収集狂時代 第14巻 高額アート編#03

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【2019年に高額取引された女性アーティスト1位はルイーズ・ブルジョワ】

SNAKEPIPE WROTE:

今週は、2019年の総決算として、サザビーズやクリスティーズのオークションで高額取引されたアート作品について特集してみよう。
当ブログのカテゴリーである「収集狂時代」を始めるきっかけになったのが、高額アート作品の紹介だったので、初心にかえった感じだね!
ここで余談だけど、「初心にかえる」について調べたSNAKEPIPE。
「帰る」か「返る」なのか迷ってしまったんだよね。
結局ひらがなで表記することにしたんだけど、漢字とか言い回しって、本当に難しい。

さて、それでは早速オークション結果を発表しよう!
まずは10位!
デヴィッド・ホックニーの1969年の作品「Henry Geldzahler and Christopher Scott」だよ。
ポップ・アートにも影響を与えたイギリスのアーティストだね。
正面を向きソファに座っている男性と、あらぬ方角を見つめながら直立する男性。
2人の視線は絡んでいないように見えるよ。
この絵はまるでスウェーデンの監督であるロイ・アンダーソンの作品「さよなら、人類(原題:En duva satt på en gren och funderade på tillvaron 2014年)」のワンシーンのように見えるよ。
この映画の感想については、2016年7月に「映画の殿 第21号 さよなら、人類」として感想をまとめているので、御覧ください!
どうやらホックニーの絵画に登場しているヘンリーさんとクリストファーさんはカップルだったようだけど、一体どんなシチュエーションなのかと想像するのは楽しいかも。
ちなみにオークションでの落札価格は$49.5 million、日本円で約54億1800万円!
10位でこの金額とはね。(笑)

9位にランクインしたのは、マーク・ロスコの1960年の作品「Untitled」 。
ロスコは高額で取引されるアーティストの常連だよね。
マーク・ロスコについては、今まで何度かブログに書いていると思うけど、改めて書いてみようか。
千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館 には、世界で4つしかない「ロスコ・ルーム」があるんだよね!
ロスコの絵画は、実物を観る必要があるかもしれない。
「ロスコ・ルーム」に足を踏み入れると、なんとも言えない感覚に襲われるんだよね。
あんな部屋を作りたいと思ったら、高額でも購入するんだろうなあ。
SNAKEPIPEも、お金があったら自分だけの物にしたいと思うよ。
到底ムリだけど!(笑)
この作品は$50.1 million、日本円で約54億8400万円だって。
「美術館が手放すということは、大した作品ではないからだ」とディーラーが話したとか?
54億円出しても買う人がいる作品なのに、駄作扱いされるなんて驚き!(笑)

8位はフランシス・ベーコンの「Study For A Head」、55億1600万円だよ!
映画「戦艦ポチョムキン(原題:Броненосец «Потёмкин» 1925年)」に登場する老婆をモチーフにした作品だね。
高額取引ランキングでは、必ず登場するベーコン。
ベーコンさんに関しては、「SNAKEPIPE MUSEUM #07 Francis Bacon」や「フランシス・ベーコン展鑑賞」など、今まで何度も書いているので、今回は割愛しようか。(笑)

7位はエド・ルシャの1964年の作品、「Hurting the Word Radio #2」。 
RADIOという文字が金属クランプによって、縮められたり伸ばされている。
一体どんな意味が込められているんだろう?
実はエド・ルシャというアーティストについては、初耳だったSNAKEPIPE。
1937年アメリカのネブラスカ州生まれというから、今年で83歳かな。
1960年代より絵画、版画、写真、映画に携わっていたという。
検索してみると、文字を取り込んだ絵画作品が多いみたいだね。
1962年に自費出版した写真集「Twentysix Gasoline Stations」は、様々なアーティストに影響を与えたらしい。
近所のガソリン・スタンドを遠景で撮影した26枚の白黒写真だという。
単なる記録写真といえば、それまでだけど、群写真と考えるとコンセプチュアル・アートなんだよね。(笑)
現代写真のさきがけになるのかな。
今回オークションにかけられたルシャの作品は、$52.5 million、日本円で約57億4600万円!
ルシャの他の作品も観てみたいね。 

6位はアンディ・ウォーホルの「Double Elvis [Ferus Type] 」。 
エルヴィス・プレスリーが2つ並んでいる有名な作品だね!
クリスティーズで落札された価格は日本円で約58億円だよ。
5位はパブロ・ピカソの「Femme au chien」で、約60億円。
ついに60億を超えたね!(笑)
それにしても10位から見てみると、ランキングとは言っても、金額はほんの2、3億の違いだけだよね。
などと書いてはみたものの、本当は1億だって大変なんだけど。(笑)
4位はポール・セザンヌの「Bouilloire et fruits」。
印象派の巨匠であるセザンヌも、高額取引ランキングの常連だよね。
ここで一気に65億円になったよ!(笑)

ついに第3位になったね!
ロバート・ラウシェンバーグの「Buffalo II」は1964年の作品だという。 
目を引くのはやっぱりケネディ大統領だよね。
ラウシェンバーグは「コンバイン(結合)・ペインティング」と呼ばれる、様々なオブジェを取り込んだ作風で知られているアーティスト。
2013年9月に鑑賞した「アメリカン・ポップ・アート展」で、「今回の展覧会で一番感銘を受けたアーティスト」として、感想をまとめたっけ。
「Buffalo II」の落札価格は$88.8 million、日本円で約97億2000万円!
ラウシェンバーグの貴重な初期作品のほとんどは、すでに美術館や個人のコレクターによって所蔵されているとのことで、オークションに出る機会が稀だったため、価格が引き上がったという。
ラウシェンバーグの大規模な展覧会、是非観たいね!

2位はジェフ・クーンズの「Rabbit」。 
2014年に書いた「収集狂時代 第2巻 高額アート編#02」でも、クーンズの別の作品が3位にランクインしていたんだよね。
ジェフ・クーンズは、キッチュな題材を巨大化した作品が特徴で、賛否が極端に分かれる評価を受けているという。
今回登場の「Rabbit」も、風船ウサギを型取りしてから、ステンレスで鋳造後鏡面仕上げされたという、ふざけた印象の作品とのこと。
村上隆のフィギュアなどにも通じるオモチャっぽい作品だけど、落札価格は驚きの$91 million、日本円で約99億6000万円!
「クーンズの作品は高額」というレッテルを美術界に浸透させた、クーンズの作戦勝ちに思えてならないよ。
本気で素晴らしいと感じる人もいるようなので、価値観はそれぞれ、だけどね。(笑)

堂々の1位はクロード・モネの「Meules」、一般的には「積みわら」として有名な作品になるんだね。
夕日なのか朝日なのか分からないけど、積みわらの後方から差し込む光が印象的な作品だね。
2012年に公開されたマイケル・ホフマンの「モネ・ゲーム(原題:Gambit)」は、モネの「積みわら」を使って大金をつかもうとする話だったことを思い出す。
モネの作品は高額、というのは周知の事実ということなのかな。
NHKスペシャルでやっていた「モネ 睡蓮(すいれん)~よみがえる“奇跡の一枚”~」を偶然観たROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
長年行方が分からなくなっていた、「睡蓮・柳の反映」が半分ボロボロの状態で見つかったことから、その修復をするというドキュメンタリーだったんだよね。
印象派には、今までほとんど興味を示したことがないROCKHURRAH RECORDSなので、モネのタッチを出すのに苦労している様は興味深かった。
そして国立西洋美術館の女性館長と女性スタッフの厳しい表情にも大注目してしまったよ。(笑)
モネの「積みわら」は$110.7 million、日本円で約121億円!
1986年にオークションにかけられた時は、1億1000万程度で落札されたというから、ものすごい利益率だよね。
株みたいな儲け主義になっているようで、作品の価値の意味合いが変化しているように感じるよ。

2019年の傾向は、TOP10に女性アーティストが入っていないこと。
15位にルイーズ・ブルジョワの「spider」が約35億円で登場しているのが女性の第1位なんだよね。
ブルジョワの蜘蛛シリーズは、六本木ヒルズで鑑賞することができるので嬉しい。(笑)

そして1960年代の6作品がランクインしていることかな。
5年前に始めた「収集狂時代」の時と、登場するアーティストに変動がない点にも気付く。
今から5年後はどうなっているんだろうね?
確認してみたいと思う。

収集狂時代 第13巻 ウォッチ編

【007のスパイ用腕時計を紹介するビデオ】

SNAKEPIPE WROTE:

人は国や地域、貧富の差や容姿の違いをもって、生まれてくる。
大金持ちで美貌と才能に恵まれる人も多いことだろう。
そんなキラキラ輝く人生を満喫する人も、理不尽で不平等な出自を恨み、この世に生を受けたことを呪っている人にも、平等なことがある。
それは時間だ。
地球上での1日は24時間であり、長短は違えど命あるものはいつか滅びる運命なのだから。

などと普段のSNAKEPIPEとは違う口調になってしまったね。
大真面目に書いてるつもりでも、やっぱり陳腐かな。(笑)
本日のテーマは時計、と思ったら、急に別人格に乗っ取られてしまったよ。
最近は時間を確認するのは、専らスマートフォン。
仕事中はパソコンで時間を知ることが多く、全く腕時計をしていない。
昔は必ず腕にはめていたのにね?

ROCKHURRAHは子供の頃、トミーの「ウォッチマン」というゲームができる腕時計を所持していたそうだ。
「ウォッチマン」には、釣り、プロレス、ボーリングなど、いくつか種類があったみたい。
ROCKHURRAHはゴルフ・ゲームの「ウォッチマン」で遊んでいたという。
こう聞くとROCKHURRAHのゴルフ歴は長いんだね。(笑)
ゲームとは言っても、非常に簡単な作りだと思うけど、この当時、腕時計型で持ち運べるのは画期的だっただろうね!
ギミックが好きと話すROCKHURRAHは、カシオの「データバンク」も持っていたんだって。
電話帳機能を搭載した腕時計が発売されたのは、検索したら1984年と出てきたよ。
今みても「データバンク」のデザインは面白いと思うけど、80年代にはもっと斬新に映り、当時流行していたカタカナ職業の方々はこぞって購入したんじゃないかな?
現在でも「データバンク」は販売されているというので、調べてみるとAmazonでも購入可能なんだね!
逆輸入品で約4000円とのこと。
SNAKEPIPEも違うカシオのデジタル時計を持っているけれど、「データバンク」も欲しくなってしまったよ。

見やすいのはデジタル時計だけれど、SNAKEPIPEがかつて所持していたのは巨大な正方形の手巻き式腕時計だった。
これは80年代、表参道にあった「ゼクトアー」で購入したもの。
大きさは6cm☓6cmで厚みが2cmほどだったろうか。
文字板にはフランス国旗がデザインされていた。
SNAKEPIPEの手首よりも大きくて、時計としての機能よりもブレスレット感覚で着けていたことを思い出す。
ああ、なつかしきゴールデン80’s!(涙)
どのタイミングで手放したのか覚えていないけど、今でも鮮明に記憶に残っているよ。

まるで「ふたりのイエスタデイ」の特集のようになってしまった。
今回は「収集狂時代」にしようと思ってるんだよね。(笑)
驚きの逸品を紹介していこうか。

ROCKHURRAHが所持していた「データバンク」にちょっと似たタイプを発見。
シンセサイザーの世界的なメーカーであるKORGの「KRONOS WRIST WATCH」という。
「データバンク」で数字が配置されていた場所に鍵盤があるね。
これがどんな機能を果たしていたのか、調べてみたけどよく分からなかったよ。
ちゃんと音が鳴ったら面白いよね。(笑)
販売時期や値段その他も分からず、 ただデザインの面白さだけの紹介になってしまった。
所持している方がいらっしゃったら、詳細を教えてください!

続いても音楽関係ね。
今では全く見かけなくなってしまった、カセットテープをデザインに使用している「EOS Mixtape Watch」だよ!
どうやらテープの部分が循環するらしいんだけど、左に巻き戻った状態のまま回転するだけなのかよく分からなかったよ。
画像で見る限り、右のディスクに針があるので、ディスクはこのまま回るんじゃないかな?
実際に時間を見るのは大変そうだよね。
こちらの商品は$135、日本円で13,500円くらい。
レトロ趣味にはたまらない逸品だよね!

これも一種のデジタル時計か。
Biegert & Funkの「QLOCKTWO」は、文字盤に110の文字があり、ボタンの操作により浮かび上がる文字が変化するという。
画像に出ているのは「7時半を過ぎました」という文章だけど、 これは正確な時を知らせているのかどうかは不明だよ。
「時間を説明する言葉が予期しない場所に表示され、あなたにその瞬間を知らせます」
「お昼ぐらい」とか「 明け方」のような曖昧な表現に近いのか。(笑)
ちなみにお値段は$850、日本円で約91,500円。
この時計を持てば、時間に追われず心にゆとりが持てるかも?(笑)

好戦的になりそうなのがこの時計かな。
「F-15」ってはっきり書いてあるよね。
これはアメリカ空軍の戦闘機「F-15イーグル」をデザインしている腕時計だね。
画像がこれだけしかないので、戦闘機部分の下がどうなっているのか不明だよ。
戦闘機が蓋で、横にズラす、もしくはパカっと開けて時計が現れるのではないか、と想像する。
時計は文字盤の時計かデジタルか、どっちが似合うのかなあ。
ネックレスタイプの時計で「F-18ホーネット」バージョンでは、パカっと蓋が開いて下には丸い文字盤が見えていたよ。
腕時計も同じタイプかもしれないね。
気になるお値段は$48、日本円で約5,200円!
ミリタリー好きは揃えておきたいアイテムだね。(笑)

これも時計なの?
Devonはアメリカのメーカーで、この時計は「The Tread 1」というらしい。
中身が見える作りで、4本のベルトを確認することができる。
このベルトが時間を表しているようで、ケース内で回転していて、アメリカで唯一の独自のムーブメントとのこと。
時計の構造について詳しくないけれど、独自の技術を使用するということは、発明したってことだろうからね。
ビジュアル的にもオシャレだし、興味深いよね。
お値段は$18,450、日本円で約198万円!
ベルトがどんな動きをするのか、ずっと見ていたくなる時計だよね。

これもまた不思議なデザインの時計だね。
スイスのメーカーURWERKが販売している「The UR-1001」だよ!
なんでしょうか、この重量感は。(笑)
上にカレンダー、下が時計になっていることは分かるけど、一体どうやって装着するの?
時計の説明をしている動画があったので、載せてみようか。

こんなに巨大だったとは! 
ビデオに登場している男性の腕でも、時計とのバランスが取れてないくらい。
この時計が似合うのは、マッド・マックスとかターミネーターみたいな近未来系肉体派かな?
気になるお値段は$400,000、日本円で約4,300万円!
使う(使える)人も選ぶけど、購入できる人も選ぶ時計ですな。
お金持ちで肉体派のあなたにお勧めね!(笑) 

MB&Fというメーカーは、非常にユニークなデザインを採用していて、見ているだけで楽しくなってしまう時計がたくさんあるんだよ。
どうしても1つだけに絞れなかったので、一挙に3つ紹介してみよう。
まずは「HM3 frog」だよ。
見た目がカエルに似てるから、この名前がついたんだろうね。
左目にあたる部分が時間(hour)で右が分(min)を表示しているね。
お値段は$92,000、日本円で990万円だよ!
このデザインが突然袖口から覗き見えたら、ギクッとしそうだよ。
何か腕に生物が寄生しているみたいだもんね。(笑)

同じくMB&Fから「HM4 Thunderbolt」のご紹介。
サンダーボルトとは雷って意味だよね?
まるで飛行機のエンジン部分を腕にはめているような感覚で、このまま空を飛べそうじゃない?(笑)
ツインポッドの右側が時間で、左はパワーメーターみたい。
さて気になるお値段は?
$134,239って随分半端な金額だけど、日本円で約1,445万円!
それでも飛行機好きやパイロットに憧れている人にとっては、垂涎の的だろうね!
まさにコレクターズ・アイテムといえる逸品だよ。

MB&Fは本当に面白いデザインが豊富だよね。
蜘蛛を形どった「Arachnophobia Black Model」だよ!
SNAKEPIPEはこの時計に一目惚れ。(笑)
六本木ヒルズに鎮座まします「ママン」みたいだよね。
どうやらこれは腕時計じゃなくて、壁に這わせるタイプみたい。
オブジェとして使用できるってことだね!
お値段は$12,742って、またもや半端なんだけど、日本円で約1,370万円!
実用的なアート作品と考えたら、そこまでの金額じゃないかも?
SNAKEPIPE MUSUEUMでの購入を検討してみようか。(うそ)

このデザインもかなりインパクトあるよね。
スイスのメーカー、Cabestanが製造販売している「Winch Tourbillon Vertical Watch」というらしい。
時計のサイドにあるレバーとウインチを手動で操作することで、ロープやチェーンをドラムに巻きつけ動力にしているとのこと。
そんなにシンプルな作りに見えないんだけど、自分で動かすというのも魅力につながるよね。 
どうやら宝石もあしらわれているようなので、きっと高額なんでしょう。
$275,000、日本円で約2,960万円!
ひゃー、マンションが購入できる金額になってきたよ。
本当にカッコ良いデザインなので、思い切って購入するか!(笑)

最後はこちら!
スイスの高級時計ブランドRichard Milleの「RM50-02」だよ!
厚みのある、ずっしりした重量感。
そして文字盤の下に見える複雑なぜんまい仕掛けの数々。
このデザインを見るだけでも興奮気味のSNAKEPIPE。(笑)
インダストリアル好きにはたまらないね。
30本限定で販売されたという、こちらのお値段$1,000,000、日本円でなんと1億770万円!
ついに億超えの時計になっちゃったよ。
この時計を手に入れた30人って一体誰なんだろうね?(笑)

今回は「収集狂時代」で時計を特集してみたよ。
世界には様々な逸品があることを再認識したね。
時計はまだ他にも素敵なデザインがあるので、またいつか紹介してみよう! 

収集狂時代 第12巻 David Lynch フィギュア編

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【特殊メイクアーティストCarl Lyonが手がけたリンチの像!】

SNAKEPIPE WROTE: 

先週に引き続きデヴィッド・リンチのネタをお届けしよう!
リンチが監督した映画やドラマから、どんなフィギュアが制作されているか調べてみたよ。
映画からのフィギュアといえば、例えば「スター・ウォーズ」 の中から選ばれた王道のキャラクターを思い浮かべるよね。
ダース・ベイダーとかチューバッカとかね。
リンチの場合は、ある一部に熱狂的なファンを持つ通好みの作品がほとんど。
そんなマニアックな映画なのに、フィギュアが作られているのか興味があったんだよね。 (笑)
検索したら、意外なことにあったんだよ!
リンチのファンだったら欲しくなる逸品を紹介していこう。

まずはリンチの処女作「イレイザーヘッド(原題:Eraserhead 1977年)」から。 
「イレイザーヘッド」の主人公であるヘンリーのフィギュアね。
演じていたのはジャック・ナンス。
ヘンリーの場合は、逆立った髪の毛だけが特徴なので、そこにさえ気を配れば「なんとなくヘンリー」っぽいフィギュアが完成しそうだよね。(笑)
画像では商品化されたフィギュアの詳細までは分からないけど、そこまでジャック・ナンスには似てないように見える。
黒いスーツに白いシャツという、これまたありふれた服装だったために「らしさ」からは遠のいてしまったかもしれないね?
それでもファンは、ヘンリー人形を手に入れたい思いを強くするはずだよ!
だってSNAKEPIPEも並べておきたいって思っちゃうからね。

孤独なヘンリーが、一人で寒い部屋の中で膝を抱えている。
視線の先にあるのはラジエーター。
これは日本ではあまり馴染みがないけれど、アメリカやドイツでは一般的な暖房器具になるみたいだね。
そのラジエーターの中でショーが繰り広げられるのである。
「In Heaven Everything is fine」(天国では全てオッケー)
ごつごつと異常に大きく膨らんだ頬を持つ、まるでマリリン・モンローが着ていたようなドレスを着た少女が歌うのである。
その様子をじっと見つめるヘンリー。
そしてヘンリーは、ラジエーターの中で少女との共演を果たすのである。
まさかこの少女(Lady in the Radiator)のフィギュアまであるとはね!
マニアにはたまらない逸品だよ。

そしてもちろん「イレイザーヘッド」での主役(?)である赤ん坊のフィギュアもあるんだよね。
大きさ約10cmだって。
上に紹介したフィギュア2つとも同じメーカーが出しているのかなあ。
パッケージが近いように見えるけど、ところどころに違いがあるんだよね。
まさかと思うけど、3社のメーカーそれぞれが独自に商品化してるのかな?
この3点セットと、「あの柄」のジュータン(ファンなら分かるはず)、小さいラジエーターがあったら完璧じゃない?
これで「イレイザーヘッド」の世界を我が家でも再現できることになるね。
ちなみにこの赤ん坊は$249.99、日本円で約27,000円くらい。
ちょっとお高く感じるけど、ファンならやっぱり欲しいよね。

別の赤ん坊アイテムも発見したよ。
なんとキーホルダー!(笑)
オーストラリアのMillyという女性がハンドメイドで制作しているようで。
ちゃんと販売されてるんだよね。
大きさ約8.5cmのベイビーは、一体¥3,360だって。
日本までの送料が入ると¥5,000くらいかな。
こんなキーホルダー持ってる人を見かけたら、興奮のあまり、ぎゃーっと叫んで握手しちゃうかも?(笑)
このMillyさん、他にもリンチネタからのグッズを制作していて、見ているだけでも楽しくなっちゃうよ。
グッズにするキャラクターの着眼点が面白いんだよね。

続いては「ブルー・ベルベット(原題:Blue Velvet 1986年)」から、フランク・ブースのフィギュアね!
演じていたのはデニス・ホッパーで、画像左に小さく顔が載っているよ。
フランクは何かしらのガス状のものを鼻から吸い込んで興奮状態に陥いるんだけど、その透明マスクまで再現されているんだよね。
左手にピストル持ってるバージョン(左)と、青いベルベット切れ端を持ってる右の画像と小物まで用意されているところが秀逸!
残念なのは、顔が似てないことかな。(笑)

同じシリーズで「オカマのベン」まであるんだよね。 
ベンを演じていたのはディーン・ストックウェル。
いつも「薄目」というか「半眼」にしていて、ロイ・オービソンの「In Dreams」を口パクで歌う。 
そのシーンを再現しているフィギュアと、先程登場したフランクとの2ショット!
あらま、今回のフランクは左手にビール持ってるよ。(笑)
小物に凝るところに演出力の高さが光るよね!

次はフランクとベンとドロシーの3人セットね!
なんとこれは落花生で作られてるんだって。
落花生アーティストSteve Casinoの作品で、直径14cmx高さ15cmの大きさだという。
3人のディテールはもちろん素晴らしいんだけど、SNAKEPIPEが注目したのはバックにある耳!
病院からの帰り道、何気なくジェフリーが拾った人間の耳までも再現しているところに拍手を送りたい。(笑)
なんとこのフィギュア、販売されていてお値段が575€、日本円で約71,000円とのこと。
元が落花生と聞くとお高い感じがしちゃうけど、このクオリティの高さなら納得かな?

最後は「ツイン・ピークス(原題:Twin Peaks 1990年〜)」から。
今まで数えきれないほどの回数を鑑賞した「ツイン・ピークス パイロット版」。
25年後の世界で突然現れる「Another Place」から来た赤い服の男。
赤い服の男が音楽に合わせてダンスを踊っている傍らで、クーパー捜査官に耳打ちするローラ・パーマー。
全く意味不明のまま終了してしまうパイロット版で、最も印象的なシーンなんだよね。
そのシーンを再現しているフィギュアが存在していたとは!
90年代に制作されたレア物とのことだけど、販売されている(いた?)ようだね。
お値段まではわからなかったけど、体全体のバランスや踊っているシーンを切り取ったポーズ、床のデザインまで含めて素晴らしい出来だよ。
後ろ姿の画像も載せてみよう。
あのダンスの様子がよく分かるよね。
これはかなりのお宝グッズ!
今からでもオークションに参加したいくらい。(笑)

小さい人を紹介したので、今度は大きい人にしてみようか。
いつもウエイターのような服装をしていて、クーパー捜査官の味方になっているように見える巨人のフィギュアも見つけたんだよね。 
2017年版のシーズン3「The Return(後に改題されてリミテッド・イベント・シリーズ)」にも登場していたね。
巨人の服装や床のデザインは問題ないんだけど、この巨人の顔は似てないよ。(笑)
結構特徴がある顔だと思ったけど難しかったのかな。
これもまたファンとしてはコレクションに加えたい逸品なんだよね。

最後はこちら!
「丸太おばさん」こと「Log Lady」が大事に抱えていたのが丸太だよね。
この「丸太」のフィギュアを見つけたよ。
えっ、丸太だけ?(笑)
この丸太、パッケージに「TWIN PEAKS」と書いてあり、「丸太おばさん」の顔写真が載っているから分かるけど…。
もし「丸太」だけになったとしたら、ただのカルパスにしか見えないよ!(笑) 
「丸太おばさん」のフィギュアと組み合わせるためのグッズなのかもしれないけど、その場合は「丸太なし」の「おばさん」フィギュアが販売されてることになるんだよね? 
わざわざ別売りにしなくても良いのに、と思うのはSNAKEPIPEだけかな?
「丸太」フィギュア、見た瞬間に大笑いさせてもらったので、良しとするかな。

今回はリンチに関係するフィギュア特集にしてみたよ!
探している時から楽しくて、コレクションしたくなる逸品揃いで大満足だったね。
恐らくこの記事を一番喜んでいるのはSNAKEPIPE本人なんだろうな。(笑)

収集狂時代 第11巻 高額人形編

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【SNAKEPIPEだったらハンス・ベルメールの人形が欲しいな!】

今年も早いもので、来週はクリスマスだよ!
プレゼント選びって難しいよね?
毎年悩む事柄なのに、今年はROCKHURRAHと欲しい物を交換し合えて一安心。(笑) 

子供の頃は本当にサンタクロースがいると信じていて、真剣に欲しい物が手に入るよう祈ったものだ。
SNAKEPIPEの願いが叶ったことは一度もなかったなあ。
その時に欲しかった物なので、今となっては思い出せないけどね。(笑)
リカちゃん人形も欲しかったアイテムのひとつだったかもしれない。
女の子は「おままごと」遊びが好きだし、皆が持っている人形だったせいかもしれない。

今から2週前、2018年11月の記事「SNAKEPIPE SHOWROOM 物件15」では、バービー人形コレクターの方を紹介したよね。
昔は子供専用のアイテムだった人形やフィギュアは、いつの間にかコレクターズ・アイテムになっている。
大人が夢中になって収集していても、ちっとも変な目で見られない時代になっているんだよね。
大人の幼児化(未成熟化)がより一層未婚率や少子化にも影響を与えているのではないか、と思うSNAKEPIPE。
自分のことは棚に上げて、あんまり人のことは言えないけど!(笑)

今回はコレクターズ・アイテムである人形の、高額ランキングを発表しようかな。
人形といってもあなどれないんだよね、これが!(笑)

G.I.ジョーは、米国ハズブロ社が1964年から販売しているアクション・フィギュアで、名前の由来は1945年の映画「G・I・ジョウ (原題:The Story of G.I. Joe)」だという。
そんなG.I.ジョーのフィギュアの中での高額品がプロトタイプのこちら。
販売前の試作品なので、制作年は1963年。
着ているジャケットはM43がモデルなのか?
などとつい、ミリタリー・ジャケットとなると調べてしまうね。(笑)
G.I.ジョーのファースト・モデルは2003年に$200,000で落札されたという。
現在のレートで換算すると、日本円で約2260万円!
最初から2千万超えだよ。
これから先がどうなるのかドキドキするね。(笑)

前述したバービー人形狂のバービー・マンでもこのタイプは持っていないんじゃないかな?
ジュエリー・デザイナーであるStefano Canturiによってゴージャスに着飾っているバービーなんだよね。
ネックレスとして使用されているオーストラリア・ピンク・ダイヤモンド、合計なんと3カラット!
その付加価値のためバービー人形のお値段はなんと$302,000、日本円で約3620万円!
中古マンションくらいなら軽く購入できてしまう金額だよね。
そんな高額バービーちゃん、値段を聞いてから画像に目をやると、気高さを感じてしまうよ。
「高飛車じゃなくて、本当に高いのよ私!」
とでも言いたげなリッチでゴージャスな雰囲気を醸し出してるよね。
バービー界のセレブレティだわ、ほんと。(笑) 

このクマちゃんはどこかで見たような?
2016年10月の記事「収集狂時代 第6巻 Louis Vuitton編」に登場してるんだね。
またもや「収集狂時代」でお目にかかることになるとは思っていなかったよ。
高額アイテムだから仕方ないかな。
ドイツの最高級ぬいぐるみブランド「シュタイフ」の手によるテディベアは、リアルファーで装いダイアモンドとサファイアでできた目を輝かせているんだよね。
金額$2.1 million、日本円にして約2億3800万円也!
以前も驚いたけど、改めて確認すると億超えのぬいぐるみって想像つかないよ。
現在は韓国の済州にあるテディベア・ミュージアムに展示されているらしい。
いくら大金持ちだとしても、ここまでの高額品を「おままごと」用に買い与えることはないよね。(笑)

続いて第2位はこちら!
子犬を連れた少女なんだけど、なんでこの人形が高額なんだろうね?
SNAKEPIPEは犬が大好きなんだけど、この犬にはちっともかわいらしさを感じないよ。
アレキサンダー・エロイーズ夫人という人形デザイナーが5体のみ制作したという、特別バージョンのようだね。
スワロフスキーのクリスタル、キャサリン・バウマンのアクセサリー、オスカー・デ・ラ・レンタの毛皮、クリスチャン・ディオールの服を着用させたというから、幼女なのに豪華絢爛だよね。
画像だとどこにあるのか分からないけど、9カラットのダイヤも着用しているらしいよ。
お値段なんと$5 million、日本円で約5億6700万円!
えー!なんでーーー!
「非常に裕福な人だけがこの人形に興味を示すでしょう」
と書かれていたので、リッチな人はこの人形を欲しいと思うのかもしれないね?(笑)

堂々の第1位はこれ!
L’Oiseleur(読めん)という名前を持った約1.2mのオートマタなんだよね。
フランス語で「鳥の訓練士」という意味なんだって。
ちなみにオートマタとは、機械仕掛けで何かしらの動きをする西洋からくり人形のこと。
この人形ではないけれど、2013年に行った伊豆旅行の際、野坂オートマタ美術館で様々な人形を鑑賞して驚嘆したことを思い出す。
20世紀初頭にあんなに精巧なからくり人形が作成されていたなんてね!
世界で一番お値段が高い人形は、Christian Bailly というオートマタのエキスパートが15,000時間を要して制作した、という触れ込みだよ。
15,000時間というのは計算すると約1年7ヶ月のことね。(笑)

通常のオートマタがどれくらいの制作期間をもって完成するのかを知らないけれど、エキスパートが2年弱をかけたのには、どんな仕掛けがあるんだろう?
2,340ものパーツによって組み合わされたL’Oiseleurは、スプリング駆動の歯車によって動きを与えられるという。
人形は右手にフルート、左手と肩には鳥を乗せてるんだよね。

ゴールデン・キーを叩くとジョルジュ・ビゼーの曲「Marche des Rois」をフルートで演奏するらしい。
それに合わせて鳥が羽ばたいたり、くちばしを開閉したり頭を回したりする仕掛けがあるみたいだね。
動いているところを鑑賞したかったけれど、YouTubeに動画を発見することはできなかったよ。

さてさて気になるお値段は?
$6.25 million、日本円で約7億1000万円!!!!
な、ななおくえんーーー!
うひゃー、ついにここまできたかっ!(笑)
これは是非とも野坂オートマタ美術館に買い取って頂いて、動いているところを実際に目にしたいものだね。

今回の人形ランキング、正直なところ画像で見ただけでは何故高額なのか、分かりづらかったように思う。
ダイヤモンドなどを着用したために高額なったというと、人形そのものが評価されたわけではないことになるしね?
たかが人形、されど人形!(笑)
愛玩用や鑑賞用である人形に、ここまで熱い情熱を持つ人がいるということに驚くと同時に、共感する。
これはもちろん人形を対象とした話だけではなく、アート全般に言えることだと思う。
ROCKHURRAH RECORDSももっと頑張らないとね!(笑)