ROCKHURRAH紋章学 ブック・デザイン編 1

                   

20190203 top
【シンプルでオシャレなデザインがいっぱい!】

SNAKEPIPE WROTE:

最近は通勤時間が短くなったこともあり、なかなか読書の時間が取れなくなっている。
かつては片道の通勤時間が約1時間あり、ハードカバーの重たい本を持ち歩いていたことを思い出す。
読書家というには程遠い読書量だったけれど、毎日2時間本を読む時間があったことは、その後のSNAKEPIPEに大きな影響を与えたことは間違いないだろう。(おおげさ)
今はスマートフォンで本が読めるので、重たい本を持ち歩かなくても読書ができる。
でも本当は紙の手触りや匂い、ページをめくる感覚が好きなんだよね。
本屋さんが閉店するニュースを耳にすると悲しくなっちゃうし。
図書館や本屋さんでの運命的な本の出会いは忘れたくないし、これからも期待している。
本の楽しみは内容だけではなくて、レコードのジャケ買いならぬ、ブック・カバー・デザインの一目惚れもあるよね。
今回の「ROCKHURRAH紋章学」は秀逸なブック・カバーを特集してみようかな。
パッと目につき、思わず手にとってしまうデザイン、早速紹介していこう!
この特集に関しては、著作に関して充分な調査をした上で記事にしているわけではないことを最初にお断りさせて頂くよ。
あくまでもブック・カバー・デザインとして書いているので、タイトルから想像した文章を書き綴っていく予定。(笑)

今回は色数が少なくて、シンプルだけれどインパクトが強い作品を選んでみた。
最初はCAROLYN WELLSの「DE DREMPEL MOORDEN」、1931年の作品だよ!
キャロライン・ウェルズということは著者は女性ということね?
どうやらオランダ語のようなんだけど、タイトルを訳してみると「しきい値を殺す」になるらしい。
キャロライン・ウェルズはアメリカ人なので、これは恐らくオランダ語に訳されて出版された本なんだろうね?
オランダ語を訳しても全く意味不明なので、勝手に想像してみようか。(笑)
1階で格闘の末、心臓にナイフを刺された男は、地下室に向かう階段の途中で今にも息を引き取ろうとしているようである。
白・黒・赤の3色だけで小説の一端を表現した秀逸な作品だよね!
勝手に想像すると、この後男は生き返り、自分を死の淵に追いやった犯人への復讐を誓うストーリーではないかと想像する。
もちろん男は白髪になっているだろうね!(笑)

次は有名な「フランケンシュタイン」ね!
ご存知の方も多いと思うけど、「フランケンシュタイン」はメアリー・シェリーが1818年に発表した作品ね。
1931年に映画化されたことで、皮膚に糸の縫い目がある大男のイメージが定着したという。
右の画像も、映画のイメージを使用しているようだよね?
白・黒・緑という3色だけで怪物の不気味さと悲しみが上手く表現されているよ。
指の曲がり具合が最初の作品に似ていること、作者がどちらも女性という共通点を見出してしまったSNAKEPIPE。
20世紀初頭にホラーやミステリー小説の分野で、女性が活躍していたことに驚いてしまう。
ちゃんと調べたわけじゃないけど、意外と女性が蔑視されていなかったのかもしれないね?

「フランケンシュタイン」と題材が近いようなタイトルを発見したよ。 
「ANOTOMY OF A MURDER」 ROBERT TRAVERが書いた1958年の小説ね。
直訳すると「殺人の解体」だって?
このブック・カバーの下部に小説の紹介文が書かれているね。
「高等裁判所判事によって書かれた殺人裁判の背後にある情熱」とのこと。
実際の事件について書いているものみたいだね。
白・黒・オリーブの3色しか使用していないけれど、ちょっとコミカルにバラバラになった人体が逆に残酷さを増しているように感じる。
どうやら映画化もされているようで、裁判物のミステリーでは有名な作品みたいだね。
調べてみたら映画のオープニングシーンを発見したので、載せておこうか。

ブック・カバー・デザインと同じでオシャレ!(笑)
邦題は「或る殺人」(原題:Anatomy of a Murder) で1959年公開とのこと。
ジェームズ・ステュアート主演だって。
50年代の映画はほとんど知らないので、いつか鑑賞してみたいな。 

このデザインも良いなあ!
「The Nose On My Face」はLaurence Payne作1961年の小説ね。
どうやらスコットランドヤードの刑事Sam Birkettシリーズの1作目とのこと。
クライム物だと一目で分かる明瞭さが潔い!
9マスに緑と黒の2色だけを使用したシンプルなデザインなのに、なんとなくイメージが湧いてくるもんね。(笑)
ピストル、指示を出す上司、悪者のボス、流れる血、逃げる犯人って感じか?
それにしても「俺の顔にある鼻」ってタイトル、どういうことなんだろうね。
イギリス人にとって鼻をいうのが、どういう意味なのか知らないよ。
例えば日本だったら「鼻をつまむ」「鼻が曲がる」のように、あまり良い意味では使われることがないパーツだけど、世界的にはどうなんだろう。
調べてみるのも面白いかもしれないね? 

「Bill,the Galatic Hero」はHarry Harrinsonの1965年のSF小説だよ!
黒とピンク、紫と白の4色だけを使用しているにもかかわらず、ショッキングピンク色が強いので、非常にインパクトがあるよね。
銀河のヒーローと呼ぶのにふさわしく、まるで宇宙空間を闊歩しているように見える大胆な構図。
物語のあらすじを調べてみると、かなり荒唐無稽で面白そうなんだよね。
日本では「宇宙兵ブルース」として出版されていたみたい。
ハリイ・ハリソンは映画「ソイレント・グリーン」の元ネタの原作者でもあるという。
チャールトン・ヘストン主演で未来の食料品が枯渇した世界を描いた映画は、実際にそんな日が来るのではないかと思うほど怖かったよ。
今回紹介した「宇宙兵ブルース」も映画化されていることを知り驚いた。
監督はなんと「ストレイト・トゥ・ヘル」や「レポマン」でお馴染みのアレックス・コックス!
映画化されたのが2014年だというから、今から5年前なんだよね。
50年以上前の原作の映画化とは!

アレックス・コックスが最近でも映画を撮っていたことに驚いてしまったよ。
日本での公開はなかったのかな。

「All in The Racket」はWilliam E. Weeksによって1930年に書かれた本ね。
30年代にこのデザインセンスとは驚いてしまうよ。
タイトルを直訳すると「ラケットの中にあるすべて」?
ラケットはテニスやバドミントンで使う以外に、名詞で苦難や試練といった意味もあるようなので、恐らくこの本では「苦難のすべて」のような訳なのかもしれないな。
ロープが体にまきつき、がんじがらめになったせいで、抵抗することすら諦めてしまったような人物が描かれているよね。
自己啓発本の一種かもしれない、と勝手に想像するよ。
目に留まるデザインだけど、この本を手に取って、レジに向かうのは勇気がいるだろうな。(笑)

巨大なアリ!
古代人が着ているような服装をしたヒゲの男が驚いているようにみえる。
まるで版画のようなブック・カバー・デザインだけど、一体何語なんだろうね?
調べてみると、「Niezwykle Przezycia Doktora Dumczewa」は直訳すると「Dumczewa博士の異常に良い生活」だって。意味不明だね?
本の内容は「200分の1となって昆虫の世界に侵入した学者の冒険物語」とのこと。
1962年に刊行されているというので、「ミクロの決死圏」(原題:Fantastic Voyage 1966年)よりも早いことになるね。
オレンジとグレー、黒と白だけで本の内容を上手く伝えているデザイン。
絵本の表紙にしても良い雰囲気だよね!
ポーランド文学は殆ど知らないので、読んでみたいな。

「Self and Others」、自己と他者だね。
 イギリスの精神科医であるR.D.レインが1959年に発表した研究論文のようだね。
この本は違うブック・カバー・デザインだったら日本でも手にはいるみたい。
「 人間と人間との間で演じられる相互作用におけるもっとも基本的でもっとも微妙な「自己と他者」の関係を、著者は電子顕微鏡を透して見るように強拡大して見せる。
人間関係のからみあいを凝視して、螺旋的で錯綜したドラマを図式化し展開する。(Amazon販売ページより)

円だけを描いたデザインだけれど、本の内容をわかりやすく伝えることに成功しているよね。
単なる円だとあなどれないところがすごいと思う。
これぞ究極のシンプルさだよね。 

最後はこちら!
4冊分をまとめて紹介してみたよ。
まるで式神のような人型が登場する犯罪小説のブック・カバー・デザイン。
これはイギリスの出版社であるペンギン・グループが、「グリーン・ペンギン」としてシリーズ化しているデザインのようなんだよね。
黒・緑・白の3色だけで繰り広げられる世界は、見ているだけでワクワクしちゃう!
まるで記号のように単純化しているのに、一瞬のうちに状況説明できている秀逸さには脱帽だよ。
「野良猫の死」「棺を抱えて」「後幕」「バスマンの新婚旅行」という思わせぶりなタイトルが並んでいるよね。
内容は不明だけど、このブック・カバー・デザインを見ただけで購入意欲が湧いてくるのは間違いないよ。
こんなにデザイン的に優れている本だったら、読まなくても飾っておきたくなるくらいだもんね。(笑)

今回は色数が少なめのブック・カバー・デザインを集めてみたよ。
ヴィンテージと言って良い1960年代以前の物がほとんどだったのは、ROCKHURRAH RECORDSの好みの問題かもしれないね。
ヴィンテージ・デザインにはカッコ良いものが多すぎて、目移りしてしまうほどだった。
とても1回ではまとめきれなかったので、また別の機会に特集してみたいと思う。
温故知新の旅、次回もお楽しみに!(笑)

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