映画の殿 第64号 韓国ドラマ編 part19

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【毎回表紙を担当してくれるROCKHURRAHに感謝だね!】

SNAKEPIPE WROTE:

数ヶ月おきに更新しているカテゴリー「映画の殿」韓国ドラマ編をお送りしよう。
今回はたまたま話数が短いドラマを連続して観たんだよね。
毎回同じ文章を書いているように、紹介するのはROCKHURRAH RECORDSが鑑賞した順番で、制作年順でないので4649!(笑)

最初は「ドクタースランプ(原題:닥터슬럼프 2024年)」から。
このタイトルを聞いて、誰もが鳥山明の「Dr.スランプ」を思い浮かべてしまうはずだけど、当然ながら全く関連はないからね!
ボーイズ・グループ出身で「花郎(原題:화랑 2016年)」などで見覚えがあるパク・ヒョンシクと、「アルハンブラ宮殿の思い出(原題:알함브라 궁전의 추억 2018年)」や「シーシュポス: The Myth(原題:시지프스: the myth 2021年)」などでヒロインを演じたパク・シネが主役のドラマだよ。
あらすじとトレイラーはこちら。

思いがけない再会を果たした、高校時代のライバル同士。
医師として前途有望だったもののスランプに陥ってしまったふたりは、やがて互いの存在に癒やしを感じるようになり…。(Netflixより)

現在と高校時代が交錯してドラマが進んでいく。
パク・ヒョンシク32歳、パク・シネ34歳だけれど、制服を着て高校生役を演じているところがすごい!
あまり違和感がなかったからね。
ライバルとして憎み合っていたのに、互いに惹かれ合うストーリー展開はそんなに目新しくはなかったかも。
パク・シネのお母さん役が「愛の不時着(原題:사랑의 불시착 2019年)」や「パラサイト(原題:기생충 2019年)」に出演していたチャン・ヘジン、「他人は地獄だ(原題:타인은 지옥이다) 2019年)」や「ナルコの神(原題:수리남 2022年)」で知っていたヒョン・ボンシクが叔父の役で出演していて、脇が良い味出してたね。
基本的にラブ・ストーリーは得意ではないけれど、好きなバイプレーヤーが出演しているドラマは好きだよ!

殺人者のパラドックス(原題:살인자ㅇ난감 2024年)」はウェブトゥーンが原作のドラマ。
「パラサイト 半地下の家族」や「その年、私たちは(原題:그 해 우리는 2021年)」で有名なチェ・ウシクと「サバイバー: 60日間の大統領(原題:60일, 지정생존자 2019年)」や「私の解放日誌(原題:나의 해방일지 2022年)」でクセのある役を演じていたソン・ソックが主演と知っただけで、面白そうだよね!
監督は「他人は地獄だ」のイ・チャンヒというので、ますます期待しちゃうよ。
あらすじとトレイラーを載せておこう。

平凡な大学生イ・タンは、毎日を流されるまま暮らしていた。
コンビニでのバイトを終えたある夜の帰り道、彼は思いもよらず殺人を犯してしまう。
自分がしでかしたことの恐怖に怯えるタンだったが、その後予想外の事実が発覚する。
なんと自分が殺した男が、かつて凶悪な殺人事件を起こした指名手配犯だったのだ。
その後も偶発的な殺人に手を染めていくタンだったが、そのすべての被害者が罪深い犯罪者で、さらにタンの犯行の証拠も残らず、疑惑から免れ続けた。
一方、当初からタンに目をつけていた刑事チャン・ナンガムは、執拗に彼を追っていく。(Movie Walkerより)

チェ・ウシクのコンビニ店員役が非常に自然で、偶発的に殺人を犯してしまうところがリアルだった。
回を追うごとにチェ・ウシクの顔つきが変わってくるところは、さすがの演技力!
追いかける刑事役のソン・ソックの熱血ぶりも印象的だった。
妄想シーンが混入するところが面白かった。
過剰なほどに強烈な色彩は、ウォン・カーウァイ監督の「天使の涙(原題:堕落天使 1995年)」みたいでスタイリッシュだったよ。
犯罪者を断罪する行為が正義であると信じてしまいそうになる。
この錯覚を問題提起しているのかも。
8話という、少し短めのドラマだけど見応えあっておススメだよ!

サイコキネシス -念力-(原題:염력 2018年)」や「エクストリーム・ジョブ(原題:극한직업 2019年)」のリュ・スンリョンが主役のコメディ「タッカンジョン(原題닭강정 2024年)」は、左のポスターだけでも「おバカ」な雰囲気がプンプンするよね!(笑)
右にいるのは「恋のスケッチ〜応答せよ1988〜(原題:응답하라 1988 2015年)」に出演していアン・ジェホン。
真ん中に小さく写っているのは「太陽を抱く月(原題:해를 품은 달 2012年)」で「国民の妹」「時代劇の妖精」と呼ばれるキム・ユジョン。
こちらも原作はウェブトゥーンで、「エクストリーム・ジョブ」のイ・ビョンホンが監督している。
リュ・スンリョンとはお馴染みの仲ってことだね!

不思議な機械に足を踏み入れた女性が、なんとタッカンジョンに変身!?
娘を人間に戻したい父親は、彼女に想いを寄せる男とともに奇妙な大冒険に乗り出す。(Netflixより)

ちなみにタッカンジョンとは、鶏の唐揚げにコチュジャンと水飴などのタレを絡めた料理のこと。
おやつにもおかずにもなる一品だという。
レシピが載っているので作ってみようかな。(笑)
ドラマは漫画が原作なだけあって荒唐無稽なストーリーなんだよね。
かなりバカバカしいけれど、リュ・スンリョンの大ファンなので最後まで鑑賞したよ。
安室奈美恵ファンをアムラーといっていたように、イエローパンツのファンをイエミーと呼んでいたところに大笑いした。(笑)
ネタバレになるので詳しく言えないんだけどね!
出演している俳優や監督のファンの方にはおススメのドラマだよ。

最後は「涙の女王(原題:눈물의 여왕 2024年)」ね。
サイコだけど大丈夫(原題:사이코지만 괜찮아 2020年)」や「ある日〜真実のベール(原題:어느 날 2021年)」のキム・スヒョンと「私の解放日誌(原題나의 해방일지 2022年)」のキム・ジウォンが主演のドラマなんだよね。
Wikipediaによると、最終話の視聴率が「愛の不時着」を超えたとのこと。
パク・ジウンという女性脚本家が「涙の女王」も「愛の不時着」も手掛けているというから、ヒットメーカーなんだね。
ROCKHURRAH RECORDSでは、この脚本家の作品は「プロデューサー(原題:프로듀사 2015年)」を観てることが分かったよ。

「涙の女王」のあらすじとトレイラーはこちら!

結婚生活の危機を迎えていたデパート業界の女王と田舎出身の夫。
そんなふたりの間に、奇跡のように再び愛が芽生え始めて…。(Netflixより)

ツンとした冷たい態度を取るヒロインという設定が、最初に書いた「ドクタースランプ」に似ていると思ってしまった。
離婚直前の冷え切った関係が変化するというストーリーも、そこまで新鮮ではなかった。
以前も「SNAKEPIPEは田舎が舞台のドラマが好きなのかも」と書いていたように、「涙の女王」でも面白かったのは、夫の実家がある田舎の話!
財閥のお嬢様や家族が、田舎暮らしに慣れていくところが良かったよ。

今回は4本のドラマを紹介したよ!
4本とも2024年の新作だったね。
この中では、「殺人者のパラドックス」をオススメするよ。
ストーリーも映像も面白かったからね。
新作がどんどん発表されているので、ドラマ鑑賞は終わらないよ!(笑)

ROCKHURRAH紋章学 ペントアワード編2

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【ジョルジオ・デ・キリコがデザインしたビール缶(うそ)】

SNAKEPIPE WROTE:

世界的に有名な国際的パッケージング・デザイン・コンペティションである「pentawards(ペントアワード)」で、特賞であるダイヤモンド賞を受賞した作品を特集する第2弾!
ペントアワード編 第1弾は2007年から2012年までの6作品を紹介したよね。
今回は2013年から始めよう!
どんなデザインが登場するかな?

スウェーデンのアブソルート ユニーク ウォッカは、色鮮やかで目を引くね。
このパッケージ・デザインには大きな秘密があるんだよ!
注意深く編成された無作為性を作り出すために、生産ライン全体を再設計したという。
スプラッシュガンと色を生成する機械が設置され、配置アルゴリズムのプログラミングを行ったらしい。
35色、51種類のパターンにより完全にユニーク性(単独性)が実現されたパッケージ・デザインと聞いて驚くよね!
2つ同じ商品がない、というのは魅力的。
日本でも購入できるようなので、手に入れてみたいね。
パイナップルジュースとジンジャーエールで割り、ミントの葉で香りを加える飲み方が紹介されていて、とてもそそられるよ。(笑)

2014年はエビアンが受賞。
世界で最も有名なミネラル・ウォーターだよね。
「Pure Drop」と名付けられた、ぷっくりと丸いデザインがキュート!
200mlという飲みきりサイズで、片手で折り畳めるエコ商品だという。
こんなにカワイイから潰すのは勿体ないと思ってしまう、貧乏性のSNAKEPIPEだよ。(笑)
「革新的で、ミニマリスト。モダンでオーガニックかつシックなデザイン」と審査員の評価を得たという。
これ以上ない、というほどの賛辞だよね。
デザインを手掛けたフランスのGrand Angle Designについて調べてみたけど、ウェブサイトが閉鎖されていて詳細は不明。
受賞は10年前になるので、「世の中変わっているんだよ(日吉ミミ)」ってことなのかな。(古過ぎ!)

2015年はマーク・ジェイコブスのコスメ・デザインがダイヤモンド賞を受賞している。
まるで弾丸のような形をしたピカピカ光るシルバー色!
バッグから、わざと落として人目を引きたくなるよね。(笑)
口紅を塗り直しているだけで、オシャレな人に見られること間違いなし!
これはSNAKEPIPEも欲しくなってしまったよ。
デザインを手掛けたのは、ニューヨークを拠点にしているEstablished
インダストリアル・デザインを学んだSam O’Donahueとケンブリッジ大学卒で弁護士の妻Becky Jonesが2007年に設立した会社だという。
夫婦二人三脚というと爪に火をともすイメージだけど、Establishedは大手の顧客をたくさん持っていて華々しいよ。(笑)
ペントアワードでの常連になっている会社なんだね。
頭もセンスも良い人達って、鬼に金棒だわ。(笑)

2016年はドミノ・ピザ!
ROCKHURRAH RECORDSの事務所から徒歩圏内に店舗があるためなのか、赤と青の看板は見慣れてしまったかも。
ピザを注文したことがないSNAKEPIPEですら、この2色を見たら、すぐにドミノ・ピザだと分かるし。
ちなみにROCKHURRAH RECORDSでは、ROCKHURRAHがピザ生地を担当して、ピザは自作しているんだよね!(笑)
ドミノ・ピザを象徴する赤青の2色は、今から8年前にロンドンを拠点とするJones Knowles Ritchieによってデザインされたという。
ドミノ・ピザは96%の人が2枚注文することが、赤と青の箱にした理由なんだって。
「シンプル・イズ・ベスト」がペントアワードのモットーとのこと。
ピザの箱自体は変化していないのに、視覚効果抜群だったってことだね!

2017年に受賞したStarck Parisはフランス製の香水なんだね。
フランスの建築家であり様々なデザインを手掛けるフィリップ・スタルクが、香水業界に進出し、新しいコレクションを発表したのが、この商品だって。
スペインのPerfumes y Diseñoが制作したんだね。
男性用、女性用、ユニセックスという3種類の香水は、3つのパッケージを並べると流れる彫刻のように見える仕掛けになっているんだとか。
画像でみると確かに「つながって」いるよね!
その美しさと精巧さが評価され、受賞にいたったという。
「美しく柔らかく洗練されている香り」らしいので、一度かいでみたいね!(笑)

今回は2013年から2017年のダイヤモンド賞受賞作品を紹介してみたよ!
エビアンやドミノ・ピザなどの世界的に有名な企業が、デザインに力を入れていることが分かる。
パッケージ・デザインはブランド・イメージに重要な要素であり、視覚からの情報は売上に直結するからね!
気づいていないだけで、SNAKEPIPEもブランド情報の刷り込みされているんだろうな。(笑)
2018年からの続きは次回にしよう。
どうぞお楽しみに!

高木由利子 カオスコスモス 弐 —桜— 鑑賞

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【ジャイルギャラリーの入口を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

表参道のジャイルギャラリーで高木由利子の写真展「カオスコスモス 弐 —桜—」が開催されている。
これは2022年11月の「カオスコスモス 壱 氷結過程」に続くシリーズ企画なんだね。
モノクロームのカッコ良い写真展だったことを思い出す。
カオスコスモス・シリーズ第2弾も是非鑑賞しよう!
ゴールデン・ウィークの初日、ROCKHURRAHと一緒に表参道に向かったのである。

家を出た時には少し雨がパラついていたけれど、表参道に着いた時にはやんでいた。
最近では、ROCKHURRAHは雨男という噂が消えつつあるよ。(笑)
以前は出かける度に雨だったからね。

今回はROCKHURRAHがApple Storeに用事があったので、先に立ち寄る。
店内に入ったのは初めてかも?
早い時間からお客さんがいっぱい。
店員の数もかなり多くて、受付から完了するまでに4人の店員が入れ替わりながら対応してくれた。
プロセス毎に担当が決まってるみたい。
この方式のほうが効率が良いのか疑問だけど、ひとまずROCKHURRAHの心配事が解決して良かったよ!

原宿方面に向かい、少し歩いてみる。
気温と湿度が高めだったけれど、日差しがないので歩きやすい。
散歩していると、以前あったはずの店が閉店していたり、全く別の店がオープンしていたりして変化を感じるね。
気に入っていたお店がなくなっているのは寂しいけれど、原宿近辺は弱肉強食の世界だもんね。
ランチに良い店を探しておかないと。(笑)

ジャイルギャラリーに向かうと、受付の女性以外にもう一人、白髪が混ざった長い三つ編みを垂らした女性がいる。
なんと高木由利子ご本人がいらっしゃるとは!
アーティストご本人が会場にいる、というのは2020年3月の「生命のインテリジェンス展」での河口洋一郎以来かも。
河口洋一郎にも記念撮影のお願いをしなかったように、高木由利子にも話しかけることはできなかったよ。
ROCKHURRAHもSNAKEPIPEも、意外とシャイなんだよね。(笑)

作品を観ていこう。
展覧会のポスターにもなっている大型作品は、会場入ってすぐの目立つ場所に展示されていた。
桜と聞かなければ、遥か彼方にある惑星を撮影したように見えてしまう。
もしくは海に浮かぶ無人島を俯瞰したような。
桜をモノクロームで見せることも新鮮だよね。

4枚の組写真は、展示方法が斬新だった。
床に直接作品を置く展示方法は、2020年2月に東京オペラシティアートギャラリーの「白髪一雄展」にもあったっけ。
白髪一雄の作品は非常に見辛かったけれど、今回の高木由利子展では効果的だと思ったよ。
組写真のためなのか、連続性と作品の広がりを感じたSNAKEPIPE。
横断歩道に舞い落ちた桜の花をモチーフにして、角度を変えて切り取ったのかなと想像する。
構図と見せ方がとても好きな作品だよ!

桜の木がダイナミックに表現されている作品。
よく見ると、表面がボコボコしているんだよね。
横125cm縦200cmという大型の作品が5枚並んでいる様は圧巻!
表面のボコボコが気になって、キャプションを確認すると「UVプリント、布:KONBU」と書かれていた。
調べてみると、どうやら小松マテーレが開発した「KONBU®」というナイロン素材を使用していたみたい。
印画紙にプリントしたら印象が違うんだろうね。
立体感が面白かったよ。

モノクロームに「ほんのり」ピンク色が足された作品。
これも惑星、もしくは台風や雲の様子を衛星から見ているよう。
ボコボコした表面から分かるように、こちらも「KONBU®」にプリントしているんだね。
桜の開花を待ち望む日本の文化とは違い、高木由利子は散る時に興味があるという。
そして樹齢150年の山桜と共に生活しているというエピソードが紹介されていた。
山と桜に一目惚れして移住を即決するなんて、パワフル!
そのフットワークの軽さが作品創りにもつながっているんだろうね。

まるで葛飾北斎の「富嶽三十六景」のように見える作品。
シルバーの台座の右寄り、もしくは左寄りに配置されているためなのか、浮世絵っぽいんだよね。
竹を使った和紙にピエゾグラフ・プリントをしているという。
ピエゾグラフはエプソンの商標名で、一般的にはジークレー・プリントというデジタル版画のことだとか。
リトグラフやシルクスクリーンは、ジークレーに移行しているんだって。
新しい素材や技法について調べて、勉強になったよ。(笑)

高木由利子の「カオスコスモス」シリーズ第2弾の桜、とても良かった!
今まで見たことがない桜の作品は、ROCKHURRAHとSNAKEPIPEの知覚を広げてくれたと思う。
きっと来年の花見で、影響を受けた写真を撮るはずだからね。(笑)
「カオスコスモス」第3弾の開催を楽しみに待っていよう!

ROCKHURRAH紋章学 ペントアワード編

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L’Anjub Breweryのベラ・チャオはMarçalデザインのインパクトがあるパッケージ!】

SNAKEPIPE WROTE:

約3ヶ月ぶりに更新するカテゴリー「ROCKHURRAH紋章学」。
今回は、世界的に有名な国際的なパッケージング・デザイン・コンペティションである「pentawards(ペントアワード)」を特集していこう。

ペントアワードは、2007年に設立され、賞の運営本部はベルギーのブリュッセルに置かれているという。
優れたパッケージング・デザインを称賛し、業界のイノベーションとクリエイティビティを奨励することを目的としているペントアワード。
受賞作品は、世界中のデザイン・コミュニティやメディアで注目され、国際的な認知と名声を得る機会となっているというから、デザイナー垂涎の的だろうね!
毎年数千を超えるエントリーがある中、ダイヤモンド、プラチナ、金、銀、銅という受賞作が決定される。
なんだか楽天会員のレベルみたいだね。(笑)
2023年の受賞作は全部で392あるけれど、ナンバーワンのダイヤモンド受賞は1作品のみ。
毎年1作品だけ、もしくは該当なしとなっている厳しい審査が待っているようだね。
2007年からのダイヤモンド受賞作を古い順に見ていこう!
世界トップレベルのデザイン、楽しみだね。(笑)

2007年ペントアワード初回のダイヤモンド賞受賞作品はこちら。
デザインブリッジ・アムステルダムがデザインしたSwinckelsというビールだよ!
オランダのビールといえばハイネケンを思い浮かべてしまうけれど、スウィンケルズも知名度が高いビール・メーカーとのこと。
創業1680年というから340年以上の歴史があるんだね。
画像で見ているだけでは、ダイヤモンド賞受賞の決め手になる優れたデザイン性を感じることができないSNAKEPIPE。
今から17年前には斬新だったデザインが、今では特別感がなくなっているのかもしれない。
実物を見てみたいよね!

2008年の受賞作品は、フランスのPiper Heidsieck (パイパー・エドシック)。
パイパー・エドシックは1785年に創業したシャンパーニュ・メゾンで、なんとあのマリー・アントワネットに献上されたという。
マリリン・モンローは「毎晩1滴のシャネルNo.5を纏って眠り、毎朝一杯のパイパー・エドシックで目覚める」と語っていたとか。
シャネルの話には続きがあるとは知らなかったよ。(笑)
ダイヤモンド賞を受賞した限定版のシャンパンをデザインしたのは、フランスのSleever International
ボトルを完全に逆さまにしてるんだよね!
格式高いブランドが面白さを売りにしただけではなく、品質にも文句なしと太鼓判を押す商品に仕上げている点が評価されたのかな。
コルクの部分がどうなっているのか謎だね!

2009年はティッシュでお馴染みのクリネックスが受賞。
三角形のボックスに描かれたジューシーな果物は、見ていて楽しいよね!
アメリカでは、このクリネックスが大ヒットしたみたいだよ。
日本では四角い箱のタイプしか販売されていないので残念。
「スライス・オブ・サマー」と名付けられたパッケージのイラストを描いたのはヒロコ・サンダース
今にも果汁が流れ出してきそうなリアルな仕上がりだよね!
ヒロコ・サンダースのサイトには、イラスト以外にも商品化されたパッケージ・デザインが載っていて、日本の商品も手掛けていたことがわかる。
コンビニやスーパーで目にしていたかもしれないよね!

2010年のダイヤモンド賞には、日本のメーカーであるホーユー株式会社の3210(ミニイレ)のパッケージが選ばれたんだね。
日本のデザインが世界のトップに輝くとはすごい!
ホーユーはヘアカラーで有名な会社だよね。
受賞した作品は美容室で使用されるプロ用のスタイリング剤とのことなので、一般には流通していないんだね。
デザインを手掛けたのは株式会社アサツー ディ・ケイ(ADK)。
くにゃっとした不思議な形は、手に馴染むように工夫されているという。
心地良い重さも重視し、ガラスが採用されているんだって。
美容室で見かけたら触らせてもらいたいね!

2011年はスウェーデンのミネラルウォーター・ブランドであるRamlösa(ラムローサ)がトップの座に。
ラムローサは北欧で人気のある発泡性の高級ミネラルウォーターとのこと。
炭酸ミネラルウォーターといえばペリエを思い浮かべるけど、ラムローサは日本でも販売されているのは不明だよ。
受賞作はGROWがデザインしたという。
ここまで書いて、2019年10月の「ROCKHURRAH紋章学 ウォーター・ボトル編」でも特集していたことを思い出したよ!(笑)

PETボトルでこのカッティングとは!
二酸化炭素排出量を大幅に削減し、デザイン・アワードも受賞したというから大成功だよね。
このスパークリング・ウォーター飲んでみたいよ!

以前書いていたことと同じことを言おうとしてしまった。
書いていたことを思い出しただけでもエライ、ということにしておこう。(笑)

2012年はコカ・コーラのダイエット・コークがダイヤモンド賞を受賞。
担当したのはTurner Duckworthという1992年創業のロンドン、ニューヨーク、サンフランシスコに拠点があるデザイン事務所だという。
ターナー・ダックワースのサイトを見ると、世界的に有名な企業がクライアントになっていることがわかるよ。
ダイエット・コークのデザインは、シルバーをバックに黒と赤だけを使用し、フォントだけで勝負して非常にシンプルだよね。
このズバッと切り取ったところが潔くてカッコ良い!
缶の形などは変わってないのに、新鮮に見せるところがテクニックなんだろうね。

今回は2007年から2012年までの6作品を特集してみたよ!
世界レベルの優れたパッケージ・デザインは見ていて楽しいね。
2023年までの受賞作を紹介するのは、次回以降にしよう。
続きをお楽しみに!