラスラと推理を展開し事件を解決に導いてしまう増田教授。
SNAKEPIPEは増田米尊も大好きなんだよねー!(笑)
妄想する女ってことは、まさか増田米尊の女バージョンかいな?

新作の主人公、妄想する女の名前は宮藤希美。
日本人の女性にしては長身、痩せ型、ベビーフェイス、ショートカット。
知性と運動能力を兼ね備えている29歳、と聞くと
「ドラマに出てくる感じの女刑事」
と思ってしまうけれど、宮藤希美には黒いセルフレームのメガネと酒好きが加わる。
この2つが加わったことで「妄想女刑事」になるのである。
実はSNAKEPIPEも、ド近眼で激しい乱視のため、長い年月ハードコンタクトレンズを使用していた。
ところがハードコンタクトレンズは目にゴミが入ると激しい痛みと共に、涙がボロボロ!
化粧まで崩れてしまい、大変な思いをすることがしばしば。
ここ数年は、ほとんどコンタクトの使用を控え、メガネにしているのである。
宮藤希美と全く同じ黒いセルフレーム!(笑)
「一般人とはかけ離れたセンスのダサいフレーム」
と書かれていて、ショック!
宮藤希美とSNAKEPIPEは同じ感覚の持ち主なのかも?(笑)

その宮藤希美とコンビを組むのが、42歳の独身で、福々としたほっぺたを持つ美少女マニアの荻野正則である。
この荻野正則を表現する際に用いられたのが、七福神。
「恵比寿さま、もしくは布袋さま、あるいは大黒さまに似ている」とのこと。
確かにこの区別を付けられる人ってあまりいないよね?
20121021-01
Wikipediaで調べてみたら上の画像を発見。
ちょっと編集して並べてみたんだけど、どお?
やっぱり区別つかないなあ。(笑)

更に「マントヒヒの尻のような顔」って表現もあったから、こちらも画像検索。
ははあ、なるほど。
マントヒヒの尻っていうのは、出っ張っているんだね。
しかもその部分だけ毛がなくてむき出しでピンク色なんだ!
うーむ、こんな赤ら顔の40男で美少女マニアというのは、かなり不気味かも。(笑)
そんな荻野正則と宮藤希美がコンビを組んで事件を解決していくのである。

※注意して書いているつもりですが、万が一ネタバレになる記述があった場合はお許し下さい。

事件ファイル1 独身中年ゴシチゴ暗号事件

「マントヒヒの尻のような顔」こと荻野正則の元に、かつての同級生であり、親友でもあった福井義男から、意味不明の手紙が届くことから話が始まる。
事件ファイル名にある「ゴシチゴ」とは、「五七五」、つまり俳句のこと。
その謎の手紙は、俳句のような文章の羅列だったのである。
事件ファイル1にはたくさんの俳句や俳人の名前が登場する。
ほとんど俳句の世界について知らないSNAKEPIPEなので、自由律俳句というジャンル(?)にはびっくり。
「定型から自由になろうとすることによって成立する俳句」のことを指すらしく、感情表現が重要な世界みたいだね。
小説内に出てくる自由律俳句を読んでいると、一行だけの詩のようにも感じてしまう。
「単なる一行詩がそのまま自由律俳句となるわけではない」と、Wikipediaに注意書きされているので、難しいところだね。(笑)

鳥飼先生の作品は人名がユニークで、かつて「 好き好きアーツ!#8 鳥飼否宇 part2」では「爆発的」の登場人物の名前当てクイズに挑戦したSNAKEPIPEとROCKHURRAH。
今回の作品では、人名は県名にされてることが多かったね。
荻野正則の親友は福井、福井のアパートの住民に千葉、富山、石川。
宮藤希美の先輩女性刑事の名前まで秋田汐里、と県名になってるね!

そしてとても興味深かったのが、宮藤希美のキテレツで珍妙な推理の中に横溝正史作品からインスパイアされた説を展開している点。
事件ファイル1には「獄門島」(とははっきり書かれていなかったけれど)が登場していた。
確かに「獄門島」も俳句が出てきた事件だったよね!
言うまでもなく、横溝正史のトリックをそのまま使った作品ってことじゃないので、あしからず。(笑)

宮藤希美の当てずっぽうな推理や荻野正則との会話のやり取りはとても楽しく読めたけれど、メインであるはずの(?)事件の解決はあっさりしていてびっくり!
「やだっ、解けちゃった!」という言葉が宮藤希美から飛び出す。
これがこのシリーズに必ず出てくる宮藤希美の決め台詞なのである。

事件ファイル2 通勤電車バラバラ殺人事件

JR山手線内で切断された男性の左腕が発見される。
そしてまた都営大江戸線内でバラバラ遺体が発見されるのである。
こんなニュースを聞いたら「何事か?」と耳をそばだてること間違いないだろうな。
確かに日本人は野次馬が多く、猟奇殺人事件が好きなのかも。

長野、山口、福岡、志賀、奈良、徳島、逢坂(おうさか)、若山(わかやま)、とまたもや県名を人名にした人物達が登場する。
大阪や和歌山では無理があるため、違う漢字が充てられてるのがミソ!

そして今回もまた横溝正史作品「蝶々殺人事件」を持ち出す宮藤希美。
酒を飲み、酩酊状態になったところで繰り広げるトンチンカンな迷推理も相変わらずである。

事件ファイル2で、「グランドホテル方式」とでも言うのか、昔観た「ショート・カッツ」という映画を思い出した。
注意深く読んでいかないとね!(意味深発言)

事件ファイル3 日本観光コスプレ変死事件

もうこのタイトルからして、「鳥飼先生らしい!」とニヤリ。(笑)
詳しくは書かないけれど、ベルギー人の被害者が発見された時の様子が笑ってしまうような状況なのである。
変死体なのに笑ってしまう、というこのあたりのバランスが絶妙だよね!
そしてまたこの変死事件を担当するのが、宮藤希美と荻野正則のコンビなのである。

美少女には目がない荻野正則は、美少女フィギュアをコレクションしたり、アイドルのコンサートに足を運んだりする40男。
当然のように美少女アニメにも詳しいことから、事件解決に向けたヒントを出す場面が非常に面白かった。
「ナース戦隊看護レンジャー」って、本当にありそうだもんね?(笑)
その荻野正則の趣味のせいで、コスプレさせられるハメになる宮藤希美は災難だったけど!

香川、宮崎という人物が登場する。
今回は「本陣殺人事件」が会話の中に出てくる。
エルキュール・ポアロはベルギー人だったんだっけ?
アガサ・クリスティ読んでたのは中学時代だったなあ。
懐かしい名前を目にしたよ!

今回も記憶力を試されている感じね。(笑)

事件ファイル4 先輩刑事モンペで殉職事件

今回の事件4はタイトルだけですでにいくつかの情報が入ってるよね。
「先輩刑事」「モンペ」「殉職」。
上述した中に「先輩」という言葉を使っているし、「殉職」という言葉も組み合わされていると「もしかして?」と想像してしまう。
「モンペ」だけは謎!(笑)

岡山、宮城が今回の登場人物。
こうしてみると確かに県名が苗字になってることって多いんだね。
横溝正史作品は「悪魔の手毬唄」!
市川崑監督の映画を観た時に、SNAKEPIPEが一番怖かったのは「原ひさ子」!
正座をすると腰が曲がってほとんど畳につきそうなのに、毬をつきながら歌うんだよね。
恐らく毬が弾む距離は10cmくらいだったのではないだろうか?
今でもあのシーンを思い出すと怖くなるよ。

おおっ、またもや記憶力テストだ!
実を言うとSNAKEPIPEは2回読んでから感想をまとめている。
1回目はストーリーを追うことに集中。
で、2回目になってから県名と記憶力テストについて確認しながら読んだんだよね。(笑)

事件ファイル5 世界遺産アリバイ幻視事件

アメリカ人ドキュメンタリー映画監督が、杉並区で起きた殺人事件の重要被疑者として防犯カメラに写っていた。
しかし当の本人は小笠原諸島にいた、とアリバイを主張。
そのアリバイ崩しを目的に、宮藤希美と荻野正則コンビが小笠原諸島の母島に出向くことから話が始まるのである。

母島にある「ペンション乳房山」という名前がおかしい!
英語にすれば「ペンション・ツイン・ピークス」なんだよね。(笑)
ありゃ、でも本当に「乳房山」があるとは知らなかったよ。
宮藤希美が疑問に感じた「父島で一番高い山の名前」については、SNAKEPIPEも同感だった。
調べてみると…えっ、朝立ち山?本当?(笑)

長崎、熊本とまた県名の苗字が登場。
そして横溝正史作品は「八つ墓村」である。
SNAKEPIPEが観たのは野村芳太郎監督版なので、残念ながら金田一耕助役は渥美清だったんだよね。
渥美清はやっぱり寅さんだから、なーんか違う!
SNAKEPIPEが一番馴染み深いのは、石坂浩二が演じる金田一。
石坂浩二で「八つ墓村」が観たかったなあ!

事件ファイル5の最後の最後でまた「あれ?」と思ってしまったSNAKEPIPE。
事件ファイル4までとは違う幕切れだったね。

5つの事件を通して出てきたのが「ロッターズ・クラブ」というバー。
何故だか宮藤希美が酩酊し、捜査に行き詰まった時にだけ登場する。
そのバーのバーテンダー・御園生独、がヒントになるような発言をすることで、宮藤希美の「やだっ、解けちゃった!」を聞くことになるのである。
「ロッターズ・クラブってどういう意味だろうね?」
と聞いたSNAKEPIPEに
ハットフィールド・アンド・ザ・ノースのアルバムのタイトルだったんじゃないかな」 と即答するROCKHURRAH。
さすがによく知ってるね!
SNAKEPIPEは全く知らない世界のバンドなんだな。
ハットフィールド・アンド・ザ・ノースはイギリスのプログレッシブ・ロックバンドとのこと。
鳥飼先生の作品にはジャーマン・ロックやプログレッシブ・ロックのネタが多いのもポイントなんだよね!

「妄想女刑事」はタイトル通りに、宮藤希美があるフレーズや見て感じたことから、自分の世界の中で妄想に浸っている様子が面白かった。
当てずっぽうな推理も「本当に刑事か?」と思ってしまうほど、珍妙で愉快なものが多かったし、「鳥飼先生らしい!」と吹き出しそうになるシーンも多くて楽しく読ませて頂いた。
語り手が宮藤希美本人でなかったせいもあるけれど、SNAKEPIPEには宮藤希美を想像し難かったのが残念。
SNAKEPIPEの個人的な趣味で言うと、宮藤希美よりもオギッペのほうを主役してもらったほうが好みなのかもしれないね?
でもそれだと増田米尊とキャラクターが似てしまうのかな。(笑)