大竹伸朗展 鑑賞 #2

20221211 top
【「東京-京都スクラップ・イメージ」の部分。細かく描きこまれてるね!】

SNAKEPIPE WROTE:

先週に引き続き「大竹伸朗展」の感想をまとめていこう。

立体作品「モンシェリー」を抜けると、壁一面に作品が展示されている。
大型作品「東京-京都スクラップ・イメージ」は、どこからどこまでが範囲なんだろうね?(笑)
一番左は、観れば観るほど細かい部分が気になってくる作品。
フォト・コラージュの上に更に描きこまれていて、楽しい発見をすると笑いがこみ上げてくる。
ちょっと不気味な写真やピカソの顔も見つけたよ!(笑)

写真が貼り付けられているように見えるのに、描かれている部分もあって、2014年3月「驚くべきリアル」で鑑賞したエンリケ・マルティを思い出す。
小さめの作品が寄せ集められていて、じっくり観るほどに面白さを感じるところに共通点があるかも。
右上の滝は横尾忠則、右下はゲルハルト・リヒターのパロディのように見えてしまうね。

横尾忠則の「赤い絵画」シリーズのパロディなのか、「青い絵画」シリーズが続く。
これを観た瞬間に大笑いしたSNAKEPIPEは、傍から見れば変な人だよ。(笑)
大竹伸朗が横尾忠則を意識していたかどうかは不明だけど、作品を観て笑う経験はあまりないよね。
貴重な体験をさせてもらったよ。(笑)

「エコー・オブ・サンダー」は、まるで祭壇のように見える荘厳さだった。
いくつかのパーツが組み合わされているため、太めの十字架みたいなフォルムだからかも。
意味が分からないけれど、なんだか重要そうなモチーフが興味深いね。
もう少し暗い場所に配置されたほうが似合ったような?
ROCKHURRAHも気に入ったと言っていたよ!

「pond II」は、もしかしたらデヴィッド・ホックニーへのオマージュかなと思ったSNAKEPIPE。
先週書いた年表の中に、大竹伸朗がデヴィッド・ホックニーのスタジオに通っていた件があったし。
ホックニーといえばプール、そしてプールサイドに立っている人物を描いた絵が有名だよね。
タイトルは「池」で、水着姿の女性の時間差肖像が描かれているので、全く同じ主題ではないけれど、観た瞬間に感じたよ。
女性のバックが黒なのに対して、池は明るい対比が想像力をかき立てるね。

作品のタイトルは「Explorer」だって。
ドラキュラが入っているような形の棺に、縛られた状態の人物が恐怖の表情を浮かべている。
どんな状況なのか分からないけれど、ホラーな雰囲気なのは間違いないね。
タイトルを意訳すると「探索する」や「詳しく調べる」なので、そこからも意図を汲むことは難しそう。
先週のフランケンシュタインもそうだけど、大竹伸朗はホラーが好きなのかもね?

「モンシェリー」に引き続き、昭和な香りがプンプンする「ニューシャネル」!
極彩色の光が反射するミラーボール、化繊素材のスケスケな下着やドレス、キツいパーマをあてたホステスさんなど、60年代後半から70年代のイメージが頭をよぎる。
以前さびれた温泉街で「トレンディ」という名前の喫茶店に遭遇した時にも、似た感覚があったっけ。(笑)
この作品は、70年代の空気を知っている、ある程度年齢を重ねた人に理解されやすいんじゃないかな?
SNAKEPIPEも、おもわず「ニューシャネル」のロゴが入ったトートバッグを購入してしまったよ!

露光に失敗したポラロイド写真を素材にした「網膜シリーズ」。
大竹伸朗も横尾忠則のように夢日記をつけているという。
夢なのか真実なのか、そんな曖昧な領域が表現されているような作品群が素晴らしかった。
おぼろげな形、うっすらとした影にSNAKEPIPEが魅力を感じるようになったのは、マーク・ロスコやリヒターなどの抽象絵画が好きになってからかもしれない。
大竹伸朗が色々な実験をしていて、益々興味が湧くよ。

「網膜(左眼)」と「網膜(右眼)」という高さが3mを超える大型作品。
まるでどす黒い血が飛び散っているような色合い。
真ん中には大量の写真が連なっている。
目を閉じた時、脳の記録装置からフラッシュバックされる、かつて自分が見た光景という解釈になるのかな。
圧倒的な存在感で引き込まれたよ!
SNAKEPIPE MUSEUMに展示したい作品だね!

大竹伸朗展、第2回目はここまで。
素晴らしい作品が多すぎて、厳選できないんだよね。
次週の続きを待て!(笑)

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