Category Archives 映画の殿

20190106 top
【ROCKHURRAH作成2大女優の怖い顔!】

SNAKEPIPE WROTE:

あけましておめでとうございます。
2019年初のSNAKEPIPEのブログだよ!
今年もアート系を中心にした記事を書いていく予定なので、どうぞお付き合いくださいまし。(笑)

新年にふさわしい映画の紹介と考えたけれど、「正月だから時代劇だよね!」といったルールは我らROCKHURRAH RECORDSにはない。
クリスマスも同様でディズニー映画は観ないんだよね。(笑)
今回紹介するのは1962年公開のアメリカ映画「何がジェーンに起ったか?(原題: What Ever Happened to Baby Jane?)」である。
NHKのBSで放映されたものをROCKHURRAHが録画しておいてくれたんだよね。
どうやら有名な映画らしいけれど、2人共鑑賞するのは初めてのこと。
1962年というと57年も前の映画なので、観る機会がなかったのは当然かもしれない。

まずはトレイラーを載せてみようか。

主演がベティ・デイヴィス!
名前は聞いたことあるけれど、映画を観たことはないよ。
代表作は「イブの総て(原題:All About Eve 1950年)」で、タイトルは知っているけれど未鑑賞。
これはアルモドバル監督「オール・アバウト・マイ・マザー」が元にしているタイトルだよね。
それにしても、このトレイラーで観るだけでも、かなり強烈なインパクトのベティ・デイヴィス! 

80年代に流行ったキム・カーンズの「ベティ・デイヴィスの瞳」ね!
この曲によって名前だけは知っている人、多いんじゃないかな?
それにしてもこの曲、カヴァーだったとは知らなかった!
オリジナルは1974年にジャッキー・デシャノンが歌っているんだけど、全く別の曲に聴こえてしまう。
カヴァー・バージョンのほうが断然グッドだと思うね!
「女ロッド・スチュワート」と言われたキム・カーンズのハスキー・ボイスが耳に残る名曲だよ。
この曲を聴くと当時を思い出すなあ。(しみじみ)
1990年に発売されたマドンナの「ヴォーグ」にも「Bette Davis, We Love You」という詩(というかラップ)が入っていたっけ。
歌詞に名前が登場するほど有名なベティ・デイヴィス主演の映画、これは楽しみだ!

「何がジェーンに起ったか?」のあらすじを書いておこうね。

かつてベビー・ジェーンという名で子役として活躍したジェーン。
そして美しいスターだったが、事故で不具となったその姉ブランチ。
年老いたふたりは古い屋敷で隠遁生活を送っていた。
ジェーンは酒に溺れ異常な行動を繰り返し、そのあげく体の不自由なブランチに暴力を振るうようになる。
追い詰められていくブランチに、やがてジェーンは……?(映画.comより)

※ネタバレしていますので未鑑賞の方はご注意ください

ベビー・ジェーンという名前で歌と踊りを披露しているジェーン。
絶大な人気を誇り、ベビー・ジェーン人形まで売り出されるほど。
この人形と一緒にポーズを取っている画像がこれね。
子役が大成しないで消えていくというのは芸能界ではよく聞く話だけど、ジェーンもその例に漏れず、華やかだったのは子供時代だけだったようだ。
子供の頃にちやほやされてしまうと、我儘な子になるだろうというのは予想できるよね。
ジェーンも身勝手で自分の言うことは何でも許されると思うような生意気な子供に育ってしまったようだ。

拍手喝采を浴びるジェーンを無表情で見つめる姉のブランチ。
きっとあなたの時代が来るからね、と母親に言われると「絶対にそうなるわ!」と強い意志を露わにする。
おとなしそうに見えるけれど、実は内心穏やかではなくメラメラと炎が燃え、ジェーンに対して闘志を燃やす少女時代のブランチ。
これらのエピソードで姉妹の性格がよく分かるよね。

そして少女の頃宣言した通り、ブランチは女優として脚光を浴びる。
大女優として絶好調の最中、車による事故のシーンが映し出されるのである。
まるで誰かが故意にアクセルを踏んでひき殺そうとしたかのような?
女性の足元しか映っていないので、殺意を持って運転していたのが誰で、被害者が誰なのか不明なまま!
そして現在の2人の様子をカメラがとらえる。
車椅子の女性は黒髪なので、姉のブランチだとわかる。
被害者は当時人気を博していたブランチで、恐らく大根役者として姉の足を引っ張っていたジェーンがアクセルを踏んだだろうと想像するのが自然な流れだよね。

金髪を縦巻きロールにしているこの女性がジェーン? 
きっとそうだよ、子供時代も縦巻きだったもんね。
少女の頃から一体どれくらいの年月が経っているんだろう。
欧米人は老けてみえがちだけれど、60代くらいだと推測する。
ベビー・ジェーンから50年くらいが経過したという計算ね。
実際のベティ・デイヴィスはこの時54歳。
わざとメイク・アップで老けさせていたのかもしれないね?
そして曲のタイトルにもなった印象的な目は、確かにすごい。
この写真でも分かるよね! (笑)

ちっとも仲良さそうには見えない姉妹だけれど、長年2人は一緒に暮らしているようだ。
事故で足が不自由になったため、負い目のあるジェーンが世話をしているということか。
大女優だったブランチには気品が感じられる。
昔自身が主演した映画を観てうっとりしているところをジェーンに邪魔され、訪ねてきたファンもジェーンによって追い返される。
とことん姉を憎み意地悪をするジェーンと涙するブランチという対比が描かれるんだよね。
どうしてこんなに仲が悪いのに一緒に生活しているのか不思議に思ってしまうよ。

ジェーンは若い頃から酒好きで、今ではほとんどアル中状態。
アルコールが原因なのかもしれないけれど、感情の起伏が激しいんだよね。
酒の勢いで余計にブランチに辛くあたっているのかもしれない。
ブランチが可愛がっていた小鳥を殺してブランチの食事として提供するあたりから、ジェーンの意地悪な行動はエスカレートしていく。
ゲラゲラ笑いながら残酷な仕打ちを繰り返すジェーンは、迫力があって怖かったよ!
そしてブランチが歩けないことをいいことに、財産をアルコールや自分自身の夢であるベビー・ジェーンの復活に向けて浪費するのだ。

ブランチが所有している小切手を、ブランチのサインを真似て勝手に使っているのである。
何度もブランチのサインを真似て書いた紙が出てきたけれど、これはまるでアラン・ドロン主演の「太陽がいっぱい(原題: Plein soleil 1960年)」みたいだよね。
ジェーンは復活に向けて着々と準備をする。
新聞に伴奏者を募る広告を出し、舞台で着るための衣装を揃える。
ジェーンを駆り立てたのは、鏡を見てからなんだよね。
しっかりと鏡を見た瞬間キャーと叫び、顔を両手で覆う。
こんなはずじゃないわ、私はこんなにおばあちゃんじゃないはずよ!
まだまだ返り咲けるはずだもの。

パパが才能はいつまでも消えないって言ってくれたもの。
そうだ、ベビー・ジェーンの時の衣装を着て、またあの歌を歌うのよ。
ほら、まだこんなに歌えるんだもの!
自己評価が高いといってしまえば聞こえが良いかもしれないけれど。
若い頃の栄光にすがり老いを認めず、少女時代と今の違いに気づかないフリをすることの、なんと恐ろしいことか!
ブランチに意地悪しているジェーンよりも、このシーンが一番怖かったSNAKEPIPE。
これ、恐らく全ての人間が体験することになる課題だと思うんだよね。
老人は老人らしくしようと言っているわけではないので、勘違いしないで欲しい。
現実を見つめることが必要と言ってるんだよね。

新聞広告を見て伴奏者がやってくる。 
作曲家として活動しているピアニストのエドウィンである。
ジェーンの歌を聴き、ダンスを見て実際にはどう思ったんだろう? 
素晴らしい!と褒めていたけれど、それは本心だったんだろうか。
食事を共にしたり、会合を重ねていくうちにジェーンに惹かれていたのだろうか。
エドウィンは母親と2人暮らしの独身男のようなので、女性と知り合いになれることが嬉しかったのかもしれない。
ジェーンに冷たくされる度に泥酔していたので、好きになっていたのかもしれない。
SNAKEPIPEは、このエドウィンの心境が掴みきれなかったなあ。

そのエドウィンに、一番見られてはいけない状況がブランチの監禁だったのに。
ブランチの機転によって物音が聞こえ、エドウィンは監禁部屋を開けてしまうのである。
エドウィンは家を飛び出し、警察に通報する。
一方ジェーンは、錯乱状態に陥って監禁したブランチに助けを求めるのである。
どうしたら良いのかわからなくなると人に頼る、幼児程度の精神レベル。
ジェーンは少女の頃から全く精神的な成熟を果たせなかったのかもしれないね?
だからこそベビー・ジェーンとして復活したかったのかもしれない。

死の淵にいるブランチを連れて逃げるジェーン。 
子供の頃からずっと好きだった海に行けば、きっと何か良い方法が見つかるはずだもの。
日焼けしながら砂遊びして、好物のアイスクリームを食べるのよ。
ジェーンの内面は完全に退化し、ベビー・ジェーンに戻っている。 
大友克洋の「AKIRA」に出てくる「子供なのに外見が老人」とは逆なんだよね。
最後にブランチから衝撃的な告白をされるジェーン。
観ているこちらも驚いてしまう内容なので、今までこの映画を観てきて持った感想がひっくり返されるほどの衝撃を受けるのである。
ジェーンとブランチが話していた内容の真偽を確かめたくなってしまう。
告白の際にはジェーンは一時正気に戻ったようだけれど、またすぐにベビー・ジェーンになったようだった。
もしかしたらもう現実逃避して、そのままベビー・ジェーンとして生きたほうが幸せなのかもしれない。
大勢の観客の前で歌い踊り、パパに褒めてもらう少女のジェーンの心のままで、ね。

この映画は「精神的に不安定な(あるいは狂った)高齢の女性を主人公とする、サイコ・ビディ(Psycho-biddy)というジャンルの元となった(Wikipediaより)」という。
サイコ・ビリーならぬ、サイコ・ビディとはね!(笑)
そんなジャンルがあることを知ることができたことも収穫だよ。
57年も前の映画だけれど、前のめりになって鑑賞してしまったSNAKEPIPE。
公開当時はもっとショッキングだっただろうね。
2017年にはドラマとしてリメイクもされているようで、今でも人気があることが分かるよ。

調べて知ったことだけれど、ジェーン役のベティ・デイヴィスと姉ブランチを演じたジョーン・クロフォードは実際に仲が悪かったらしい。
お互いに心から嫌い合っていたからこそ、あの演技に結びついたのかもしれない。
ベティ・デイヴィスの悪女ぶり、すごかったからね! 
よくもまあ、こんなひどい役を引き受けたものだと感心していたSNAKEPIPEだったけれど、ベティ・デイヴィスが有名になったのは「 史上最低最悪のヒロインと呼ばれたほどの悪辣な女性像」を演じたからだという。
その映画「痴人の愛 (原題:Of Human Bondage 1934年)」もいつか鑑賞してみたい。
相手を射すくめる、あの特徴的な目をもう一度見たいからである。

20181021 top
【金田一耕助が心惹かれた女性、早苗を演じる大原麗子】

SNAKEPIPE WROTE:

市川崑監督特集第3弾は「獄門島」ね。
「獄門島」は1947年から1948年にかけて雑誌「宝石」に連載されていた小説で、金田一耕助シリーズの第2作目の作品なんだね。
1985年と2012年に実施されたアンケートミステリーランキングで「獄門島」が堂々の1位を獲得しているという。
1947年に発表された小説が2012年になっても1位ってすごいことだよ!
65年間、ずっと読み続けられているロングセラー作品になるんだね。

最初に映画化されたのは片岡千恵蔵が金田一耕助を演じた1949年版だという。
小説が発表されてすぐだよね。
余程小説が話題になったんだろうね。
それから約30年の時を経た1977年に、市川崑監督によってリメイクされることになるとは!
ちなみに、テレビドラマ版「獄門島」は、今までに5回も制作されているというから驚いちゃう。
「獄門島」がどれほど人気があるのかわかるよね。
トレイラーを観てみようか。

すでに市川崑監督と主演の石坂浩二がタッグを組んだ作品を2作鑑賞済なので、こちらにも心得があるよ。
誰が常連なのかすぐに分かっちゃうんだよね。(笑)
そしてトレイラーの中に「コンタッチ」が入っている。
モノクロームの強いコントラストで、金田一耕助のアップをほんの数秒だけ入れ込むカット割。
なんともいえない効果があるんだよね!
当時このトレイラーを観たら、興味津々で映画館に向かうだろうな。

獄門島のあらすじも書いておこうね。

終戦直後の引き上げ船で死んだ男・鬼頭千万太。
彼は戦友に「俺が島に戻らなければ妹たちが殺される!」という臨終の言葉を残していた。
彼の遺書を預かった金田一は、その戦友に代わって獄門島と呼ばれる島を訪れるが、果たして、俳句の言葉に見立てた奇怪な殺人事件が起こってしまう……。(allcinemaより)

横溝正史は因縁めいた名前や地名を使うのが得意だよね。
犬神、 鬼首村と来て、今回は鬼頭で獄門島。
いかにも「何かありそう」な雰囲気だもんね!
映画の冒頭で、どうして獄門島という名前になったのか、という説明がある。
無惨絵のように血が飛び散っているおどろおどろしい絵をバックに、ナレーションが入っていたんだけど、声が小さめであまりよく覚えてないよ。(笑)
検索すると「その島は流人や海賊がいた島で、住人はそれらの子孫である」といった内容だったみたい。
原作は大昔に読んだきりのため、曖昧な情報になってしまいごめんなさい!

金田一耕助が託されたのが、この紙ね。
「心残りのことがある。ぼくにはしなければいけないことが」
無念さがよく伝わる内容だよね。
この遺書をたずさえて、金田一耕助は鬼頭家に赴くことになる。
犬も歩けば棒に当たる、じゃないけど金田一耕助が行くと事件が起こる!
もちろん、そうじゃないと物語にならないんだけどね。(笑)

「獄門島」のモデルとなったのは、岡山県の最南端に位置する六島だという。
無人島ではなく、現在も人が住んでいるみたいだよ。
それにしても左の画像、素晴らしいね。
雲のかかり方や島のドス黒さは、モノクロームのように見えて凶々しさ全開!
さすがに映像美で有名な市川崑監督だな、と感心しちゃうよ。 

そんな因縁がある獄門島にこれほどの美女が住んでいるとは!
遺書を書いた鬼頭千万太は本家(本鬼頭)の長男であり、分家(分鬼頭)にも長男がいる。
早苗はその分鬼頭の長男、一の妹なのである。
演じるのは大原麗子。
大原麗子といえば、市川崑が監督したサントリーウイスキーのCF、「すこし愛して、なが~く愛して。」のイメージが強いんだよね。
実際に女優として映画に出演している作品を観たことがないのかもしれない。
ちょっと気が強い、まっすぐな性格の美人という早苗に似合っていたよ。
金田一耕助が一緒に東京へ行きませんか、と誘うシーンがあるんだけど、納得しちゃうもんね。
この時の大原麗子、30歳くらいかな。
もっと若く見えたよ。

横溝正史の小説は登場人物の関係が分かりづらいことがあるため、金田一耕助が映画の途中で芋の煮っころがし食べながら家系図作るシーンがあるんだろうね。
「獄門島」でも前述したように本家と分家があるので、同じ姓を名乗っていても、主従関係を理解するのが難しいかもしれない。
ちょこんと座っている3人娘は本家の当主が妾に産ませた子供で、少し頭が弱いように見える。
一番右はこの時16歳くらいだった浅野ゆう子。
1980年代後半に一世を風靡したトレンディドラマの女王だったけれど、この時期にはまだそんな片鱗はなし!
「獄門島」では、あらすじにあった俳句の言葉に見立てた被害者になってしまうんだよね。

3人娘の殺人現場はかなりドラマチックで、このシーンが撮りたくて映像化されることが多いのかもしれないな。
「萩と月」のほうが浅野ゆう子ね。
どちらの句も松尾芭蕉とのこと。
俳句にちなんだ殺害現場というだけでもインパクトがあるのに、映像に文字を入れる演出は新鮮だよ。
このシーンだけを切り取ると、まるでポスターみたいだもん。
市川崑監督以外の「獄門島」は未鑑賞なので、これ以上の表現ができているのかどうかは不明だけどね。
殺人現場なのに美しい、というアンビバレント!
きっとレクター博士も唸るはず。(笑)

市川崑監督が横溝正史作品を手がけた映画で、必ず出演しているのが草笛光子。
今回は、お小夜という役どころで、本家当主である鬼頭与三松の妾になった女役者。
上に出てきた3人娘の母親なんだよね。
芭蕉の句と同じように、お小夜が得意にしていた演目が事件のヒントになるあたりも、知的なセンスを感じるよ。
女役者も堂に入ってたし、狂女となったシーンも本物に見えたよ!

市川崑監督が手がける「獄門島」は女優陣が非常に豪華なんだよね。
太地喜和子は名前と顔は知っていたけれど、映画を観たことがなかったよ。
「獄門島」では分家の嫁である巴役。
ちなみに旦那は大滝秀治という、年の差夫婦ね。(笑)
太地喜和子の、匂い立つような妖艶さに驚いてしまう。
「女」というより「メス」といったほうが良い感じがするよ。
調べてみるとこの時34歳くらい。
今はこんな風に「女」を表現できる女優っているんだろうか。 
こんな雰囲気がある女性なのに、もう亡くなっていると知り残念に思うよ。 

本家の千万太と分家の一が戦死した場合、次に鬼頭家を継ぐ順番は、頭の弱い3人娘。
いくら腹違いとは言っても、本家の血筋だからね。
その3人娘を誘惑して鬼頭家を乗っ取るため、巴に隷属している鵜飼という男がいる。
まるで女みたいに色が白い男、と表現されていた鵜飼を演じたのはピーター!
この役ピッタリだったなあ。
3人娘とも殺されてしまったのでお払い箱になってしまうんだよね。
この役はもうピーター以外考えられないと思っていたら、ドラマ版では三善英史?
その配役も良いかもね!(笑)

もう一人綺麗どころが出演しているんだよ。
司葉子は本家の女中、勝野役なんだけどね。
こんなに美人の女中が獄門島にいるかな?
本家には大原麗子もいるし!
鬼頭家、恐るべしだね。(笑)
実は司葉子は映画の中で重要な役割なんだけど、地味な印象しか受けないんだよね。
太地喜和子の存在感が強いせいなのか、少し霞んで見えてしまったよ。

鬼頭家当主が精神的におかしくなっているため、後見人として鬼頭家に出入りしているのが了然和尚。
演じているのは佐分利信なんだけど、この方非常に滑舌が悪い!
セリフを聞き取るのに苦労したのはROCKHURRAH RECORDSだけかしら?
どちらかというと滑舌が悪いROCKHURRAHを完全に上回ってたもんね。(笑)
その聞き取りづらいセリフの中に、現代ではNGとなるワードが含まれているために、注意喚起されている。
昔の映画の中には、現代とはルールや常識が違うこともあるから、そのままで良いように思うけど。
特に今回のNGワード(とみなされているセリフ)は、肝に当たる部分!
変更したりピー音を入れて消してしまうと意味が違ってしまうのに。 
ちょっと神経質になり過ぎているように感じてしまうね。 

すでにお馴染みとなった加藤武、大滝秀治、三木のり平、沼田カズ子、坂口良子らは、相変わらず良い味出していたね。
それぞれのキャラクターが確立されているので、何が起こるか分からないミステリーの中での安心材料になっている。
笑いの要素も含まれているところも好感度アップなんだよね!(笑)

市川崑監督が次に手がける横溝正史作品は「女王蜂」。
どんな映像美が展開されるのか。
感想をお楽しみに!

20180923 top
【フランス人をも魅了した美人女優、岸恵子】

SNAKEPIPE WROTE:

市川崑監督作品「横溝正史シリーズ」の第2弾!
今回は「悪魔の手毬唄」について書いていこう。

「悪魔の手毬唄」は1957年から1959年にかけて雑誌「宝石」に連載されていた横溝正史の小説である。
映画化されたのは1977年。
市川崑監督が横溝正史作品を手がけた第2作目になるんだね。
※ネタバレしていますので、未鑑賞の方はご注意ください
まずはトレイラーを載せておこう。

簡単なあらすじはこちら。(Amazonより)

古い因習が息づく鬼首村(おにこべむら)で、村に伝わる手毬唄をなぞらえた殺人事件が次々に起こる。
事件解決を要請されて駆けつけた金田一は、手毬唄の謎を解こうと奔走する。

「犬神家の一族」に続き、金田一耕助を演じるのは石坂浩二。
ぼさぼさ頭で、髪をかきむしると大量のフケが落ちるのがお約束なんだけど、「悪魔の手毬唄」では入浴シーンがあるんだよね。
お風呂に入ってもシャンプーはしないってことかな?(笑)
「悪魔の手毬唄」では以前からの知り合いである岡山県警の磯川警部に調査を依頼され、鬼首村にやってくるのである。
この村の名前からしてすでに禍々しいもんね。

金田一耕助に調査を依頼した磯川警部を演じたのは若山富三郎。
20年間も粘り強く未解決の事件を追っているんだよね。
SNAKEPIPEは勝新太郎と若山富三郎の区別がつかない時があって、今回も間違えそうになっていたよ。(笑)
あまり邦画を観ないせいもあるけれど、若山富三郎が出演した作品の記憶がないんだよね。
「悪魔の手毬唄」では、警部役が似合っていたよ。
Wikipediaで出演作品一覧をみると、時代劇かヤクザ映画が多いみたいだけど、人情味のある穏やかな今回の役はとても良かったよ。
もっとこんな役があったら、若山富三郎の代表作が違っていたかもしれないよね?
あまり知らないで書いてるので、間違っていたらごめんなさい。

金田一耕助が逗留した宿の女将リカ役の岸恵子。
岡山の僻村に、こんな女将がいたら大事件だよ!
1932年生まれの岸恵子、この映画の時45歳なのかな。
驚くほどの美しさに惚れ惚れしちゃうね。
昭和の時代の女優さんってキレイな人多いよ。
ちょっとおっちょこちょいな女、という役柄も合っていたね。
リカには一男一女の子供がいるんだよね。

「犬神家の一族」では元ジャニーズのあおい輝彦が重要な役を演じていたよね。
市川崑監督2作目でリカの長男を演じたのは、ある程度の年齢の人なら知ってるフォーリーブスの北公次。
ジャニーズ事務所所属タレントとしては、かなり古株だからね。
ちなみに画像左にいるのは大和田獏ね。若い!(笑)
映画というのは、ある程度の宣伝効果も考えてキャスティングされるだろうけど、この時期のフォーリーブスの人気は下降気味だったみたいね。
役者として活躍していく、というところまでいかなかったのは、この演技を見ると納得かも。
最近のジャニーズ事務所所属タレントは、歌も踊りも演技も得意だからね。
器用さがないと芸能界では生き残れないんだろうなあ。

リカの長女、里子。
生まれつき体の半身に痣があり、人目を避けるため蔵に住んでいる。
鬼首村にいわくつきで生まれた女、というだけで小説やホラー映画の題材になるよね。
あまりセリフもなく、頭を頭巾でくるむ登場が多かったし、あんなことになってしまうので、ずっと不幸なままの里子だったよ。
演じていたのは永島暎子。
出演作品を調べてみたけど、ほとんど知らないものばかり。
邦画もドラマも、あまり知らないからねえ。

里子には3人の幼馴染がいるんだよね。
それぞれ屋号を持った家に生まれた女の子達が、仲良く遊んだ記憶の映像化が怖かった!
少女達が毬をついているだけのシーンなんだけど。
人形なのか人間なのか判別できなかったんだよね。
日本人形というのが、愛らしさよりも怪談で語られることが多いせいかな。
かなり不気味で、SNAKEPIPEは殺人現場よりも恐ろしく感じたよ。

金田一耕助に手毬唄を聞かせたい、と由良家の隠居である五百子が手毬唄を歌いながら毬をつくシーンも怖いんだよ。
演じているのは原ひさ子。
おばあちゃん役でしか観たことがないような?
腰が曲がっているので、畳と毬との距離は30cmもないみたい。
かぼそい声で歌うのが鬼首村手毬唄。

うちの裏のせんざいに
すずめが三匹とまって
一羽のすずめのいうことにゃ
おらが在所の陣屋の殿様
狩り好き酒好き女好き
わけて好きなが女でござる
女たれがよい枡屋の娘
枡屋器量よしじゃがうわばみ娘
枡ではかって漏斗で飲んで
日がないちにち酒浸り
それでも足らぬとて返された
返された

二番目のすずめのいうことにゃ
おらが在所の陣屋の殿様
狩り好き酒好き女好き
わけて好きなが女でござる
女たれがよい秤屋の娘
秤屋器量よしじゃが爪長娘
大判小判を秤にかけて
日なし勘定に夜も日もくらし
寝るまもないとて返された
返された 

桝屋こと由良家の泰子が最初の犠牲者、 秤屋こと二礼家の文子が2番目に殺害される。
手毬唄通りに演出された現場は、芸術的ともいえるよね。
そして手毬唄3番で錠前屋の娘が「返される」ことになっている。
「返される」とは「始末される」ってことね。
錠前屋こと別所家の千恵を演じたのは仁科明子。
ところが別所知恵は生き残る。
別人が「返され」てしまったんだよね。 

里子の幼馴染3人の母親達は、脇役ながら大女優が揃っていたよ。
左から白石加代子、渡辺美佐子、草笛光子ね。
草笛光子は「犬神家の一族」では三姉妹の三女で登場していたけれど、今回は少し足を引きずって歩く由良家の嫁だったよ。
以降の横溝正史シリーズでは必ず出演しているんだよね。
白石加代子は、なんともいえない迫力がある女優で、初めて観た時は驚いたよ。
ドロドロした日本土着の風習や因縁めいた話を語らせたら、右に出る者はいないんじゃないかという雰囲気がある。
なんといっても顔が怖い!
脇役でも強い印象を残すんだよね。
渡辺美佐子はSNAKEPIPEにとっては「ムー」のおかみさんなんだよね。(笑)
優しいおかみさんのイメージだから、横溝正史シリーズに出演している事自体に違和感があるよ。
そんな感想を持つのは少数かもしれないけどね?

「犬神家の一族」で存在感を示していた加藤武が、再び岡山県警の主任として登場!
勝手な推理で犯人を特定し、
「よーしわかった!」
と手を叩くポーズと粉薬を口から吐き出しながら喋るシーンは、シリーズ全編を通して見ることができるよ。
「いつでるか」
と期待して待ってしまうんだよね。(笑)
加藤武の後ろにいるのは岡本信人ね。若い!

「いつでるか」と期待して待ってしまう俳優は他にもいる。
三木のり平と沼田カズ子である。
今回の三木のり平は元活弁士という役どころ。
沼田カズ子は前回同様、無愛想な妻役である。
昔を懐かしがって当時の思い出を語り続ける三木のり平に対して、ぶっきらぼうながら金田一耕助の手助けをするカズ子。
この2人、名コンビだなあ!
毎回楽しみにしちゃうよ。(笑)

事件解決のヒントが鏡に写ったみかんというのが面白かったよ。
相変わらず、相手に不審がられないちょっと間延びしたような口調で、必要な情報を集めていく金田一耕助。
強烈な事件現場とは対照的に、安心感や時に笑いをもたらす金田一耕助の存在を象徴するようなシーンだったね。

コン・タッチは当然のように「悪魔の手毬唄」でも健在だよ。 
唐突に右のようなコンマ何秒かの映像が挟み込まれる。
思考する金田一耕助を表していると思うんだけど、この短い映像があるのとないのとでは全然印象が違うだろうね。
Wikipediaによれば、市川崑監督というのは非常に感覚的な人だったらしい。
こういうアイデアも突発的に浮かんで採用したんだろうね。
オープニングのクレジットにおけるタイポグラフィは真似て使った人がいるけれど、映像はどうだったんだろうね。
影響受けて、コン・タッチを真似た監督いたのかな?

「悪魔の手毬唄」には、上に書いてきたように記憶に残るシーンはたくさんあるけれど、このシーンが最強かな。
夕暮れ時の峠で、金田一耕助は腰が曲がった老婆に出会う。
「おりんでござりやす。かわいがってやってつかあさい」
ぶつぶつ喋りながら通り過ぎて行く、あの場面ね!
全体的に色調が暗めの「悪魔の手毬唄」だけど、夕暮れ時だから更に暗くて、左の画像でもほとんどシルエットにしかみえないよね。
いつかこんな峠を歩くことがあったら、「おりんごっこ」してみたいよね。(笑)
たまたま知ったけど、どうやら岡山県倉敷市に「おりん像」が建っているとのこと!
このシーンがいかに強い印象を残したのか、わかるエピソードだよね。

「犬神家の一族」に続いて制作された「悪魔の手毬唄」も、石坂浩二が主演だったため、金田一耕助像が「あの姿」で定着したよね。
他の俳優が演じた場合には、石坂浩二版金田一を踏襲してるからね。
脇を固める加藤武や大滝秀治といった俳優も、毎回出演することが決定的になったのがこの2作目だろうね。
40年以上前の作品なのに、改めて鑑賞しても展開にハラハラしながら引き込まれるよ!
市川崑監督の横溝正史シリーズは制作順に特集するので、次回は「獄門島」だね。
どうぞお楽しみに!(笑)

20180916 top

【ステージに立つマリサ・パレデスの美しさったら!】

SNAKEPIPE WROTE:

TSUTAYAの「発掘良品」は、過去の作品をリマスターして現代に蘇らせる企画で、ROCKHURRAH RECORDSはショップでレンタルする際に必ずチェックするコーナーだよ。
昔好きだったあの映画がDVDになってる!という例は少ないんだけど、それでもつい立ち寄っちゃうんだよね。
その発掘良品でアルモドバル監督の「ハイヒール(原題:Tacones lejanos 1991年)」がレンタル開始になったことを知り、狂喜する。
ありがとう、TSUTAYA!(笑)

ペドロ・アルモドバル監督の作品を全制覇する計画を立てているROCKHURRAH RECORDS。
2018年7月の記事「映画の殿 第31号 Pedro Almodóvar『ペピ・ルシ・ボンとその他大勢の娘たち』」の中で、未鑑賞作品が残りわずかだと書いた。
その中の1本が「ハイヒール」だからね。
これで残る未鑑賞作品は「欲望の法則」と「ライブ・フレッシュ」の2本のみだよ。
制覇も近いかな? 

それでは早速「ハイヒール」の感想をまとめていこう。
順番では「映画の殿」を書くのは「市川崑監督作品」にする予定だったけれど、それはまた次回に!(笑)
まずはトレイラーを載せようか。
※ネタバレしていますので、未鑑賞の方はご注意ください! 

縦横比がちょっと違っているようだけど、良しとしよう!(笑)
動画の静止画像がハイヒール部分をピストルにした物騒アイテムなんだけど、どこかで見たような?
収集狂時代 第7巻 Chanel編」で紹介したシャネルのハイヒールに似てるんだね!
どちらが先なのか分からないけど、もしアルモドバルが先だったら、ハイブランドの先駆けになるんだね!

「ハイヒール」の簡単なあらすじも載せておこうかな。

テレビのニュースキャスターであるレベッカは、マドリッドの空港で、子供の頃に別れたきりになっている母親を待っていた。
彼女の母親ベッキー・デル・パラモは人気歌手で、15年の間メキシコに住んでいたがスペインに帰ってくることになってきた。(Wikipediaより)

2行しかないあらすじで、しかも映画の冒頭部分しか説明されていないけど、良しとしよう。(笑)
「ハイヒール」は登場人物が非常に少ない映画だからね。

映画が始まって目が釘付けになるのは、タイトルバックのカッコ良さなんだよね。
その部分が入っている映像だったので、上の動画に決めたんだよ。
色合いから構図から、なにもかもがファッショナブル。
アレックス・デ・ラ・イグレシア監督のタイトルバックも抜群に素敵なものが多かったけど、スペイン人の特質なんだろうか。
あの色彩感覚はどのように養われていくのか知りたいよ。

あらすじに登場した娘レベッカを演じたのは、ビクトリア・アブリル。
好き好きアーツ!#22 Pedro Almodóvar part1」で書いた映画「キカ」の中で、「今日の最悪事件」という報道番組を自作自演していたのがビクトリアだったんだよね。
「今日の最悪事件」の時に着用していたのは、ゴルチェだったけど、「ハイヒール」ではシャネル。
SNAKEPIPEはゴルチェのほうが似合っていたように感じたけど?
「キカ」は1993年の作品なので、「ハイヒール」のキャスター役のほうが早かったことが分かったよ。
ビクトリア・アブリルはテレビ向けってことなのかな?(笑)
レベッカは勤務しているテレビ局の局長と結婚しているんだけど、その男は以前レベッカの母親の恋人だったんだよね。
母と娘で同じ男と関係を持つ、という複雑さ。
ありえない設定ではないけど、あまり良い気持ちはしないだろうね。
そしてレベッカの母親というのが、美しい人気歌手のベッキーだから、余計にレベッカは気を揉むこと間違いなし!

ベッキーを演じているのはマリサ・パレデス。
アルモドバル監督の名前を最初に知った作品である「オール・アバウト・マイ・マザー」でも、大女優を演じていたし、「バチ当たり修道院の最期」「私の秘密の花」など、アルモドバル作品の常連だよね。
知的な美人なので、SNAKEPIPEも大ファン!
今回も素敵な衣装を身に着けて、ステージに立つ姿が印象的だったよ。
「ハイヒール」の時に45歳くらいだったのかな。
まだまだ女盛りで、魅力たっぷりのベッキーだったら、年齢が若くても娘のレベッカには負けないだろうなあ。
そして実際、レベッカの夫(ベッキーの元彼)は、ベッキーに言い寄るんだよね。

どうしてこんな男に母娘が引っかかってしまったのか?
マヌエルはテレビ局の局長という立場だから、相当お金は持ってると思うけどねえ。
いつでも不機嫌でプリプリしている、冗談が通じないタイプの男に見えたけど?
そんな男と何故レベッカは結婚したのか?
生まれた時からピカピカに輝いている母親が側にいたら、子供はその存在にかなうはずないと人生諦めちゃうだろうね。
「母親に勝った」という自己満足のために、レベッカは愛してもいない、この男と結婚したんだろうと推測する。
そうまでしないとプライドを保つことができないほど、負け犬根性のレベッカに同情してしまうよ。
そしてメキシコからベッキーが帰国すると、離婚を持ち出されてしまう。
もしかしたらマヌエルも、ベッキーにヤキモチを焼かせるために娘と結婚したのかもしれないね?

「ハイヒール」にも女装の方が登場するんだよね。
歌手ベッキーに憧れて、口パクでショーを行っているレタル。
レベッカはレタルの友達なので、モノマネをやっているレタルのステージに、面白がってベッキーを連れて行くのである。
ショーが終わって、楽屋で話すレベッカに言い寄るレタル。
なんとレタルは女装しているけど、身も心も女じゃなかったのね。
化粧はしてるわ、怪しげな衣装をまとっているわ、なのに「完全に男」だったとは!
まさかの展開にレベッカが驚くのも無理はないよね。

ある日、閑静な住宅に銃声が鳴り響く。
マヌエルが殺されたのだ!
容疑者としてレベッカ、ベッキー母娘とともに、レベッカと同じテレビ局で働く手話担当の女性も浮上。
レベッカの同僚なのに、不倫関係にあったことを堂々と認めるんだよね。
正妻であるレベッカのほうが卑屈に見えてしまうほどの、あっけらかんとした態度には反感を持つ人多いだろうな。
事件当日も会っていたと証言するけれど、早い段階で容疑者リストから外れる。

事件の取り調べをしているドミンゲス判事。
SNAKEPIPEは観た瞬間からトリックに気付いてしまったよ。
この画像からでも「あれ?」と思う人いるかもしれない。
人の顔を覚えるのが苦手なROCKHURRAHには、ハードル高かったかもね?(笑)
ドミンゲス判事の母親というのが、10年間もベッドから出ない引きこもり生活をしているユニークな存在なんだよね。
贔屓にしている女優や歌手などの切り抜きをするのが趣味で、ベッキー用のスクラップブックも作っている。
ベッキーの取り調べをしていることを母親に話したシーンはなかったから、言ってないんだろうね。
なんだか不思議な親子関係だったよ。

あらかじめ知っていないと、見逃してしまうほどのチョイ役でハビエル・バルデムが出てるんだよね。
レベッカがニュース読んでる時の裏方役。
1969年生まれのバルデム、この時22歳。
えーーーーっ!計算間違ってないよね?
とても若者には見えないよ!
主役級だった映画「ハモンハモン」が1992年なので、「ハイヒール」の1年後。
あの時は勢いのある青臭い若者役がピッタリだったので、たまたまこの画像が老けて見えるのかもしれない。
それにしてもこのシャツ、テレビ局っぽいのかなあ?(笑)

レベッカが刑務所に入ったシーンでは、あまりに自由そうな女囚たちに驚いたよ。
囚人服を着ることもなく、集まっておしゃべりしたり電話したり。
まるで女子寮みたい。
インド映画みたいに突然ダンスが始まるシーンもあったよ。
女囚同士のカップルも登場して、ここでもまたLGBTを盛り込むアルモドバル。
塀の外には出られないけど、みんな楽しそうなんだよね。
本当にスペインの刑務所ってこんな感じなのかな?

アルモドバルには母と娘をテーマにした作品がいくつかある。
「ボルベール」や「ジュリエッタ」をすぐに思い浮かべるけど、その出発点はこの映画だったのかもしれないね?
女性礼賛映画もたくさん作ってるけれど、どうして母と娘なのかは謎だなあ。
「ハイヒール」では最後に母と娘は和解し、お互いを理解し合う。
間に合って良かったとも言えるし、もっと早い段階だったら良かったのにとも思う。
法律的には許されないことだけど、こんな形でないとレベッカに幸せが訪れることはないんだよね。
めでたしめでたし、というハッピーエンドを望んでいるわけではないけれど、重苦しい空気のまま映画は終わる。

最も身近な人間関係というのが家族なので、そこに焦点を当て「人間模様」や心理を描くのが特徴のアルモドバル。
そして性差と宗教の問題が加わるんだけど、重くなり過ぎないのはポップな色使いのおかげなのかな。
スペイン移住を考えたくなるほど、魅力のあるアルモドバルの作品群。
是非とも完全制覇したいね!(笑)