生誕300年記念 若冲展鑑賞

                   

【行列に並んでいる時に撮影した1枚】

SNAKEPIPE WROTE:

映画の殿 第20号」でROCKHURRAHが予告していたように、今週より当ブログのデザインを一新!
実はまだ多少の修正が必要な箇所はあるけれど、早めに切り替え作業を行っている。
今までとは違う印象になったかな?
ほとんどの作業をROCKHURRAHが一人で行っているので、SNAKEPIPEは今から勉強しないと!(笑)
では気分を新たに、今週のブログを書いていこう。

若冲展」を知ったのは、昨年10月に鑑賞した横浜美術館での「蔡國強展」だったのではないだろうか。
展覧会に行く度に、面白そうな企画をチェックするのが毎回恒例で、その時に「若冲展」のフライヤーを発見したように記憶している。
長年来の友人MとROCKHURRAHと共に
「これには絶対に行こう!」
と非常に楽しみにしていた「若冲展」。

もらってきていたフライヤーを壁に貼り、前売りチケットの販売はまだか、と待っていたSNAKEPIPE。
ようやく展覧会開始1ヶ月程前から前売りチケットの販売が始まり、早速購入手続きを済ませ、あとは展覧会鑑賞の日付を決めるだけ、という段取りになっていた。

後悔先に立たずというけれど、展覧会が始まってからすぐに鑑賞しておけば良かった…。
長年来の友人Mと日程調整が決まらないうちに、若冲展は大変な話題になっていた。
連日長蛇の列で、美術館に入るまでに180分待ち、240分待ち、などの情報が耳に入ってくるようになったのである。
どうやらNHKの番組で「若冲展」を取り上げたのが、きっかけらしい。
「若冲展」は4月22日からの開催で、NHKの「若冲 天才絵師の謎に迫る」は初回の放送が4月24日。
今から思えば、4月22日から4月24日の間に鑑賞するのがベターだったことになるね。

人混みも、長時間待つのも嫌いなSNAKEPIPE、ROCKHURRAHに長年来の友人Mが加わった「怪しい3人組」。
あれほど行く気満々で楽しみにしていたはずの「若冲展」だったのに、行くのが苦痛になってしまった。
ウダウダしているうちに会期終了も迫ってくる。
「待つのも、混雑も、覚悟の上で行こう!」
行かなくて後悔するほうがイヤだよね、ということで決着した。
3時間や4時間待たされることを前提に、軽食や飲み物を各自持参の上、「若冲展」に行くことになった。
当日は普段の出勤時間よりもずっと早く家を出た。

朝の5時から並んでいる人がいる、とか朝7時半で1000人並んでいるという情報通り、人の流れは一直線に上野動物公園方面へ向かっている。
そう、もちろん東京都美術館の「若冲展」の方角ということだ。
友人Mと合流し、行列の最後尾に並ぶことにする。
「チケットお持ちの方はあちらが最後尾です」
の案内に従い「あちら」を目指すけれど…
どこまで行っても人、人、人!
結局最後尾は東京芸大が見える位置だった。
そしてそこから更にトグロを巻いたように行列が続いている。
並んだ時に友人Mが美術館関係者が「3000人だ」と言ったのを聞いた。
朝の8時で3000人!
前代未聞の若冲フィーバーだよね。
覚悟していたとはいえ、これからの待ち時間を考えるとゲンナリする。

時間に余裕があるので、客層をチェックしてみる。
美術館にそぐわない、騒いだり走ったりする子供が皆無!
当然のようにファミリーもいない。
ベビーカーを使用しているようなママさん連中もいない。
そして圧倒的に多いのがシルバー層。
最近は美術館巡りを趣味にしている高齢者が多いと聞くけれど、鑑賞するのに何時間も待たされて大丈夫なのかと心配になるような人も大勢いた。

SNAKEPIPEをはじめ、ROCKHURRAHも友人Mも「行列ができる〜」のような記事や店には全く興味がなく、並ぶくらいなら違う選択肢を考えるタイプ。
ところが「人が並んでいるなら」と、並ぶことを選択する人って多いんだよね。
今回の「若冲展」も本気で観たいと考えて並ぶ人は少数で、話題だから観ておかないと、という理由の人が多いように感じた。
さすがに外国人は全く見かけなかったね。
並ぶの嫌いだろうからね。(笑)

一歩、二歩、という牛歩だったけれど、少しずつ列が進んで行く。
東京都美術館手前でトップの写真を撮影したのが9時半くらい。
そして実際に鑑賞を始めたのが10時半くらいだったのかな。
待ち時間2時間半、約150分ということだね!
思ったよりは短かくて良かった。(笑)

ここで若冲の略歴を書いてみようか。
1716年 京都の青物問屋に生まれる
1739年 23歳で家業を継ぐ
1755年 40歳で隠居し、絵の制作を始める
1800年 85歳で死去

ものすごく簡単にしか書いてないので、気になる方は調べてね!
絵に関しての補足としては、狩野派の画家に弟子入りしていた、とか別の画家の門弟だったなどの説があること、宋元画の模写や南蘋派の画僧・鶴亭との類似が指摘されているところかな。
SNAKEPIPEはそれぞれについてほとんど知識がないし、日本画そのものについても詳しくない。
そのため技法や専門的なことは無視して、純粋に若冲の肉筆画を直に観ることを目的にしよう!

館内に入ると、思ったよりは人が多くない印象だった。
人数制限をかけているんだろうね。
それでもやっぱり今回の目玉である「釈迦三尊像」と「動植綵絵」のコーナーは、8重(!)ほどの人だかりができていて、とても作品を目の前にすることができない。
係員が「一歩ずつズレて下さい」などの注意喚起をしても、最前列を陣取った人が動く気配はない。
作品の前に張り付いたまま、である。
他の注意としては「大人迷子が連日続出しているので、帰りの待ち合わせ場所をあらかじめ決めておいてください」というのがあった。
あれだけの人だから、いなくなっても分からないもんね!(笑)

観られるところでは近付き、人だかりがすごい場所では人の頭の間から観られる範囲だけを鑑賞する作戦に出る。
それしか方法がないしね。(笑)
近付いてみた若冲の筆使いの素晴らしさ!
タッチが精緻で非常に細かい。
そして一筆描きみたいなラインがピシャッと決まってる!

豪華絢爛な極彩色が、現代でも色褪せることなく再現されていることにも驚くけれど、SNAKEPIPEが一番「すごい!」と感じたのは構図。
なんともいえないバランスなんだよね。
前述したように、それほど日本画に慣れていいないため、他の日本画家との違いなどを論じることはできないんだけど、縦位置の写真として考えるとそのスバラシサを感じることができると思う。
左の画像「老松白鳳図」は旭日と、老いた松に白い鳳凰がいる情景を描いている。
鳳凰は想像上の伝説の鳥なので、若冲の脚色が入った幻想的な作品だと思われる。
鳳凰の目が切れ長なところ、羽根の先端が赤と緑のハートになっている点が、かなり漫画っぽくて面白いよね。(笑)
「動植綵絵」は宮内庁が管理しているため、なかなか人目に触れないんだろうなあ。
だからこそしっかりした管理がされている、とも言えるだろうけど。
全部で30幅の「動植綵絵」、こちらのサイトで観られるので、若冲の構図と色使いを確認してみてね!

上の画像「鳥獣花木図屏風」は約1cmのマス目を使って制作された「枡目描き」と呼ばれる作品である。
近付いてみると、マス目の中に小さなマス目が描きこまれているものもある。
江戸時代にこんな手法で描いていたとはビックリ。
それはまるでデジタル・アートだもんね!
若冲の作品ではない、という美術評論家もいるようだけど、作品としてとても楽しく鑑賞できたよ!(笑)

若冲は日本画家としては珍しい色の重ね塗りの技法を駆使したり、絵具にこだわりを持って制作していたようだ。
新しいことに挑戦するチャレンジャーだったのかもしれない。
その試みは成功して、没後200年以上経った今でも若冲の存在感をアピールしてるんだね。

今回の「若冲展」での教訓は、
前売り買ったら早めに行くこと!
だね。(笑)

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