ポーランドの巨匠 ヤン・レニツァ 鑑賞

20260315 top
【いつも通り、gggの入口を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

ROCKHURRAHに誘われて訪れたのは、ギンザ・グラフィック・ギャラリー
現在開催されているのは「ポーランドの巨匠 ヤン・レニツァ」展で、「斬新な表現で国際的に高い評価を受け、ポーランド派と謳われたポーランドのポスター芸術(展覧会サイトより)」だという。
これはとても楽しみ!(笑)

巨匠と書かれているけれど、恥ずかしながらSNAKEPIPEは初めて耳にしたアーティストだよ。
経歴を調べてみよう。

1928 ポーランド・ポズナンに生まれる
1945〜 風刺漫画・イラストを新聞や雑誌に発表し始める
1947–1952 ワルシャワ工科大学 建築学部で学ぶ
1950 映画・演劇ポスターの制作を開始
週刊風刺誌「Szpilki」のグラフィック編集者となる
1954–1956 ワルシャワ美術アカデミーでポスターの巨匠ヘンリク・トマシェフスキ の助手を務める
1957 映画作家ヴァレリアン・ボロフチクと共同でアニメーション映画制作を開始
1961 ヴェルサイユ国際映画ポスター展でトゥールーズ=ロートレック賞を受賞
1963 パリに移住
1966 第1回ワルシャワ国際ポスタービエンナーレで金メダル受賞
1979–1985 ドイツの University of Kasselアニメーション学科の初代教授・学科長
1986–1994 ベルリンの ベルリン芸術大学(旧Hochschule der Künste)でポスター・グラフィックの教授
1987 ベルリンに移住
1999 カトヴィツェのポーランド・ポスタービエンナーレでグランプリ
2001 死去

17歳の頃から新聞などに作品を投稿していたんだね。
1950年代から「ポーランド派ポスター」の主要人物として認知されていたみたい。
「ポーランド派」とは、イタリアで1940年代から1950年代にかけて盛んだった「ネオレアリズモ」の影響を受けたグループを指すらしい。
それは反ファシズムや社会主義リアリズムへ反抗したムーブメントだったという。
映画監督ではアンジェイ・ワイダが有名なんだって。
同時期の日本では、大阪の具体美術協会がアヴァンギャルドな活動をしている。
戦後、世界中で様々な芸術表現が試されていたんだね!

ギンザ・グラフィック・ギャラリーは、無料とは思えない展示作品数の多さを誇る太っ腹なギャラリー!
撮影もOKしてくれるんだよね。
今回は、作品が全て額装されていたので反射してしまうのが残念だったよ。
少し画像が見づらいけど、許してね。(笑)
気になった作品を紹介していこう!

赤いバックに所狭しと作品が展示されている。
どれから観ようか迷ってしまうほどだよ。(笑)
ちょっと引いて8枚の作品を撮影したのがこれ。
ドビュッシー、ファウスト、モーツァルトなどの文字を読むことができるね。
どうやらこれはオペラの告知ポスターみたい。
ポーランドで公演されたものなのかな?
ヤン・レニツァの作品は、くっきりした大胆な色使いで目を引くね!

会場の一番目立つ場所に展示されていた作品がこちら。
左は1976年「第6回ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ」、右は「ヴォツェク」(1964年)オペラのポスターだという。
流線型の中に目や口がある、ちょっと不気味だけどポップな作品は強烈だよね!
赤い作品は展覧会フライヤーに採用されているよ。
濃い赤からピンクまでのグラデーションと太くて黒いくっきりした線がドギツイ。(笑)
SNAKEPIPEが勝手に持っているポーランドのイメージが大きく覆ってきたよ!

ギャラリーの地下に移動する。
こちらにもたくさんの作品が展示されているよ。
ヤン・レニツァは、映画のポスターも手掛けていたんだね。
これはルイ・マル監督の「死刑台のエレベーター(1958年)」のポスターだよ。
下から順に増えていく数字や矢印は、エレベーターを表しているんだね。
有名な映画だけど、SNAKEPIPEは未見かも。
黒い人影のバックが、彌生さながらの水玉になっていて、新聞に載った写真みたいなドットを表現しているのかな。
色合いと構図がカッコいい作品だね!

「死刑台のエレベーター」でヒロインを演じたのはジャンヌ・モローだったね。
同じくジャンヌ・モローを主演にした映画を撮っていたのは、ルイス・ブニュエル監督。
「小間使の日記」を観た時に、こんなに美しい小間使がいるものかと思ったっけ。(笑)
載せた作品は、ブニュエルの「熱狂はエル・パオに達す」(1959年)のポスター。
蝶なのかサソリなのか分からないような生き物が描かれている。
バックのボーダーが強いね。
ここまでズバッと一つのオブジェクトだけを描くアーティストは珍しい気がするよ。

こちらはなんとも抽象的なモチーフだよね。
大島渚監督1976年の作品「愛のコリーダ」は、世界的に注目を浴びた作品。
ハード・コア・ポルノとしてはもちろん、阿部定事件をモチーフにしている点も衝撃的だったはず。
現在とは違って、かつて日本女性は従順というイメージがあったはずだから。
貞淑で楚々とした印象があったはずの日本女性が、まさかあんな行動を取るなんて、世界中の人が驚いただろうね。
そんな映画の世界観を「うねうね」した曲線が絡み合った構図で仕上げたヤン・レニツァはさすが!
直接的に猥褻な絵柄を描かなくとも、淫猥な情欲の世界が分かるもんね。
大島渚監督は、このポスターを観たのかな?

年表に記載されている「1957年からアニメーション映画を制作」に関しての展示もあったよ。
1958年の「ハウス」と1962年の「ラビリント」が上映されていた。
ファッションや使われている素材が興味深く、ストーリーも面白い!
載せた画像は「ラビリント」で使用したアートワークの一部で、複写に手彩色だって。
昔のアニメは1秒間に何枚ものセル画を用意していたので、こうした手作業が必須だったはず。
現在では3Dになったため、使用されなくなった手法とのこと。
「ラビリント」がYouTubeにあったので、載せておこう。
14分のアニメーション、是非ともご覧あれ!

他には、絵本や風刺画もあったよ。
ヤン・レニツァの活動が総合的に理解できる展示数の多さに感謝だね。
販売されていたポスターをROCKHURRAHが買ってくれて、ホクホクしながら帰路につく。
ポーランド派のヤン・レニツァの作品をROCKHURRAH RECORDS事務所に飾るのが楽しみだよ!

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