ROCKHURRAH紋章学 ミルク・パッケージ編

【ミルクといえば『時計じかけのオレンジ』でのコロヴァ・ミルク・バーだね!】

SNAKEPIPE WROTE:

世界中の食卓でお目にかかる飲料といえば、ミルク!
家庭によって牛だったりヤギだったり、もしくは豆だったりと元となる動植物に違いはあるけれど、老若男女・人種問わず誰もが日常的に口にすることが多いと思う。
日本ではほとんど1リットル入りのありふれた四角い紙パッケージしか見覚えがないけれど、世界にはどんなデザインがあるのかな?
今回の「ROCKHURRAH紋章学」では、世界各国のミルク・パッケージ・デザインについて特集してみよう!

食料品のパッケージでモノクロームというのは、あまり目にしたことがないSNAKEPIPE。
一体何が入っているのか判らないよね?
ロシアのDepot WPF Branding Agencyがデザインしたミルク・パッケージなんだけど、HPがロシア語なので読解不可能!
今までのデザインをまとめたページでは、見たことがあるロゴやパッケージがたくさんあったので、有名なデザイン会社みたいだね!
このミルク・パッケージは自然農法と手製の生産工程を強調するために、鉛筆により手描きしたらしい。
ヨーロッパのすぐれた広告作品を表彰する2010年の「エピカ・アワード」において、Package of the Future Contestでトップ10入りを果たしたらしい。
シンプルだけれど、目を引くデザインだよね!

次も「milk」って書いてなかったら、中に何が入っているのか判らないパッケージだよね?
記号や図形が描いてあると、スポーツドリンクとか薬のように感じちゃうよね?

デザインしたのはAudrée Lapierreというカナダのクリエイティブ・ディレクター。
データの可視化を得意としているようで、とても女性の作品とは思わなかった!
カロリーの比率、栄養バランスなどの重要で有用な情報を与えるためのデザインらしい。

未来的な雰囲気はとても好きだけど、ミルクだと思うとあまり美味しそうに感じないのはSNAKEPIPEだけだろうか?(笑)

続いては白とグリーンが印象的な不思議な形のパッケージ。
コロンとしていてとてもカワイイよね!
「soy mamelle」と書いてあるから、もしかして豆乳なのかしら?
KIANというロシアのブランドエージェンシーがデザインしたらしい。
おお、またもやロシア!
そして上述したDepot WPFと同じように、KIANも2012年の「エピカ・アワード」の何かを受賞したとHPに出てるね。
こちらもロシア語だから読めないんだよね!(笑)
KIANは豆乳の栄養価は牛乳と変わらないけれど、コレステロール値は低いということを、牛の乳房に似たパッケージで表現し、更に緑色を使用することで製品が植物性で健康的であるというメッセージも込めたとのこと。
六波羅家も最近牛乳から豆乳に変えて、グリーンスムージー作ってるんだけど、大型の冷蔵庫じゃないとこのパッケージは入らないかもね?(笑)

YANKO DESIGNによるパッケージにはちょっと説明が必要だね。
賞味期限が近づいてくると、どんどん色が付いてくるという画期的なパッケージなんだよね。(笑)
紫外線が当たると色が変わる紙があることは調べて確認したんだけど、このパッケージにはどんな仕掛けがされているのか不明!
コストや素材が気になるね。(笑)
例えば1日で飲んでしまうような場合には、こんな色の変化をみることはできないってことか。
それにしても、一目瞭然という言葉通りの視覚化は面白いよね!
それにしてもこのYANKO DESIGNの代表者がTakashi Yamadaという日本生まれでカナダ育ちの男性なんだよね。
日本とカナダを往復している、なんて書いてあったよ。
ちょっと羨ましい生活スタイルだね!

最後はこちら!
なんともインパクトのあるこのミルク・パッケージはThe Guernsey Dairyが2010年にデザインしたもの。
「より温和で、より無害な時代を喚起すること」を考え、デザインチームがレトロで奇妙なデザインを模索するために、広範囲な研究まで行ったらしい。
その結果、飢饉やファシスト体制の下であっても、すべて過去のほうが現代より良い時代だったと回答する人が多かったらしい!
そして「それは玄関の鍵をかけなかった古き良き時代、共同体意識と虐殺の記憶を蘇らせるもの」としてこのマークを使用したパッケージにした、というのだ。
解るような、解らないような説明だよね?(笑)

ガーンジーというのはイギリス海峡のチャンネル諸島に位置するイギリス王室属領で、フランスに近い場所の島々とのこと。
酪農が有名なようで、ミルクの色が金色に近く、ゴールデンミルクと呼ばれているらしい。
輸出もしているようで、フランス、ベルギー、ポーランドでもこのパッケージで発売します、なんて書いてあったよ。
かなりドキリとさせられるに違いないね!

デザイン関係を検索していると毎回同じ感想を持つけれど、世界にはユニークな物がたくさんあるよね。
コンセプトの構築と共に商品の方向性が決定され、商品名やパッケージデザインまで首尾一貫している点が良く解るよね。
今回はミルク・パッケージについてまとめてみたけれど、改めてスーパーで牛乳コーナー見てガッカリしちゃうね。
牛と牧場の絵とか文字だけ、とか味気ないパッケージばかりだもんね。
日本には根付いていない文化なのかな。

ROCKHURRAH紋章学 ワイン・ラベル編

【ワインと聞いて一番初めに思い浮かべるのはやっぱりこの絵かな?】

SNAKEPIPE WROTE:

「女子は酒に強くなければいけない」
という教育理念を持っていた両親に育てられたために、幼少時代(!)よりアルコールを飲まされていたSNAKEPIPE。
最初はグラスにちょっとの量を飲むだけ、というかわいいお酒のたしなみ方だったので、法律違反などと目くじらを立てるような話ではない。
20歳を過ぎ、堂々と人前で飲めるようになった時には、本当に嬉しかったものだ。
隠れてコソコソする、というのが性分に合わないからだ。
いつの頃からビールをおいしいと思うようになったのか。
苦い味だったはずなのに、不思議である。
ワインに関しては、子供時代の甘口から変化して辛口に好みが変わってはいるけれども、元々好きなお酒だった。
ただし、外で飲むワインは要注意。
大抵の場合悪酔いしてしまうんだよね。(笑)
最近はもっぱら家呑みだけ。
外に繰り出して飲むのも楽しいけれど、帰りが億劫だったり、翌日に響くのがねえ?
これが年を重ねた人が言う台詞なんだろうね。(とほほ)

今回は「こんなワイン貰ったら嬉しいな」と思う、オシャレなワインについて書いてみたいと思う。
飲んだ後でも、瓶を飾っておきたくなるようなワインね!

一番初めは、Elk & Wolfというイギリスのワインから。
ヘラジカとオオカミという組み合わせだね。
このパッケージデザインをしたのは、SocialUKという会社みたいなんだけど、詳細については不明。
このデザインの面白いところは、ワインボトルが通常のガラスではなく、アルミニウムという点。
落としても割れない、というのはとても安心感があるよね。
アルミニウム素材は、水筒で所持しているけれど、とても軽いのが特徴!
もしかしたらこのワインボトルは、洗って再利用できるのでは?
同じようにワインを入れても良いし、醤油でもいいかも。(笑)
エコロジーについて詳しくないSNAKEPIPEだけど、このボトルだったら何かに使いたいと思って捨てないだろうな。
シカとオオカミの絵柄もシンプルでカワイイね!

20130224_09 Eduardo del Fraileというスペインのデザイナーは、びっくりするようなパッケージデザインを提案。
Monastrell wine社が出しているTierra Earth Wineという名前のワインは、ズバリ土そのものをボトルにくっつけてるという、とてもシンプルだけど、インパクトのあるデザインに仕上がってるよね。
なんとエコでアースなんでしょ!(笑)

説明だけ読んでいる限りでは、ワインの中身は相当良い品のようなんだけど…。
こうやって土まみれになってると、このワインが本物のTierra Earth Wineなのか、ラベルは貼ってあるのか、何年物なのか、そもそも中身が本当に入っているのかなど一切の情報がないまま購入することになるんだよね?(笑)

そしてもし実際に購入した場合、このワインをどうやって持つんだろう?
びっしり貼り付けてあるのか、持った途端にボロボロ土がこぼれてくるのか?

うーん、謎は深まるばかり。
購入した、という記事は見つからなかったので、知ってる方がいたら教えて下さい!(笑)

続いては、貰ったらすごく嬉しいシリーズ!
上のアース・ワインはネタにはなるけど、あまり嬉しくなさそうだからね。(笑)
左の写真はオーストラリアのデザイン会社MASHによる50年代ホラー映画シリーズラベル。
名前がなんとKillibinbinだって!
英語でビンビン、なんて単語が使われているのは初めて見た。(笑)
古い映画をモチーフにして、それっぽく仕上げたということらしいから、元ネタがあるわけではないみたい。
2007年にニューヨークのグラフィック部門で入賞とは、大いに納得!
こんな3本セットを並べておいたら、オシャレになるよね。
小粋なバーとかお酒も出すカフェには最適かも!

続いてはSNAKEPIPEが、ホラー好きのROCKHURRAHにプレゼントしたい逸品。
このデザインも上のホラー映画を使ったラベルを担当したMASHによる作品。
今回のタイトルは「Return of the Living Red」、つまり1985年のアメリカ映画、バタリアン(原題:The Return of the Living Dead)をもじってるんだよね。
実はSNAKEPIPEはバタリアンを観たことがないので、検索してみると、
Night of the Living Deadのパロディ」とWikipediaに書いてあった。
ということは、パロディのパロディなんだね?(笑)

何のラベルも貼られていないワインボトル。
ワインの首には「Return Of The Living Red」と書かれたタグが。
タグだと思っていた中には、実はカードが入っている。
そのカードが写真右下にある、まるで人体解剖図のようなラベル!
昔の犯罪ファイルを使用したと説明されているんだけど、効果抜群だよね。
非常にそそられる、素敵なパッケージデザインだね!

右の写真はアメリカの漫画出版会社、マーベル・コミックの漫画家を起用したシリーズのワインラベルね。
ポップアートのリキテンスタイン風なら、意外と考える人が多いラベルだったかもしれないけど、アメリカンコミックは面白いかも。
「BADD ASS」と書かれているから、調べてみるとコミックではなく我らがヒーロー、ダニー・トレホが出演している映画「BAD ASS」がヒットする。
ほう、そう言われてみるとパッケージ右のピストル構えてる男性、ちょっとトレホに似て蝶かも!(笑)
ワインの話からズレるけど、トレホの映画観たいなあ!
日本での公開予定はいつなのーーー?
誰か教えてーーー!

最後はこちら。
このワインラベルは、グラフィックデザイナーでイラストレーターのBill Daleの作品。
この方、どうやら乗り物オタクみたいで、HPに載っている作品は全て電車、飛行機、車などの乗り物ばかり!(笑)
いやはや、その素晴らしい出来栄えには驚きますな!
ポスターや絵画の中にあったのが、上のワインラベル。
ミリタリー好きのSNAKEPIPEやROCKHURRAHは、
「そんなに画力があるなら戦闘機のラベルにして!」
とリクエストしたくなっちゃうね。(笑)

見た目美しく、飲んで美味しく、その後飾っておきたくなるような素敵なワインパッケージに実際に出会ったことはない。
結婚式の引き出物などにあるような、オリジナルラベル作りを発展させたらできそうだけどね?
いつか機会があったら、ROCKHURRAH RECORDS版のオリジナルワインラベルを作成してみたいね!

ROCKHURRAH紋章学 ビール・ラベル編

【進化つながりで選んだCF。よくできてるよね!】

SNAKEPIPE WROTE:

8月に入って、益々暑くなったよね。
今年の夏は例年よりも更に厳しい気がするんだけど、これはSNAKEPIPEだけが感じてることじゃないように思う。
行き帰りでの汗だく、連日の寝苦しい夜。
こうも毎日うだるような暑さが続くと、本当に体がついていかないよ~!
やっぱりこれが地球温暖化ってことなのかな?
決して年齢によるものではない、ということにしておこうか。(笑)

さて今回のブログは、カテゴリーを作っておきながら今まで1度しかROCKHURRAHが記事を書いていない「ROCKHURRAH紋章学」をSNAKEPIPEが特集してみたいと思う。
いや、別に誰が書いても良いカテゴリー分けなんだけどね!(笑)

非常に短絡的だと思うんだけど、夏といえばビールだよね!
本当の意味で喉の渇きを癒す飲み物じゃないんだけど、やっぱり夏はビールでしょ。
ということでビールのラベルで、面白そうな物を集めてみたよ。
ん?これってビザール・グッズ選手権みたいじゃない?
ま、どっちでもいいか。(笑)

初めにご紹介するのはWasatch Brew Pub & Breweryで発売しているEVOLUTIONビールだ!
直訳すると「進化ビール」とでもいったら良いのかな。(笑)
猿から人間へと進化していき、人間がビール飲んでるというラベルはなかなか面白いよね?
2006年の世界ビール・カップという大会で銀メダルを受賞している、と記事に書かれているので、ラベルの奇抜さだけじゃなくて味にも自信がある逸品のようだね。
それにしても世界ビール・カップなんて初耳。
これってよくお菓子に「モンド・セレクション受賞」なんて書いてあるのと同じようなタイプの大会なのかもね?(笑)

さてお次もかなりインパクトのあるラベルだよ!
こ、これはプロレスのミル・マスカラスのマスクじゃないの?(笑)
日本人ならマスカラスと思ってしまうだろうけど、どうやらLucha Libreというメキシコスタイルのプロレスマスクから引用されているとのこと。
マスカラスもメキシコ人とのことだから、メキシコ人レスラーにはマスク愛好家が多いのかもね?(笑)
Jose Guizarというメキシコのグラフィック・デザイナーによって作られたラベルなんだって。
黒人のキング(帝国のスタウト)、ブロンドのゴメス(ラガービール)および吸血鬼息子(レッド・エール)と3つの味が楽しめるそうだよ!
このネーミングもLucha Libreから引用されているって書いてあったよ。
これを飲めば強くなれるのかなあ?(笑)

名前が「ダークネス」という、見た目がおどろおどろしいこのラベルもかなりインパクトがあるよね?
Surly Brewing Co.というアメリカのメーカーが発売している季節商品みたいなんだよね。
ロシア皇帝スタウト、という黒ビールみたい。
そしてこのパッケージとは違って、味のほうはチョコレート、さくらんぼ、レーズン、コーヒーなどが入った、かなり甘めでフルーティ!
アルコール分も9.8%とビールにしては高めだね。
このラベルを見た瞬間にROCKHURRAHが
「MAD MASATOみたい!」
と喜んでいたよ。
サイコビリー好きの方は是非ともご賞味あれ!(笑)

では音楽つながり、ということで最後にご紹介するのはこちら!
マイケル・ジャクソンのスリラーからイメージを借用した、その名も「ゾンビール」!
うーん、このダジャレ的なネーミングはもしや、と思ったらやっぱりどうやら日本人が考えてるみたいなんだよね。
そしてそんなオヤジギャグに反応してしまうSNAKEPIPEもやっぱり日本人なんだなあ。(笑)

このビールシリーズは全6本セットになっていて、ジョージ・ハリスンとエリック・クラプトンの元妻であるPattie BoydJohnny CashKurt Cobainなどのアーティストからインスパイアされてデザインされているとのこと。
6色揃うととてもキレイで、インテリアにもなりそうだよね。
日本にはダジャレ部分はあってもオシャレなラベルはなかなか見当たらないから、こんな商品開発したら売れそうだけどね?
日本ではオシャレな商品はヒットしないかな。

世界のビールラベルをもっと調べてみたくなったよ。
もっと面白いのがたくさんありそうだよね!
ROCKHURRAH紋章学はまだまだ続くよ!

ROCKHURRAH紋章学 レーベル・マーク編

【紋章学にちなんで昔の西独逸、地方自治体の構成図。今見てもカッコイイね】

ROCKHURRAH WROTE:

タイトルは大げさだが、やろうとしている事は単純明快。世の中に溢れているロゴマークとかについて語ってみようという誰でも考えつきそうな企画だ。
ただ、ROCKHURRAHがやるからにはやっぱりウチらしく、という切り口で出来たらいいなと思っている。

第一回はやはりROCKHURRAHにとって馴染みの深い、レコード・レーベルのロゴマークについてだ。何度かこのブログを読んで下さっている方には言うまでもない事だが、今回も70〜80年代のパンク、ニュー・ウェイブ限定で話を進めてゆこう。さらに今回もよりによって選んではみたものの、到底盛り上がる話も書けそうにない。最初から企画倒れになりそうな予感満載。まともに書いてたら書いてる本人が苦行となりそうだし、自動筆記の境地でやってみるか。

KOROVA RECORDS
見ればわかる通り、単なる牛だ。これは見る人が見れば一目瞭然、「時計じかけのオレンジ」に登場するコロヴァ・ミルク・バーから連想したレーベル名なのは間違いない。あらゆる意味で革新的だった映画だが、登場する暴力的な若者はナッドサットという独自のスラング(ロシア語由来とのこと)で会話をする。その影響をストレートに表現したのがコロヴァ・レコードのマークというわけだ。ご丁寧にも「時計じかけのオレンジ」と同じような字体にしているから、より一層わかりやすいね。
1980年にデビュー・アルバムをリリースしたリヴァプール発の大型新人、エコー&ザ・バニーメンのヒットにより一躍知られたレーベルなんだが、他にもぽっちゃり型ネオ・サイケの雄、ザ・サウンドやデビュー・シングルのみリリースしたテンポール・テューダー、ケバ顔&水玉で有名な二人女子、ストロベリー・スイッチブレイドなども在籍していたっけか?
レコード盤のレーベル部分もピンクと黄緑というピストルズ風カラフルな色合いでいかにも当時のニュー・ウェイブ真っ盛りの派手さ、そこが良かったな。
何と、デザインについてはほとんど語ってなかったな。というか、ただの牛です。

COCTEAU RECORDS
フランスの大型詩人(巨人という意味ではなくてマルチな活躍をしたアーティストという意味でROCKHURRAHがテキトウに命名)、ジャン・コクトーへの傾倒をストレートに表現したのがコクトー・レコード、何て当たり前の説明だろう。この人の描く漫画、落書きのような簡素なドローイング、そしてサインもそれだけでいっぱしのデザインになってるところがすごい。いかにもサラサラっと描いてる感じだし、それが本業でもないのに、さすが多才。
さて、このコクトー・レーベルを設立したのは70年代にビー・バップ・デラックスを率いていたビル・ネルソンだ。そこではギタリスト兼シンガーだったわけだが、後のバンド、レッド・ノイズやソロとなってからはギター、ベース、ドラムにシンセサイザーなどの主要楽器をほとんど自分一人で担当している場合もあった。その辺のマルチな才能もコクトーに相通ずるところなんだろう。とにかく自分の目標で憧れを直截的に表したのがこのレーベルというわけだ。
そこまでの心意気は立派だが、コクトー・レーベルにはビル・ネルソン本人以外にはこれといって目立つアーティストがいなく、彼の秘蔵っ子と言えるようなバンドもいない寂しい状態だったのは確か。唯一、80年代にちょびっとだけヒットしたシーガル・カット(髪の毛の両サイドがかもめの羽根のように開いてる)の変なヤツ、ア・フロック・オブ・シーガルズがこのレーベル出身という程度か。デビュー曲のみでヒットした「I Ran」は確かメジャー移籍後だったから「あれ(シーガルズ)に目をかけてやったのはワシじゃよ」などとは言えない状態。他にはスキッズ解散後のリチャード・ジョブソンが詩の朗読をしたものやビル・ネルソンの弟イアン・ネルソンがやっていたフィアット・ルクスなどなど、何だか家族・友人といった内輪の世界でやっていた私家レーベルという印象がある。
あっ、またしてもデザインについて何も語ってなかった。というかビル・ネルソン要素は全くなくてただのコクトーです。

KABUKI RECORDS
歌舞伎もカブキ・ロックスも特に興味はないが、外国人が日本の文化について目をつけて紹介したようなものを見るとつい見入ってしまう。その辺の感覚を深く掘り下げて語るほどのヒマはないから考察はしないが、単なる外国かぶれなのかね?
屏風で同じようなものがもしあったとしても特に何とも思わないけど、それがスカジャンの柄になったらカッコイイと思う、そういうのと一緒か。
まあそれは特に関係ないが日本の文化、歌舞伎をレーベル名にしたのがこれだ。単にKABUKIと下に書いてあるだけで何か洋風、カッコイイと思ってしまうROCKHURRAHは単純すぎる気もする。絵を見てもよくわからないがおそらく歌舞伎の一場面なんだろう。
このKABUKIレーベル、たまたま持っていたKissed Airというアイルランドのバンドのレーベルらしい。ちょっとファンクな要素があるけど全体としてはダークなトーンで地味なバンドという印象だ。ギャング・オブ・フォーとかグラクソ・ベイビーズとかその辺を小型化したような音楽に感じる。他にはマイクロディズニーとかオペレーティング・シアターなどもここの出身なんだが残念なことに名前程度しか知らない。だったら書くなよー、といういつものROCKHURRAHのパターンになってしまうが、好きじゃないものについてでもこんなに長文書けてしまうのも何かの才能、まあ良いではないか。
デザインは特にこのレーベル特有のものではなく、ただの歌舞伎です。

MERCIFUL RELEASE
最後にやっと紋章っぽくなってきたな。んがしかし、このマークについて何か書けって言われても「よくわからん」としか言いようがないよ。トホホだよ。
かつてプラモデル好きでよく作っていたROCKHURRAH(少年時代)だが、その当時は人体模型のようなプラモが確かあったように記憶する。しかし戦車や戦闘機、サンダーバードやマイティジャックの秘密基地とかそういうものにばかり興味あったので、人体模型のような世界には走らなかった。そっち方面を極めて今の自分が形成された、などと言えた方がROCKHURRAHっぽいような気がするが。本当は血を見るのも解剖も大嫌いだがイタリアにあるラ・スペコラ解剖博物館所蔵の人形などを見ると、無条件に見に行きたくなってしまう。
前置き長すぎて何を書こうとしてたか忘れてしまったが、このマーシフル・リリースのシンボルが人体模型をちょっと思わせる、という一文を書きたかっただけ。とりとめのない割には大した事書けなくて申し訳ない。
このマーシフル・リリースはポジティブ・パンク、ゴシックの帝王と呼ばれたバンド、シスターズ・オブ・マーシーがほぼ独占していた。このバンドのファン以外は「何これ?」の世界だろうと推測はつくが、大きくても小さくてもレーベル・マークなんてのは作った人(あるいは選んだ人)の好き勝手。外部の人にとっては意味不明でも本人にとって何か意味があればそれでいいんだろう。
紋章学と銘打っておきながら結局デザインについては何も語らなかったなあ。

というわけで駆け足、企画倒れの記事になってしまったようだが、世の中には至る所にロゴ・マークが転がってる。まだまだ色々な切り口で語る事が出来るはずなので、これからも新シリーズとしてやってゆきたいと思う。

では発売日に買った「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」の攻略の続きでもやりますかな。もう一応終わったけどギラヒム様、強すぎ。