ふたりのイエスタデイ chapter24 /LAUGHIN’ NOSE

20240211 top
【ラフィンのシンボル、ニコちゃんマークは永遠ね!】

SNAKEPIPE WROTE:

今回はSNAKEPIPEの青春時代を振り返るカテゴリー、「ふたりのイエスタデイ」にしてみよう。
ご登場いただくのは、日本のパンクバンド、ラフィンノーズ
ヴォーカルのチャーミー、ベースのポンを中心に現在でも精力的にライブを開催している。
活動歴は40年以上とは驚きだよね。
これからもずっと続けてもらいたいよ!

一番最初にラフィンノーズのライブを観たのがいつなのか、はっきり覚えていないけれど、ギターがナオキでドラムがマルだった時代だったことは間違いない。
左に載せた画像は、当時無料配布されたソノシート・レコードで、かつて複数枚所持していたからね。
今では手に入らない物だったのに処分してしまったことが悔やまれるよ。
1985年の新宿アルタにも行ったことを思い出した。(笑)
一体何年前になるんだろう。

有頂天やウイラード、SODOM、リップクリームにキャ→という女性バンドなどのライブを観て興奮していた少女だったSNAKEPIPE。
客同士でぶつかり合うため、ライブの翌日には体のどこかに痣ができていた。
それをまるで勲章のように誇らしく感じていたことが懐かしいよ。

ラフィンノーズは、ポップで明るく、ノリが良いパンクなんだよね。
シンボルマークであるニコちゃんの効果もあると思うけど、親しみやすく一緒に歌って盛り上がることができるライブは格別だったよ。

「Paradise」も大好きな曲!
印象的なイントロが流れると会場は熱気に包まれる。
「Oh,You’re Paradise」は一緒に歌ってしまうね。(笑)
どんどんSNAKEPIPEがノッてきてしまった。
もう1曲歌ってしまおう。

「I Can’t trust A Woman」も盛り上がる曲。
チャーミーのハーモニカが良いのよ!(笑)
「アーイアーイアイ」と拳を突き上げながら歌おう。
当時観たかどうか覚えてないけれど、「Broken Generation」のプロモーションビデオがあることに気付いたよ。
メジャー・デビューした曲だからだね。
Youtubeってありがたいわあ。(笑)

先にも書いたようにSNAKEPIPEにとってのラフィンノーズは、チャーミー、ポン、ナオキとマルの4人なんだよね。
この時代の動画が観られて嬉しいよ!

ラフィンノーズの不幸な出来事を知ったのはニュースだった。
日比谷公会堂での事故が報道された頃には、当時のディスコ「ツバキハウス」のロンドンナイトに熱中していたSNAKEPIPEだったので、ライブから足が遠のいていた。
もしかしたら自分も同じ事故に遭遇したかもしれないと想像して怖くなったことを覚えている。

それからパンク好きの友人ができて、ライブに誘われるようになった。
ラフィンノーズが活動を続けていることを知ったのも、その友人のおかげ。
T君としておこう。
SNAKEPIPE同様、T君も千葉県民。(笑)
千葉駅からほど近い「千葉LOOK」というライブハウスで、ラフィンのライブを観る。
一体何年、いや何十年ぶりだろう?
目の前にいるチャーミーやポンは、少女だったSNAKEPIPEが熱狂した頃と変わらない姿を見せてくれた。
大感激したSNAKEPIPEは、それから再びラフィンノーズのライブに足を運ぶ。

2004年、不幸な事故から17年の時を経て、ラフィンノーズが日比谷公会堂でライブを行った。
T君はじめ、T君のお兄さんやら友人やらと連れ立って、一緒に参戦したSNAKEPIPE。
「ライブのために仕事を辞めてきた」
なんてお客さんもいたほどラフィンノーズが日比谷公会堂に帰ってきた、というのは大きな出来事だったんだよね。
感動的なライブだったよ!

日比谷公会堂の翌年からはROCKHURRAHもライブに参戦するようになる。
千葉の仲間達と一緒にライブ参戦して、そのあとの飲み会が楽しかったなあ。

ラフィンノーズのライブでは、必ず一番最後に演奏する曲がある。
名曲「Get The Groly」だ!
2006年10月の「テーマソング・ベスト3」にも書いているように、「ついつい拳を振り上げてしまう元気になれる曲」なんだよね。
ハードコア・バージョンはCD「LONDON NITE 02」に収録されているよ!
さあ、みなさんもご一緒に!
「ゲッ、ゲッ、ゲッザグローリー!」(笑)

ふたりのイエスタデイ chapter23 /Nina Hagen

20231008 03
【ニナ・ハーゲン・バンドの1stアルバム】

SNAKEPIPE  WROTE:

NHKで放送された「映像の世紀バタフライエフェクト」という番組を録画したまま、ずっと観ていなかったROCKHURRAH RECORDS。
数々のエピソードの連鎖が織り成す歴史的な瞬間を紹介するドキュメンタリー番組なんだよね。
「ベルリンの壁崩壊 宰相メルケルの誕生」を先日やっと鑑賞したよ。
メルケルとは、2005年から2021年までの16年間という長きに渡りドイツの首相だった女性のこと。
ドイツ史上初の女性首相であり、51歳での就任は最年少だったという。
そのメルケルにスポットを当てた番組だったんだよね。
番組の解説を引用させていただこう。

冷戦下の東ドイツ。
抑圧された社会で生きる3人の女性がいた。
見えない将来に絶望していた物理学者のアンゲラ・メルケル。
体制への批判を歌にこめた歌手ニナ・ハーゲン。
デモで自由を訴えた学生のカトリン・ハッテンハウワー。
1989年、政府報道官のひとつの失言から始まったベルリンの壁崩壊は、巨大な嵐を巻き起こし3人の女性の運命を変えていく。
宰相メルケル誕生に秘められた、絶望の中から希望をつかんだ女性たちの物語。

全く予期していなかったニナ・ハーゲンの登場にびっくり!
ニナ・ハーゲンといえば、2009年6月の「個性派女流アーティスト大集合!」や2010年7月の「実物観たよ!80年代ライブ特集」などで書いてきたように、ニナ・ハーゲンの1985年のライブに行っているSNAKEPIPE。
ひゃ〜、今から約40年も前のこととは!(笑)
これまでにも書いてるけど、記憶に残っているのはブラック・ライトに浮かび上がったニナの唇と、レオタードの股間についてたハート(?)みたいな飾りだけ。
それでも貴重なライブ体験をしたことになるんだろうね。
当時、愛聴していたレコードが、トップに載せたアルバムだよ!

YouTubeでアルバム1曲目の「TV-Glotzer (White Punks On Dope)」をかけていると、「それはTubesのカヴァーだね」とROCKHURRAHが言う。
ROCKHURRAHは、ニナ・ハーゲンはほとんど聴いたことがないらしい。
ニナ・ハーゲンの曲だと思っていたのに、元ネタがあったのね!
Tubesってどんなバンドなんだろう?

ジャンルでいうとグラム・ロックになるのかな?
かなり「きわどい」衣装を着け、ロンドンブーツよりも高いヒールを履いて、イメージは「ロッキー・ホラー・ショー」だよね。(笑)
どちらも1975年の作品だから、流行だったのかも?
ニナ・ハーゲン版は1978年に発売されていて、オリジナルを意識しながらもニナ流に歌い上げられていて好きな曲なんだよね!

NHKの番組に話を戻そう。
ニナ・ハーゲンは東ドイツ出身で、1974年に出した「カラーフィルムを忘れたのね(Du hast Den Farbfilm Vergessen)」という曲が大ヒットしたらしい。
19歳だったニナ・ハーゲンが歌うのは「一緒に旅行した彼氏がカラーフィルムを忘れ、記念写真が全て白黒になってしまったことに怒る女性」の気持ち。
ダブル・ミーニングとして「単調で灰色の社会主義東ドイツへの批判」があったという。
サンハウスの「レモンティ」みたいだよね!

女優を目指していたというニナ・ハーゲン、ちょっと演技も入れて可愛らしいね!
発売から約30年経った2003年の調査で、東ドイツの40%の人が歌うことができる曲と判明したとか。
メルケル首相が退任式典で選んだ曲としても有名になったらしい。
「この曲は青春時代のハイライトだった」とコメントしたんだとか。
ドギツイ化粧を施したニナ・ハーゲンのイメージとは違い、国民的な人気がある歌手だったとはね!
NHKの番組で知ることになったことにも驚いちゃうよ。

ニナ・ハーゲンは現在も活動中で、今年のクリスマスにも新曲を発表するらしい。
化粧やド派手なイメージもそのままで嬉しくなるよ。
元気に活動を続けて欲しいね!

ここでお知らせ!
2週間ほど、ROCKHURRAH RECORDS事務所移転に伴い、ブログの更新をお休みする予定だよ。
楽しみにしていてくれる皆様、しばしお待ちください。
移転後にまたお会いしましょう!

ふたりのイエスタデイ chapter22 /ジューシー・フルーツ

20230205 top
【ジューシー・フルーツの1stアルバム「Drink!」】

SNAKEPIPE WROTE:

その訃報を知らせてくれたのはROCKHURRAHだった。
1月11日にイエロー・マジック・オーケストラの高橋ユキヒロが亡くなってしまったとは!
70歳なんて、まだまだこれからなのに。
強いショックを受けたSNAKEPIPEだよ。

学生時代、ポスターを作るという美術の授業があった。
その時SNAKEPIPEが制作したのは高橋ユキヒロのポスターだった。
YMOが世界で活躍していることがとても誇らしくて、メンバーの中で一番好きだった高橋ユキヒロをテーマにしたんだよね。
ケント紙を真っ黒に塗り、シルバーのスプレーで銀河を描き、音楽雑誌から切り取った高橋ユキヒロの写真を貼り付け、宇宙を散歩しているイメージにした。
「YUKIHIRO TAKAHASHI」を黄色でレタリングしたっけ。
今思えば、フォト・コラージュの手法を取り入れてたし、ちょっと横尾忠則風のポスターだよね。(笑)

テクノポップ全盛だった当時、ヒカシューと共にSNAKEPIPEの心を捉えていたグループがあった。
それはジューシー・フルーツ
紅一点、ギターでヴォーカルのイリアが大好きだったんだよね。
デビュー曲であり、最大のヒット曲「ジェニーはご機嫌ななめ」を載せておこう。

聴きながら一緒に歌ってしまうSNAKEPIPE。
学校での学芸会(?)でもイリアになりきって歌ったことも思い出したよ。(笑)
記憶によれば、プロデュースをしていた近田春夫は「幼稚園児のヌード」をコンセプトにしていたと語っていたはず。
今だとしたら問題発言になるのかもしれないけれど、当時のSNAKEPIPEは「バンドを表現するのにピッタリ!」と思っていたよ。
可愛らしい雰囲気のバンドだったからね。

デビュー曲の「ジェニーはご機嫌ななめ」以降は、地声で歌っているイリアは、元ガールズのメンバー。
和製ランナウェイズを目指していたらしく、お色気とロックをミックスさせたガールズ・グループでギターを担当していたみたい。
ってことはジョーン・ジェット役だね!(笑)

次はもう少しロック色が強い3番目のシングル曲「十中八九N・G」ね。
この曲も好きだったなあ!

ジューシー・フルーツは何度も解散と再結成を繰り返して、現在は活動中らしい。
バンドのサイトもあったので見てみると、今年の4月に「イカ天レコ発イベント」に出演するんだって!
何故今になって「いかすバンド天国」のレコード発売なんだろうね?
SNAKEPIPEが好きだったスイマーズも出るみたい。(笑)
ジューシー・フルーツと「いかすバンド天国」の接点が不明だけど、かつて好きだったバンドが活躍している様子を知るのは嬉しいね!

ふたりのイエスタデイ chapter21 /ヒカシュー

20220828 top
【ヒカシューの1stアルバムは所持していなかったよ】

SNAKEPIPE WROTE:

2020年4月の「ふたりのイエスタデイ chapter18 /JAPAN」の中で「一番初めに行ったライブはJAPAN」と書いていたSNAKEPIPE。
ところが最近になってその記憶が勘違いだったことが分かった。
JAPANよりもはるかに昔、ヒカシューの野外ライブに行ってたんだよね!

ヒカシューとは1977年頃から活動している日本のテクノポップ・バンド。
P-MODEL、プラスチックスとともに「テクノ御三家」と呼ばれた、とwikipediaに書かれているよ。
ヴォーカルの巻上公一(画像中央)のキャラクターがインパクトあるんだよね。(笑)
その昔、インタビューを受けている巻上公一が「日本語をはっきり歌うことを心がけている」と話していたっけ。
SNAKEPIPEもよく覚えてるわ。(笑)
どちらかというとコミック・バンドの雰囲気があるヒカシューだけど、独特の個性を持った文学性の高い歌詞にも惹かれたんだよね!

そんなヒカシューのファンになったSNAKEPIPEの昔話をしよう。

まだ子供だったSNAKEPIPEは、同級生2人と共にライブ会場に向かった。
その2人は、特別ヒカシューのファンではなかったので、単なるお付き合いだったと思う。
電車を乗り継いで行ったはずなので、両親の許しを得て子供だけでよくたどり着けたもんだよ。(笑)
そしてどのようにしてライブの情報を知ったのか。
今となっては全く覚えていないけれど、ヒカシューのライブを観たことだけは確かだよ。
友人2人は、「もっと近くに行かなくて良いの?」と気遣ってくれたけれど、首を横に振る。
現地にいることや動いているヒカシューのメンバーを目の当たりにしていることだけで興奮していたため、遠くから眺めているだけで満足だった。
あの時のことを失念していたとは、SNAKEPIPEも駄目だねえ。(笑)

あの時から何十年経ってるんだろう。
今でも時々頭をよぎるヒカシューの曲。
当ブログにも、SNAKEPIPEだけではなくROCKHURRAHの記事にも登場してるんだよね。
今回は改めて「ふたりのイエスタデイ」としてまとめてみよう!

ヒットした代表曲「20世紀の終わりに」が発売されたのが1979年、今から40年以上前のこと。
元々演劇をやっていたというメンバーが集ってできたバンドだと知らずとも、映像を観ただけで役者っぽい雰囲気を感じるよね。
映像の最初に、司会の近田春夫が写っているのも嬉しいね。(笑)
wikipediaによれば、近田春夫がヒカシューのプロデュースを買って出たという。
そんなつながりがあったんだね!
すでに21世紀になってしまった現在でも、新鮮に響くメロディと詩。
恐らく、この曲でファンになったSNAKEPIPEだけど、レコードを買った記憶がないんだよね。
次に紹介する曲も1stアルバムに入っていたようだけど、誰かに録音してもらってカセットで聴いていたのかも。

インターネットラジオで80年代ニュー・ウェイヴを聴くことが多い。
たまにかかるのがクラフトワークの「モデル」。
ヒカシューは、その曲に日本語の歌詞をつけて1stアルバムに収録しているんだよね。
クラフトワーク版はもちろんのこと、ヒカシューのバージョンも素晴らしくて大好き!
SNAKEPIPEは、クラフトワークの曲にヒカシュー版の歌詞で歌っているよ。(笑)
今から思えば、1984年にザ・スターリン遠藤ミチロウが出したカセットブック「ベトナム伝説」で、ストゥージズの「I Wanna Be Your Dog」に日本語の歌詞をつけていた元ネタかもしれないね?
なんて古い話をしてるんだろうか。(笑)

ヒカシューの出したアルバムを調べてみると、どうやらSNAKEPIPEは1984年に発売された「水に流して」までは聴いていたみたいだよ。
「水に流して」は購入していたし。
夢中になって聴いていたことは間違いないけれど、やっぱり一番気に入っていたのは1stアルバムだったみたい。
「プヨプヨ」や「ドロドロ」は、何かある度に歌詞が頭をよぎるほど!
ここまで強烈なインパクトを持つヒカシューなので、好き嫌いがはっきり分かれるタイプのバンドだろうね。
恐らくSNAKEPIPEのように好きになってしまった人は、その呪縛を解かれることはないであろう。(大げさ)

ヒカシューは結成40周年を迎える現在も活動中だという。
最近はどんなことをやっているのか調べてみる。
オフィシャル・サイトもあるし、活動中の映像もYouTubeで観ることができるよ!
40年前とほとんど変わっていない歌声に驚く。
演奏がアヴァンギャルドになっているくらいで、ヒカシュー要素は健在!
ヒカシューの真髄は全くブレていなくて、嬉しくなる。
「水に流して」以降のヒカシューを改めて聴いてみたいと思ったよ。
やっぱりヒカシュー、好きだわ。(笑)