六本木クロッシング2019展:つないでみる/ユーモアてん。鑑賞

                   

【六本木クロッシング2019展のトレイラー】

SNAKEPIPE WROTE:

長年来の友人Mと久しぶりに約束をした。
友人Mと一緒の時には、必ずといっていいほど映画や展覧会を鑑賞している。
いくつかの候補を出し合った結果、六本木で待ち合わせることにする。

約束の日は、桜が咲いているのにも関わらず真冬並に寒くなってしまった。
こういう時には季節外れと思われても、しっかり防寒すべきなのかな。
迷いながらも、コートやダウンジャケットをやめてレザージャケットにしたSNAKEPIPE。
なんと友人Mもレザーではないか!
2人して薄着だったことを後悔することになる。

森美術館15周年記念展として企画されている「六本木クロッシング2019展:つないでみる」は、展示されているアーティストについて全く知らない状態での鑑賞である。
若いアーティストを紹介しているようなので、知らないのも無理はないかもしれないね。
面白いと感じたのは、「つないでみる」のコンセプトだった。 

価値観の多様性が認められるようになった一方で、オープンであるはずのインターネットが、特にSNSにおいて、意見や認識の同調や共感を助長し、逆説的に閉鎖的なコミュニティを生み出してしまう問題、偏った政治観によって引き起こされる軋轢や拡がり続ける経済格差など、さまざまな「分断」が顕在化しているようです。
こうしたなか、対極のものを接続すること、異質なものを融合すること、本来備わっている繋がりを可視化することなど、アーティストたちは作品を通じてさまざまな「つながり」を提示します。

ちょっと長い文章を引用させてもらったよ!
現代アートとして定義されているような「解説ありき」の作品は無視したいと思っているSNAKEPIPEだけれど、 日本の社会問題をアートの分野に取り入れてみようとする試みには興味を持った。
どんなアートに出会えるのか?
森美術館は基本的に撮影オッケーな展示が多く、作者名や作品名を表記すればネットへのアップも良いとのこと。
更に動画も1分以内なら撮って良いという太っ腹な対応だよ!
さすが森美術館、良いね!(笑)

会場に入ってデーンと御座しますのは、ショッキングピンクのお猫様。
インパクトの強さはピカイチ!(笑)
絶対に誰もが目が合ってしまうんだよね。
近づいてみると口を表している「A」の部分は緑色のビニールテープが巻かれていたよ。
好きとか嫌いを抜きにして「あの大きな猫ね」と記憶に残る作品であることは間違いないね。
それにしてもどうしてこの猫が「小林さん」なんだろうね?
昔「オレたちひょうきん族」で吉田君っていう名前の牛がいたことを思い出したよ。(笑) 

続いて目に飛び込んできたのは佃弘樹の作品。
自分で描いたドローイングやスナップショットのデジタルコラージュだという。
デジタルコラージュって初めて聞いた言葉だけど、結局はphotoshopでレイヤー使って一枚の画像を作るってことで良いみたいだね?
佃弘樹はSNAKEPIPEも大好きな「2001年宇宙の旅」や「ブレードランナー」のような映画に強い影響を受けたらしい。
嗜好が似ているアーティストは、やっぱり作品にも惹かれることが多いよね!
様々なイメージのミクスチャーなのに、なぜだかシンプルに見えてしまう。
モノクロームだからかもしれないね。

「こっ、これはっ!」
友人Mと一緒に思わず声を上げてしまった作品「機械人間オルタ」!
土井 樹+小川浩平+池上高志+石黒 浩×ジュスティーヌ・エマールという5人がチームになって制作したという。
動く人形といえば2013年の「大人社会科見学—伊豆高原—」に野坂オートマタ美術館の感想をまとめていたっけ。
あの時に鑑賞した人形は1900年頃に作られた「からくり人形」だったけれど、精巧な作りと繊細な動きに感銘を受けたんだよね。
現代においては、人形というよりはアンドロイドといったほうが適切なのかもしれない。
今回鑑賞した「機械人間オルタ」は、アーティストの作品というよりは研究者の開発という感じみたいだね。
まぶたを閉じたり、言葉にならない声を発したりして、かなり人に近い動きだった。 

どうやら「機械人間オルタ」は 「Scary Beauty」というアンドロイド・オペラで指揮者として活躍しているようで、世界の人工生命研究者には有名な存在らしい。
科学とアートの融合をやっているんだね。
過去のオペラの様子を映像で観たけれど、かなり不気味だったよ。
六本木クロッシングのテーマである「つないでみる」を実践してみせようとしたのが、アンドロイドだったとは!(笑)

現代アートの展覧会で観るのを敬遠してしまうのがビデオ作品。
結局何が言いたいのか分からないと感じてしまうことが多いし、時間が長い作品だと疲れてしまうのが理由なんだよね。
その傾向を逆手に取って作品作りしていたのが会田誠で、笑ってしまったっけ。(笑)
六本木クロッシング2019展では、映像作品にお気に入りが2つもあり驚いた。
平川紀道の「datam」は、「コンピュータ・プログラミングによるリアルタイム処理を用いた映像音響インスタレーション」だという。
ああ、やっぱりね!(笑)
この映像は砂嵐のような流れと色彩の美しさを感じるだけではなく、じっと見入らせて動けなくさせてしまうような魔力(魅力?)があるよ。
「『愛と幻想のファシズム』に出てきた狩猟社のCMってこんな感じじゃない?」 
友人Mが言う。
おお!その表現はドンピシャだね!
ずっと部屋に流しておきたいと思うような映像が観られて良かった。
動画撮影1秒過ぎているところは許してちょんまげ!(笑)

竹川宣彰の作品の主役は猫!
猫がオリンピックを開催したらこんな感じなんだろうね。
ポスターは10枚組で展示されていた。
どの競技の猫ちゃんもかわいくて、猫好きにはたまらないね。(笑)
他にはオリンピック会場のインスタレーション作品もあり、陶器で作られた何千もの猫達が所狭しと会場を埋め尽くしていたよ。
みんな背中を向けてスタジアムを見学しているので、目が合わなかったのが残念!

「つないでみる」の会場を抜けて、「MAMコレクション」という別会場へ。
カーテンをめくって中に入ると、真っ暗で何も見えない!
視力が悪いSNAKEPIPEは、急に暗いところに入ると方向感覚を失っちゃうんだよね。
数秒後に目が暗闇に慣れると、中央に緑色の巨大な物体が!
アリ?
大きなアリには出会ったことがないので、急に成長した姿を見せられてもねえ?(笑)
実際の昆虫が大きくなったら相当不気味だと思うけど、緑色に発光したアリはとても美しかった。
米谷健+ジュリアというユニットがウランガラスとブラックライトで制作したという。
環境破壊に警鐘を鳴らす意味を持つ、先住民族アボリジニに伝わる神話「緑アリの教え」をモチーフにした作品との解説があるけれど、解説なくてもタイトル知らなくてもノー・プロブレム!(笑)
とてもキレイだったよ。

今回はもう一つ展覧会を鑑賞することにする。
多分友人Mも「六本木クロッシング2019展」だけでは物足りなかったんじゃないかな。
「これは!」と思う作品は映像の2作品だけだったからね。
そこで次に向かったのは六本木ミッドタウンにある「21_21 DESIGN SITE」である。
ここは2014年に「好き好きアーツ!#26 DAVID LYNCH-鬼才デヴィッド・リンチの新作版画/写真展とイメージメーカー展」でデヴィッド・リンチのリトグラフをバシバシ撮影したことがある美術館だったよ!
きっと今回も撮影オッケーに違いない。(笑)
寒空の中、友人Mとミッドタウンに向かったのである。

ミッドタウンには見事な桜並木があり、海外からの観光客も多く賑わっていた。
お花見しながらシャンパンを頂くイベント(?) が催され、透明のテントがいくつか並んでいた。
日差しが暖かい日だったら絵になる光景だけど、あの寒空にシャンパンはどうだろうね?

「21_21DESIGN SITE」で開催されていたのは「ユーモアてん。」。
チケットを買おうとするとフランス人(?)のツアー客が列を作っている。
かなりお年を召した方々で、あまり美術館に慣れていなかったのかもしれない。
途中で撮影不可の展示を撮影して注意されていたよ。(笑)
そう、今回の展覧会は撮影不可が多くて、ちょっとがっかりだったんだよね。 

撮影して良い作品の中に四谷シモンの球体人形を発見!
「機械仕掛けの人形2」とカーテンで仕切られた「18禁」の小部屋に「未来と過去のイヴ」のシリーズから、もう1体展示されていたよ。
この「18禁」の部屋には、他に春画などが展示されていた。
せっかく仕切りを付けるなら、もっと充実した展示品にして欲しかったなあ。
展示方法もおざなりで、イマイチだったんだよね。

そうは言っても四谷シモンの人形を愛して止まない友人Mは展示に大喜び。(笑)
隣には金子國義の絵も展示されていて、この空間だけ異彩を放っていたよ。
どうして「ユーモアてん。」で展示されているのかは謎だけど、好きな作品を鑑賞できるのは嬉しいよね!

2週間前に書いた「岡上淑子 沈黙の奇蹟 鑑賞」で何度か名前が登場した、瀧口修造の作品も展示されていたよ。
瀧口修造の作品を観るのは、今回が初めてかもしれない。
10点ほど展示されていたけれど、どれも小さな作品だった。
画像は人の口元なのかな?
多重露光したプリントの、パーツだけを切り取って見せていると推測する。
瀧口修造に特別な思い入れはないけれど、この1ヶ月の間に数回出会うことに意味があるような気がしてしまうよ。(笑)
また近いうちに登場するかもしれないね?

一番最後に展示されていたのが中村至男の「7:14」だった。
これは9枚組の作品なので、載せた画像の2枚だけを観ても意味不明かもしれない。 
朝の7時14分にトースターから飛び出たパン2枚を、様々な角度から描いた作品なんだよね!
そのため「7:14」の主役は2枚のパン。(笑)
キッチンの様子、トースターとパンのアップ、更にトースターに近づく、トースター側面からの描写、家の外から飛んだパンを観察など、漫画や映画のカット割りの手法とでも言ったら良いのか。
大抵の場合、人物に対してその手法を使用すると思うので、パンに対してという点が面白かった。
中村至男について調べてみると、シンプルな線で小ネタが効いた作品を制作していることが分かった。
「くすっ」と笑える作品はHPで観られるので、お勧めだよ! 

今回は2つの展覧会をハシゴして鑑賞した。
展示数はたくさんあったけれど、「これは!」と思う作品は少なかったかな。
若手アーティストにスポットを当てた「六本木クロッシング2019展」では、観ているこっちが恥ずかしくなるような学芸会レベルの展示もあり、残念に思った。
「ユーモアてん。」での残念なことは、記憶にとどめるために記録したいと思った作品の多くが撮影不可だったこと。
ポスター作品でも撮影がダメなのは、作者というよりは企業側の問題なのかもしれないね?

当ブログとしてはまさかの3回連続での「行ぐぜ!exhibithion」を書いてしまったね。
2018年に、ほとんど展覧会に行かなかった反動かもしれないな。(笑)

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