時に忘れられた人々【16】エレポップ2

20121223_top.jpg【SNAKEPIPEがテクノを画像で表現。うーん、80年代ですなあ】

ROCKHURRAH WROTE:

何と3年も前に書いた記事のパート2を書くとは本人も全然思ってなかったよ。しかもよりによって最近の人にはよくわからんであろうエレポップを再び選ぶとは。「もっと他に書くことあるだろうが」と言われてしまいそうだけど、今日書けそうなのはこれくらいしか思いつかない。「書きたい」じゃなくて「これくらいしか書けない」という点ですでに悲壮だなあ。

カタカナで書くからわかりにくいけどエレポップとはElectronics Popsの事で、1980年代にはテクノ・ポップという呼び方の方がポピュラーだったかな?シンセ・ポップなどとも呼ばれているな。 まあ名称などはどうでもいいんだが、80年代ニュー・ウェイブの超メジャーどころが集結していて、花形ジャンルなのは間違いなかった。

ROCKHURRAHは前に何回か書いた事はあったが1990年代にMacを使い始めて、何かに取り憑かれたように自分一人で音楽を作っていた時期があった。まだ宅録の技術や知識、機材などがなかったのでかなり苦労したもんだが、その時にやっていたのが80年代ニュー・ウェイブの純粋培養と言えるような時代錯誤の音楽だった。自分では気に入っていても冷静に聴けば単調だったりパクリだったり。音楽を作り他の人に何か良いところを認めてもらうのは大変だとシロウトながら思ったものだ。

まあそんな昔話は置いといて(しかもこの昔話が何も今回の伏線になっていない)このブログでは今年最後の出番らしい。 そろそろ初めてみようか。

Human League / Don’t You Want Me

前回、と言っても三年も前だが、その時にパイオニアと言うべきバンド達を書いてるから今回は軽薄もB級もあり、よりエレポップの本質に迫れるかもね。
ヒューマン・リーグは1981年のこの曲「愛の残り火」が最も有名で大ヒットもしたが、デビュー当時はもう少し実験的な面もあったし、同郷シェフィールド出身のキャバレー・ヴォルテールを聴きやすくしたような紹介のされ方をしていた。
プラスティック・ケースの中の赤ん坊というようなSFっぽいジャケットもインパクトがあったな。
大先輩クラフトワークのように無機質な演奏、無機質な声という図式ではなく、エレクトロニクスを多用してても人間性重視という方向性のバンドだった。ビル・ネルソンあたりと似たテーマだな。  
しかしデビューした79年頃はヴォーカルも宅八郎風で、とてもこんなメジャー路線、あるいはニュー・ロマンティック風味に走るとは想像もしなかったようなバンドだった。ウルトラヴォックスも最初はそうだったな。 個人的な感想を言うならば、カッコイイというよりは粘着質でいやらしそうなこの風貌でよくも大ヒットしたもんだ。 まあバカにした書き方はしたもののROCKHURRAHはこういう路線も同時に愛するよ。哀愁を帯びたメロディで壮大に歌い上げるエレポップ歌謡、これはもう殿堂入りの名曲と評価するしかない。

Fiat Lux / Blue Emotion

80年代のニュー・ウェイブに通暁した人でもなかなかこのバンド名は出て来ないだろう。だからと言ってマニアックなわけでもなく、メジャー志向でポップでもプラスアルファの華とかチャンスがなければ、なかなか世に出る事が出来ないという見本だね。
このフィアット・ルクスは英国ヨークシャーのバンドで、ROCKHURRAHもある縁故がなければ永遠に彼らを知る事はなかったろう。
元ビー・バップ・デラックスのビル・ネルソンがソロとなる直前にごく短い間だけやっていたバンド、ビル・ネルソンズ・レッド・ノイズ。ここに加入していたサックス奏者がビル・ネルソンの実弟、イアン・ネルソンだ。その彼がレッド・ノイズの後に加入したのがこのフィアット・ルクスだったのだ。と言ってもこのバンドの中心人物なわけではなく、三人組の一番目立たない一人がイアンだった、トホホ。

弟がサックス奏者と言えば日本ではチェッカーズを思い出すが、レッド・ノイズはデジタル・パンクの元祖的存在。そんな中でサックスという楽器が違和感なく融合出来てただけでも斬新な出来事だと思うよ。
フィアット・ルクスは低音のヴォーカルが魅力で最初はビル・ネルソンが設立したコクトー・レーベルの二大金字塔となる予定だったが 、初代金字塔のア・フロック・オブ・シーガルズに続きこのフィアット・ルクスもメジャー行きで、結局ビル・ネルソンは見出しただけで終わるという不運なスカウトマンとなってしまった。実際はそんなことないんだろうけど、この辺は想像も混じっております。

彼らがヒットしたのかはよく知らないけど、ちゃんとしたプロモ映像が残ってるし曲調などもいかにもメジャーな雰囲気、いつまでも「元ビー・バップ・デラックス」と過去の威光だけで語られるビル・ネルソン本人よりは一時的に売れたのかもね。 問題のイアン・ネルソンはこのバンドでは主人公ではなかったので映像後半に少し出てる程度だけど、このバンドもサックスが効果的に使われていて、日本ではほぼ無名バンドだったのがもったいないくらい。彼は2006年に亡くなっているが、ROCKHURRAHの記憶にはいつまでも残っているよ。

Soft Cell / Taited Love

DAFやペット・ショップ・ボーイズなどと同じく、男二人のユニットと言えばゲイ疑惑がつきものだが、このソフト・セルも常にそういう点で語られてきたな。マーク・アーモンドはインパクトのある退廃的美少年(?)という感じで音楽雑誌の表紙を飾って来たが、粘着質のいやらしい声を武器に(ん?ヒューマン・リーグの項でも同じ事書いたな)この「汚れなき愛」で大ヒットしたのが81年。サム・ビザール・レーベルの中心的な存在となった。
マーク・ボランが死亡した時に車を運転していた愛人、という事で知られている黒人歌手のグロリア・ジョーンズの曲をカヴァーして、世界的にこの名曲を知らしめた功績は大きい。 その後も色々なミュージシャンがカヴァーしているから時代を超えて知ってる人も多いはず。ネオ・ロカの世界ではデイヴ・フィリップスが歌ってたヴァージョンが有名だが、そっちの方がずっと知られてないか。

しかし男二人のユニットと言えば片方がヴォーカルで目立ち、もう一人は音楽的リーダーという名目で地味な打ち込みとかやってて不公平感たっぷりの気がするが、実際はどうなんだろうね。この目立たない方の三人でうなずきトリオみたいな事をやろうという話はなかったのか?

Minny Pops / Dolphin Spurt

80年代によく知られたインディーズ・レーベルとして、ジョイ・ディヴィジョンで有名になったマンチェスターのファクトリー・レーベルがあった。このレーベルはユニークで何にでもレーベルの型番をつけるというのが面白かった。自分たちの経営しているクラブに居付いた猫にもFAC-191などと型番が付いてたり、設立者が死去した時に棺桶にFAC-501とか付いてたり。その辺の遊び心に影響を受けてROCKHURRAHのオリジナル・ブランド、BINARY ARMYも作ったものに型番を入れていたのが懐かしい。現在はほとんどやってないけどなあ(笑)。

そのファクトリーがイギリス以外に進出していわゆるベネルクス三国のベルギー、オランダ、ルクセンブルクを拠点に展開したのがファクトリー・ベネルクスだった。
ベルギーにはクレプスキュールというニュー・ウェイブのレーベルがあって、日本では新星堂が展開してた事からそこそこ知名度があったが、このファクトリー・ベネルクスから発展したものだったかな。設立の経緯はイアン・カーティスの愛人絡みというような記憶があった。個人的に大忙しでじっくり調べる時間がなかったから間違ってたらごめん。

ミニー・ポップスはオランダのバンドでそのファクトリー・ベネルクスを拠点に活動していた(元々はプルーレックスというレーベルから出してたはず)が、日本ではやはりほとんど無名に近い。
ジョイ・ディヴィジョンもどきのフォロワーが何とか自分なりの個性を出そうと奮闘していた時代。彼らも決定的に地味というマイナス要素を払拭するべく試行錯誤していた・・・と書きたいところだけど、何だかあまり努力した形跡もなく、地味でちょっと変、ダサいけど取りあえずニュー・ウェイブっぽさは感じられる独特の路線を歩んでいたようだ。何しろ地味で日本のメディアで取り上げられる事も稀なバンドだから、見てきたようにはとても書けまっせん。

ROCKHURRAHも彼らのレコードを持っていたが抑揚がなくてこれといった特徴がない。中で一番まともだった曲を義理のように自分のベスト盤に録音してたのを思い出す(笑)。
この映像や音楽を聴く感じではいわゆるエレポップとは異質で、ドイツのニュー・ウェイブに通じる無機質さ。電子楽器と言うよりはギターとかドラムなどの楽器をテクノっぽく使っている点が新鮮かな。

年末の色々な準備とかあって忙しい中、よくここまで書いたと自画自賛出来るけど、今回はちょっと少なめで許してね。やっぱりまた今回のも書ききれてないから、また同じネタでやるだろうな。「続きはWebで」などと言えないのが辛いな。 ではまた来年会いましょう。

ビザール・ポストカード選手権!7回戦

20121216-04
【いかにもアメリカンジョークっぽいポストカード。ビンテージものは面白いね!】

SNAKEPIPE WROTE:

気付いてみると今年も残り2週間ほどで終わりになるんだね!
なんだか今年はいつの間にか12月に入っていて、あんまり年末の雰囲気を感じていないのはSNAKEPIPEだけだろうか?
年賀状の準備もしないといけないのにまだ全然進んでいないなあ。
ROCKHURRAH RECORDSでは毎年年賀状を作成して友人知人に送り、もちろんこのブログにもアップしてご挨拶させて頂いている。
「今度はどんな年賀状にしようか」と毎年2人で頭を抱えながら制作するのがならわしである。(大げさ)
できれば喜んでもらいたいと考えて、カッコ良いポストカードを作ることを目標にしている。
自己満足じゃない?と言われてしまえばそれまでだけどね。(笑)
それにしても、一枚の画像として何かを表現するのってかなり難しい。
ため息が出てしまうような、心憎く思ってしまうほどセンスの良いポストカードも世の中にはたくさん出回っているというのに…。

今回のビザールシリーズは、SNAKEPIPEとROCKHRRAHが目標としているカッコ良いポストカードとは対局にあるようなカードを選んでみた。
もしかしたらそのトホホな感覚が参考になるかもしれないしね!(うそ)
世界のビザールなポストカード特集、早速いってみよう!

一番最初は、これ!
どお、このインパクトの強さったら。(笑)
I am having a great time at~と文章が付いているので、お礼状としてのポストカードだということは判るんだけどね。
「楽しい時を過ごせてありがとう」と言うににしては、みんな笑い過ぎでしょ!
左下の女性が「今くるよ」に似ていると思うのはSNAKEPIPEだけかしら?(笑)
このカードをもらった人がどんな感想を持つかを全く無視して、自分の思いを伝えることに終始している点で秀逸なカードだね。

次はこれ!
どうやらトルコのカードみたいなんだけど、見た瞬間プッと吹いてしまったSNAKEPIPE。
この羊のインパクト、かなりのものだよね?
そして下の宮殿との対比。
世界3大料理の中の一つがトルコ料理で、トルコの人が羊を食べることは知ってるけどね。
上の写真の羊は何やら装飾がなされている様子。
何かの儀式かな?
トルコについてはほとんど知らないので、全く意味不明のカード。
このカードをもらったら「どんな意味があるのか」と考えこんでしまうかもね!
何年経っても「あの羊のカードくれた人」と印象に残ることは間違いないね。

次もトルコのカードね。
これは、上の羊カードに比べると解り易いね。
兵士が故郷に残してきた恋人を想っている、という図だと思うけど違うかな?
それにしてもこのバラの配置、モヤがかかった恋人の顔、それを打ち消すかのような手にした銃という、なんとも言えないチープ感はトホホに値するね。
ここで考えてしまうのが、このカードは誰が誰に出すんだろうという問題。
兵士が恋人に?それとも恋人が兵士に?
どちらにしても士気を低下させることは間違いなさそう。
第3者がもらっても「素敵なカードをありがとう!」にはならない類だろうね。
こういうセンスを持っているトルコ、恐るべし!(笑)

最後はこちら。
どうやらこれはフィンランドのポストカードらしい。
3人の軍人、と思ったらなんとマネキン人形なんだよね。
もしかしたら歴史博物館みたいな、何かの機関が発行しているポストカードなのかもしれないけど、全く意味不明。
真ん中の人のポーズもオーバーアクションだし、それを冷ややかな目で見つめている右のマネキンの顔も変!(笑)
真ん中のマネキンはYMOの「SOLID STATE SURVIVOR」のジャケットに出ているマネキンの顔に良く似てる!
そして右のマネキンの顔はYAZOOのアリソン・モエットに似てるー!(古い)
ということはアリソン・モエットは変な顔なのか?
どっちにしても80年代顔ってことだね。(笑)
現代のフィンランド軍がこの装備なのかどうかは不明だけど、懐かしい雰囲気にシンパシーを感じてしまうね。
コレクションとして一枚欲しいポストカードかな。

世界のビザール・ポストカードは検索しているだけでも非常に楽しかった。
「ええっ、これを送っちゃう?」と驚いてしまうようなトホホ感たっぷりの逸品がたくさんあって、興味深い分野だね。
また機会があったら特集してみたいと思う。
今回勉強になったのは「相手を無視しても自分の思いを伝える」ということかな。
ん?これで良いのか?(笑)

SNAKEPIPE MUSEUM #18 Aaron Johnson

20121209-top【Now We Hunt Hippopotamusという2009年の作品】

SNAKEPIPE WROTE:

最近は展覧会鑑賞が続き、なかなかアーティスト発掘をしていなかった。
前回SNAKEPIPE MUSEUMを書いたのが7月だったとは。
なんと5ヶ月ぶりの記事になるとは、月日が流れるのは早いねえ。(しみじみ)
SNAKEPIPE MUSEUMファンの皆様、お待たせしました!
今回は一枚の絵を目にした瞬間から魅了された、アーロン・ジョンソンを特集してみたいと思う。

アーロン・ジョンソンは1975年ミネソタ州セントポール生まれのアメリカ人。
現在の活動の舞台や住居はニューヨークとのこと。
1997年にアリゾナ大学で細胞生物学を学んだ後、1998年にはニューヨークでデザインの勉強。
1999年にはPratt Instituteというブルックリンにある美術学校に入学、2005年にはニューヨーク市立ハンター大学にて美術を学んだようだ。
アメリカの学校制度について詳しくないSNAKEPIPEだけど、23歳から30歳くらいまで美術学校や大学に通ってアートの勉強をする人って日本では珍しいんじゃないかな。
もしかしたらアメリカでは一般的なのかしら?
羨ましい環境だよね!
そしてアーロン・ジョンソンは2003年あたりからグループ展に参加、2004年には個展を開いているというから大したもんだ!
ということは大学在学中には作品を発表していたことになるんだね。

上に書いた以外には、残念ながら情報をほとんど入手できなかったよ。
SNAKEPIPEは知らないんだけど、イギリスに同姓同名の俳優がいるんだね?
しかもその俳優が23歳年上の女性と結婚しているらしく、「歳の差婚」みたいな記事ばかりが載っているという、全く意味をなさない検索作業になってしまった。
ウチのブログはその俳優とは別人で、現代アーティストのアーロンについて書いているので、そこんとこ夜露死苦!(笑)
では作品紹介いってみよう!

20121209-01「Stargazer」と題された2005年の作品である。
60.96cm×76.2cmの大きさとのこと。
アーロン・ジョンソンはアメリカ人なのに、作品からは東洋的な匂いがするんだよね。
赤い部分が、本当は血液とか血管なのかもしれないけれど、曼珠沙華の花に見えるせいかもしれない。
曼珠沙華、別名彼岸花も好き嫌いがはっきりする花のひとつだよね。
SNAKEPIPEはあの不思議な形や、色使いが大好き!
山口百恵の歌にもあったっけ。(遠い目)

タイトルには「星を眺める人」という単語が使われているけれど、SNAKEPIPEには魂が少しずつ抜けていき、その人を形作っていた記憶や生命力が空へと漂っていくような絵に見えたよ。
不幸な死に方をしてしまったけれど、念仏唱えて極楽浄土を夢見ているような。
そんな感想を持ったけれど、どうだろう?
怖い印象の絵には間違いないけどね。

20121209-02続いては「Tea Party Nightmare」という2011年の作品。
106.68cm×137.16cmというから、さきほどより大きなサイズだね。
まるでジェームス・アンソールを思わせる作風だけど、アンソールよりも残酷。
ブログだと絵を大きく載せていないので判り辛いけれど、アーロン・ジョンソンの絵は細部の描き込みがすごいの!
主役部分よりも、SNAKEPIPEは魅力を感じてしまう。
例えば上の絵だったら、右から2番めの女性の上部に描かれた小さい女性や、テーブルの上の人間入りハンバーガーなどが気になるなあ。
アーロン・ジョンソンは「アメリカ」を象徴する、例えば国旗や歴史上の人物などを描くことが多いので、上の絵も誰かをモデルにしてるのかもしれない。
そう考えてみると、真ん中の人物がクリントン元大統領に見えてくるよ。
えっ、全然違う?(笑)

20121209-03最後に紹介するのは「Operation Bulldog」という2011年の作品ね。
213.36cm×254cmというかなり大きいサイズだね。
戦車モチーフというのが気に入って、紹介させて頂くことにしたよ。(笑)
その戦車を操っているのはブルドッグ。
その下にいるのは…いばらの冠に手の釘だから…キリストかな?
顔がまるでインド神話に出てくるガルーダみたい。
アーロン・ジョンソンの絵にはキリストを描いた物も多いんだよね。
やっぱりキリスト教徒だからかな?
その割にはコミカルだったり、人によっては冒涜と感じるような描き方をしてるんだけど大丈夫なのかしら?
上の絵でもブルドッグがキリストと思われる人物を喰らっているように見えるんだけどね。
「人間は犬に食われるほど自由だ」
と言ったのは藤原新也だけど、キリストを人間扱いして良いものなのか?
難しい話だから、ここで言及するのはやめておこうね。(笑)
ここでまた調べていたら判明したことがあったよ。
なんとアーロン・ジョンソンの3代前、曾祖父の時代にジョンソン一家はインドでキリスト教の宣教師やってたらしい。
アーロンの時代はアメリカ在住だけど、家にはインド文化が溢れていたなんて書いてあるじゃないの!
これなら東洋文化やインド神話が絵の中に表れていても不思議じゃないね。

アーロン・ジョンソンの絵にはとても不思議な魅力がある。
残酷な笑いとでもいうのか、コミカルさと残酷さの共存。
サイケデリックや浮世絵的な要素の融合。
神話や歴史について研究を続けているという記事も発見したよ。
HPには2011年の作品までしか紹介されていなかったので、残念ながら2012年の活動については不明。
今は一体どんな材料をどんな風に料理して提供しているのか。
こういうアーティストの作品を日本でも観られる日が来ることを待つばかりだ。
エグいのが好きな人にはたまらない展覧会になるだろうね!(笑)

SNAKEPIPE SHOWROOM 物件5 海と山編

20121202-top【究極の人嫌い用物件は宇宙かな?駅まで徒歩35万光年!(笑)】

SNAKEPIPE WROTE:

去年実に大変な苦労をして引越しをしたばかりだというのに、また「引越したい病」に感染中のSNAKEPIPEとROCKHURRAH。
ポール・デルヴォー観に行った府中が良い環境だった、なんていうのを知ったことなども理由かもしれないね。
普段はほとんどテレビを見ないけれど、毎週やってる世界の紀行番組だけは楽しみにしていて、「外国住みたいなあ!」なんて夢を見たりすることもしばしば。
SNAKEPIPEとROCKHURRAHの好みで共通しているのは、ゆったりした環境で人がまばらに活動していること。
狭い場所に人が窮屈そうにしている、そう、まさに日本の環境が最悪なんだけどね。(笑)
年末ジャンボも売りだされたことだし、せっかくだから世界のゆったりした人のいない環境で生活できる物件を探してみようか。

20121202-01
一番初めにご紹介するのはプライベートアイランド!
プライベートアイランドと聞いてパッと思い浮かべるのはスウェーデン版横溝正史といった感じの「ミレニアム」の一番最初に出てきた話の中の孤島かな。
あの島は本島とつながっていたけどね。
あとは「サンダーバード」の秘密基地。
そしてもちろん忘れちゃならない「パノラマ島」だよね。(笑)
何か秘密めいたことをするには良いシチュエーション。
だって、自分達以外に人がいないんだもん。(笑)
推理小説の舞台としても密室物として大活躍だしね!

先日の「尖閣諸島問題」でも明らかになったように、島って買えるんだよね。
SNAKEPIPEは随分前から「島は買える」ということを知っていた。
だって「さだまさしが関白宣言の印税で島を買った」って聞いたことあったからね。
えっ、関白宣言自体が古い?まさか知らない?(笑)
ちなみにさだまさし所有の島は長崎県にある詩島ってところらしいよ!

SNAKEPIPEだったらどんな島にしようかな、と調べていて見つけたのが上の写真の島ね。
これはカナダ、ブリティッシュコロンビア州南西部に位置する同州最大の港湾都市にあるブラインド・ベイの北に位置するフォックスアイランドである。(写真①)
名前がフォックスだからって残念ながらキツネがいるわけじゃないみたいね。
George Lane-Foxさん所有の島だったから、というのが理由みたい。
なーんだ、せっかくキツネと私の12ヶ月ごっこができると思ったのにね!(笑)
でも名前がカワイイということでいいか。

バンクーバーからフロート水上機なら約20分で移動可能、とのこと。
フロート水上機って何?と調べたら水上飛行機のことで、水上にて離着水できるように設計された航空機のことだって。
ここでちょっとした疑問。
水上で離着水する時ってボートを使うんだよね?
上手にできるかなー、難しそうだよねー。
プライベートアイランドを持つくらいなら、マイ水上機も買うだろうから練習もできるし、買い物も大丈夫か!
いや、本当にリッチな人だったら、自分では買い物しないかもね?(笑)

この島は「Developed」とされていて、多分前述のフォックスさんが家を建てたり、例えば水が使えるように整備していてくれた模様。(写真②)
海の近くの家に憧れたことがあるSNAKEPIPEだけど、これは360℃が海、という素晴らしい環境だもんね。
どの場所に家があっても、必ず窓から海が見えるだろうね。
おおっ、これで「魅せられて」ごっこもできるよ!(笑)

この島の周りの海域北側にはカキ、ムラサキガイが採れたり、なんとサケ、カニ、クルマエビなども採れるとのこと。 (写真③)
この船着場からボートに乗って釣りをしたら、気分は釣りキチ三平だね!
きっと大物がいるに違いない、だってカナダだもん!(根拠なし)
オラ、大物釣るだぁ~!
自分で釣ってサケやらエビが手に入るなら、狩りで生活できるかもね?
その釣った魚をこのオーブンで調理するってわけね。 (写真④)
ああ、憧れのオーブン!
やっぱりいいなあ、カナダ!

この島の広さは46エーカーらしいんだけど、単位としてエーカーで言われてもよく判らないよね。
調べてみると、どうやら東京ドームの約4倍だって!
ま、そんなことどうでもエーカー!(ぷっ)
そんなに広い敷地を持って一体何するのって感じだけど、ゆったりと自分だけの時間を過ごすにはもってこいのこちらの物件!
さて気になるお値段は?
4,359,549USドル、日本円にして約35億9000万円!
この環境や広さだったら納得のお値段かな。

バンクーバーについて調べてみたら、緯度が高いわりには寒くなくて、夏は暑過ぎない西岸海洋性気候なんだって。
そしてかなりアジア系の人種が多く住んでいる、なんて書いてあるので差別も少ないのかもしれないね。
考えちゃうねー、いいよね~!(笑)

20121202-02
続いては山のご紹介!
海の次は山って短絡的だけど、この規模がすごいからまあ、見てって頂戴よ!

今回ご紹介するこの物件は、アメリカ、ノースカロライナ州にあり、South Mountains State Parkの近くにある山なんだよね。(写真①)
山の中の一部分を切り取って売りだされてるから、地名もはっきりしないみたいだね。
写真①の黄色く縁取られている場所ってことで許してね。

ノースカロライナ州について詳しくないSNAKEPIPE
州の北はバージニア州に、西はテネシー州に、南はジョージア州とサウスカロライナ州に接し、州の東側は大西洋に面している場所って分かるかな?
アメリカって広いから州名だけ言われても、馴染みがない限りは知らない場合が多いよね。
ノースカロライナ州は山が多いのか、他にもたくさん物件が載ってたんだけど、この山に決めたのには理由があるんだよね。

なんとこの物件、湖付きなのよっ!(写真②)
ウィリス湖っていうらしいんだけど、この湖も所有できちゃうってすごくない?
マイ湖持ってる人ってあまり聞いたことないんだけど、どお?
マスが釣れるみたいだから、釣り好きにはたまらないよね。
ここでもまた釣りキチ三平できるじゃん!
オラ、湖の主、釣るだぁ~!(しつこい)
広い牧草地も完備。(写真③)
馬にも乗れるみたいだし、ゴルフもできるかも?
ハイキングに、自転車に、とアウドドア好きも大満足なこと間違いなし。
野生動物のウォッチングにも最適な環境だね。

湖の周りは森になっていて、雑木林ではサバイバルゲームができそうだよ。(写真④)
この雑木林の中だったらギリースーツを試すにはもってこいだね。
ただし、SNAKEPIPEとROCKHURRAHが二人ともギリースーツを着て隠れていたら、お互いを見つけることができなくて苦労するかも。
敷地広いから、夕方まで見つからないかもね。(笑)

この物件、以前よりかなりお値下げして販売中とのこと。
351エーカー、東京ドームの約30倍と言われても想像すらつかない広さだよね。 そんな広大な土地のお値段、かつては7950USドル/エーカーだったのが、3500USドル/エーカーと半額以下!
351エーカーで計算してみると…えっ、お値段まさかの1億円!
以前の金額でも2億3000万円だったとは!
SNAKEPIPEの計算間違ってないよね?
うそー、こんなお値段で買えちゃうのー?
これなら年末ジャンボで余裕のお買い物よ~!(笑)

敷地があまりに広いためなのか、写真が少なめだったので、家が建てられているのか、ライフラインが通っているのかなどの詳しい情報は不明なんだよね。
自分の好きなように山荘建てるのも良いな!
こんなに広い土地なら、曜日毎に違う家とか気分で寝る場所を替えるなんていうのも面白いかも。
夢が広がるね!

今回は海と山の紹介だったけど、きっと他にも海外にはびっくり仰天物件があるはず!
また探していきたいね。
まずは年末ジャンボか。(笑)