SNAKEPIPE MUSEUM #40 Mariel Clayton

                   

20161127 top【アルモドバル監督の「神経衰弱ぎりぎりの女たち」に出てくるCMみたい!】

SNAKEPIPE WROTE:

2010年に書いた「SNAKEPIPE MUSEUM #02 Bernard Faucon」では少年のマネキン人形を使って作品を制作していたベルナール・フォーコンについて特集した。
SNAKEPIPE MUSEUM #04 Cindy Sherman」で特集したシンディ・シャーマンも女優シリーズの後の展開は、死体から更に発展(?)し、解体された人形の撮影になっていったことを思い出す。

人形についての考察は「SNAKEPIPE MUSEUM #26 Carla Trujillo」の中で書いていたっけ。
江戸川乱歩の「人でなしの恋」、港かなえの「贖罪」、押井守の「イノセンス」、四谷シモン、ハンス・ベルメール。
人形と聞いただけでスラスラと作品や作家名が出てくるんだよね。
SNAKEPIPEは人形がアート作品として成立していることに興味があるみたい。
今回の「SNAKEPIPE MUSEUM」は、少女のおままごと用に存在していたはずの人形を使って制作しているアーティストに焦点を当ててみよう!

Mariel Claytonは1980年、南アフリカのダーバン生まれ。
マリエル・クレイトンの作品の主人公はバービー人形なんだよね。
「破壊しているユーモアの感覚を持つ人形写真家」と自らを称しているマリエル。
彼女の作品は単なる「少女たちの憧れ」であるバービー人形ではないところがポイント!
清く正しく美しく、の正反対を目指しているようなモチーフで作品の制作をしているからね。
販売元であるアメリカのマテル社からクレームが来ないか、と心配してしまうほどだよ。(笑)
小道具には日本製が混ざっているようで、たまに見える日本語に親近感を覚えてしまうんだよね。
そんなところにも注目してマリエル・クレイトンの作品を観ていこうか!

マリエル・クレイトンの日本趣味(?)がよく出ている作品。
いわゆる「女体盛り」だよね。(笑)
女性の体を皿代わりにして、寿司を並べるなんてなかなかやるなあ!
エロスというよりは猟奇なのは、やっぱり首チョンパだからだろうね。
こんなにたくさんの寿司ネタがミニチュアとしてあることにも驚くけれど、丁寧に並べていくのも根気がいるだろうなあ。
女の子だったら、「おままごと」の延長で楽しむのかもしれないね?
この作品を観て、まっさきに思い浮かべたのが、タイトルもずばり「スシガール」(原題:SUSHI GIRL 2012年)だね。
このまんまのポスターだから、それも載せておこうか。
「スシガール」で最も印象に残っているのは、「スター・ウォーズ」でルーク・スカイウォーカーを演じたマーク・ハミルの体重増加!
あの体型じゃパイロットは無理でしょう。(笑)
非常に残酷な拷問シーンが続いていたように記憶しているので、痛いのが苦手な人にはお勧めしない映画だね!

食べ物つながりで選んだのがこちら!
ぎゃっ!今度は「うどん」の具にされてるよ。
これも日本だよね。
マリエル、日本大好きなのかなあ?
バービーの大きさから考えて、この「うどんセット」はそこまでのミニチュアじゃないのかもしれない。
それにしても箸まで添えちゃって、日本を良く研究してるよね!(笑)
この作品を観て思い出したのが会田誠の「食用人造少女・美味ちゃん」。
食用に造られたという設定の美少女たちが、食材として皿にもられている様子を描いた作品ね。
右の画像はまさに「うどん」の具材になっているので、マリエルの世界と同じだよね。
会田誠も美少女を題材にした残虐なシーンを題材にすることが多いので、マリエルと雰囲気が近いのも納得しちゃうね。

これもバービー人形のイメージとはかけ離れた怖い作品だよね。
どういう経緯で蜘蛛の巣やホコリまみれになってしまったのか?
巨大蜘蛛が出て来るようなホラー映画というよりは、拉致監禁され犯罪の被害者になってしまうようなサスペンス映画のように感じるね。
マリエルはどんなシーンを想像して作品を制作したんだろうか?
背景がシンプルだとお話を想像し易いね。(笑)
この作品を観て、ROCKHURRAHが似た画像を探してくれた。
ケン・ラッセル監督の「マーラー」(原題:Mahler 1974年)に出てくるシーンだという。
女性が拘束されている様子は、確かに似てるかも。
実はSNAKEPIPE、ケン・ラッセルの映画って一本も観てないみたいで!(笑)
「トミーも観てないの?」
とROCKHURRAHに驚かれてしまった。
どうやらケン・ラッセルはハチャメチャで変態的な作品で有名なイギリスの監督のようで、いかにもSNAKEPIPEが好きそうなタイプだという。
ただし面白そうな作品が現在入手困難になっているので、ROCKHURRAHも未鑑賞の作品が多いとのこと。
イエスのリック・ウェイクマンによる「リストマニア」(原題:Lisztomania 1975年)のサントラを持っていたんだって。
この映画も面白そうなのに、DVD化されていないなんて!
過去の作品で観たいものが観られないことが多くて、悔しい思いをするんだよね。

この作品も犯罪の臭いがプンプンするよね。
乱暴されて殺害された後、ゴミとして捨てられたといったところか。
「もえるゴミ」「ビン・カン」と書いてあるのが見えるよね。
マリエルはこの手のミニチュアをネット通販で買ってるのかな?
調べてみると確かにある、ある!
ドールハウス、とかミニチュア家具で検索するといっぱい出てくるんだよね。
どうやら100均にも取扱いがあるみたい。
SNAKEPIPEが子供だったら楽しく遊んだかも。(笑)
マリエルの作品に話を戻すと、女性をゴミみたいに捨てるという映画をいつか観た記憶があって。
恐らく三池崇史監督の「DEAD OR ALIVE 犯罪者」(1999年)だったみたいなんだけど、はっきり覚えてない。
これもまた確認のために観ないとね!

そしてこのマリエルの写真から思い出したのが、今から9年前にSNAKEPIPEが撮影した右の画像。
あれはクリスマスが終わり、年末が近い底冷えのする晴れた日じゃった。
買い物に出かけた道端に、女性の首がゴミとして捨てられているではないか!
ギョッとして思わず立ちすくむSNAKEPIPEとROCKHURRAH!
「ぎゃ〜〜〜〜〜っ!猟奇!」
「乱歩だったら本物を一つ混ぜるかも!」
もちろん良くみればなんのことはない、美容院で使用するマネキンなんだけどね。
ここまで重なるように首が大量に廃棄されているのは、恐怖を感じてしまうよ。
当時はまだスマートフォンじゃないからね。
慌てて自宅に走り、カメラを手に現場に舞い戻り、無事に撮影したというエピソードがある秘蔵の1枚である。
「いつでもカメラは携帯していないと」
とROCKHURRAHから注意を受けたなあ。(笑)
今はスマートフォンに当時のデジタルカメラよりはずっと高感度のカメラ付いてるからね。
取り逃しがなくて良いよね。(笑)

 この作品もまるで映画の中のワンシーンだよね。
どうしてバービーが後手にタバスコ持ってるのか謎なんだけど。
相手の男性にふりかけるため?
自分が使用するため?
意味不明なので想像するしかないね。(笑)
こんな18禁系のバービー画像、撮影しているマリエルに興味が湧いてくるよ。
どんなイメージで毎回テーマを決めているのか。
SNAKEPIPEはこの作品を観て思い出したのが、敬愛する映画監督デヴィッド・リンチの「ロスト・ハイウェイ」の中のワンシーン。
なんかよく分からないけど、絶対に悪いことやってるボスの前に突き出され、銃で脅され服を脱いでいくアリス役のパトリシア・アークエット。
びくびく怯えながら脱いでいき、ヒモパン一丁になった途端に態度が一変!
「私キレイでしょ」とばかりに堂々とボスに歩み寄り、椅子に座っているボスの前にひざまずくのである。
そのシーンを思い出したんだよね。
もちろん、「ロスト・ハイウェイ」にタバスコはなかったけど!(笑)

最後はモノクロームの作品で締めようか。
これもまるでスチール写真だよね。
「よくも裏切ってくれたわね」
違うかな。
「愛してるのよ。私だけのものになって!」
うーん、これも陳腐か。(笑)
人によって作るお話は違ってくるだろうから、それがマリエル・クレイトンの作品の面白さかもしれないね。
このモノクロームのシリーズと似た雰囲気の「ザ・日本」みたいなシリーズもあるんだよね。
和装のバービーが鍋の支度をした「こたつ」を背景に窓から雪景色を眺めているような写真ね。
なんで南アフリカのマリエルがここまで日本にこだわるのか聞いてみたいよね。(笑)

例えば江戸川乱歩だったりアレックス・デ・ラ・イグレシア監督の「気狂いピエロの決闘」にもあったように、人を笑わせるはずのピエロが殺人鬼、というような相反するイメージで恐怖心を煽る手法(?)。
マリエルの場合には、それが美少女と猟奇なんだろうね。

「こんなことをするはずがない」
という固定観念を打ち砕くからこそ、余計に鑑賞者が驚愕する。
バービー人形がいつでも笑っているところも含めて怖いんだよね。(笑)
マリエル・クレイトンの情報があまりないのが残念だけど、こんなに日本贔屓のマリエルの展覧会、日本で開催して欲しいよ。
ずっとバービー人形にこだわって創作を続けているマリエルの全貌を鑑賞したいね!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です