YOSHIROTTEN Radial Graphics Bio 鑑賞

20240218 03
【gggの旗を撮影。よく晴れた冬の空】

SNAKEPIPE WROTE:

2023年2月に「横尾忠則 銀座番外地」を鑑賞して以来、約半年ぶりにギンザ・グラフィック・ギャラリー(通称ggg)を訪れたSNAKEPIPEとROCKHURRAH。
第400回の企画展として「YOSHIROTTEN Radial Graphics Bio ヨシロットン 拡張するグラフィック」が開催されているんだよね。

ヨシロットン、という名前は初耳だけれど「ロットン」の文字に反応しちゃったわけ。
セックス・ピストルズのヴォーカル、ジョニー・ロットン(ジョン・ライドン)から取られていることが明白だからね!
まさかアメリカの映画評論サイト「Rotten Tomatoes」からヒントを得ていたりして?(笑)
展覧会の案内文をみてみよう。

「R.G.B.」は光で色を表現する際の「3原色」。
パンク・ロックはたった「3コード」で世界を変えた

やっぱりパンクのほうだったね!(笑)
YOSHIROTTENについて調べてみようか。
1983年生まれの魚座。
2015年にクリエイティブ・スタジオを設立。
ファインアートと商業美術、デジタルと身体性、都市のユースカルチャーと自然世界など、複数の領域を往来するアーティスト(YOSHIROTTENのサイトより)だという。
一体どんな作品なんだろう?

今年の2月は雪が降ったかと思うと夏日に迫る気温の高さだったり、不安定だよね。
出かけた日は予報通りの晴れ!
風が強いから寒かったけれど、お出かけ日和だったよ。

gggはいつでも撮影許可してくれるありがたい場所のうちのひとつ。
念のため撮影について尋ねると、写真も動画もオッケーだけど、風景として撮って欲しいとのこと。
一枚だけをアップで撮影しないで、と理解したよ!

壁一面にモニターが並んでいる。
それぞれ別のスクリーンセーバーが流れていて圧巻の光景!
これは「Signal RGB」という作品で、「RGB PUNK」シリーズ最初の作品だという。
「どれか一つを選ぶなら?」
ROCKHURRAHから質問され、じっくり観察する。
出した結論は「60台という集合体だからこその迫力」だということ。(当たり前?)
一つには絞れなかったよ。(笑)

レトロな雰囲気の作品が展示されている。
わざと昔っぽいイメージにしていることは明白だね。
「RGB Machine」という作品で、鑑賞者が操作ができることを帰宅後に知ったSNAKEPIPE。
自動的に画面が切り替わっていたので、画像を映すための装置だと思っていたんだよね。
ボタンを押すとどんなことが起こったのか、体験しなかったのが悔やまれる。

「RGB Blueprint Series」という作品は、スクリーンセーバーの作品をプリントしたものらしい。
近寄って観ると、ところどころがシールみたいに盛り上がっていたので、てっきりコラージュだと勘違いしていたよ。
最近のアーティストは切り貼りなんかしないのか。
デジタルだもんね。(笑)

黒い壁に発光するように展示された1階から地下会場に移動する。
途中の階段はオレンジ色の光に包まれていて異空間のよう。
とてもキレイ!と見惚れながら降りていたSNAKEPIPEは、足を踏み外し転びそうになる。
たまたますれ違ったgggのスタッフの女性の腕をつかみ、コケずに済んだよ。
スタッフの方、助けてくれてありがとう!(笑)

地下は眩しいくらいの光の空間が広がっていた。
大小様々なディスプレイが並び、YOSHIROTTENの過去10年に及ぶ「全仕事」が映し出されている。
まるでパラパラ漫画のように、目まぐるしく画面が変わっていく。
「さっきの瞬間が良かったのに」
とシャッターチャンスを待っていても、同じ組み合わせにはならないんだよね。
動画で記録すれば良いのに、写真にこだわってしまうところがSNAKEPIPEらしいけど。(笑)

YOSHIROTTENの作品を観て、2021年3月に鑑賞した「佐藤可士和展」を思い出した。
有名な企業がこぞって起用するデザイナーというところに共通点があるからね。
グラフィック・デザインやディレクションという仕事は、キャプションがついて誰の作品なのかを初めて知ることが多いはず。
今回初めてYOSHIROTTENの作品を鑑賞したと思っているけれど、どこかで目にしていた可能性もあるよね。

YOSHIROTTENのカラフルな作品を満喫できたよ。
入場料フリーで素晴らしい企画を見せてくれるgggに感謝だね!

「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容 鑑賞

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【松濤美術館入り口の看板を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

「この展覧会が気になる」
ROCKHURRAHから誘われたのは渋谷区立松濤美術館で開催されている『「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容 瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄』だった。
かつて写真の勉強をしていたSNAKEPIPEには聞き覚えのある写真家の名前が並んでいる。
そしてタイトルに「前衛」という単語があるじゃないの!
この言葉に弱いんだよね(笑)
松濤美術館は、2023年5月の「エドワード・ゴーリーを巡る旅」以来になるよ。
雨から雪になるかもという寒い日、ROCKHURRAHと一緒に出かけたのである。

残念ながら松濤美術館は展示作品の撮影が禁止されているんだよね。
「ここだけはオッケー」みたいに指定された場合のみ、許可されていたことがあったっけ。
『前衛」写真の精神:なんでもないものの変容』は、2023年4月の千葉市美術館からスタートして新潟、富山と巡回し、最後に松濤美術館での開催になっているらしい。
他の美術館でも撮影禁止だったのかな?

渋谷に着くと、予報通り雨が降ってきた。
松濤美術館までは道のりが長いので、ポチポチだけど傘をさして歩くことにする。
渋谷からは徒歩15分、井の頭線神泉駅からは徒歩5分。
次回は駅を変えてみるか?などと話しているうちに到着。

会期終了が近いせいか、会場内にお客さんは少なかった。
以前は展示作品を観るために、列ができていたことを思い出す。
今回はストレスなく鑑賞できるね!

展覧会は年代順に3つの章で構成されていた。
「第1章 1930-40年代 瀧口修造と阿部展也 前衛写真の台頭と衰退」では、瀧口修造がシュルレアリスムについて紹介する文章が載った雑誌が展示されていたよ。
瀧口修造とは、近代日本を代表する美術評論家、詩人、画家であり、日本でシュルレアリスムを最初に紹介した人。
展覧会の説明では「瀧口修造がダリの家を訪問したら偶然マルセル・デュシャンに会った」と書いてあったよ。
すごいエピソードだね。(笑)

瀧口修造がピカソの「泣く女」やマン・レイのモデルとして有名なドラ・マールについて書いていた時に「ドオラ・マアァル」(うろ覚え)のように記載されていて面白かった。
画像は、瀧口修造の詩と阿部芳文のシュールな絵とのコラボで1937年の作品ね。
鉛筆で描かれた不思議な形の絵がとても気に入ったよ。
阿部芳文(展也)という画家を知ることができて良かったね。

下郷羊雄の「超現実主義写真集メセム属」も、強く印象に残ったよ。
これは多肉植物をオブジェとして撮影した作品集だという。
多肉植物と聞くと「植物男子 ベランダー」の「多肉 愛の劇場」を思い出してしまうね。(笑)
1940年に200部限定の私家版として制作されたという「メセム属」、多肉植物のフォルム自体のユニークさはもちろんだけど、コラージュした作品などもあって興味深い!
下郷羊雄の名前も初めて知ったよ。
勉強になるね!

1930年代に大阪で活動していた小石清には以前から興味があったSNAKEPIPEは2点だけでも、作品が展示されていることが嬉しかった。
展覧会は前期と後期で展示作品の入れ替えがあったらしいので、左の画像「疲労感」は鑑賞できなかったよ。
これは1936年の作品で、まさに「前衛」だよね!
Photoshopだったらレイヤーで作業できるだろうけど、アナログで制作するのは至難の業だったはず。
小石清の作品をもっと観てみたいよ。

「第2章 1950-70年代 大辻清司 前衛写真の復活と転調」は大辻清司が主役だったよ。
大辻清司とは写真家であり、写真教育者としても有名な人物だという。
大御所なので名前は知っていたけれど、写真作品をじっくり観たことなかったかも。
1953年の作品「アサヒグラフ APNのためのカット」がとてもカッコ良かった!
Asahi Picture Newsの3つの頭文字をあしらったオブジェを造形作家が構成し、大辻清司が撮影した作品が毎号コラム欄に発表されていたんだとか。
55回続いたというから人気があったんだろうね。
それにしても「APN」を「あぷん」って読んでたという記事があったけど、ほんとかな?(笑)

1957年の作品「航空機」もモロに「前衛」!
光った白と影の黒をクローズアップで撮影している。
遠くからだとまるで岡本太郎の作品のようにも見えるよ。
ズバッと切り取った大胆さもシビレる。
モノクロ写真の魅力に溢れてるよね。
今まであまりよく知らなかった大辻清司の作品を鑑賞できて良かったよ!

「第3章 1960-80年代 牛腸茂雄 前衛写真のゆくえ」は、大辻清司から写真を学んだ高梨豊と牛腸茂雄の作品が展示されていた。
SNAKEPIPEは写真家だった父親から、この二人の写真家の話を聞いていたことを思い出したよ。
「すごい写真家だ」と褒め称えていたっけ。
スナップショットや人物写真を目指している人にとっては「垂涎の的」となる作品を発表している写真家ということになるのかな。
画像は牛腸茂雄の作品。
「あの世」と「この世」の境界のようで、吸い込まれそうな一枚。
遠くの光に向かって、輪廻のチャンスを逃すまい、と走っているように感じてしまう。
いつかは自分も経験することを見せられたような怖い写真だなと思ってしまった。
想像力を掻き立てられる作品だよね。

「前衛」という言葉に惹かれて出かけた展覧会、新しい発見もあり鑑賞できて良かったよ!
1930年代の日本にも印象的な作品がたくさんあったね。
誘ってくれたROCKHURRAHに感謝だよ!

アニッシュ・カプーア_奪われた自由への眼差し_監視社会の未来 鑑賞

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【ジャイルギャラリーの入り口を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

先週のブログ、「ケリス・ウィン・エヴァンス 『L>espace)(…』」の記事の続きを書いていこう。
展覧会を「はしご」した話だよ。
表参道で必ず立ち寄る場所といえばジャイルギャラリー!
2024年1月まで開催されているのが「アニッシュ・カプーア_奪われた自由への眼差し_監視社会の未来」なんだよね。
今回キュレーションしているのは、「デヴィッド・リンチ大好き」な飯田高誉さん!
飯田さんが企画した展覧会は難しいことが多いんだけど、リンチアンとして共通しているので、なるべく足を運びたいと思っているSNAKEPIPEだよ。
今回はアニッシュ・カプーアなので、ワクワクしながらROCKHURRAHと一緒に会場へ。

アニッシュ・カプーアについては2008年6月の「ターナー賞の歩み展」や2022年5月の「Anish Kapoor: Selected works」などで記事にしているよね!
大好きなアーティストだよ!

撮影についての許可を確認し、会場内へ。
入った瞬間、目に飛び込んできた風景がこれ。
「ぎゃっ」
叫んでしまいそうになるインパクトの強さ!
紙にガッシュで描かれた絵画作品と共に、赤黒い物体がそこかしこに点在している。
壁にも絵の具が飛び散っていて、まるで殺人事件現場に立っているかのよう。
ちなみにガッシュというのは、不透明水彩という絵の具のこと。
重ね塗りに適した水彩絵の具だという。
ペンキに近い感じになるのかもしれないね。

ウィーンでの展覧会で、カプーアは「大砲アート」とでも名付けたくなるパフォーマンスを見せている。
今回の「赤黒い物体」は似た雰囲気じゃない?
体を張ったアートは、まるで白髪一雄か!って思っちゃうね。(笑)

この展覧会に似合う音楽は何か、ROCKHURRAHと打ち合わせる。
BGMに選んだのがこちら!

Throbbing Gristleの「Beachy Head」だよ!
曲名の「Beachy Head」とは、イングランド・イーストボーン近くにある岬だという。
観光地としても有名らしいけれど、自殺の名所としても知られているんだとか。
不穏な雰囲気が、今回のカプーアの展覧会に似合っているように思うよ。
音を聴きながら、続きを観ていこう!

次の会場にも謎の物体が中央にドーンと置かれている。
壁の角にも、天井に迫るほどの高さにまで伸び上がるように成長している姿を確認。
そう、まるで生命体みたいなんだよね。
溶岩や肉塊にも見えるけど、今回は「謎の生命体」ということにしておこうかな。(笑)
「謎の生命体」が増殖していき、会場全体を覆ってしまいそうに感じたよ。

絵画作品はすべて「Untitled」となっていて、2022年制作とのこと。
アニッシュ・カプーアは現在69歳なので、68歳で描いた作品なんだね。
強烈な色彩と大胆な筆使いに、パワーがみなぎっている。
横尾忠則が86歳で100点以上の新作を短期間で描いていることにも驚いたけれど、今回のカプーアも圧巻!
力強さに満ちた作品を観て、SNAKEPIPEの体温が高くなってきたみたい。
エネルギーを注入され、血流が速くなったような感じかな?(笑)

展覧会のタイトルである「奪われた自由への眼差し_監視社会の未来」に関して、キュレーターの飯田さんがサイトに解説を載せている。
カプーアの作品を鑑賞することで、自身の情動に気付くという。
先に「体温が上がり、血流が速くなったようだ」と感じたSNAKEPIPE。
まさにこの状態だったのかも?(笑)
「赤は神秘的な色」と語るカプーアは、意識的に赤色を使用した作品を制作していたので、鑑賞しているうちに闘牛の牛みたいに興奮状態に陥ったのかもしれないなあ。

展覧会用に動画が配信されていたよ。
とてもカッコ良い!

今まで鑑賞したことがあるカプーアの作品は、鏡や金属を使用した立体作品だけだったので、絵画作品は初めてだったかも。
エネルギッシュな作品群を鑑賞できて、とても嬉しかった!
こんな素晴らしい企画を無料で体験させてもらって、本当にありがたいね。
飯田さんの次のキュレーションにも期待だよ!

ケリス・ウィン・エヴァンス 「L>espace)(…」鑑賞

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【エスパス ルイ・ヴィトン東京エレベーター前の看板を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

エスパス ルイ・ヴィトン東京で開催されるケリス・ウィン・エヴァンスの展覧会「L>espace)(…」を知ったのは、数ヶ月前のことだった。
たまたまポスターを目にして気になっていたんだよね!
ケリス・ウィン・エヴァンスの名前は初めて聞くよ。
一体どんなアーティストなんだろうね?

1958年 ウェールズ生まれ
1980年 英国ロンドンのセント・マーチンズ・スクール・オブ・アートで美術学士を取得
1984年 ロイヤル・カレッジ・オブ・アートのフィルム & テレビジョン専攻で修士号を取得
1986年まで 映画監督デレク・ジャーマンの助手を務める
1988年 短編映画「ディグリーズ・オブ・ブラインドネス」を発表
90年代初頭 彫刻またはインスタレーションに分類されるさまざまなメディアを用いた作品に移行

エヴァンスの作品はニューヨーク近代美術館やテートモダン、ポンピドゥー・センターなどに所蔵されているという。
ネオンなどの光や音、ビデオを使用したスタイルなんだとか。
そして経歴の中で注目したいのが、デレク・ジャーマンの助手だったところ!
デレク・ジャーマンといえば、やっぱり「ジュビリー」かな。
トレイラーはこちら。

この映画については2018年3月に「映画の殿 第28号 パンクロッカー、スクリーンに現る」としてROCKHURRAHが記事にしてくれているので、そちらを参照してね!
独特の感性を持った映画監督の助手をしていたと聞くと、エヴァンスに興味が湧いてくる。
エスパス ルイ・ヴィトンの訪問予約をして表参道に向かったのである。

12月なのに夏日に迫る気温の高い日で、薄手のコートを脱いでしまうほど。
ピカピカの日差しに、日傘を用意すれば良かったと後悔したSNAKEPIPEだよ。
あと10日でクリスマスなのにね!(笑)

いつ行ってもルイ・ヴィトンの入り口では尻込みしてしまうSNAKEPIPE。
ROCKHURRAHも同じだったようだよ。
傘を傘袋に入れてくれたこともあったっけ。(笑)
買い物客ではなく、作品鑑賞のためだけに訪れているのにもかかわらず、ドアマン(?)が丁重にエレベーターまで案内してくれる。

7Fの会場に到着。
予約していたことを告げると、係の女性がにこやかに対応してくれる。
作品の撮影がオッケーなこと、作品の説明が載っているサイトの案内など、とても丁寧だよ。
ガランと広い会場に目をやると、最初に飛び込んでくるのは日差し!
エスパス ルイ・ヴィトンはガラス張りなので、まるで温室のような暖かさ、いや暑さ!(笑)

着ていたコートを脱ぎ、作品に近づいてみる。
「A=F=L=O=A=T」というタイトルの作品は、20本のガラス製フルートで作成され、音が鳴っていた。
大昔のSF映画に出てくる宇宙から来た生物みたいで、とても好き。
パリのフォンダンシオン ルイ・ヴィトンのために作られた作品なんだって。
ルイ・ヴィトンの説明に「この作品は少し変わった不気味な存在感を放っています」と書かれているよ。
その不気味さが良いんだね!(笑)

途中でROCKHURRAHも気付いたようだけど、今回の展覧会は夜になってから鑑賞すべきだったんだろうね。
明るい日差しの中でキレイに見えたのは松の作品「Still life(In course of arrangement…)Ⅱ」だね。
ゆっくりと回転する松には、何もトキメキはなかったのが正直なところ。
テキストがネオンで光る仕掛けになっている作品も、ほとんど空と一体になっていたもんね。
観ただけでは趣旨が伝わらないので、エヴァンスについて説明しているエスパス ルイ・ヴィトンの説明を引用させていただろう。

エヴァンスが作り上げるのは、意味の迷宮です。
空間に形となって現れる引用や原典のあるテキストは、しばしば不可解な難問の様相を呈します。
ポスト象徴主義や前衛の文学に垣間見られる遊びの要素や難解な側面が、インスピレーションの大きな源となっているのは明らかでしょう。(中略)
コンピュータに接続されている光が、その画面に流れていくウィリアム・ブレイクの詩や、フェミニスト理論家のジュディス・バトラー、神学者のミシェル・ド・セルトー、あるいはマルキ・ド・サドからの引用文をモールス信号の点滅で伝えるのです。
光を用いて不明瞭なステートメントを伝えるという手法に象徴されるような矛盾を顕在化させるのがこの作家の特徴です。
彼の見方では、詩は「実験のエキゾチシズム」と呼ばれるものから生まれ、その多義性の重なりの中で、事実とフィクション、現実とその分身、打ち立てられた確信と矛盾した感情などの間にある曖昧な領域を探求することができるのです。

「意味の迷宮」やら「矛盾を顕在化」「曖昧な領域を探求」といった文言が並んでいるので、かなり難解で複雑な作品なんだね。
アーティストの意図を理解してから鑑賞したら、もっと面白かったのかもしれない。

夜になると、こんな感じに見えるらしい。(笑)
この空間を目に前にしたら「うわっ」と声が出たかもしれない。
説明がなくても驚きや喜びを感じたかも。
光やネオンの作品を鑑賞する時には時刻を考えないといけないね。
そのためには事前に予習する必要ありだわ。
エスパス ルイ・ヴィトンは大失敗してしまったけれど、この後もう一つの展覧会を「はしご」したんだよね。
さて、ROCKHURRAHとSNAKEPIPEは何を観てきたのか?
次回をお楽しみに!(笑)