3D酔いにご注意!POVショットについて

【撮影中のミステリーマン。デヴィッド・リンチ監督「ロスト・ハイウェイ」より】

SNAKEPIPE WROTE:

最近は週に2~3本の映画を観ているSNAKEPIPE。
昔のモノからDVDになったばかりのモノまでなんでもアリ!
たまたま珍しく最近の作品を観ていて気になったのがPOV(Point Of View)、いわゆる主観映像の映画である。
今現在レンタル屋さんで「最新コーナー」に並んでいるであろう「●REC」、ちょっと前に出た「クローバーフィールド」、そして公開されたばかりの「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」。
この手の映画の先駆け、ということで「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」を含む4本について書いていこうか。
まだご覧になってない方は「ネタバレ」の部分があるかもしれないので、ご注意を!

まずは主観映画先駆けの「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」から。
1999年の低予算で制作されたアメリカのインディーズ映画。
公開された当初にかなり話題になっていたし、謎の多い映画とも聞いていたのだけれど当時は鑑賞せず。
後述の映画との比較のために今回初めて観てみた。

女性1人、男性2人の3人の大学生がブレア地方に伝わる魔女伝説を求めてドキュメンタリー映画を作ろうとする話である。
自主制作映画を作る、という設定だけあってカメラも素人丸出し!
そのせいでブレや揺れが多いこの作品を観た後は気分が悪くなってしまう。
3人にはあまり魅力もなく、それぞれが言い分を通すための言い争いやケンカのシーンが非常に多くてイライラさせられる。
逆にそれがリアルな感じなのかもしれないけど。
そして「何かがある」「誰かがいる」という雰囲気を匂わせるけれど結局は何だったのか判らないまま映画は終わり、記録としての映像だけが残される。
映画というよりはドキュメントで、一体何だったのか解らないところが怖い。
謎だけが残されて、あとは想像するしかないPOV映画のヒット1作目である。
アイデア勝負ですな!(笑)

続いて「クローバーフィールド」。
2008年のアメリカ映画、SFとも怪獣映画、とも書かれている。
CFで流れていた、自由の女神の首が落下する衝撃的なシーンに見覚えがある人も多いと思う。
ニューヨークで惨事、というのはなんとなくタブーのように思っていたけど、オッケーなのかしらね?
映画の中で「また9.11のような出来事?」なんて台詞もあったけど。
説明は全くなく、停電、地響き、ビルの倒壊と惨事が続く。
パニックになるのも当然だな。
そして突然、怪獣が登場する
この映画の場合は「ちょっとカメラ持ってて」くらいの軽い動機で始まった撮影だったはずなのに、どんな時でも撮影し続けることに無理を感じてしまう。
カメラを持つのが初めて、というのが信じられないくらい撮影が上手い。
仲間や好きな女が危険な目に遭っていても、冷静に撮影を続ける冷酷なジャーナリストに変化している。
レンズを通すと全てが疑似現実化してしまうのか。
記録者としての使命感に燃えてしまうのか。
撮影を続けていた彼も横倒しになり、もう対象を追いかけない映像によりその最期を知ることになる。
迫力のある、破壊的で臨場感溢れる映像。
まるで自分もそこにいるかのような雰囲気に圧倒される。
結局何故、とか何、という説明は全くなく映画は終わる。

次「●REC」。
この映画は去年「スターシップ・トゥルーパーズ3」を観に行った時に上映されていて、宣伝看板を観て非常に興味を持ちDVD化を待っていた。
その時に読んだ宣伝文句はあまりよく覚えていなかったので、何の予備知識もないままに観た。
2007年のスペイン映画。
今までスペイン映画って観たことないかも?
この映画はテレビ局のカメラが取材中に起きた出来事を記録する、という設定なので展開にあまり無理がない。
レポーター役の女性が単なる「カワイ子ちゃん」なのかと思ったら、報道に命張ってますくらいの根性で「全部撮影するのよっ!」と絶叫するのがびっくりだったけど!

閉ざされた空間で、今さっきまで普通に話をしていた人が豹変する恐ろしさ。
唾液によって感染し、凶暴になり人に襲いかかる。
原因だと匂わせるエピソードは挿入されてはいるけれど、はっきり言明されてはいない。
ジョージ・A・ロメロ監督の「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」と酷似したシチュエーションだ、とROCKHURRAHが言う。
キャッチコピーにスペインで150万人が絶叫、と書いてあったのがよく解る怖い映画である。
恐らく製作サイドは先人をよく勉強して恐怖について研究したんだろうな、と予想する。
羊たちの沈黙」でも使われた暗視カメラの映像なんかもあったしね。
以前キューブリックについて書いた時に、恐怖指数を研究している大学があり、いくつかの要素が不可欠とされていたのを思い出した。
少人数の閉鎖された環境において何者かに追われて血が流れ、いかにもありそうなシチュエーション、というような設定。
この黄金率を見事に演出に取り入れた「優等生タイプのホラー映画」かな。(笑)
最後に出てきた人、マリリン・マンソンじゃないの?違う?

最後は「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」。
ゾンビ映画の第一人者、ジョージ・A・ロメロ監督の最新作である。
「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」(1968年)より約40年間ゾンビを撮り続けるとは!
本当はロメロ監督にメロメロの(ぷっ)ROCKHURRAHに筆を譲ったほうが良さそうなんだけどね。
今回はある事情により「字幕なし」でこの映画を鑑賞することになったため、細かいところは解らないまま。(ヒアリングの問題ね)

大学生が映画制作をしている時に事件に遭遇、という「カメラがあって不自然じゃない」設定になっている。
前述した「●REC」のほうを先に観ていたので「あれ?同じじゃん」と思ってしまった。
事件発生の手順が全く同じ。
びっくりさせちゃおう、と考える思考にさほどの違いがないってことか。
「ロメロ=ゾンビ=怖い」という今までの図式と今回は少し違っていて、ロメロ監督が今までのゾンビ映画の「焼き直し」にならないように心がけたんだろうな、と推測。

デッドシリーズとして、いわゆるゾンビ映画として本作を鑑賞すると、期待を裏切られた気分になるかもしれない。
状況は全体に似ていて、今回は映画を作ろうと集まったメンバーがゾンビから逃げるために安全な場所を求めて移動する話である。
決定的に今までと違うのはゾンビの数。
以前の、そこかしこからワラワラとゾンビが出てきて、いつの間にか囲まれている状況にはならない。
今回は追い詰められる恐怖はほとんどない。
仲間がゾンビになりかかってるのに普通に話してるのが怖い。
特殊メイクもややおとなしめ。
ただ頭にかかった硫酸がどんどん顔を溶かしていくシーンは圧巻!
あれはどうやって撮影したんだろう?

以前観たDVDの特典映像にメイキングが収録されていて、特殊効果についての種明かしがされていた。
映画を鑑賞し終えた後で、あれは実はこうやって撮影したんだよ、と教えてもらうのは楽しかったけれど、今回はその種明かしが頭をよぎりながら鑑賞してしまったため、興ざめの感があったのも事実。
ファンサービスがマイナスになっちゃうとは残念!
前作より現代風に設定されていて、ネットにゾンビ映像をアップさせたら7万2千件のアクセスがあった、と喜ぶシーンや東京からの携帯サイトの映像が挿入されているのは面白かった。

POV映画の共通点についてまとめてみようか。
1.撮影者がジャーナリスト魂に燃える
2.突然、理由も分からないままに事象に巻き込まれる
3.なぜか日本が登場する(ブレア・ウィッチ・プロジェクト以外の3本)
4.横倒しになった映像で終わる
5.2(続き)を予感させる

かつてはあまり一般的ではなかったホームビデオカメラが、一家に一台とまでは言わないけど、所持してる人口が増えたことで身近な方法としてPOVが考えられたのかな。
カメラマン(ウーマン)は完全な裏方でカメラを扱う人がいることを感じさせないのが通常の映画だったはず。
それを根底から覆すPOVショット。
出演者がカメラに語りかけるような映画は観たことあるけどね。
突然誰もが衝撃映像を撮影する可能性があるかもしれない、というリアリティがポイントなんだね。

いやあ、それにしてもROCKHURRAHもSNAKEPIPEも車に酔い易いタイプなので、手持ちカメラの映像を観るのはしんどかった!(笑)
皆様も3D酔いにご注意の上、ご鑑賞ください!

No Country , No Life!


【おかっぱ系?4名様大集合!(笑)】

SNAKEPIPE WROTE:

やっと話題の映画「No Country」を観た。
以前より劇場で鑑賞済みの友人2人から「おもしろいよ!」と薦められていた作品である。
ご存知コーエン兄弟が監督・脚本などを手がけている2007年(日本公開は2008年)の映画。
1996年の「ファーゴ」との比較や感想を軽くまとめてみたい。
(ネタバレの箇所がありますので、これから観ようと思う方はご注意を!)

静寂の風景からスタート。
開始からほんの数分で「おかっぱ頭」の男の犯行シーン。
それにしてもなんでこんなヘンな髪型なんだろ!(笑)
かなり迫力のある力任せの壮絶なコロシ。
ところが、事件はこれだけじゃないんだよね!
その後も無差別に「自分にとって都合が悪い相手」をバンバン殺す。
「おかっぱ頭」には彼独自の哲学(美学?)があって、その原理にのっとって行動しているらしいんだけれど。
粘着質の変質的なサイコキラーだ。
ハンニバル・レクター(「羊たちの沈黙」で有名な博士)に匹敵する犯罪者」
のような記事をいくつか発見したけど、SNAKEPIPEはそうは思わなかったな。
レクター博士は知的で芸術肌の犯罪者だからだ。(ヘンな表現だけど)
そしてレクター博士は武器を使わない。
この「おかっぱ頭」は屠殺用エアガンを使って犯行に及ぶのだ。

ここで余談であるが、先日ROCKHURRAHの薦めで観たトビー・フーパーの「悪魔のいけにえ」の中にも牛を殺す話が出てきたことを思い出す。
「昔はかなづちで頭を叩いたもんだけど、今はエアガンだってよ」
この映画の中では「かなづちこそが正当」とエアガンは邪道のような言い方がされていたけれど、これもまた犯罪者独特の美学なんだろう。

大金を手に入れたあたりから、ドラマチックになってくる。
逃げるカウボーイハット、追う「おかっぱ頭」。
追う、追われるの構図はいつでも手に汗握るほどスリリングで、できれば大金持ってうまく逃げて欲しいと心の中で念じてしまう。
ところがっ!
そうはうまくいかないのね。
それにしてもカウボーイハットが誰に撃たれたのかはっきりしない。
「おにいさん、ビール飲まない?」
なんて誘ってた女もグルだったのか?
よく分からない組織の手下の仕業だろうくらいの予想はつくけれど、通常だったら描かれるはずのドラマが突然終了している。
勝手に準主役だろうと思っていたカウボーイハットは意外とあっさり映画の中から消えてしまったのだ。

この「通常なら描かれるはずのドラマ」の部分を恐らく故意に排除したのが「No Country」でエンターテインメントに仕上げたのが「ファーゴ」かな、と思う。
「ファーゴ」では「あの後どうなったんだろう」と予想することはなく、すっきりエンディングを迎えることができた。
ところが今回の「No Country」は尻切れトンボだらけ!
いきなり死体だけが映っていて、その間のストーリーがない。
話が途中で終わることが多く、その後が分からない。
もどかしいのである。

しかしこれは毎日見聞きするニュース報道に近い感覚ではないか、と思う。
何かしらの事件が起きて、犯人が捕まっていない場合は証拠や証言から事件を想像するしかない。
語られない部分が多いのがほとんどだろう。
現実世界でも膨大な数の事件が一度は話題になったとしても、あやふやで尻つぼみの報道のために結末を知らないままになっていることが多い。
毎日の事件が多過ぎて、最後まで伝えてくれないからだ。
そして事件そのものも時と共に人の記憶から薄らいでいく。
その意味では「No Country」はリアリティあふれる映画、といえるのではないか。
犯人逃走中、のまま「おかっぱ頭」の話は終わる。
観終わった後のちょっと物足りない感じも、またリアリズムか。

ラストは唐突に始まるせいでとまどうけれど、警官が夢や希望に破れてリタイアしてしまった諦念と老いについて語っているシーンだ。
これも通常の事件モノだったら警官はいつまでも犯人を追い続ける、となるはずが
「時間があるから馬にでも乗るかな」
なんてすっかり定年後の会話になっていて、更に前述の夢の話だ。
このあたりも現実的なんだね。
それにしてもコーエン兄弟、「バーバー」でも中年男の悲哀を描いてたな。
そのくらいの年齢の人をターゲットにしてるということなのか、これから先の自分のことを想像しているのか分からないけど、そんな年でもないのにね?

「No Country」は40ぐらいの賞を受賞しているようでびっくり!
いやあ、そのー、どうしてこの作品が?と思ってしまって。(笑)
どっち、と聞かれたらSNAKEPIPEは迷わず「ファーゴ」に軍配を上げるな!
自分では気付いていなくても、エンターテインメント慣れしてるのかもね。

好き好きアーツ!#05 ツインピークス

【理想の上司像?リンチ扮する耳の遠いゴードン・コール】

SNAKEPIPE WROTE:

かつて熱狂していたのは1990年から1991年のことだった。    
振り返ってみるともうすでに18年の時が過ぎていた、とは驚きである。    
その時に生まれた子供は高校卒業している計算か!    
ぐわっ!考えると恐ろしい!(笑)

今回「好き好きアーツ」として取り上げるのは崇拝する映画監督、デヴィッド・リンチが手がけたTVシリーズ「ツインピークス」である。    
世界中を謎解きに巻き込み、大ブームになった番組である。    
SNAKEPIPEと同じように熱狂した方も多いと思う。    
18年の歳月を経て、もう一度初心に帰って鑑賞するとどうなるのか。    
しっかり記憶している部分もあるけれど、大方は忘れてるしね!    
そして一度も観たことがないROCKHURRAHにも興味を持ってもらいたい、と思ったのである。

最初に「ツインピークス」体験をしたのは、まだそれがTVシリーズになるとの情報が全く入っていない段階での「パイロット版」からだった。    
一体パイロット版を何回観たことだろう?    
何回観ても難解で(笑)その時から謎解きの虜になってしまった。    
後から考えればこの時点での謎の究明は不可能だけれど、なんとも言えない不安で不吉な雰囲気、ラストの25年後の世界(日本版だけ収録されていたらしい)などに魅了された。    
そしてツインピークスがTVシリーズである情報がやっと入ってきたのである。

TVシリーズの第1話から第7話までを観たのは、「日本初公開」として抽選で選ばれた人だけが入場できる渋谷パルコでの企画であった。    
初公開、というだけあって、まだビデオ発売前、当然のことながらWOWWOWでの放映よりも前のことである。    
抽選に当たった時は、まるで宝くじ3億円が当たったのと同じくらい嬉しかった!    
1話から7話ということはおよそ7時間、そしてその間に「リンチ評論家」滝本誠氏と川勝正幸氏のトークイベントも入り、およそ10時間近くを会場で過ごした。    
それでも疲れず、「次は、次は?」と熱狂していたSNAKEPIPE。    
若かったから、か?(笑)
     
7話まで、というのがミソで観た方は記憶にあると思うけれど、クーパー捜査官がドアを開けた瞬間にピストルで撃たれるシーンまで、である。    
会場中から「えーーーっ!」という悲鳴に近い声が発せられた。    
もちろんSNAKEPIPEも叫んでしまった。(笑)    
以前「かもめはかもめ、リンチはリンチ」の時にも書いたけれど、7話以降を観るためにWOWWOWにも加入。    
必死の思いで追いかけたツインピークスである。    
今は第1話から最終の29話までと映画版「ローラ・パーマー最期の7日間」を連続して観られるようになったので、幸せな限りである。(観たことがない方は簡単なあらすじがWikipediaに載っているので、そちらをご参照下さい。)

ドーナツとコーヒーを片手に、改めて鑑賞して一番初めに持った感想は    
「その後のリンチの集大成だな」    
である。    
異界、異形、夢、が多用されているからだ。

ロストハイウェイ」以降、頻発する「ここではない場所」の原型は、遡れば「イレイザーヘッド」にもすでに現れていたけれど、映画の核を成すものではなかった。    
「異界」として重要な役割を持つ出現はツインピークスからだったんだ!    
ホワイトロッジ、ブラックロッジとして表現される空間は仏教的に言い換えれば、金剛界曼荼羅と胎蔵曼荼羅のようなものではないだろうか。    
そう、ツインピークスの中には(広い意味での)東洋思想がちりばめられているのだ。    
チベット、チベット死者の書からの引用、瞑想、ヨガなど。    
盆栽や尺八など、日本的な小道具も使われていたし。    
元々リンチ自身が瞑想を好み、夢のお告げ(?)から映画のヒントを得る監督なので、非常に色濃くリンチ表現主義(とでも言おうか)が反映されているようだ。    
「魂はどこから来て、どこへ行くのか」    
というセリフをウィンダム・アールに言わせ、死に行く間際のリーランドに向かい    
「光を見つけて。光の中へ。光の中へお行きなさい」    
とクーパーが誘導する。    
アメリカのTVドラマでチベット死者の書とは!(笑)    
   
恐らくTVの放送コードというものは、ここ最近では日本でもかなり変わってきていると思うが、世界的に見ると最も厳しく設定しているのはアメリカではないだろうか。    
いくら18年前とはいっても、よくこれでOKが出たものだ、と感心してしまうほどの異形オンパレード!    
パイロット版で度肝を抜かれた「小人ダンス」はもちろんであるが、 巨人、片腕、片目などが登場する。    
異形の人、というのは強いインパクトを持っているので、印象に残るシーンを作るには欠かせないとリンチが考えているのではないだろうか。    
その後のリンチ作品にも異形は数多く登場する。    
そして異形を発見すると「ああ、リンチだ」と安堵してしまうのである。    
それほどまでに異形とリンチはマッチしている。    
そしてツインピークスと同じ年、「羊たちの沈黙」も公開されていることに気付く。    
異形や猟奇、精神病理的な「以前であれば触れてはならない」とされていた領域への開眼年が1991年と言えるのかもしれない。

ツインピークスは大きく分けるならば、第1部はローラ・パーマー事件、第2部はウィンダム・アールとブラックロッジの2部構成になっている。    
ほとんどの人が第1部のローラの事件が(一応の)解決をしたあたりで、トーンダウンして、第2部のウィンダムアールの話のほうは忘れているのではないだろうか。    
かくいうSNAKEPIPEも同様で、途中からは初めて観るお話のような気がしてならなかった。    
覚えがなかったせいもあるのだろうが、第2部もかなり面白かったのである。    
少しオカルトの要素が混ざり、より精神世界に深く入り込んでいく後半は、やっぱりアメリカ人には相容れない内容だったのだろうか。    
恐らくリンチはもっと語りたかったはずである。    
がっ、視聴率低迷のため打ち切られることになってしまったとは誠に残念!    
そのためやや強引なラストになったのかな。    
ま、一応は解決になってるけどね!

そしてTVシリーズ後に制作されたのが「ローラ・パーマー最期の7日間」である。    
これも一応は後付けながら、謎の究明に役立つ物語と言えるだろうけど、実際には観終わった後で首をかしげてしまった。    
より謎が深まったように感じたのはSNAKEPIPEだけだろうか?    
「ここではない場所」ブラックロッジが絡んでくると、一体今がいつのことなのか、誰が生きていて誰が死んでいるのか、などだんだん分からなくなってくる。    
あの赤いカーテンと幾何学模様のジュータンの、なんとも魅惑的な不思議な空間。    
行ってみたいような、怖いような。

18年の時を経ても、全く色あせていない謎だらけのツインピークス。    
一度も観たことのない方はもちろん、体験したことのある方ももう一度鑑賞してみてはいかがでしょう?    
全部を観るのには約33時間かかるけどね!    
お約束は、ドーナツとコーヒー。    
絶対食べたくなるもんね!(笑)

「4番煎じ」もおいしい?

【ドクロ柄の蝶を配したクラリスとハンニバル】

SNAKEPIPE WROTE:

たった15秒のテレビCMに聴き覚えのある音楽を耳にして、
「おや?」
と思う。
ROCKHURRAHに確認してもらったところ間違いない。
ネピア・ドレミという紙おむつのCMにSHAM69の" If the kids are united "が使用されていた!
何度か繰り返して聴いてみたけれど、恐らくSHAM69のオリジナルだろう、と思われる。(皆様も聴いてみて下さいませ)
いやー、まさかSHAMが紙おむつのBGMにされるとはびっくり!
以前にもCLASHの "I fought the law " や遠藤ミチロウの "仰げば尊し " がCMに使用されていることがあり、驚いていたけれど。
なんでもあり、なのね。(笑)

4月21日から公開されている「ハンニバル・ライジング」。
実は「羊たちの沈黙」を「好きな映画ベスト10」に必ず入れるほど大ファンのSNAKEPIPE。
初めてハンニバル・レクターが登場した「レッドドラゴン」も読み、「ハンニバル」は原作も読み映画館にも足を運んだ。
トマス・ハリスの5作品しかないうちの4作品を読んでるって寸法。
前作の「ハンニバル」で一応の終焉を迎えたかと思った「レクターシリーズ」だったが、今回の「ハンニバル・ライジング」はレクター博士の少年時代と来た!
「どうしてレクターのような怪物ができたか」なんて言われると気になるじゃん。
これってトマス・ハリスの商業戦法にすっかり乗っかっちゃったってこと?(笑)
そうは思いながらもついつい買っちゃうんだな。
実はまだ上巻しか読んでいないSNAKEPIPEなので、一応映画のリンクも貼ったけど内容を見ないことにしている。
配役で顔が分からないほうが原作読むのに都合がいいからね!
映画もいつの日か観たいな。