思い出のサマリー・ビート 2023

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【ROCKHURRAH RECORDSが目指したインテリア集(うそ!)】

SNAKEPIPE WROTE:

今日は2023年の最後、大晦日だよ!
いつの間にかクリスマスも終わり、正月休みに突入している。
先週のブログ「アニッシュ・カプーア展」を鑑賞した時は、コートが要らないほどの強い日差しを感じていたのにね?

今回は「思い出のサマリー・ビート」と題して、一年を振り返ってみよう。
その年の総括として「ベスト・オブ〜」のように書いていたこともあったけれど、アズテック・カメラの「思い出のサニー・ビート」をもじって2018年から始めた企画なんだよね。(笑)

2年連続で身内の不幸に見舞われたROCKHURRAH RECORDSは、毎年恒例になっている年賀状の制作ができなかった。
それ以前には、元旦に年初のご挨拶をアップしていたけれど、叶わなかったわけ。
そのため2023年最初の記事は「TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇」だったよ。
記事の中でSNAKEPIPEは3つの抱負を述べている。

2023年の抱負1:人の話を真剣に聞くこと
2023年の抱負2:岡本太郎語録のような心に突き刺さる言葉や作品を多く知ること
2023年の抱負3:日々を大事に、楽しく笑って過ごすこと

抱負1にある「人の話」とは、主にROCKHURRAHの話、ということになるよ。
つい聞き逃してしまうことがあるので、態度を改めようと文字にしたわけ。
今年は生返事していないと思うけど、ROCKHURRAHに確認しようか?(笑)

抱負2にあるような「突き刺さる作品」に出会いたくて毎回展覧会に足を運んでいるSNAKEPIPE。
事務所移転で忙しいと言いながらも、いくつかの展覧会に出かけていたよ。

2月 ポスターでみる映画史 Part 4 恐怖映画の世界
交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー
3月 合田佐和子展 帰る途もつもりもない
佐伯祐三 自画像としての風景
4月 エドワード・ゴーリーを巡る旅
5月 超複製時代の芸術:NFTはアートの何を変えるのか?
ヴォルフガング・ティルマンス Moments of Life
6月 横尾忠則 銀座番外地 Tadanori Yokoo My Black Holes
ポール・ジャクレー フランス人が挑んだ新版画
7月 ワールド・クラスルーム
8月 蔡國強 宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる
9月 テート美術館展
12月 ケリス・ウィン・エヴァンス L>espace)(…
アニッシュ・カプーア_奪われた自由への眼差し_監視社会の未来

 

ROCKHURRAHに今年の一番を聞いてみると「蔡國強展」だという。
SNAKEPIPEも全く同意見です!(笑)
夏の強い日差しを避けて、夜に六本木に向かったっけ。
蔡國強といえば「火薬ドローイング」だけど、絵画作品の展示もあったんだよね。
過去の作品から2023年の最新作までたくさんの素晴らしい作品を鑑賞することができた2023年のベストにふさわしい展覧会だったよ!

SNAKEPIPEは、フランス人であるポール・ジャクレーの浮世絵にも感銘を受けたよ。
日本の浮世絵をベースにしているけれど、色使いやモチーフ、構図に独自の美学を感じたからね。
特に色彩の美しさには「ため息」が出るほどだった。
100回以上、色を塗り重ねて完成させる執念にも驚いた!
今まで知らなかったアーティストを知ることができて嬉しかったよ。
どちらも先に書いた「抱負2」の「心に突き刺さる作品」に出会えた展覧会だったね!

2023年は、ROCKHURRAH RECORDSにとっては「事務所移転に関して動いた年」というのが一番だったよ。
3月頃から移転先の片付け作業に追われ、ROCKHURRAHは6月と7月の2ヶ月間、移転準備に専念することになった。
DIYで壁紙を貼ったり、ペンキを塗ったりして、まるで職人みたいだったよ。
顔にペンキをつけたまま電車で移動したこともあったっけ。(笑)

前回の事務所移転は2018年で、移転前1週間は平均睡眠時間2時間を切るほどのハードさだったことを思い出す。
今回はその時の教訓を生かして、早い時期から作業を進めていたんだよね!
無事に移転が完了してホッとしているよ。(笑)

2023年のもうひとつの話題は、5月に「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」が発売されたこと!
前作である「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」が発売されたのは2017年だけれど、その時点では購入せず、ゲームを始めたのは2021年になってから。
2022年の総括記事「思い出のサマリー・ビート 2022」の最後に「2021年から始めた『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』を終わらせたくなくて、未だにプレイしているROCKHURRAH」と書いてあるね。
実は、前作を完結させる前に「ちょっと見てみよう」と新作に手を出してしまう。
そのため現在プレイしているのは「ティアキン」で、「ブレワイ」はそのまま放置されているんだよね!
一体ROCKHURRAHはどうするつもりなんだろうね?(笑)
それにしても「ブレワイ」では大好きだったコログが、「ティアキン」ではちょっと鬱陶しい存在になっているのが残念でならないよ!

正月休みになっても、ROCKHURRAHとSNAKEPIPEのDIYは続いている。
来年には満足がいく仕上がりになる予定だよ。
苦労しているだけ愛着も湧いてくるね!

来年はもっと展覧会行ったり、近場を散策したいと考えている。
抱負3の「日々を大事に、楽しく笑って過ごすこと」を実践しないとね。(笑)

一年間ありがとうございました。
また来年もよろしくお願いします。
どうぞ良いお年を!

蔡國強 宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる 鑑賞

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【国立新美術館の看板を撮影。いつも通り!】

SNAKEPIPE WROTE:

蔡國強 宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる」の開催を知ったのは、国立新美術館の別会場で開催されている「テート美術館展」を調べていたからだった。
どちらの展覧会も非常に楽しみ!
本当は2つを同時に鑑賞しようかと思っていたけれど、体力が持つかどうか不安。(笑)
この夏に行われるビッグ・イベントを一日で消化してしまうのも惜しい。
そのためまずは会期が短い蔡國強展を先に鑑賞することにしたのである。

蔡國強といえば、2015年10月に横浜美術館で開催された「蔡國強展 帰去来」が記憶に残っているよ。
あの時に感じたインパクトは今でも強く残っている。
8年も前だったとは、びっくりだね。(笑)

Netflixで鑑賞できる「空のはしご」という蔡國強のドキュメンタリーも観たっけ。
構想から20年、空へと続く燃えるはしごを架けるプロジェクトなんだよね。
蔡國強の作品への情熱のみならず、バックグラウンドや人柄にも迫り、見ごたえがあったよ。
9年間日本に住んでいた蔡國強、日本語が堪能なんだよね!
親近感が湧くよ。(笑)

今回はどんな展示がされているんだろう?
ワクワクしちゃうよね!

夕方になっても強い日差しが照りつける六本木に、ROCKHURRAHと向かう。
コロナ真っ盛りの頃にはオンライン予約で日時指定が必須だったはずなのに、今はもうオンラインでチケットを購入するだけのサービスになっていた。
オンラインでも直接窓口で購入してもチケットの金額は同じなんだよね。
今回は窓口で購入することにした。

蔡國強展は6月29日から始まっていたので、少し落ち着いた頃じゃないかと見込んだSNAKEPIPEの予想はほぼ当たったかも。
会場が広いせいもあるけれど、苦痛を感じることなく鑑賞することができた。
そして全作品、動画以外は撮影オッケー!
蔡國強の太っ腹な対応に感謝だね。(笑)

展覧会は5つのチャプターで構成されていたようだけど、広い空間に決まった順路はなくて、好きなように歩いて鑑賞することができた。
そのため特に構成を気にせず感想を書いていきたいと思う。
入り口近くに、初期の作品が展示されていたよ。
1985年の「地球はわたしたちの共同の家」は、蔡國強には珍しい油彩画なんだよね。
フランシス・ベーコンの「トリプティク(三幅対)」みたいに、3枚でワンセットの作品。
一番右側の赤い部分は何を意味しているんだろう?

日本の現代美術館が所蔵しているという「胎動II:外星人のためのプロジェクト No. 9」は1991年の作品。
展覧会のタイトル通り、宇宙やビッグバンを思わせる迫力だよね!
中央に、まるで即身仏を思わせる白い人影が見える。
そして右側に、設計図のようなメモ書きが残っているのが面白い。
「こうやって火薬を置くこと」みたいな感じなのかな?(笑)
横幅が6mを超える大型作品なので、遠ざかってかなり後方からじゃないと全体像を把握できないよ。

「闇に帰る」(画像左)と「ノンブランド・非品牌 5」(画像右)は、ガラスと鏡を使用した2019年以降の作品だよ。
砂で曼荼羅を描き、爆破させた「闇に帰る」は、隣に動画が展示されていた。
一度作ってから壊す、という行為がアートなんだね。
どちらの作品も色合いが美しくて、とても気に入ったよ!

2020年の「銀河で氷戯」は横幅9mを超える大型作品で、一枚には収まりきらなかったよ。
ROCKHURRAHがパノラマで撮影してくれた。
ぐるぐるした渦巻きに飲み込まれそうで、めまいがしたよ!
赤い色と流線が、とても中国的に感じる。
任天堂の「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」で、空にドラゴンが舞っている時に流れる音楽が似合いそう。(笑)
人影のように見える白色は、宇宙を漂う魂みたいに見えてくるね。

「cAI™ の受胎告知」は2023年の作品だという。
ガラスと鏡を使った火薬ドローイングの最新作になるんだね!
最初に載せた1991年の「胎動II」から約30年。
作品が洗練されて、色合いや爆破痕の美しさが際立っているよ。
屏風のように展示された作品が他にも数点あって、どの作品も素晴らしいの。
欲しくなってしまったよ。(笑)
蔡國強が進化し続けていることがよく分かるよね!

会場の半分ほどの広さを使って展示されていたのが「未知との遭遇」と題されたインスタレーションだった。
「宇宙にまつわる古今東西のさまざまなイメージをLEDで表現した」という説明があったよ。
くるくると回転したり、LEDの光が七色に変化していく。
タイトルにちなんだモチーフは、特に新鮮味がなく、蔡國強らしさを感じることはできなかったのが残念。

大きな会場から少し外れた場所に「蔡國強といわき」という別会場が設けられていた。
1986年から9年間、日本で生活していた蔡國強にとって、第二のふるさとと呼ぶのが福島県いわき市なんだとか。
2023年6月に、ファッション・ブランドであるイヴ・サンローランの協力を得て、いわきプロジェクト「満天の桜が咲く日」を実行したという。
この映像が素晴らしいの!

Netflixで観た「空のはしご」も感動的だったけれど、浜辺に咲く桜にも驚いたよ。
今まで観たことがない風景を現実化してくれるイリュージョニスト!
構想しているけれど、未だに実現していないプロジェクトが100以上あるという。
これから先に、どんな景色を見せてもらえるのか楽しみだね!

思い出のサマリー・ビート 2022

【大竹伸朗も聴いていたかもしれない?1978年ペル・ユビュのライブ音源】

SNAKEPIPE WROTE:

早いもので今日はクリスマス!
一年間の総括として「思い出のサマリー・ビート」を書いていこう。

2021年には行かれなかった成田山に初詣する。
SNAKEPIPEは大吉、ROCKHURRAHは吉のおみくじを引き、新年早々嬉しい出来事にはしゃぐ。
東京都現代美術館で「クリスチャン・マークレー展」、国立映画アーカイブで「MONDO 映画ポスターアートの最前線」を鑑賞する。
音楽とアートをコラボさせたマークレー展も、映画ポスターもROCKHURRAHが好む企画だったね。

長年来の友人Mと出かけたのが目黒の庭園美術館で開催されていた「奇想のモード」。
アール・デコの旧朝香宮邸と、シュルレアリスムを基調とした作品がマッチしていて素晴らしい展覧会だった。
ランチで入ったインド・カレー屋で「ナマ・シヴァ」という文言を延々と繰り返す、お経のようなBGMが流れていたことを思い出す。
まるで寺院の中でご飯を食べている気分だったよ。(笑)

3月にはROCKHURRAHと東京オペラシティアートギャラリーで開催された「ミケル・バルセロ展」を鑑賞する。
絵を観て「怖い」と思うことが少ないので、珍しい体験をしたよ。
この段階で「今年のナンバーワンはバルセロ!」と思ったSNAKEPIPE。
勢いとパワーがある、素晴らしい展覧会だったね!

森美術館で開催された「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」を長年来の友人Mと鑑賞する。
名前だけは知っていたChim↑Pomだけど、作品を観るのは初めてだった。
バルセロで感じたような興奮はなかったけれど、観たから感想を言うことができるようになった、と前向きな発言をすることにしよう。(笑)

お花見に行ったのは、有名な千鳥ヶ淵
人が多いところは避ける傾向が強いROCKHURRAH RECORDSなので、初めての場所だよ。
お花見というには少し時期が遅かったけれど、桜がとてもきれいだったね。
来年はお弁当持ってお花見したいな。

青山のスパイラルで「OKETA COLLECTION: THE SIRIUS」を鑑賞する。
無料でそんなに良質の作品展示をしてくれるなんて!と感激する。
6月になってから天王洲アイルで桶田コレクション「Mariage −骨董から現代アート−」を鑑賞したけれど、SNAKEPIPEは無料だったスパイラルの展示のほうが好みだったかも。(笑)

5月は、靖國神社昭和館で「SF・冒険・レトロフューチャー」、東京国立博物館で「空也上人と六波羅蜜寺」、東京オペラシティアートギャラリーで「篠田桃紅展」と、ほぼ毎週のように展覧会に出かけていたよ。
昭和館は無料とは思えない充実した展示だったね。
お土産までもらって嬉しかったよ。(笑)
日曜美術館の「アート・シーン」で篠田桃紅を初めて知り、すぐに展覧会に行く。
100歳を過ぎても創作活動を続けていたというエピソードにも驚いたし、何より作品がモダンでカッコ良かったね。
図録がかなり遅れて郵送されてきたところが、マイナス1点かな。(笑)

6月には岡本太郎記念館で「赤と黒」、ジャイル・ギャラリーで「世界の終わりと環境世界」を鑑賞する。
そして2022年最大のイベント、金沢旅行に行く。
ROCKHURRAHとSNAKEPIPE、2人の誕生日を祝うための旅行!
SNAKEPIPEは、以前からずっと憧れていた金沢21世紀美術館に行かれて感激する。
展示数は少ないけれど、独特の審美眼を感じたよ!
ROCKHURRAHが21世紀美術館のミュージアム・ショップでセンスの良い扇子をプレゼントしてくれた。(ぷっ!)
良い記念品になったね。
ありがとう、ROCKHURRAH!
翌日に行った私設現代アート美術館KAMUも面白かったし、ご飯は美味しいし。(笑)
いつか冬の金沢に行って、好物のカニを食べたいね!

ヴァニラ画廊の「シリアル・キラー展」は、SNAKEPIPEが6年ぶり、ROCKHURRAHは初めての鑑賞になった。
ドラマや映画とは違う、リアルな犯罪者の痕跡って迫力あるよね。
ROCKHURRAHと一緒に観られて良かった!

そして2022年の展覧会の中で、最も話題を集めたと思われる「ゲルハルト・リヒター展」を7月になってから鑑賞する。
少し時間を置いて、更に夜に出かけて混雑を避ける工夫をしてみたよ。(笑)
狙い通り、そこまでお客さんが多くなかったので、快適だったね。
「ビルケナウ」の凄まじいまでの迫力に圧倒される。
「アブストラクト」シリーズの集大成というのが納得!
ROCKHURRAHもSNAKEPIPEも、スマホの待ち受け画面を「ビルケナウ」に変えたほどだからね。(笑)

8月の暑い日差しの中、ピラミデビル巡りをする。
目的はワコウ・ワークス・オブ・アートの「ゲルハルト・リヒター展」で、1957年に制作された版画など、貴重な作品を鑑賞できて嬉しい。
7月の展覧会も含めて、2022年はたくさんのリヒター作品を鑑賞することができたね!

そして今年3回目の来場となる、東京オペラシティアートギャラリーで「ライアン・ガンダー展」を友人Mと鑑賞する。
実験的でユニークな作品と観念的な作品があり、観て良かったよ。
オペラシティは、キュレーターの仕事なのか、興味深い企画が多いんだよね。
1年のうち、同一会場に3回も足を運ぶのは初めてだから。
これからも注目していこう!

8月下旬から9月にかけての1週間で、ROCKHURRAH RECORDSに不幸が2度訪れる。
こんな経験は、後にも先にもないだろうね。
深い悲しみに沈みながらも、楽しく生きていくことを改めて心に刻んだSNAKEPIPEだよ!

野口哲哉展」、アド・ミュージアム東京の見学、「中野信子展」と「細谷巖展」という、全て無料の展覧会を鑑賞する。
情報を知ることができて、フットワークを軽くすれば、面白い展覧会に行くことができるんだよね!
情報収集を怠らないようにしよう。(笑)

10月に出かけたのは渋谷区立松濤美術館の「装いの力」。
以前から名前だけは知っていた美術館を初めて来訪したよ!
撮影ができなかったのが残念だけど、今までにない切り口で企画を立てていて、楽しかった。
場所が分かったので、これからもチェックしていきたいね!

8年ぶりに佐倉の川村記念美術館を訪れ、「マン・レイ展」を鑑賞する。
マン・レイのオブジェに着目する企画も新鮮な驚きがあったね。
大好きなロスコ・ルームで心が落ち着いたよ。
川村記念美術館近辺には食事ができる場所がないので、次回はお弁当を持参することにしよう。(笑)

11月8日に皆既月食が起こる。
天文学に興味がない人でも、夜空を見上げていたんじゃないかな?
SNAKEPIPEは普段から月を見るのが好きで、この日もじっくり鑑賞したよ!
撮った画像がこれ。
まるで抽象絵画か版画みたいで面白いよね。(笑)
ネットには天皇陛下が撮影した皆既月食の画像がアップされていてびっくり!
とても美しい画像で、出来栄えが素晴らしいよ。
画像内に「撮影 天皇陛下  画像提供  宮内庁」とキャプションがあるところがポイントだね!

アーチゾン美術館で「マルセル・デュシャン展」、アルモドバル監督の「パラレル・マザーズ」を鑑賞する。
デュシャンの展示はそんなに多くなかったけれど、今まで観たことがない作品があり楽しかったよ!
アルモドバル作品は、毒気が抜け落ち、単なるメロドラマになっていた。
かつての作品のようなブラック・ジョークや「嘘でしょ!」と声を上げたくなるような突拍子もない展開を期待してしまうからね。
セルフ・カヴァーは必要ないけれど、このまま枯れないで欲しいと切に願うよ!

ジャイルギャラリーで「高木由利子展」を鑑賞。
70歳を過ぎても精力的に作品制作を続けている女流写真家にエールを送りたい!
作品も展示方法も素晴らしくて、欲しくなったもんね。(笑)

そして12月は「大竹伸朗展」を鑑賞する。
当ブログ初の3回連続特集を組むほど、感銘を受ける展覧会だったよ!
ROCKHURRAHもSNAKEPIPEも、スマホの待受を大竹伸朗にしちゃったくらいにね!(笑)
記事のトップには、大竹伸朗が好んでいたというペル・ユビュを載せてみた。
ROCKHURRAHも大好きなバンドなんだよね。(笑)

2022年もたくさん展覧会に行ったね!
バルセロ、篠田桃紅、リヒター、大竹伸朗が素晴らしかった。
来年はどんな作品に出会えるのか、楽しみだよ!
ブログにはあまり書いていなかったけれど、映画も50本程度観ているんだよね。
ドラマ同様、韓国物が多かったよ。(笑)

2021年から始めた「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」を終わらせたくなくて、未だにプレイしているROCKHURRAH。
現在は900いるとされるコログを見つける作業中。
「ゼルダの伝説」次回作は2023年5月とのことなので、そこまで続けるのかどうか?(笑)

2022年も残りわずか。
皆様、体調にお気をつけて良い年末をお過ごしください。
来年もよろしくお願いいたします!

赤と黒/世界の終わりと環境世界 鑑賞

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【岡本太郎記念館入り口から看板と庭を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

表参道にあるジャイルギャラリーでは「世界の終わりと環境世界」という展覧会が開催されている。
デヴィッド・リンチのファンであることを公言している飯田高誉氏がキュレーターを務めているので、気になっていたんだよね。
ちょっと足を伸ばして岡本太郎記念館にも行ってみることにした。
ROCKHURRAHは初めて行くことになるよ。
開館時間を考えて、まずは岡本太郎記念館へ。

薄曇りの、少し蒸し暑い日に表参道に向かう。
梅雨の晴れ間というほどの日差しはないけれど、雨ではない日は貴重だからね!(笑)
駅から岡本太郎記念館までの道のりは、少し前にも歩いたはずだけど、解体工事が始まっているビルや通ったことがある店舗がクローズしていたりと、変化が見られたよ。

岡本太郎記念館はオープンしたばかりの時間だったけれど、ちらほらお客さんの姿があった。
今回は「赤と黒」というテーマの展覧会で、記念館2階は「赤の間」と「黒の間」に仕切られていた。
最初は赤の間から鑑賞する。
「この血の色こそ、生命の情感であり、私の色だ」
とは岡本太郎の言葉である。
確かに岡本太郎の絵には赤色が印象的に使われているよね。
会場には植物も一緒に展示されていて、生命の息吹を強調しているようだった。
赤色のバックに全く引けを取らない、作品の力強さも際立っているよね。
血湧き肉躍るような、岡本太郎からパワーを分けてもらっている気分!
画像の「遊ぶ時間」は、ユーモラスでとてもかわいかった。
自由を謳歌している雰囲気がよく出ているよね。

一方こちらは「黒の間」。
照明が落とされ、仄暗い部屋に足を踏み入れる。
闇の中からボワッと浮かび上がる物の怪か、はたまた妖怪か?
岡本太郎の作品は、照明によって印象が変化するんだね。
黒の間も非常に効果的で、SNAKEPIPEは恐ろしさを感じたよ。
黒に対する岡本太郎の言葉は「己を滅びに導く、というより死に直面させるような方向、黒い道を選ぶのだ」が採用されていた。
赤は生、黒は死という根源的な話だけではなく、恐怖と隣合わせに魅力も感じていたみたい。
なんとなくその気持ちは分かる気がするよ。
岡本太郎版土偶と呼びたくなる「喜び」という作品の存在感も抜群だった。
黒の部屋も堪能できたよ!
庭には「ゼルダの伝説」のコログの元ネタみたいな、かわいい作品がたくさんあって嬉しくなる。
どれもみんなかわいいんだよね!(笑)
ROCKHURRAHも気に入ったようで良かった。
また訪れたい記念館だよ。

続いてジャイルギャラリーへ。
ジャイルに向かう道の途中から、長い行列ができていて何事かと驚く。
キディランドの制服着た人が整列させていたので、何かグッズを買い求めるための順番待ちみたいだけど、皆さん並ぶの好きだよね。
ROCKHURRAH RECOREDSが目的のジャイルでの行列じゃなくてホッとしたよ。
SNAKEPIPEが前回ジャイルに来たのはいつだっただろう、と調べると2021年3月の「2021年宇宙の旅」だったみたい。
そしてこの時も、岡本太郎記念館とのはしごだったことが分かったよ。(笑)

ジャイルギャラリー入ってすぐ、まるで本屋の「おすすめコーナー」みたいな展示が続く。
理論家の飯田高誉氏の蔵書なのかもしれないね?
「人間中心主義」から離脱し我々がすべて異なる「環境世界」に生きていることへの認識に到達できるのかを問い掛けていく、というのが展覧会のテーマとのこと。
テーマにちなんだと思われるタイトルが並んでいるよ。
恐らく、どの本も何回読んでも難解そう!(笑)
飯田高誉氏のツイッター見ても、世界情勢とアートの話が多いので、興味の幅が広い印象だよ。

本の次に展示されていたのはフランス人アーティスト、リア・ジローの作品だった。
説明を受けないと理解できないタイプだね。
「アルゲグラフィック(algægraphique)」という光に反応する微生物(微細藻類)を使用しているんだとか。
微生物を国立自然史博物館チームとリア・ジローが共同で開発したというから、アートと科学の融合なんだね。
生物学的現象、テクノロジー、画像システムのミクスチャーで作品を発表しているというリア・ジローのようなアーティストは、これからもっと増えそうだね。

先月2022年5月に、六本木のSCAI PIRAMIDEで鑑賞したばかりのアニッシュ・カプーア。
ジャイルギャラリーにも展示されていたよ!
「1000の名前」という1979年から80年にかけて制作されたという作品で、顔料を使っているという。
アニッシュ・カプーア自身の解説は「潜在意識から突き出た氷山のように、表面の下に何かがあることを意味します」だって。
飯田高誉氏は「あたかも核爆弾の爆発によって降り注がれる『死の灰』を想起させる」と書かれている。
SNAKEPIPEは月の表面を連想したけど、それぞれに解釈があって楽しいね!(笑)

「ギャロップする南部馬」 はAKI INOMATAの作品。
絶滅した日本固有種である南部馬を骨格標本から彫刻・3D出力後凍らせ、透き通った馬にしたという。
こういう手間のかけ方とデジタル化の組み合わせが、今のスタイルなのかな。
童話のようなかわいらしさを感じていたけれど、喪失感や懐かしさなどをテーマにしていたとは、知ってびっくりだよ!
説明があったほうが良いのか、悩むね。

草間彌生の映像作品も展示されていた。
1967年の「草間の自己消滅」は、タイトルだけは知っていたけれど、観るのは初めて!
意味を理解することは難しいけれど、かなりショッキングな映像だったよ。
撮影禁止だったので画像は載せられず残念だけど、当時の人は驚いたんじゃないかな?
「花脅迫」という2000年の作品は、ひまわりの花に埋もれる草間彌生本人の映像だった。
これも自己消滅になるんだね。

今回の展示で一番気に入ったのは大小島真木のインスタレーション「ウェヌス」だった。
革を継ぎ接ぎしたトルソーに、銀河とプランクトンの映像のコラージュが円形に投影される作品、と説明されている。
その文章がなくても、目が釘付けになっちゃったよ!
ROCKHURRAHが映像を撮ってくれたので載せておこう。

今回は2つの展覧会をはしごしてみたよ!
近くにたくさんの会場があると、短時間で鑑賞できて良いね。
最近の飯田高誉氏企画の展覧会は観念的なので難しいけれど、付いていきたい気持ちもあるんだよね。
理解できなくても観ておきたいって感じ。
また近いうちにどこか行きましょ!