時に忘れられた人々【09】似非南国音楽

【夏になると何故か聴きたくなるリップ・リグ+パニック。素晴らしい!】

ROCKHURRAH WROTE;

準備期間を入れると1ヶ月以上もかかってしまった未曽有の大引越しが終わってようやく落ち着いてきた。要るモノ、要らないモノ、宝モノ、そして何だかわからないモノで溢れかえった元の我が家だったので、整理整頓するのも一苦労。
SNAKEPIPEの働きがなかったら到底快適と言える状態にはならなかっただろう。
本当にありがとう、SNAKEPIPE。
尚、書いてる本人も忘れていたがROCKHURRAH RECORDSの通販業務もすでにひっそりと再開しているのでお忘れなく。へぇー、通販もやってるんだ?

さて、そういう前フリとは全く関係なく、久々の「時に忘れられた人々」シリーズをお送りしよう。
今回のテーマはかなり短絡的だが、暑い夏にピッタリの80年代流インチキ夏音楽特集としよう。毎回説明するのもいいかげんアレだが、ROCKHURRAH RECORDSは1980年代くらいの音楽や文化を大得意にしている人間がやっておりまして、特に強いのはこの時代にニュー・ウェイブと呼ばれた音楽について。だからその手の記事ばっかり書いてるという時代錯誤の殿堂を目指しているワケだ。説明長いな。
で、そういうニュー・ウェイブ世代の中で夏っぽいと勝手に思った曲を紹介してゆこうというのが今回の趣旨。夏っぽいと言っても決して「燃えろいい女(世良公則&ツイスト)」とかは紹介しないからROCKHURRAHブログの初心者は誤解しないように。

夏だ、暑い。アイスキャンディ欲しい!という時にピッタリな曲。
バウ・ワウ・ワウは80年代初期に人気があったバンド。
ニューヨーク・ドールズ、セックス・ピストルズ、アダム&ジ・アンツなどの仕掛け人として辣腕を振るった(後で全部のバンドを裏切った)パンク界で最も有名な詐欺師マルコム・マクラーレン。
彼がアダム・アント抜きのジ・アンツ+14歳のアナベラ嬢を無理やりくっつけて売り出したというからその胡散臭さは折り紙つきだ。しかしビルマ系モヒカン少女アナベラの歌も演奏もこの時代には充分革新的だったのは間違いなく、インチキ夏音楽と銘打ってはいてもバカには出来ない。
個人的に明日は大変忙しいのであまり詳しくは書けないが、この曲は60年代にストレンジラブズがヒットさせた名曲のカヴァーでいわゆるボー・ビート(ボ・ディドリーが開発した独特のズンドコなリズム)が心地良いですな。

夏だ、暑い。サルサソースの何か食わせろ!というわけで今度はニセ・ラテンだよ。
サルサと言えばROCKHURRAHにとってはこれしかない。80年代インチキ音楽をこよなく愛する者どもには定番中の定番だな。
80年代初期に何故か流行ったファンカ・ラティーナという音楽の代表選手がこのモダン・ロマンスだ。
同じファンカ・ラティーナのヘアカット100やブルー・ロンド・ア・ラ・ターク(マット・ビアンコの前身)は聴いてたんだが、このモダン・ロマンスにはあまり興味なかったなあ。
ラテン音楽に造詣が深いワケではないが、何故か理由もなくサルサは好きじゃなかったという意味不明の経緯がある。何じゃそりゃ、好きじゃないなら書くなよ、とまた言われてしまいそう。

夏だ、暑い。テキーラ飲ませろ!というわけで今度はテックス・メックス系インチキ音楽入ります。
やってるのはテキサスでもメキシコでもなくてフランス、スペイン、アラブなどのごちゃまぜバンド、マノ・ネグラ。
前に当ブログ「Funnyちゃんミュージック」でも紹介したがこの陽気な勢いが大好きなんだよね。
そしてカヴァー曲なんだが原曲はテックス・メックス界の王冠男、ジョー・キング・カラスコの名曲。
この人は陽気で軽薄な一面も多いけどやる時はやる、というインチキ音楽のお師匠さん的な存在。正直言って知らない人の方が多いこんな曲をカヴァーするマノ・ネグラのセンスに脱帽、脱王冠だよ。

夏だ、暑い(しつこい)。カレー食わせろ!って時はこれ。
80年代にちょっとだけ流行ったモンスーンだ。
そういうムーブメントがあったのかどうかは知らないけどインド風ニュー・ウェイブとでも言えば良いのか?別にインドでやってたわけではなくインド系英国人シーラ・チャンドラ嬢の歌声を当時流行っていたエレ・ポップ+インド風に仕上げたというシロモノ。
引越しのレコードを段ボールから無造作に掴み取ってレコード棚に戻すという作業をしていた時、なぜだか同じミュージシャンのレコードが一番前に来るという事が5回くらい続いて「これは何かの啓示か?」と思ったものだ。トランプの中からAだけを取り出すようなもので、こんな偶然が続くのは奇跡的だからだ。
そのミュージシャンとはビー・バップ・デラックス、レッド・ノイズ、そしてソロと活躍したビル・ネルソンであり、過去にはマニアと言われるくらいに買い集めていた。何でこんな話を急に書いたかというと、このモンスーンの演奏のゲスト・ギタリストとしてビル・ネルソンが参加していたからだ。わざわざ数行も書くほどでもなかったか?
さて、この曲は誰でも知ってるビートルズのカヴァーでインド風、ニュー・ウェイブ風のいかにもな出来。シーラ・チャンドラーの涼しげな美声が心地良いね。

夏だ、暑い。暴走させろ!というわけで髪型やファッション・センスが大昔のレディース(暴走族)とかタケノコ族を思わせるダニエル・ダックス嬢のこの歌。
別にこの人が英国版ヤンキーのわけでもなく彼氏が暴走族のわけでもないけど、偶然センスが似通ってしまったの図。
元々はレモン・キトゥンズというバンドで割と前衛アートな感じのパフォーマンスをしていたんだが、ソロとなってからはポジティブ・パンク、ゴシックの殿堂バッド・ケイブというクラブで退廃的なメイクと独特の音楽をやって、よくある女性アーティストとはひと味違う路線を展開していた。
完成したのはインド、ガムランに中東風、そしていわゆるスワンプ・ロックと言えばいいのか?アメリカ南部の泥臭い要素を取り入れたサイケデリックかつ無国籍な音楽だった。
要するに何だかわからん欧米っぽくない雰囲気なんだけど、美人女性シンガーと呼ばれる部類で南部系音楽を志すのも珍しいな。しかもこの顔からは信じられない野太い声と声量。やっぱりヤンキー入ってるんでねえか?

夏だ、暑い。アフリカ行かせろ!って人はあまりいないとは思うが、日本に居ながら手軽にアフリカ気分を味わう事が出来るインチキ・アフロがこれだ。
XTCはニュー・ウェイブ初期の77年から活動していたバンドで最初の頃はいかにもニュー・ウェイブといった斬新さで、見事な勢いの曲を量産していた。基本はビートルズのように英国風味の音楽を得意とするバンドだが、たまにこういう曲をやったりする。誰もが思うようなアフリカンな感じそのもの、非常にわかりやすいね。

夏だ、暑い。バナナ食わせろ!って人も滅多にいないか。
単に南方系果物のタイトルが付いてるというだけで「君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね(中原めいこ)」と大して変わらぬ世界か?
キング・カートは80年代初期にパンク+ロカビリーでパンカビリーと言われた音楽をやっていた英国のバンド。
いち早くサイコ刈りのような髪型をしていたし、大まかに言えばサイコビリーの一派でいいのかな。
陽気でハチャメチャでふざけたステージ、そして威勢のいいロックンロールで曲も良い。ROCKHURRAHも大好きなバンドだ。
この曲はそういうバンドの悪ふざけの一環なのか「サイコビリーがファンカ・ラティーナに挑戦してみました」という珍しい試みをやっている。何だかイカ天バンドKUSU KUSUを思い出すような曲だな。
本格派のサイコビリーから見れば不評かも知れないが、バナナ迷彩柄の服装にバカっぽい映像、キング・カートの魅力に溢れた傑作だと言えよう。

以上、インチキな香りのする夏っぽい音楽をROCKHURRAHが選んでみたが、今回はあまり時間がなかったので、こんなもんで許して。でもやっぱり夏は大嫌いだよ。活動したくなくなってしまう。
というワケで冬になったらまた会いましょう(ウソ)。

SNAKEPIPE SHOWROOM 物件2 ヨーロッパ編

【ゲゲゲの鬼太郎の家みたい!子供の頃から憧れてたんだよね】

SNAKEPIPE WROTE:

毎日暑い日が続いてますな!
高温多湿の日本の夏、しかも今年はより節電を迫られている厳しい夏だよね。
ええい、こうなったら日本を脱出して海外でのんびりしよう!
とは簡単にいかないので、気分だけでもリゾートしてみようかな。(笑)
今回はヨーロッパの賃貸物件をご紹介してみましょ!


最初は是非行ってみたいイタリアから。
せっかくイタリアならゴッドファーザー気分を味わいたい、ということで選んだのがシチリア島シラクーザのヴィラ。
ドン・コルレオーネ出身のパレルモ県からは遠い場所みたいだけどね。(笑)
なんと12部屋完備、24人の宿泊可能という900㎡の敷地に建つヴィラの外観。(写真①)
青空に外壁の白が眩しいくらいだね。
ベッドは全てクイーンサイズ、もちろんバスルームも完備。
すべての部屋から庭に出られるようになってるとのこと。
室内は広々していて気持ち良さそうね。
イタリアンカラーの赤い椅子が目を引く。(写真③)
庭園内には専用プールがあり、驚くことに乗馬施設まで完備されてるんだって。(写真②と④)
庭やプール近くにもテラスがあり、大きなテーブルがある。
よく海外の映画の中でお金持ちが水着姿のギャル(死語?)を眺めながら、飲み物片手に電話してるようなシーンがあるけど、そんな雰囲気なんだろうね。(笑)
メイドサービスもあって、至れり尽くせり!
さて、気になるお値段は?
時期によって違ってくるけど、1週間でなんと250万円から300万円!!!
ん?電卓で計算してみると?
もし24人が利用して1週間なら…1人1日15000円から18000円ね。
そう考えるとそれほど高額でもないよね。
候補に入れておこうか。(いつ行くんだ?)
それより12組のアベックを集めるのが大変かもね?(笑)


続いてはスペインのアンダルシアにあるヴィラ。
アンダルシア、と聞くと今なら「アンダルシア 女神の報復」を思い浮かべる人が多いと思うけど、SNAKEPIPEにとっては「アンダルシアの犬」なんだよね。(笑)
地中海性気候のため保養地として最適な場所らしい。
そんな恵まれた気候で更に心地良さを追求したのが、6660㎡という広大な敷地を持つこちらの物件である。(写真①)
建物には11部屋あり、20人が宿泊可能と書いてある。
ダブルベッドやクイーンサイズベッドが置いてあるみたいだけど、何故22人宿泊可能と書かないんだろう?(笑)
広い敷地内には食事ができるテーブルや、テニスコート、専用プールも完備。(写真②)
ヨーロッパのヴィラではプール付きが多いんだね。
長いテーブルと赤い椅子が特徴的な、恐らくダイニングルームだと思われるんだけど、着席数14席だって。(写真③)
20人宿泊可能なのに14人分しか椅子がないとはね!(笑)
残りの6人は違う場所で食べるんだろうか?
ビリヤード室や博物館まで揃っていて素晴らしいんだけど、なんだか人数に関する表記がちょっとおかしくない?(笑)
このヴィラの最大の特徴は、敷地内に教会があること。(写真④)
教会付きのヴィラってヨーロッパでは珍しくないのかしら?
恐らくこのヴィラは結婚のために親族が集まって、飲んで食べてどんちゃん騒ぎして宿泊する、という用途なんだろうね。
メイドや庭師のサービスに加えて、オプションで結婚式コーディネータとも書いてあったし。
さて、気になるお値段は1週間で75万円から135万円まで。
季節によって変動するみたいだけど、約倍近く値段が違うとは驚き。
クリスマスや元旦近くは分かるけど、6月から9月も高い時期に当たってる。
きっとベストシーズンなんだろうね。
イタリアと同じように1人当たりを計算してみると、1日5400円から9700円程度。(表記通り20人でやってみた)
あら、意外とお手頃価格!(笑)
結婚式をスペインで、なんて人には良い情報かも?
ちなみにこの教会には35人座れるって書いてあったよ!


さて次はどの国にしようかなと迷ったけれど、イタリア、スペイン、とくればやっぱりギリシャだよね?(笑)
そう決めてはみたものの、ギリシャってよく知らないなあ。
思い浮かぶのは「Wind is browing from the Aegean~」と白鳥の翼のような袖を広げて歌うジュディ・オングの「魅せられて」か池田満寿夫の「エーゲ海に捧ぐ」くらいかな?
悩んで大きくなった哲学者「ソ、ソ、ソクラテスかプラトンか」やアリストテレスなどが有名か。
えっ、古過ぎる?(笑)
ま、そんな感じでギリシャにあまり馴染みがないSNAKEPIPEなので、土地に関してもほとんど知らない状態。
調べてみるとギリシャっていうのは3000もの島がある国なんだね。
その中のイオニア諸島、ザキントス島にある物件を選んでみたよ。
ここは残念ながらイメージしたエーゲ海じゃなくてイオニア海になるみたいね。
ザキントス島の名前の由来はギリシャ神話の人物ダルダロスの子供の名前なんだって。
ふーむ、なんとも壮大な歴史を感じさせてくれる島だよね。(笑)
1600㎡の敷地を持つ荘厳な雰囲気のライトアップされたヴィラ。(写真①)
手前に少しだけプールが見えるけど、ここもやっぱり専用プール付きね。
キングサイズベッド、シングルベッド2つを配した部屋などお好みで選べる4つの部屋があり、8名宿泊可能。
天蓋付きベッドで色彩がモスグリーンと渋めの赤でとってもオシャレ。(写真②)
この部屋だと貴族とか王女様気分を味わえそうじゃない?
海外の家具付き物件って色彩の美しさが素晴らしいんだよね!
テラスに通じる通路は、アートな空間で面白い。(写真③)
かくれんぼするのに最適だよね!(笑)
庭にはオリーブ、松、オーク、レモン、洋梨、モモ、ざくろ、バニラなど様々な植物が植えられていて、寝椅子やテーブルも配置されているとのこと。(写真④)
なんだかとてもゆったりした気分を味わえそうなヴィラだよね。
もちろんメイドサービスもあるし。
イタリア、スペインに比べるとやや地味めだけど、ビーチまで500mということで恐らくウィンドサーフィン好きにはたまらない物件じゃないかな?
さて、では気になるお値段は?
ここもシーズンによって違いがあるけど、1週間で94万円から112万円!
また例によって1人当たりを計算してみると16800円から20000万円だね。
ありゃ?イタリア、スペインより高額になっちゃった。
1番地味、と思ったのに意外な結果。(笑)

今回紹介した3つの物件、素晴らしかったよね。
海外の賃貸物件は見てるだけでも面白いので、またこれからも紹介していこうと思う。
本当は実際に行かれたらもっと楽しいんだけどね!

ROBIN 10周年ワンマン解散ライブ参戦!

【ROBINラストライブの告知フライヤー】

SNAKEPIPE WROTE:

ついにこの日が来てしまった。
大好きなバンド、ROBINの解散ライブである。
5月5日、新宿ロフトで開催されたMOSH BOYZに参戦した友人T君に感想を聞いていた時、
「そういえばROBIN解散だってよ」
と教えてもらったのである。
慌ててROBINの公式ページをみたところ、上のフライヤーがアップロードされていた。
解散かあ…。うーん、残念!
確かに2年以上新作が出ていなかったし、ライブで盛り上がるのも聴き慣れた昔からの曲だったことは事実。
それにしても突然の解散の発表には驚いた。

解散ライブの日を考慮して、ROCKHURRAH家の引越し日程も調整した。
本当は6月最終週である6月25日が最良の日だったけれど、ライブの翌日に引越しをするのはどうか、と話し合いを重ねた結果、ライブの前週に決定。(大げさ)
前回のブログで書いたように「なんでこんなにあるの!って嫌になるくらいの物であふれ返っている状態」の引越しは困難を極め、なんと2tトラック3台が必要だったのである。
家財道具といえるような家具類はほとんどないのにね!
一体どうしてそれだけの荷物になったのか内容を確認すると、洋服、靴、本、CD・レコードがほとんど。
二人共趣味に関してはお金を使ってしまうので仕方ないんだろうね。(笑)
そしてどうにか無事に荷物の運搬が完了し、今はまた新居で荷ほどきの格闘中である。
レコードの梱包は解いていないので、通販業務再開に関してはもう少し時間がかかりそう。(ROCKHURRAH談)

まだダンボールが積み重なっていて、寝る場所も苦労している状態なのに6月24日になってしまった。
一緒に行く仲間達と軽く飲んでからライブへ向かうのが恒例となっているので、少し早目に出発しなくてはならない。
ところが、上述したようにまだほとんどの洋服はダンボールの中!
どこに何が入っているのか一つ一つ開けながら支度していたので、思ったよりも時間がかかってしまった。
着て行こうと思っていた服は見当たらず、解散ライブだからビシッと決めて行くはずが叶わなかったのが残念…。
どうにか少しはライブ用に見える服装になっていざ出発。
ふー、この段階でクタクタになってていいのかSNAKEPIPE?(笑)

約2年ぶりに再会した漫画家T氏と下北沢で待ち合わせ。
他の仲間を待ちながら先に飲み始める。
音楽や映画など多彩な話題を持つT氏は楽しい存在だね!
結局他の仲間は車だったため、渋滞にハマッたらしく飲み会には不参加。
現地集合になってしまった。
新代田駅周辺はROBINのライブのために集合した人たちでいっぱい。
そんな中に車で到着した仲間の姿を発見。
髪を30cmくらいまっすぐ立たせ、相変わらず気合充分。(笑)
良い味出してる仲間なんだよね。
さあ、いざライブ会場へ!

20時開演となっていたけれど、結局30分以上遅れてのスタート。
初めに「624」、それからいつものオープニングテーマがかかりROBIN登場!
最初から激しいパンチ合戦が始まり、中央付近にいたROCKHURRAHとSNAKEPIPEはやや後方へ退散。
パンチ合戦は若い人に任せて、我々は後ろから拝見しましょって寸法ね。(笑)
解散ライブと謳っているにもかかわらず、いつものライブと変わらない。
観客のほうが「これで最後だ」と覚悟しているようで、必死にパンチ合戦してるように見えた。
もしかしたらギター/ヴォーカルのHIROSHIは高倉健タイプとでも言ったらいいのか、気持ちを言葉にするのが苦手な人なのかもしれない。
公式ページに解散についてのコメントが載っていたけれど、そのことに関しても、それ以外のことについても何も語らなかった。
「最後だから楽しんで行ってくれよ」
「泣かれても困るし」
のような言葉はあったけどね。

ROBINを初めて観たのはいつだっただろう。
2枚目の「NEVER MIND」をライブ会場で物販にいたHIROSHI本人から直接購入したので、それより前ということになる。
それが2004年だったとしてもファン歴8年だね。(笑)
できるだけライブには足を運ぶようにしていたし、新譜が出れば必ず買う。
こんなに夢中になったバンドは最近なかったからねえ。
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEにとってのライブとはイコールROBINのライブのことを意味していたくらいだから。
この先ここまで好きになるバンドが現れるかどうか…?

解散ライブは恐らくROBINのライブでお馴染みの全ての曲を演奏したと思う。
ライブでは聴いたことがなかったROCKATSのカヴァー「NEVER SO CLEVER」も聴けたのが嬉しかった。
あまり今までライブで演奏しなかった初期のネオロカっぽい曲も後半にたくさんやったので、ROCKHURRAHもノリノリになっていた。
ROCKHURRAHはネオロカ、パンク、サイコビリー、ガレージなどが上手くミックスされたROIBNの作曲センスを高く評価していて、ジャンルを超えたバランスの良さがROBINの持ち味だと考えていたらしいからね!

アンコールに応え「MAGGIE MAGGIE MAGGIE」で締めか、と思いきやもう1回登場。
観客の熱烈なリクエストにより、1回目のアンコールでやったはずの「MY WAY」をなんと2回も演奏。
こんなこと今までなかったよね。(笑)
ラスト近くには観客も関係者もみんなステージに上がったりして、どんちゃん騒ぎになっていた。
最後だからこれもアリなんだね。
やっぱりROBINのライブ、いいよね~!

ライブの終了時間23時。
2時間半、ほとんどMCなしの演奏だったからROBINのメンバーも燃焼し切ったかも。
お疲れ様でした。
そして今まで本当にありがとう、ROBIN!

がっちりBUYましょう!vol.3 引越し作業中発掘編

【家ごと引越すとはさすがアメリカ!こんなだったら楽でいいなあ。】

SNAKEPIPE WROTE:

先週ROCKHURRAHが「告知」として書いていたように、現在ROCKHURRAHとSNAKEPIPEは引越し作業に追われているところである。
なんでこんなにあるの!って嫌になるくらいの物であふれ返っている状態。
山積みダンボールに囲まれて、毎日のように大量のゴミを出している。
だったら買わなきゃいいのにね?(笑)
それでも好みの物があるとつい購買意欲が掻き立てられてしまう。
買ったら捨てること、なんて整理整頓の達人の言葉があったけど、なかなかうまくいかないのが人情だよね。
今日はそんな引越し作業中に出てきた「とっておきのお宝」についてご紹介しよう。
「なんでそんなのがお宝なの?」と言われてしまうかもしれないけど、本人にとって大事な物ということで許してね!

まずはSNAKEPIPEの自慢の逸品から。
このビデオテープはSNAKEPIPEが尊敬する映画監督、デヴィッド・リンチに手による歌姫ジュリー・クルーズのミュージックビデオである。
ジュリー・クルーズはツインピークスでもロードハウスで歌ってたね。
このビデオは「インダストリアル・シンフォニーNO.1」というタイトルからしてインダストリアル好きのSNAKEPIPEにはグッと来るんだよね。
NO.1だったから続きがあるのかと期待していたけれど、この1作品だけで終わっていた。(笑)
このビデオの発売が1991年とのことで、今からなんと20年前!!!
ぎゃー、また昔の思い出を語ってるわい。
ということで残念ながら内容については、ジュリー・クルーズが天使のような服装で上から吊り下がって歌ってたことくらいしか覚えていない。
また観たいと思ってもビデオデッキがないし。
ビデオはアメリカのamozonでは手に入るみたいで、中古なら400円程度とのこと。(とほほ)
いや、値段じゃなくてやっぱりファンなら例え観られなくても手放せない作品だよね。
DVDはどうやらイタリア版で手に入るみたいだけど、イタリア字幕じゃ余計に分からないよね。(笑)
日本版は出してくれないのかなあ?
SNAKEPIPEのお宝は1点だけなので、これから先はROCKHURRAHに語ってもらいましょ。

ROCKHURRAH WROTE:

というわけで続きを書くハメになってしまった。先週ネタがない&引越し作業で大忙しという状況で無理して書いたばかりなのに、トホホ。

ROCKHURRAHが引越し作業の中で見つけたのはあまり面白い話題ではないかも知れないけど、古本の類い。珍しいかどうかは退役古本屋のROCKHURRAHにはよくわからないが、自分にとっては有意義なもので充分お宝だと思える。では中から変なところで共通点がある三点をピックアップしてみよう。

怪傑蜃気楼+女戦士セアラ/谷弘児
大谷弘行、陰溝蝿児というペンネームでも知られる漫画家&イラストレーター。70年代〜80年代に月刊ガロ誌を中心に活躍していた。 劇画とアメリカン・コミックのダイナミックなペンタッチ、そして江戸川乱歩の通俗スリラー小説(具体的には明智小五郎シリー ズ)と50年代のB級SF、怪獣映画などの世界が全部一緒くたになった独特のナンセンス世界が素晴らしい傑作だと言える。復刻も出て るようだけど、これは桜井昌一(辰巳ヨシヒロの 兄)が出していた桜井文庫というところからのもの。水木しげる作品を主に出版していたマイナー出版社だが、いかにも昔の貸本といった風情の装丁が これまたノスタルジックだな。

新岩窟王/谷譲次
上の谷弘児と単純に名前が似ているというだけでなく、これまた複数のペンネームを使い分けていたという共通点を持つ器用な人気作家だ。長谷川海太郎という役者のような本名なんだが、牧逸馬の名前で犯罪小説、怪奇実話などを書いていて、林不忘の名前で大ヒット時代劇「丹下左膳」を産み出して、谷譲次名義では「めりけんじゃっぷ」という人気シリーズを持っていた。1920年代の売れっ子作家だったわけだ。「新岩窟王」はデュマの「岩窟王」を下敷きにしながらも、登場人物を日本人にしてよりわかりやすく現代的(あくまでこの当時の現代だが)にした翻案小説だ。何と70年以上昔の小説なんだが、スピーディで言い回しもうまく、今読んでもあまり古臭さは感じない。会話の軽妙さは何となく国枝史郎を思わせるな。この本が現在 珍しいかどうかは不明だが、教養文庫版の初版第1刷で比較的きれいな状態で出てきたのが嬉しい。ヒマが出来たら再読してみるか。

肌色の月/久生十蘭
「新岩窟王」は連載中に谷譲次が亡くなったため、別の作家が引き継いで完結したという作品だが、この「肌色の月」も久生十蘭の遺作であり、結末を(作家ではない)奥さんが代筆した事でファンにとっては有名な作品だ。久生十蘭と言えば昭和初期の大衆文壇きっての名文家であり ROCKHURRAHも大好きな作家(ちなみにフェイバリットは「海豹島」と「魔都」)なんだが、考えた文章を奥さんに清書させるという、いわゆる口述筆記による文体のリズムを重んじた人だ。だから本作は結末になるととたんに十蘭っぽい文章でなくなるとか、色々な評もあるんだが、それでも個人的には心に残る作品で地味だけど好きと言える。涙なくして読めない奥さんのあとがきも必見。これは中公文庫初版のもの。

以上、全然つながってないようで妙な共通項がある作品を偶然選んでしまった。
今回は引越し直前でてんやわんやの時。軽く書きなぐったようなぞんざいな文章で申し訳ない。

SNAKEPIPE WROTE:

ということで今回は二人の共著になってしまったよ。
本当はSNAKEPIPE一人で書く予定だったんだけど、お宝がほとんどなかったので仕方あるまい。(笑)
来週は引越し本番になってしまうためブログはお休み。
また最来週には新居からお届け出来る予定!
無事に引越し完了すればいいな。