ゼロ年代のベルリン展鑑賞

【毎度お馴染み?展覧会告知ポスターを撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

「やっぱり文化の日には文化的なことがしたいよね」
と出かけたのが東京都現代美術館
2008年の文化の日にも全く同じようなことをしていたことに後から気付いたよ。(笑)
3年前に観たのは森山大道とミゲル・リオ=ブランコの共同展示で、「大道・ブランコ・コーヒー」としてブログにまとめてるね。
今回の現代美術館の企画は「1989年の壁の崩壊後、政治、経済、文化の実験場として世界の注目を集めてきたベルリンに住む18組のアーティストの紹介」とのこと。
元々そんなにドイツのアートについて詳しいわけでもないし、特にベルリンと限定されてしまった場合には一人のアーティストも知らない状態での鑑賞となる。
興味を感じることができるのかどうか判らないまま、文化的なモノを求めて美術館に向かったのである。

11月3日は薄曇りの、散歩を楽しむには丁度良い気温の日だった。
東京都現代美術館までの道のりには木場公園が広がっているので、毎回美術館を訪れる時には公園内をゆっくり散歩するのがならわしになっている。
今回もいつも通り散歩を楽しみながら歩くROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
都会の喧騒を忘れるような緑に囲まれた公園って気持ち良いねー!
かなりの数のランナーが走っていて、その足の筋肉に見惚れるSNAKEPIPE。
結構な年配の方も走り慣れた様子で、しっかりとした筋肉を保持。
うーん、負けていられませんな!
SNAKEPIPEも頑張って筋力アップしないとね。(笑)

現代美術館の館内は、文化の日だというのにガランとしていて予想していたよりずっと来客数が少なく感じた。
いいねー!ゆっくり鑑賞するには最適!(笑)
関係ないけど、チケットもぎりの女性が菊地凛子に瓜二つでびっくり!
絶対「似てる!」って言われてるんだろうなあ。(笑)
凛子似の彼女から受け取ったリーフレットを見ながら会場を歩く。
ほとんどのアーティストが1970年以降の生まれ。
ということで40歳以下の若手が中心の展覧会なんだね。
18組の中でSNAKEPIPEが気になったのは3組のアーティスト。
それぞれについて感想をまとめてみようかな。

この展覧会ですっかりファンになってしまったのが、シンガポール生まれのミン・ウォン
パゾリーニ監督1968年の作品「テオレマ」を再演した作品なのである。
「テオレマ」というのは、突然現れた謎の青年がきっかけで崩壊していくイタリアのブルジョア階級を描いた物語とのこと。
「実生活を営むヨーロッパにおいても、映画の中でも『よそ者』を演じるウォンが示すのは、アイデンティティとは演じることで存在し補強されるが、その存在を維持するためには演じ続けなくてはならない」
という意味のアートらしい。
この説明を受ければ「なるほど」と思う人もいるのかもしれないけれど、SNAKEPIPEにとっては「ウォーリーを探せ!」みたいに劇中の「ミン・ウォンを探せ!」状態で映像に目が釘付け。

パロディと言ってしまって良いのかどうか迷うところである。
演じている時のミン・ウォンはワハハ本舗梅ちゃんに似ていて、そこもまた大注目!
残念ながら「テオレマ」を鑑賞していないので、ミン・ウォンがどこまで再演しているのか判らなかったけれど、その成り切りぶりには目を見張るものがあった。
だって、家族全員を一人で演じちゃうんだもん!
主人、妻、娘、息子、家政婦、訪問者とざっと数えただけで6人!
特に女装シーンの熱演はすごい!
現代アートの鑑賞で腹を抱えて笑ったのは初めての経験だったかもしれないなあ。(笑)
結局ミン・ウォンがやりたいことは森村泰昌と同じなんだろうね。
森村泰昌は写真を使い、ミン・ウォンはその映像版っていう理解で良いのかもしれないね。
そして劇中の演じているウォン自身を肖像画として油絵にしている展示もあって、興味深かった。
このポストカードがあったら欲しかったなあ!(笑)

次に気になったのはフィル・コリンズの「スタイルの意味」という映像作品。
そう、元ジェネシスの…じゃなくて!(笑)
同姓同名の別人で、ターナー賞候補になったこともある1970年生まれのアーティストなんだよね。
イギリス生まれとのことなので、もしかしたら意外と多い名前なのかな?
ちなみにあっちのフィル・コリンズは1951年生まれだから60歳、還暦だね!(笑)
「スタイルの意味」という作品は、何故なのか解らないけど「Oi!/スキンヘッズのブーム」が起きているマレーシアが舞台。
1960年代にイギリスで流行した反体制的なスタイルである、Oi!/スキンヘッズの代表的なファッションであるMA-1にジーンズ、編上げブーツでイキがる若者の集団を記録した作品である。
熱帯雨林気候で、平均気温が27℃という国でMA-1着るのは暑くないか?(笑)
恐らく日本人もそうだと思うけど、マレーシアでOi!を気取っている彼らも、本場イギリス人からは僧侶に見えるんだろうね。
どこかの寺院で、仏像レリーフの前に立たせて撮影したのはそういう意味だったんじゃないかな?
「スキンヘッズのスタイルがいかに『ねじれ』を持って受容されているか」
に焦点を当てたそうなので、きっと「滑稽さ」を表したかったんだろうね。
以前ROCKHURRAHが「ROCK連想ゲーム」で紹介したことがあるジェネレーション69というシンガポールのOi!パンクバンドを知った時に感じた違和感と似た種類なんだろうね。(笑)

最後にもう一つ。
マティアス・ヴェルムカ&ミーシャ・ラインカウフの作品「ネオンオレンジ色の牛」。
これもまた映像作品だったんだよね。
前にも書いたことがあったけど、「現代アート」とされる作品で最近多いのが映像作品だから仕方ないのかもしれないけどね。
本当はチラッと観て「?」と思ったら最後まで観ないSNAKEPIPEなんだけど、今回は一応観たんだよね。(笑)
タイトルは「時計じかけのオレンジ」みたいで何が起こるのか想像がつかない感じだけど、実際の作品は単純なものだった。
地下鉄の線路内や橋の下などの「こんな場所で?」というような場所でブランコをする、というパフォーマンスを記録した映像だったんだよね。
アート、というよりはシルク・ドゥ・ソレイユなどのサーカスっぽい感じ。
なーんて例えで書いたけど、観たことないんだよね。(笑)
もしくは、いつでもどこでも同じ振り付けしてるVISAカードのCFに出演してるマットさんみたいな感じ、とでも言えば良いのか。(笑)
マティアス・ヴェルムカ&ミーシャ・ラインカウフは無許可でゲリラ・パフォーマンスを行うと紹介されていて、止まっているバスや電車の窓をゲリラ的に「無許可で」掃除するアートも行なっているとのこと。
ウチの近所で毎週同じジャンパー着て「ゲリラ的に」掃除している中高年の方々がいるんだけど、もしかしたらアレもパフォーマンスアートなのかも?(笑)

紹介した3つの作品共に共通して感じたのは「現代アート定義領域の拡張」かな。
それぞれをパロディ、ドキュメント、大道芸などと言葉を替えて紹介することもできる作品だったからね。
ただ、やっぱり全体的には物足りなさを感じてしまった。
SNAKEPIPEには現代美術館の常設展のほうが好みだなあ。
もっと面白い企画を用意してもらいたいと思うし、展覧会開催中に図録が用意できていないという事態は避けて欲しいよね。
9月下旬から始まっている展覧会なのに、未だに図録が出来上がっていないなんてちょっとひどい!
図録を購入するのが楽しみなSNAKEPIPEには、特にお気に入りの美術館だけに残念に感じてしまった。

時に忘れられた人々【10】情熱パフォーマンス編

【情熱あり過ぎ!アーモリー・ショウの元気ハツラツ・パフォーマンス】

ROCKHURRAH WROTE:

ミュージシャンにとっての表現方法は歌詞、楽曲、演奏、そしてパフォーマンスといった部類に大別出来るだろうが、1980年代に普及したプロモーション・ビデオによって、それらの魅力を余さず同時に伝える事が出来るようになった。
音楽を聴いて歌詞カード(あるいは訳詞)を読みながらミュージシャンが動いてる姿を想像する、といった70年代くらいまでの視聴方法と比べると格段にわかりやすい。ライブ映像を編集しただけのシンプルなものから映画、現代アートのようなものまで、進化をやめてしまった音楽(あくまで個人的感想)と反比例してプロモーション・ビデオの世界は新しい試みを次々と導入していった。

今回の企画はそういう前フリとは特に関係なく、簡単に言えばちょっと奇妙な情熱的表現方法に取り憑かれてしまった男達のヘンなプロモーション・ビデオ特集だ。このブログをご存知の方にとっては当然なんだが、相変わらず70〜80年代のパンク、ニュー・ウェイブ限定で、アナクロにやってゆこう。ものすごくヘンというほどの事はなくてたまたま観てて「変だ」とROCKHURRAHが思ったものだけを紹介するので、さほど期待しないで読んでつかあさい。

【迫る!】 Rich Kids / Marching Men
セックス・ピストルズの代表曲ほとんどを作曲したにも関わらず追い出されてしまったという不遇なベーシスト、そしてパンク界屈指のメロディメーカーであるグレン・マトロック。
彼がピストルズの後にに結成したのがスーパー・グループとも言えるリッチ・キッズだ。

  • ミッジ・ユーロ(元スリック、元PVC2、後のウルトラヴォックス、後のヴィサージ)
  • スティーブ・ニュー(ピストルズの2ndギタリスト他、パンク、ニュー・ウェイブの数々のバンドでプレイ)
  • ラスティ・イーガン(後のスキッズ、後のヴィサージ)

これにマトロックを加えた四人組なんだがパンクやニュー・ウェイブに詳しい人ならばすごいメンバーだった事はよくわかるはず。
このバンドは日本ではアルバム一枚発表したっきり、すぐに解散してしまったんだけど、ポップで素晴らしい名曲も残していて、個人的には大好きだった。
特に代表曲「Ghosts Of Princes In Towers」などは今聴いても気分が高揚するし、たぶん一生好きだと断言出来る。

さて、この「Marching Men」はアルバムには入ってるけど特に代表曲という事はないと思う。リリースした頃はまだMTVなどもない時代でPVを作るバンドも少なかったはず。さすが大手EMIだし元セックス・ピストルズだし、お客様感謝デー大売出し火曜市というワケかね?

このビデオの意図は不明だが見て頂くとわかるように、とにかくフロントの3人の表情、迫り具合が尋常じゃない。何だかわからんが迫力満点。 ミッジ・ユーロ(中央のギター男)と言えばジョン・フォックス脱退後のウルトラヴォックス、そして80年代のニュー・ロマンティック・ブームを支えたダンディ男の代表だよ。そうなる数年前はただの白いTシャツでこんなことやってたとは驚き。
しかもこの人は歌うときの大仰なシャウトっぷりがかっこ良くも情けない。 左側の化粧男スティーブ・ニューも負けず劣らずの形相。この人はギター・プレイも鮮やかな美少年という印象があったけど、リッチ・キッズ以外で目立ったパーマネントなバンドをやってないのが残念。去年ガンで亡くなったのだがずっと化粧男のままだったんだね。
そしてこのバンドの主役、グレン・マトロックはと言えばいい意味でいつも通り。確かに迫ってはいるが横の二人ほどのインパクトはなく、ここでも主役は取れないのか?いい曲を書くんだけどねえ。

【なりきる!】 Tenpole Tudor / Wunderbar
エドワード・テューダーポールはパンク初期から活動していて、ピストルズの映画「グレート・ロックンロール・スウィンドル」に出演した(掃除機を持って歌う映画館のモギリ役)事により注目されたパンク・コメディアンとも言えるべき人。
彼が率いるバンドがこのテンポール・テューダーだ。
このバンドはロカビリーやテディ・ボーイ(テッズ)風の要素とパンク・ロック、そしてスコットランド民謡の壮大さを併せ持つ「ありそうでない組み合わせ」が新鮮で素晴らしかった。ビリーもパンクもアイリッシュも大好きなROCKHURRAHにとってはドンピシャの理想バンドだったのだ。
同時代には海賊ルックで大ヒットしたアダム&ジ・アンツや壮大な応援団風+スコットランド民謡風パンクの王者スキッズなどと共に、この手の音楽好きを唸らせる男気あるロックを展開した。
そんな彼らのこだわりはある意味でのコスプレ精神に表れている。レコード・ジャケットのメンバー写真は中世の騎士であったり海賊であったり三銃士だったり、そのなりきり衣装は見ているだけで楽しい。そしてテューダーポールの身軽で大げさ過ぎる身のこなし、ステージ・アクションとしても派手の極み。そりゃいくら何でもオーバー過ぎでしょう、というくらいのシロモノ。

この曲は「Swords Of A Thousand Men(メンバーが騎士団になって大暴れするPVも必見)」と並ぶ彼らの代表曲で壮大かつコミカルな曲調、サビの「ブンダバー」という合唱では思わず拳を振り上げる事必至の大傑作だ。
今回は海賊に扮してるんだね。というか格好違うだけでコンセプトは騎士の時とほぼ一緒。ちなみにWunderbarはワンダフルと同じような意味のドイツ語だそうな。 先にも書いたがまだPVというものがあまりないくらいの時代にこの大掛かりなロケ、いっそのことテンポール・テューダー主演で映画にでもなってくれたら素晴らしいものが出来上がっていたろうに。

【踊る!】 The Teardrop Explodes / Treason
何だかウチのブログでティアドロップ・エクスプローズ率がかなり高いな。
そこまで命をかけて追いかけたバンドではないのに、何度も書いてる気がするよ。 その昔、70年代後半にエコー&ザ・バニーメンのイアン・マカラック、ワー!のピート・ワイリーと共に活動していたのがジュリアン・コープだ。
三人はそれぞれ別のバンドを始めて独自の活躍をしてゆくのだが、自身の音楽性に磨きをかけて正統派ネオ・サイケの代表格になったエコー&ザ・バニーメン以外の二つのバンドは、やってる事もやりたい事もその時によって違っていたという印象。

特にこのティアドロップ・エクスプローズの主人公、ジュリアン・コープは一番の問題児でクセモノだったな。
いわゆる美形ではないのだが80年代少女漫画に出てくるようなルックスで人気があってもおかしくはない素養はあった。がしかしその才能を昇華する事なく、総合的に見て意味不明の部分を数多く持っていた。ファンにとってはこの不安定さが魅力だったんだが、一般的にはかっこいい変わり者という意見が多い事だろう。

さて、このビデオ、彼らの代表曲でネオ・サイケの名曲と言われている曲なんだが、顔や体に不可解なペインティングをしたジュリアン本人が、まるで土方巽のような暗黒舞踏で踊りまくる。
売る気があって作ったプロモーション・ビデオとは思えない出来にファンも苦笑。カッコイイのを通り越してカッコ悪くさえある。
この後ソロとなって一時期は人気絶頂な頃もあったんだが、なぜか古代巨石文明に関する著作や日本のアングラなロックに関する著作など、方向性不明の活動が目立つ鬼才。相変わらず不可解な面が多いなあ(笑)。

【くねる!】 Der Plan / Hey Baby Hop
DAFやデイ・クルップス、フェールファーベン、ホルガー・ヒラーなどと並ぶジャーマン・ニュー・ウェイブ(ノイエ・ドイッチェ・ヴェレ)の代表格がデア・プランだ。
ドイツの老舗インディーズ・レーベルであるアタタック・レーベルの中枢としても有名だな。他のドイツのバンド同様、シンセサイザーがメインの三人組で「ドイツのYMO」と評される事も多い。確かに当時のテクノ・ポップという分野ではYMOは世界的に著名だったからね。
しかしデア・プランは単なる音楽にとどまらず、シュールレアリスム的アートやパフォーマンスの一環として音楽活動をやっているというスタイルだったかな?違う?

そんな彼らの奇妙でチープなパフォーマンスがこのPVだ。
素人目にはショッカーの怪人(仮面ライダー)と何ら変わらないかぶりものとタイツ姿で、くねくね気持ち悪いダンスを気持ち良さそうに踊っている。
どうやらロケ地には日本も含まれているようで、そう言えば80年代半ばにこのアタタック・レーベルを西武グループのWAVEがお気に入りで、しきりに招聘していたのを思い出す。しかしわざわざ日本までやってきて小学生をビビらせてどうする?という意図不明なパフォーマンスだな。

【走る!】 Belfegore / All That I Wanted
ベルフェゴーレもデア・プランと同じくドイツのバンドで、幾分ゴシック要素のあるダークな曲調を得意としていた。
元デアKFC(豪快デジタル・パンクの第一人者、トミ・シュタンフがやっていた伝説のパンク・バンド)のメンバーが中心人物との事で、見た目もパンクっぽくてなかなかカッコイイし、メンバーに黒人がいた事もあってリズムも良い。

こんなベルフェゴーレの代表曲が本作。
とにかくメンバーを含む老若男女、さまざまな業種の人々が海辺で走りまくるというもの。革大好きマッチョ野郎どもだし、体力自慢のバンドなんだろうが、その運動量がすごい。ここまで健康的な躍動感に溢れたゴシック・バンドは他にないだろうと思える。

というわけで情熱溢れる(一部勘違いの)パフォーマンスを紹介してみた。
完全な変質者でもお笑いでもなくて、やってる本人たちは大マジメだったりカッコイイと思ってたりするのが今回のポイントだな。その中途半端な世界をROCKHURRAHは愛してゆきたいよ。

SNAKEPIPE SHOWROOM 物件3 レジャー編

【おとぎの国に迷い込んだみたい!いつまでも子供でいられそうだよね。】

SNAKEPIPE WROTE:

2006年の12月に任天堂の大人気ゲーム「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」が発売されたと同時に出たのがWiiだった。
「風のタクト」で初めてゼルダに触れたSNAKEPIPEと違って、ROCKHURRAHは初代「ゼルダの伝説」からプレイしているというから、筋金入りのゼルダファンなのである。
そのため2006年12月の段階でWiiを買おうか、と真剣に考えたけれど「トワイライトプリンセス」はゲームキューブ版で購入した話は2007年1月のブログ「販売用PINK JACKET完成!」でも書いてるね。(笑)
あれから5年、ついに11月23日「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」が発売される。
前作はゲームキューブ版の発売があったけれど、もうこれからはWii版のみ。
こうなったらついにWiiを買うか!と購入を決めたのである。
最近のWiiは、コントローラー2つとソフトまで付いてかなりお値打価格。
付いていたソフトは「Wiiスポーツリゾート」だったので、ほとんどスポーツに興味のないSNAKEPIPEには関係ないじゃん、と思いきや…
試しに遊んでみると、これがとっても楽しい!(笑)
Miiという自分を模したキャラクターを作り、そのキャラクターがスポーツをする、という仕掛けになっているため、自分そっくりなキャラクター作りからスタート。
ROCKHURRAHもSNAKEPIPEもかなり特徴があるタイプなので、笑ってしまうほど似ているキャラクターが出来上がったのである。
そしてこのキャラクターは自分が振り上げたコントローラーと同じ動きをするので、見ているだけでも面白い。
この段階ですっかり気に入ってしまった。
スポーツのメニューはいくつかあり、短いものなら10分もあれば充分楽しめる内容になっている。
中でもSNAKEPIPEの一番のお気に入りはゴルフ!
今までゴルフなんて見たこともやったこともないスポーツだったのに、これがなかなか難しくて面白いのである。
ゴルフゲームをやったことがある、というROCKHURRAHよりも良い成績だったりして、意外と素質がありそうと判ったことも驚き。(笑)
以前「モンスターハンター」で釣りに熱中したことがあるSNAKEPIPEなので、実際にはやらないことでもゲームだったら好きになるみたいね!

とても前フリが長くなってしまったけれど、今回のブログは「SNAKEPIPE SHOWROOM 物件3」をお届けしようと思う。
前述したように最近はゲームの中でスポーツを体験しているので、実際にレジャーを楽しめるような物件を探してみた。
またまた驚きの物件があったよ!

まずはモロッコからご紹介してみよう。
ベルベル語で「神の国」を意味するマラケシュにある、4つの寝室と4つの客室を備えた別荘である。
こちらの最大の特徴はなんと18ホールのゴルフコースがある点!(写真①)
うわっ、マイゴルフコースだって!
ゴルフ好きにはたまらない環境だよね。
かなたにそびえ立つ山を眺めながら、思い切りドライバーでナイスショットを決めたら気持ち良いだろうねー!
と、最近少し覚えた単語を使ってみたよ。(笑)
この別荘に関する説明があまり詳しく載っていなかったけれど、どうやら敷地内にはブティックホテルとスパなどもあるみたい。(写真②)
ゴルフコースの整備などは誰がやるんだろう、など疑問が残るけれど、こんな場所を購入できるお金持ちには小さな問題なのかもしれないね?(笑)
さて気になるお値段は348,331,936円!(2011年10月のレートでね)
はい、そうです、一十百千万と数えて頂くと…約3億5千万ってとこだね。
18ホール付き、と聞くと安いような気がしてくるけど、いかがなんでしょ?
ただし、モロッコの公用語はアラビア語、もしくはフランス語も使ってるみたいなので、まずは言葉の勉強が必要かもしれないね?


さて続いてはカンボジア・シアヌークヴィルに浮かぶKoh Rong 群島にあるプライベートアイランドのご紹介。
この島はシエムレアプから1日2回、約1時間のフライトで到着できるアクセスの良さ。(写真①)
目の前に広がる青い海を眺めながら、完全なプライベートな空間を体感できること間違いなし!(笑)(写真②)
こんなソファで寝転びながら読書してみたいなあ。
なんとも優雅でのんびり充実した毎日を過ごせそうだよね。
海辺の町まではスピードボートで約20分程度。
全く孤立した島、ということではないようなので、買い物なども問題ないみたいだね!
さて、この高級リゾートの気になるお値段は?
日本円でおよそ45,756,000円!
4500万円、と聞くとそんなに腰が引けるようなお値段じゃないよね?
現在建設中とのこと、気になる方はお早めにご予約を!(笑)


最後はニュージーランド、南島中央部に位置する農場と別荘付きの不動産販売!
この土地っていうのがなんと1131ヘクタール、東京ドーム約870個分の広大さというから驚いちゃうよね。(笑)
近くには川、湖、山があるので、釣り・ゴルフ・スキー・狩猟などありとあらゆるレジャーができる寸法!(写真①)
ちなみにシカが狩れるらしいよ。(笑)
そして川ではサケやマスが釣れるんだって。
今、ついレジャーの中に狩猟を入れてしまったけれど、レジャーで良いのかな?
狩猟が物件の条件の中にあるのがさすが、外国だよね!
とりあえず頭に浮かぶアウトドア関係は全て堪能できるみたい。
先日アウトドア専門店に行ってきたけど、ミリタリーと同じようにアウトドア関連っていうのも服飾からグッズに至るまでよく考えられていてとても面白い分野だよね。
SNAKEPIPE自身は全くスポーツもアウトドアもやらないけれど、見ているだけでワクワクする商品がいっぱいだった。
こんな物件を手に入れたら、山に登りたくなったり、必然的にスキーしたりするんだろうけどね?(笑)
農場も完備されてるから、自給自足生活も可能かも。(写真④)
さて気になるお値段は?
日本円で711,558,976円也!
そう、7億円超えてるんだよね。(笑)
ちょっと広過ぎる感じもするけど、雄大な自然と完全なプライベートを満喫するには良い物件だよね!

今回はSNAKEPIPEが今までやったことがなかったスポーツをゲームで始めたことから、それに関連したような物件を集めてみたよ!
広い土地がある国では広大な敷地を売りに出してるんだねえ。
調べてないけど、もしかしたら日本でも「山ひとつ売出し中」なんてあるのかもしれないね?
こんな場所に住んだら何して遊ぼう?と想像するだけでも楽しくなっちゃうね!
ってことでそろそろWiiで遊ぶかな。
今日はスカイダイビングに挑戦しよーっと!(笑)

畠山直哉展 Natural Stories

【東京都写真美術館入り口にあったポスター。ビルが写り込んでるところが良いね!】

SNAKEPIPE WROTE:

10月1日より東京都写真美術館で「畠山直哉展 Natural Stories」が開催されている。
畠山直哉氏といえば!
このブログの大好評シリーズである「好き好きアーツ!」の第一弾で特集した、SNAKEPIPE大のお気に入りの写真家なのである。
『「好きな写真家は?」と質問されたら「畠山直哉!」と即答する。
もちろん他にもたくさん好きな写真家はいるけれど、一番は畠山氏である。』
と書いたのが2008年8月のこと。
その中にも記述しているけれど、SNAKEPIPEは1996年頃から畠山直哉氏のファン。
とは言っても最近の活動についてはほとんど情報を得ていなかった。
もっとも畠山直哉氏だけに限らず、写真全体に関して興味を失っていた、というほうが正解なのかもしれない。
最近は全く撮影をしていないしね。
今は様々な作品を鑑賞することに興味が移っていて、展覧会情報をチェックし、面白そうな企画があったら足を運ぶことが楽しみなのである。

「畠山直哉個展開催」の情報はまだ暑かった頃に知った。
先のことで待ち遠しい、と思っていたのに…月日の経過の速いことよ。
あっという間に10月になってしまった。
秋晴れの少し汗ばむくらいの気温の日、恵比寿にある東京都写真美術館に足を運んだ。
この美術館に来るのはかなり久しぶりのことだ。
前回行ったのは川田喜久治の展覧会「世界劇場」だったかも?
調べてみたら2003年だって!ひゃあ~!8年も前か~!(笑)
毎回展覧会情報のチェックの中に写真美術館も入っているので、余程SNAKEPIPEの琴線に触れる企画がないってことなんだろうな。
もう少し頑張ってくれよ、写真美術館!

畠山直哉氏首都圏での初個展とのこと、かなりワクワクドキドキしながら会場へ。
「作品にはキャプションがありませんのでお持ち下さい」
受付で作品リストを手渡される。
ふーむ、キャプション無しって珍しいかも?
休日にもかかわらず、人の入りはまばら。
作品鑑賞するのには良い環境だね!(笑)

初めに目に飛び込んできたのは山の写真。
あれ?なんだか違う…?これではまるで山岳写真だ。
「畠山直哉ってこういう写真撮る人なの?」
とROCKHURRAHが怪訝そうに尋ねてくる。
「うっ、違うはず…なんだけど…」
前述したように最近の写真界、そして畠山直哉氏の動向について情報を得ていなかったSNAKEPIPEなので確実な答が返せないのがもどかしい。
「畠山直哉、変わっちゃったのかなあ?」
と首をかしげながら鑑賞している途中だったので、尚更である。

展示順に「もうひとつの山」「テリル」「アトモス」「シエル・トンベ」「ヴェストファーレン」と鑑賞し、撮影年度を確認するとやっぱりSNAKEPIPEが追いかけていた時代より後の外国で撮った写真である。
畠山直哉氏のその後をやっと知ることができたわけだ。(笑)
そしてやっと「ライム・ヒルズ」になり安心してしまった。
やっぱりSNAKEPIPEは「ライム・ヒルズ」のシリーズが大好き!
確かに見比べると「テリル」は雰囲気が似ているかもしれない。
けれども明らかに違うのはインダストリアルなオブジェクトの有無である。
「自然と都市」を表現していた写真集「ライム・ワークス」には工場写真が多く入っていたからね。
そこに魅力を感じていたんだな、と改めて気付く。
どの写真も畠山直哉氏らしい「静謐さ」を感じることはできるけれど、やっぱりなんとなく物足りなさを感じてしまった。
そして以前の写真ではあり得なかった「写真の中に人物が入っている」点にも驚いた。
人を風景の一部と考えて写り込んでも構わなかったのかもしれないけれど、「ライム・ワークス」と「アンダーグラウンド」でファンになったSNAKEPIPEには不満が残る。
SNAKEPIPEが持っている畠山直哉氏の印象は
・日本の風景なのにどこかの外国みたいにカッコ良い無人の風景写真を撮る
・だまし写真のように不思議な風景を切り取る写真家
・現代アートに通じる観念や理論を持ち、写真を語れるインテリ
である。
こんな3種の神器ならぬ、3本の金棒を持つ憧れの写真家のその後の活動が…今回の展示作品とは!
日本の風景を外国の景色に変化させてしまうマジシャン的魔力は、実際に外国の風景に対峙した時に発揮できなかったのだろうか。
今「好きな写真家は」と問われても「2003年頃までの畠山直哉!」という言い方になってしまいそうなのが残念である。
インダストリアル好き、というSNAKEPIPEの好みの問題なんだろうね。

以前から数枚の写真や情報だけ知っていた「ブラスト」のシリーズが連続写真、しかも大迫力の300インチ大画面で鑑賞することができたのは嬉しかった。
「ブラスト」というのは石灰岩の採掘の際、山を切り崩すために発破をかける現場を小型カメラで連続撮影した作品である。
畠山直哉氏は「光のマケット」など写真を使った現代アート、といったほうがしっくりくるような作品を今までに発表していて、「ブラスト」も勝手にそんな作品なんだろうと予想していたSNAKEPIPE。
今回のパラパラ写真(笑)を鑑賞して、その思いを強くした。
ダイナマイトの爆発により、岩が粉々にコマ送りのように砕け散っていく様子はまるでクレイ・アニメのようで興味深かった。
一羽の鳥が爆発現場から飛び去る最後の展示作品「ア・バード/ブラスト」は、アートとしても秀逸だと思うし、畠山直哉氏の思いを受け取ったような気がした。
このブログではあえて詳しく書かないけれど、畠山直哉氏は岩手県陸前高田の出身なのである。
地震後の地元の写真も展示されていたが、SNAKEPIPEには書くべき言葉が見つからない。

これからの畠山直哉氏がどのように変化していくのか。
また見つめていきたいと思う。