
【東京国立近代美術館前の看板を撮影】
SNAKEPIPE WROTE:
たまたま見かけた広告に目が止まる。
「アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」というタイトルの展覧会は、東京国立近代美術館で2025年12月から開催されているらしい。
「アンチ」や「アングラ」だったり「アヴァンギャルド」という文字には反応してしまうんだよね。(笑)
どんな展覧会なのか、調べてみると「1950年代から60年代の日本の女性美術家14名の作品およそ120点を紹介(展覧会告知より抜粋)」する企画だという。
これはとても面白そう。(笑)
ROCKHURRAHを誘って行ってみよう!
散歩日和なら東京駅から歩いても良かったけれど、風の冷たい寒い日は一番近い竹橋駅から行くのがモア・ベターよ!(小森のおばちゃま)
展覧会が始まって1ヶ月以上経過しているけれど、お客さんは多いと感じたよ。
(SNAKEPIPE命名の)国立系に加え、単身で鑑賞しているサラリーマン風の男性やインバウンドと思われる外国人も多数来館している。
1950年代から60年代の女性アーティストだけを特集する企画は珍しいと思うけれど、興味を持つ人が多いのは少し意外だったよ。
もう少し空いてるイメージを持ってたからね。(笑)
今回出品していたのは14人。
最も有名なのは草間彌生だけれど、作品の撮影は禁止。
フランス文学者で小説家である荻野アンナの母、江見絹子の作品はまるでゲルハルト・リヒターのようで素敵だったのに、こちらも撮影不可。
とても残念だったよ。
撮影が可能で印象に残った作品を紹介していこう!
1933年台湾生まれの田部光子は、1946年福岡に引揚げた後、岩田屋百貨店絵画部でデッサンを学んだという。
岩田屋の表記に福岡県出身のROCKHURRAHが反応する。
ROCKHURRAHの子供時代には、デパートといえば岩田屋だったらしい。
福岡では有名な百貨店なんだね。
上に載せた田部光子の作品には、石膏や竹が貼り付けてあり立体感があった。
黒い部分の毒々しさが気に入ったよ!
1927年乃木坂生まれの福島秀子は、20歳の1948年にはアーティストとしてデビューしていたらしい。
福島秀子がモデルとなり、1950年に写真家大辻清司によって撮影された写真を観ると、スタイリッシュで魅力的な女性だったみたいだね。
1955年頃には、既製品にインクをつけるスタンピングの技法を確立したという。
載せた作品の右上部分にも、丸い輪っかのようなスタンプがいくつも見えるよね。
かすれたり、何度も押し付けて太い輪郭にして変化を加えているのも面白い。
福島秀子は絵画だけではなく、舞台美術や衣装なども手掛けていたんだとか。
マルチ・アーティストの先駆けだったんだね。
宮脇愛子の作品は、「カスヤの森現代美術館」や「箱根彫刻の森美術館」でも鑑賞したことがあるよ。
ステンレスのワイヤーを使った作品「うつろい」は、自然に溶け込んで調和していたっけ。
載せた作品の素材は真鍮で、空洞の直方体を積み重ねたもの。
光の加減で輝かしいゴールド色になったり、影ができて黒ずんで見えたりする。
メタリックを使用した作品がとてもカッコ良いね!
建築家の磯崎新が旦那さまだったことは知らなかったよ。
彫刻家と建築家のご夫妻、素敵だね!
1925年生まれの山崎つる子は「具体美術協会」創設メンバーの一人なんだね。
「具体」は1954年に関西で結成された前衛美術家の団体で、新しい実験的なアート作品を制作したことで知られている。
載せたのは、1957年制作のブリキに光を当てた作品。
まるで丸めたアルミホイルみたいに見えるけど、硬度はどれほどなんだろうね?
金属板を光で染めた作品だという。
光を色彩として表現しているのは初めて聞いたかも。
怪しげな雰囲気が素敵で、作品をバックにROCKHURRAHと記念撮影したよ。(笑)
山崎つる子の他の作品も観てみたいと思った。
「具体美術協会」のスターといえば、白髪一雄。
その奥様である白髪富士子の作品が展示されていた。
2020年2月に鑑賞した「白髪一雄展」について書いたブログに書いたのは以下の文章。
「制作する時は、元画家だった白髪一雄の奥さんがサポートしていたというから驚いてしまう。
富士子夫人は着物姿だったり、白髪一雄と同じように黒い全身タイツのような姿で、絵の具を渡したりする」
その富士子夫人の作品がこちら。
1955年制作の「白い板」は、傾斜のついた断絶した白い板が設置されたもの。
白い板部分と板の隙間から差し込んだ光との対比がポイントなのかなと感じたよ。
芥川(間所)紗織は、時期によって作風がガラリと変わっていった画家なんだね。
初期はミロのようで、中盤は怒りをあらわにした女や神話に基づいた絵画を描いていた。
載せたのは1961年〜1962年に制作された後期の抽象画で「裸婦」(左)「スーツを着た男B」(右)。
1960年に渡米してから作風が変わったらしい。
シンプルな色使いがオシャレで、モダンな雰囲気だよ。
1966年に41歳という若さで急逝してしまったとは残念。

多田美波は1962年に自身の名前を冠した「多田美波研究所」を設立し、代表に就任しているという。
皇居や帝国ホテルなどの室内装飾やレリーフを手掛けた彫刻家として知られているんだね。
今回の展覧会では絵画作品と彫刻作品が展示されていた。
鑑賞している時には同じアーティストの作品だと気付いていなかったよ。(笑)
左に載せた絵画作品は、半島を俯瞰で捉えた航空写真みたいに見えるね。
構図と紺色部分に垂らされた白色が面白くて、デザイン的だよ!
右はアルミニウムを素材に使用した「周波数」シリーズの大型作品で、天井から吊るされて浮いていた。
「周波数37303030MC」といったタイトルを付けているのもカッコ良いね!
多田美波の他の作品も観てみたいよ。
今回の展覧会でユニークだったのは、「別冊:アンチ・アクション」と題された小冊子が会場のあちらこちらに置かれていたこと。
全部で14タイトルあり、兵庫県立美術館学芸員の江上ゆかが「アンチ・アクション」について詳しく解説してくれている。
江上ゆかの熱量が伝わる、おまけとは思えないような充実した内容に感謝したい。
1から14までの小冊子を探して歩くのも楽しかったので、とても良い企画だと思ったよ。
日本語版しかなかったので、海外の方は少しご不満だったかもしれないね?
1940年代半ばから1950年代にかけて、フランスを中心に行われた「アンフォルメル(非定型の芸術)」という運動は、世界中に広まっていたらしい。
アメリカではジャクソン・ポロックやウィリアム・デ・クーニングといった、「アクション・ペインティング」のアーティストが活躍したのもこの時代だという。
日本では先に書いた「具体美術協会」が海外でも紹介されていて、同時代に活躍した女流アーティストに焦点を当てたのが今回の展覧会なんだね。
奇をてらったアクション・ペインティングに対して「アンチ」を唱えたアーティストもいたようだけど、14人とも「アンフォルメル」を意識していたことは間違いないはず。
「アンチ・アクション」か「アクション」かなど関係なく、今回の企画展を満喫したよ!
日本人女流アーティストの多彩な抽象作品をまとめて鑑賞することができて良かった。(笑)






















