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【金田一耕助が心惹かれた女性、早苗を演じる大原麗子】

SNAKEPIPE WROTE:

市川崑監督特集第3弾は「獄門島」ね。
「獄門島」は1947年から1948年にかけて雑誌「宝石」に連載されていた小説で、金田一耕助シリーズの第2作目の作品なんだね。
1985年と2012年に実施されたアンケートミステリーランキングで「獄門島」が堂々の1位を獲得しているという。
1947年に発表された小説が2012年になっても1位ってすごいことだよ!
65年間、ずっと読み続けられているロングセラー作品になるんだね。

最初に映画化されたのは片岡千恵蔵が金田一耕助を演じた1949年版だという。
小説が発表されてすぐだよね。
余程小説が話題になったんだろうね。
それから約30年の時を経た1977年に、市川崑監督によってリメイクされることになるとは!
ちなみに、テレビドラマ版「獄門島」は、今までに5回も制作されているというから驚いちゃう。
「獄門島」がどれほど人気があるのかわかるよね。
トレイラーを観てみようか。

すでに市川崑監督と主演の石坂浩二がタッグを組んだ作品を2作鑑賞済なので、こちらにも心得があるよ。
誰が常連なのかすぐに分かっちゃうんだよね。(笑)
そしてトレイラーの中に「コンタッチ」が入っている。
モノクロームの強いコントラストで、金田一耕助のアップをほんの数秒だけ入れ込むカット割。
なんともいえない効果があるんだよね!
当時このトレイラーを観たら、興味津々で映画館に向かうだろうな。

獄門島のあらすじも書いておこうね。

終戦直後の引き上げ船で死んだ男・鬼頭千万太。
彼は戦友に「俺が島に戻らなければ妹たちが殺される!」という臨終の言葉を残していた。
彼の遺書を預かった金田一は、その戦友に代わって獄門島と呼ばれる島を訪れるが、果たして、俳句の言葉に見立てた奇怪な殺人事件が起こってしまう……。(allcinemaより)

横溝正史は因縁めいた名前や地名を使うのが得意だよね。
犬神、 鬼首村と来て、今回は鬼頭で獄門島。
いかにも「何かありそう」な雰囲気だもんね!
映画の冒頭で、どうして獄門島という名前になったのか、という説明がある。
無惨絵のように血が飛び散っているおどろおどろしい絵をバックに、ナレーションが入っていたんだけど、声が小さめであまりよく覚えてないよ。(笑)
検索すると「その島は流人や海賊がいた島で、住人はそれらの子孫である」といった内容だったみたい。
原作は大昔に読んだきりのため、曖昧な情報になってしまいごめんなさい!

金田一耕助が託されたのが、この紙ね。
「心残りのことがある。ぼくにはしなければいけないことが」
無念さがよく伝わる内容だよね。
この遺書をたずさえて、金田一耕助は鬼頭家に赴くことになる。
犬も歩けば棒に当たる、じゃないけど金田一耕助が行くと事件が起こる!
もちろん、そうじゃないと物語にならないんだけどね。(笑)

「獄門島」のモデルとなったのは、岡山県の最南端に位置する六島だという。
無人島ではなく、現在も人が住んでいるみたいだよ。
それにしても左の画像、素晴らしいね。
雲のかかり方や島のドス黒さは、モノクロームのように見えて凶々しさ全開!
さすがに映像美で有名な市川崑監督だな、と感心しちゃうよ。 

そんな因縁がある獄門島にこれほどの美女が住んでいるとは!
遺書を書いた鬼頭千万太は本家(本鬼頭)の長男であり、分家(分鬼頭)にも長男がいる。
早苗はその分鬼頭の長男、一の妹なのである。
演じるのは大原麗子。
大原麗子といえば、市川崑が監督したサントリーウイスキーのCF、「すこし愛して、なが~く愛して。」のイメージが強いんだよね。
実際に女優として映画に出演している作品を観たことがないのかもしれない。
ちょっと気が強い、まっすぐな性格の美人という早苗に似合っていたよ。
金田一耕助が一緒に東京へ行きませんか、と誘うシーンがあるんだけど、納得しちゃうもんね。
この時の大原麗子、30歳くらいかな。
もっと若く見えたよ。

横溝正史の小説は登場人物の関係が分かりづらいことがあるため、金田一耕助が映画の途中で芋の煮っころがし食べながら家系図作るシーンがあるんだろうね。
「獄門島」でも前述したように本家と分家があるので、同じ姓を名乗っていても、主従関係を理解するのが難しいかもしれない。
ちょこんと座っている3人娘は本家の当主が妾に産ませた子供で、少し頭が弱いように見える。
一番右はこの時16歳くらいだった浅野ゆう子。
1980年代後半に一世を風靡したトレンディドラマの女王だったけれど、この時期にはまだそんな片鱗はなし!
「獄門島」では、あらすじにあった俳句の言葉に見立てた被害者になってしまうんだよね。

3人娘の殺人現場はかなりドラマチックで、このシーンが撮りたくて映像化されることが多いのかもしれないな。
「萩と月」のほうが浅野ゆう子ね。
どちらの句も松尾芭蕉とのこと。
俳句にちなんだ殺害現場というだけでもインパクトがあるのに、映像に文字を入れる演出は新鮮だよ。
このシーンだけを切り取ると、まるでポスターみたいだもん。
市川崑監督以外の「獄門島」は未鑑賞なので、これ以上の表現ができているのかどうかは不明だけどね。
殺人現場なのに美しい、というアンビバレント!
きっとレクター博士も唸るはず。(笑)

市川崑監督が横溝正史作品を手がけた映画で、必ず出演しているのが草笛光子。
今回は、お小夜という役どころで、本家当主である鬼頭与三松の妾になった女役者。
上に出てきた3人娘の母親なんだよね。
芭蕉の句と同じように、お小夜が得意にしていた演目が事件のヒントになるあたりも、知的なセンスを感じるよ。
女役者も堂に入ってたし、狂女となったシーンも本物に見えたよ!

市川崑監督が手がける「獄門島」は女優陣が非常に豪華なんだよね。
太地喜和子は名前と顔は知っていたけれど、映画を観たことがなかったよ。
「獄門島」では分家の嫁である巴役。
ちなみに旦那は大滝秀治という、年の差夫婦ね。(笑)
太地喜和子の、匂い立つような妖艶さに驚いてしまう。
「女」というより「メス」といったほうが良い感じがするよ。
調べてみるとこの時34歳くらい。
今はこんな風に「女」を表現できる女優っているんだろうか。 
こんな雰囲気がある女性なのに、もう亡くなっていると知り残念に思うよ。 

本家の千万太と分家の一が戦死した場合、次に鬼頭家を継ぐ順番は、頭の弱い3人娘。
いくら腹違いとは言っても、本家の血筋だからね。
その3人娘を誘惑して鬼頭家を乗っ取るため、巴に隷属している鵜飼という男がいる。
まるで女みたいに色が白い男、と表現されていた鵜飼を演じたのはピーター!
この役ピッタリだったなあ。
3人娘とも殺されてしまったのでお払い箱になってしまうんだよね。
この役はもうピーター以外考えられないと思っていたら、ドラマ版では三善英史?
その配役も良いかもね!(笑)

もう一人綺麗どころが出演しているんだよ。
司葉子は本家の女中、勝野役なんだけどね。
こんなに美人の女中が獄門島にいるかな?
本家には大原麗子もいるし!
鬼頭家、恐るべしだね。(笑)
実は司葉子は映画の中で重要な役割なんだけど、地味な印象しか受けないんだよね。
太地喜和子の存在感が強いせいなのか、少し霞んで見えてしまったよ。

鬼頭家当主が精神的におかしくなっているため、後見人として鬼頭家に出入りしているのが了然和尚。
演じているのは佐分利信なんだけど、この方非常に滑舌が悪い!
セリフを聞き取るのに苦労したのはROCKHURRAH RECORDSだけかしら?
どちらかというと滑舌が悪いROCKHURRAHを完全に上回ってたもんね。(笑)
その聞き取りづらいセリフの中に、現代ではNGとなるワードが含まれているために、注意喚起されている。
昔の映画の中には、現代とはルールや常識が違うこともあるから、そのままで良いように思うけど。
特に今回のNGワード(とみなされているセリフ)は、肝に当たる部分!
変更したりピー音を入れて消してしまうと意味が違ってしまうのに。 
ちょっと神経質になり過ぎているように感じてしまうね。 

すでにお馴染みとなった加藤武、大滝秀治、三木のり平、沼田カズ子、坂口良子らは、相変わらず良い味出していたね。
それぞれのキャラクターが確立されているので、何が起こるか分からないミステリーの中での安心材料になっている。
笑いの要素も含まれているところも好感度アップなんだよね!(笑)

市川崑監督が次に手がける横溝正史作品は「女王蜂」。
どんな映像美が展開されるのか。
感想をお楽しみに!

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【愛聴していた一枚】

SNAKEPIPE WROTE: 

アジアやインドに興味を持ったのは、いつからだっただろうか。 
若い頃から雑貨などを好んでいたんだよね。
特にインドには憧れを持っていて、インドに関する書物も相当量読んだっけ。
誕生日が同じ藤原新也の「 印度放浪」も愛読書だったなあ!

社会人になってからも、話が合うのはインドを旅したことがある人だった。
実際、あのサイババにご対面された方もいるんだよね!
確かネックレスを貰ったと聞いている。
サイババに会うために列を作っているインド人達が、はるばる日本から来たなら、と前へ前へと譲ってくれたらしい。
自分たちも並んで順番待ちしているのに、なんて良い人たちなんでしょ!

大好きな画家・横尾忠則のように、 「君はもうインドに行っても良いようだ」と三島由紀夫から言われた劇的なエピソードは、当然ながらSNAKEPIPEは持ち合わせていない。
それどころかインドに足を踏み入れることもなく、今に至っている。
横尾忠則はインドに行ってから、劇的な変化を遂げたんだよね。
まるでビートルズがそうだったように。
インドという国には、思考や思想を変えるエネルギーがあるんだろう。
SNAKEPIPEもヨガとか精神世界に興味を持ったのは、インドへの憧憬からだったもんね。
その頃ほどの熱い情熱は持ち合わせていないけれど、やっぱり今でもインドと聞くと胸が踊るよ。

先日、ROCKHURRAHがYouTubeを視聴していた時のこと。
耳にした音楽に聞き覚えがあった。
でも知っているのは違うバージョンだったんだよね。
ここで思い出したのが、昔所持していたLPレコードだ。
SNAKEPIPEが聴いていたのはMONSOONというバンドが演奏していたもの。
てっきりそれがオリジナルだと思いこんでいたけれど
「ビートルズの有名な曲だよ」
と言われ唖然とする。
今までずっとMONSOONの曲だと信じていたからね!(笑)
ビートルズのファンなら誰でも知ってる曲のようで、お恥ずかしい限りだ。

「Tomorrow Never Knows」を最初に聴いたのがこのヴァージョンだから、こういう曲なんだと思ってしまうね。
そう、MONSOONのヴォーカルはインド系のイギリス人なんだよね。
名前はシーラ・チャンドラ。
インドの女性は、なんてキレイなんだろうとうっとりしていたっけ。(笑)

ROCKHURRAHは別の角度から、このバンドを知っていたという。
バックで演奏しているアーティストがマニアックな面々だったそうで。
特にお気に入りのビル・ネルソンがギターとベースで参加していたので、注目していたらしいよ。 
さすがにレコード屋はん、よう知ってはるわぁ。(急に関西弁)

ここでROCKHURRAHのちょこっとガイド!

ビル・ネルソンは70年代には先進的なバンド、ビー・バップ・デラックスを率いていたことで有名だけど、ニューウェイブの時代にはソロ・ミュージシャンとして活躍していた人。
彼のギターをリスペクトするバンドマンも多く、YMOのゲスト・ギタリストとして名前を記憶している人も多いのではないだろうか。
自身のレーベルも持っていて、プロデューサーとしてもスキッズやア・フロック・オブ・シーガルズなどを手がけていた。
「Tomorrow Never Knows」でキーボードを担当したデヴィッド・バルフはティアドロップ・エクスプローズのメンバーとしても知られている。
90年代にはイギリスのバンド、ブラーなどで有名なFOODレーベルを立ち上げて、多方面で活躍していた。
ドラムのメリックは、80年代に一世を風靡したアダム&ジ・アンツのメンバー。
本名のクリス・ヒューズ名義では、80年代ニューウェイブ系プロデューサーとして著名だった。
このようにそうそうたるメンバーがバックを固めていたとは、MONSOONへの期待度が高かったことが分かる。 

以上がROCKHURRAHが語った内容だよ!
ほお、そんなことだったとは。
教えてくれてありがとう。(笑) 

こちらがオリジナル、ビートルズのほうね。
サイケデリックな雰囲気がムンムン!
通常だったらこのバージョンを知ってから、MONSOONを聴くんだろうね。(笑)
歌詞を調べると、輪廻について言っている宗教的な内容なんだよね。
精神世界に傾倒していた時に知っていたら、SNAKEPIPEのテーマ曲になったかもしれないな!(笑)
そして今頃になってやっとケミカル・ブラザーズのお気に入りだった曲「Setting Sun」は、「Tomorrow Never Knows」が元ネタだったことに気付いたよ。
遅いって!(笑)

美しいシーラの動いているところも観たい!

手の長さに驚いてしまうね。
1982年だって。
今から、、、36年前になるんだね。
繰り返し聴いていた曲だけど、ビデオを観たのは初めてだよ!
この曲はイギリスのシングルチャートで12位を記録しているらしいので、ヒットしたんだね。

どうしてSNAKEPIPEがMONSOONのLPを購入したのかは覚えていない。
当時熱中していたエアチェック(古い!)で聴き、買うことにしたのか。
それともインドへの興味から、ジャケ買いしたのか?
どちらにしても、その選択は間違いなかったね!
今聴いても新鮮だと思うよ。

突然思い出したMONSOONなので、近況については全く知らなかった。
調べてみて驚いたのは、ボーカルのシーラ・チャンドラは2010年に「burning mouth syndrome」のため引退しているという。
訳してみると灼熱口症候群、Wikipediaには舌痛症と書いてあるね。
器質的な変化が認められないのに、舌に慢性的な痛みやしびれが生じる原因が解明されていない病気だという。
美しい歌声だったのに、もう歌っていないとは残念だね!

さてそろそろインドカレー食べようかな。
MONSOON聴きながらね!(笑)

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【缶詰がアートになった有名な作品】

SNAKEPIPE WROTE:

子供の頃は魚が苦手だったSNAKEPIPE。
骨を取り出すのに苦労することと生臭さが理由だった。
そうは言っても寿司は好物だったし、例えば「さきいか」のような酒のつまみになるような食材は好んでいた。
骨が残っている状態での魚料理だけがダメだったのかもしれない。
単なるワガママか?(笑)

肉か魚か、と聞かれたら迷わず「肉!」と答えてきた。
ところが最近では脂っこい肉料理の後、具合が悪くなることがあるんだよね。
「こってり」したものが大好きだったのに、ぶ厚いステーキにも反応しなくなってきている。 
 あーあ、寄る年波には勝てないね。(笑)

こうなったら魚を美味しく食べよう!とレシピを検索するROCKHURRAH RECORDS。
和食としての魚だけではなく、洋風メニューが気になるんだよね!
もっとレパートリーを広げて、胃もたれしない料理を作りたい。
簡単で美味しくて、いつでも作れる魚料理ってあるのかな?
ツナやオイル・サーディンの缶詰を使うっていうのも手だよね!
よく海外の旅番組で、缶詰専門のお店が紹介されているのを見る。
お土産にしても良さそうな素敵なデザインがいっぱいあるんだよね。
今回の「ROCKHURRAH紋章学」は缶のパッケージ・デザインについて書いていこうかな!
オシャレなデザイン、たくさんあるんだよね。

最初に紹介するのはポルトガルのデザイン・スタジオ、Nósnalinhaによるもの。
SNAKEPIPEの好みよりは、少しファンシーだけど魚を擬人化するセンスは好きだな。
このお魚ちゃんは女の子みたいだけど、魚別でパッケージのバージョンが違うんだよね。
地域の象徴的なイメージやキャラクターの一部と一致させる魚を選んだ結果、とは缶詰メーカーであるRiscosの発言。
この子は「sardinha」なのでイワシなんだね。
女の子だからイワシ子ちゃんかな。(笑)

色が鮮やかなパッケージだけど、これもイワシの缶詰なんだよね。
赤と黄色で、かなり派手めで目を引くよ。
「AYAM BRAND」と書かれているので、マレー語圏のメーカーだということがわかる。
2007年というと今から11年前の記事「SNAKEPIPEの写真歴」に書いたことがあるけれど、SNAKEPIPEはジャワ島が好きで毎年のように旅行していたんだよね。
そのおかげでインドネシア語を含むマレー語が、多少わかるんだよ。
ちなみに「AYAM」は鶏のこと。
日本だったら金鳥、みたいなものか? (笑)
デザインしたのはマレーシアはクアラルンプールで活動しているRoyce Tee
今までマレーシアのデザイナーに触れたことはなかったかも?
アジアのデザインも注目だね!

最近、電車のトラブル多いんだよね。
ちょっとしたことですぐに電車が止まるから、ストレスの元だよ。
バスだったらどんなに楽だろうね!
おや?このバスは満員で混雑しているようだね?
よく見ると乗車しているのはお魚たち!
TATOO入れてにらみきかせてる輩もいるね。(笑)
ギューギューに詰め込まれている様子を表したという。
このデザインはロシアのBrandiziac Agencyによるもの。
ロシアときいて少し驚いてしまったSNAKEPIPE。
ユーモアがあるし、アメコミみたいな雰囲気だからね。
ナンバープレートをバーコードにして、リアウィンドウに品質表示を記載するとは、おぬしなかなかやるな!(笑)

次は、イタリアのデザイン・スタジオである nju:comunicazioneの作品を紹介してみよう。
英語だったらニューコミュニケーション、になるのかな?
イタリアときいて納得してしまう鮮やかさだよ。
こんなにカラフルな缶だったら、とっておきたくなるよね。
スーパーに並んでいたら手に取ること間違いなし!
全色揃えたら何に使おうか?
考えるだけでワクワクしちゃうよね!

同じデザイン・スタジオからもう一点紹介させてもらおう。
黒をベースにした缶詰って見たことないよ。
そこに赤と金のひょうたんみたいな形。
もしかしたら中は豆なのかもしれないね。
このパッケージも素晴らしいよね。
ちょっと和風な雰囲気もあるので、このデザインでお皿も良さそう。
イタリア、さすがにオシャレだね!

これも欲しくなる逸品! 
2016年のPENTAWARDで金賞を受賞しているデザインなんだよね。
ペントアワードとは「あらゆる形態のパッケージデザインに特化した世界で最も権威のあるコンペティション」とのこと。
ここで受賞するというのはデザイン業界で世界的に認められるってことになるんだね。
これはオランダのAnthemというスタジオの作品なんだけど、世界各国に事務所があるんだよね。
日本では品川区大崎にあるみたい。

この美しいフォルム!
尾ヒレをつけただけなのに、きっと今まで誰も考えてなかったんだよね。
きれいに洗って、小物入れにしたいな!(笑)

中に何が入っているのか謎の缶詰。
デザイナーはAlexander Ilinykhというロシア人。
当然のように書いてあるのはロシア語だね。(笑)
コンセプトはロシア軍のための缶詰らしいので、非常食っぽい内容なのかもしれないよ。
このデザイン、缶詰だけにするのもったいないなあ。
このまま持ち手つけて、マグカップにしても良さそう!
提案したくなっちゃうね。(笑)
WEBには売り込みのためにデザインを載せるようなサイトもあるので、これが実際に軍に納入されているのかは不明!
ロシア軍専用の本物だったら嬉しいな。(笑)

最後は番外編を紹介してみよう。
またオイルサーディンのオシャレな缶だと思っていたSNAKEPIPE。
色合いが美しいし、まるでコンビーフの缶みたいにクルクル丸めながら開けていく過程もユニークなデザイン。
中には魚の絵が描かれた内蓋があると思っていたら…。
なんとこれはヘミングウェイの代表作「老人と海」の絵本だったのね!
このパッケージから本が出てくるとは奇想天外!前代未聞!空前絶後!(大げさ)
デザインしたのはアメリカのグラフィックデザイナー、nina cornelison
どうやら学校の課題で、書籍の限定版をデザインしたということらしい。
ここまでキレイに作られていて、実際に販売はされていないのかな?
ヘミングウェイのファンじゃなくても、プレゼントされたら嬉しい逸品だよね!

缶パッケージもオシャレなデザインがいっぱいだったね。
次はどんなワクワクに出会えるのか、今から楽しみだよ!

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【ブレやボケで偶然を利用したシュールな作品が魅力】

SNAKEPIPE WROTE:

2週連続して「映画の殿」を書いてしまったのにもかかわらず、今週も横溝正史シリーズを計画していたSNAKEPIPE。
今も「こんしゅう」の「こ」と入力しただけで「コンタッチ」と変換されてしまうほどだもんね。(笑)
市川崑監督についての記事はまた次回以降にすることにして、久しぶりに「SNAKEPIPE MUSEUM」にしよう!
どんなアーティストに巡り会えるのか、ワクワクしながら検索を開始。
ラッキーなことに、今回も出会えたんだよね!(笑)

アーティストの名前はFrancesca Woodman、素直にフランチェスカ・ウッドマンと読めるね。(笑)
前回の「SNAKEPIPE MUSEUM」同様、またもや女流写真家になってしまったよ。
フランチェスカは1958年アメリカのコロラド州デンバーの芸術家一家に生まれた。
デンバーと聞くとどうしてもジョン・デンバーを連想してしまい、頭の中に「カントリー・ロード」が鳴ってしまうのはSNAKEPIPEだけだろうか?

父親のジョージは画家・写真家であり美術大学の講師をやっていて、母親のベティは陶芸家だという。
ちなみに兄のチャールズも電子アート(?)の准教授になっているというから、まさに芸術一家!
フランチェスカは13歳で写真を始め、その時からずっとセルフ・ポートレートを撮っている。
左の画像もセルフ・ポートレートね。
1979年に一家はニューヨークに移住。
その頃からポートフォリオをファッション写真家に送り、売り込みを始めるが結果は芳しくなく、自殺未遂。
そして翌年投身自殺。
国立芸術基金からの資金援助の申請失敗に関連していると見られている。
享年22歳とは早過ぎる死だよね。

フランチェスカについて調べてから写真を観ると、心の闇を表現しているように感じてしまうね。 
泥がひび割れてしまった荒廃した地面に横たわる女体。
複雑なフォルムのせいで、どんなポーズをしているのかよく分からないよ。
体の上下が不明なので、不思議な生物のようにも見えてくる。
もしくは打ち捨てられた屍のような。
フランチェスカはモデルを使った作品も撮っているので、この写真がセルフなのかどうか分からないよね。
もしモデルだったとしたら、泥だらけになって大変だっただろうなあ。

これはモデルを撮影している作品だね。
非常に痛々しいんだけど、表情は苦しそうではないよ。
むしろ満足気に見えてしまうので、本人の希望で刺しているような?
もしくは惨死体をイメージしているのかもしれない。
こんな作品を制作していたフランチェスカは、かなりのダーク好きだよね。
まだフォトショップなどで加工ができない時代に、どんな仕掛けで撮影したんだろう。
手にしているのは瓶詰めのようだけど、中に何が入っているのか興味あるよ。
まさか「地獄」じゃないよね?(夢野久作!)

これも不思議に見える写真。
「エクトプラズムみたいだね」
とROCKHURRAHが言う。
エクトプラズムとは「霊の姿を物質化、視覚化させたりする際に関与するとされる半物質、または、ある種のエネルギー状態のもの(Wikipediaより)」とのことで、煙にように見えるらしい。
2018年4月に行った「マイク・ケリー展 デイ・イズ・ダーン 鑑賞」でも、マイク・ケリーが白目を剥いて鼻や口から煙(実際には綿)を出してる写真があったっけ。
超常現象のように見えるこの作品も不気味だよね。

フランチェスカがイメージしていた世界観はよく分かるなあ。
きっと現像して焼き付けるまで、ドキドキ・ワクワクしてただろうな。
もちろんフィルムならではの失敗はたくさんあるんだけど、見た通りに写っているか不安になったり、偶然のおかげでより面白くなっていた「棚ぼた」的な写真の発見が楽しかったからね。
デジカメ以降、この感覚が消滅してしまったのが残念なんだよね。
左はドアが宙に浮いているように見える不思議な作品。
スクエアの画面にバッチリの構図!
レコードジャケットにしたら似合いそうな作品だよね。
ダリの作品の一部を切り取ったようにも見えてくる。

大きな法螺貝に呼応するような女性の髪型。
壁の影の形も気になるよ。
一体どんな夢を見るんだろうね?
右の作品を、どこかで観たような気がしてきた。
記憶を探り、思い出したのがマン・レイだった。 
フランチェスカはシュールレアリズムが好きだったんだろうね。
こっちがマン・レイの作品。
目を閉じた女性がテーブルに頭を乗せているポーズや、小道具を使用するところなど似ているように思ったよ。
マン・レイの作品は、今観ても斬新でカッコ良いものばかり!
影響受けるのも納得だよね。

SNAKEPIPEは検索して初めて知ったフランチェスカだけれど、死後多くの写真集が刊行されたり写真展が開催されているようだ。
亡くなってから評価されるというのはよく聞く話だけど、実際のところフランチェスカが精力的に活動していた時には全く何の賛辞もなかったのかな?
1970年代後半から1980年初頭に、これらの写真を観たとしても、SNAKEPIPEだったら反応しただろうなあ。
フランチェスカの早まった決断が残念でならないね。

もしフランチェスカが生きていたら、今年が還暦。
セルフポートレートでのヌードはないかもしれないけど、どんな写真を撮っていたのか想像してしまうね。
デヴィッド・リンチも工場みたいな無機的な場所をバックに、フランチェスカみたいなブレたヌード写真撮っている。
左の画像がリンチの作品だけど、雰囲気似てるよね?
結局SNAKEPIPEの好みってことなんだろうね。(笑)

早逝したアーティストというのは、神格化されたり伝説になることが多いよね。
フランチェスカもその例に漏れず、今でもファンを獲得している女流写真家だね。
自殺した女流写真家といえば、真っ先に思い出すのがダイアン・アーバスかな。
ダイアン・アーバスもニューヨーク在住だったっけ。
モノクロームの世界に魅せられ、理由は違うけれど同じ運命を辿った2人の女流写真家。
もしかしたらSNAKEPIPEが知らないだけで、3人目がいるのかもしれない。
そしてきっとまたその写真家の作品にも感銘を受けるだろうな、と思う。